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国立大学独立行政法人化の諸問題

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■最新情報: 全大教近畿首都圏ネット大学改革情報官公庁新着情報Daily ED-eyes
■資料: 国立大学「独立」行政法人化問題資料集Yashiro氏国立大学法人法案の行方最終報告「新しい国立大学法人像について」文科省提供(H14)その他
■声明等:諸声明重要文書推薦文書白川英樹議員発言集
■関連ページ: 総合科学技術会議問題大学評価機構問題法科大学院問題教員養成政策問題個人情報保護法案の諸問題マスメディアの諸問題
■ログ:2003年2002年|2001(重要事項,お知らせ)|1999-2000(簡約版)
■関連サイト:個人団体Yahoo 「大学問題」北大ネットパブリックコメント2001.102000北大電子アンケート結果2002北大電子アンケート中間報告) | 国立大学の独立行政法人化を憂慮し、名古屋大学のあり方を考える有志の会サイト 渡辺勇一氏地域貢献と大学のありかた「学生への国立大学独法化についての講義 」
■行政サイト: 文部科学省(国立大学協会) |内閣府総合規制改革会議総合科学技術会議[諸問題]|経済財政諮問会議総務省独立行政法人評価委員会)|国会
■サイト紹介: 横浜市立大学を考える市民の会鹿児島経済大学三教授を支援する全国連絡会環境行政改革フォーラム大学受験資格についての国立大学教員声明My News Japan 成果主義の諸問題メディアの辺境地帯日経表現の自由侵害訴訟日本ジャーナリスト会議

国立学校制度を廃止する国立大学法人法等が2003年7月9日の参議院本会議で、投 票総数232:賛成131反対101により可決され成立しました。衆参両院 とも審議が核心に到らないままの強行採決でした。文教科学委員会でも、質問 への答弁がない事項を残したまま大野つや子委員長の職権により強行採決が行 われました。同委員会における23項目の付帯決議は、欠陥法案と認識しなが ら行政の言うがままに法案を強行採決で通した与党の科を軽減するものではな く、むしろ、立法府の専門委員会としての使命遂行を軽視した与党の科を歴史 的に証言したものになっています。

法案成立にいたるまでの4年間の検討過程でも、政・官・産の意思は十二分に反映され ましたが、国民の意思も、教育研究の現場の意思も、真剣に問われたことはな く、多くのパブリックコメント も棚ざらし同様に放置されました。主要メディア(NHK・読売・朝日・毎日) は、国立大学法人法案の国会審議が紛糾していたことを最後まで国民に伝えませんでした。こ のように、国立学校制度の所有者である国民のインフォームドコンセントがない まま、国立学校制度を廃止し全国立学校を政府の受託会社に格下げする手術の断行が 決定されたことは、日本の将来にとって憂うべきことです。

管理者は、「独立行政法人化は既定事実」という大学の雰囲気に疑問を持ち、 また、「独立法人化で大学の自由度が増す」という政府広報を繰り返すメディ アの情報操作に抗し、蟐螂の斧のようなページを作り維持してきましたが、 国立大学の独立行政法人化が国会で決まり、このページの使命は終了しました。 しかし、インターネットによる多様な情報交換の手段が、個々の大学を 越えたボトムアップな情報機構を大学社会に形成し得ることがわかったように思います。 大手メディアが支配する情報構造を通して常時おこなわれている多様な情報操作 を無効とする情報システムが、これを契機として生長していきますように。

2003.7.10

国立大学を独立行政法人化する方針が密室で「決まっ た」のは4年前です。

独立行政法人制度は「小さい政府」を目指す行財 政改革の中で、国家機関外部化の過渡形態として設計されたもので、3〜5年 毎に各独立行政法人の存続・民営化・廃止を主務省総務省 が判断することになっています。定型業務を担う国家機関を想定して設計 された独立行政法人制度を大学に適用することについては関係者の多くが疑念 を持ち、旧文部省は2000年7月に調査検討会議を設け60名の「協力者」と共に、大学向けに独立行政 法人制度を修正することを検討し、同会議は2002年3月に、国立大学法人 制度設計の大枠を示す最終報告をまとめ ました。国立大学関係者の主要な要求をことごとく退けた報告を、 国大協は同年4月19日の臨時総会において異例の強行採決で了承し、それを受け文部科学省は2004年4月法人化を目指して準備を進 め、2003年2月28日に国立大学法人法案が閣議決定されました。4月3 日から始まった国会審議では多くの問題点が指摘され、また、国立大学関係者 から多くの反対の声が上り、会期末までに成立しませんでした。しかし、イラク 派兵のための会期延長があり、7月9日に成立したことは冒頭に述べた通りで す。

国立大学法人法によれば、国立大学法人と独立行政法人との違いは微小 に留まる一方、学外理事を含む少人数の役員会を最高意思決定機関とするトッ プダウンの経営体制を義務付け、さらに学外者を過半数含む経営協議会を経営 に関する審議機関としました。また、国が国立大学法人を設立し、国立 大学法人が国立大学を設置することとなり、さらに、全教職員が非公務員化と なりましたので、学校法人との違いは、政府補助金が最初は多いこと、政府に よる徹底した管理と学外者経営により大学自治が抹消されることの2点だけと 言えます。

国立大学法人発足時は国が現状のまま 歳費の6割程度は出資すると予想されますが、それ以外の点では、企業 会計原則の導入や企業に近い経営形態にとどまらず、債券の発行も可能になる など、非営利法人である学校法人を越えて、営利大学に近いものとなっています。

国立大学が、国立大学法人が設置する大学となり、「評価」に基づく改廃や予算額の増減が制度化されて経営基盤が不安定になるため、役員会は、企業からの寄付講座や資金援 助を受け入れるために、また、志願者を確保するために、即効的成果が確実に 期待できる研究活動や、人目を引く派手な教育活動を最優先することを余儀な くされます。こうして、学長も構成員も、真に創造的な経営・教育・研究活動 の持つリスクをとることは困難 となり、確実に成果が上る活動が大学全体を覆い尽すことを避けることは困難 となります。サバイバル的競争的環境で活性化する活動は、創造的活動ではなくロビー活動や学内での政治的闘争であり、そこでの「勝者」に必要な要素は抜け目なさと体力ですが、それは創造力とは無関係な要素であることを否定する人はいないでしょう。こ れでは、日本が知的社会となる道 は塞がれたも同然です。

独立行政法人化により、政 府による大学の直接的コントロール強化や財界・産業界からの「使途限定 出資」への依存度増大がもたらす教育・研究活動の「寡占化」・矮小化のデメ リットよりは、大学教職員に意識改革をもたらすことのメリットの方が大きい、 という考えが政治家・官僚・企業人・ジャーナリストの一部に見受けられまし た。現在の国立大学は多くの問題を抱えていますが、それは、職員の失職・降格へ の不安をかりたてたり、高い報酬への欲望を募らせることによる「意識改革」 で解決できるような種類の問題ではありません。そのような、人の尊厳をない がしろにする手段は、問題を悪化させるものでしかありません。教育や研究など の創造的な精神活動を支えているものに関心がない人達が行ってしまった 外科手術の結果は悲惨なものとなるでしょう。

現在の国策に近い分野の人達も含め、ほとんどの大学関係者は、国立大学法人化によ り大学の基本的機能が損われるだけでなく、本当に必要な大学改 革への道が閉ざされることを再三再四警告してきました。警告 が国民の耳には届かず、国立大学法人法が成立したことは、日本のために 悔やまれます。


国立大学法人法案に反対する意見広告の会 第4次(7/1) 第3次(6/10)
国立大学レファレンダム投票所
国立大学協会への共同意見書
独法化阻止全国ネット: 国立大学法人法案についての見解2003.3.10
大学改革を考えるアピール:ホームページ 第二次アピール(6/6) |賛同者: (6/17)4848
首都圏ネット 天下の悪法=国立大学法人法案廃案のためにさらに行動を拡げよう(6/18)
■交流連絡会:全ての国立大学長に、改めて訴える
■国公私立大学通信(趣旨目次7月11日(金)7月10日(木)7月9日(水)7月8日(火)号外7月8日(火)7月7日(月) |7月6日(日)(号外1号外2 ) |7月5日(土)7月4日(金)7月3日(木)7月1日(火)a7月1日(火)6月29日(日)6月28日(土)6月27日(金)6月26日(木)

関連文書・資料(ログ )

  • The Japan Association of National Universities--- An Irony of Contemporary Japanese History
    From "Handout for an International Conference"
    by Coalition of Organizations and Individuals Against the Bill of National University Corporations June 2003

  • 東大駒場キャンパスでの豊島耕一氏のスピーチ記録 (2003-05-15)
    大学の教育・研究を文科省の「許認可事項」にしてはならない
    憲法・教基法の効力が試される国立大独法化問題

  • 小沢弘明氏講演録「国立大学法人化法案を巡る状況と今後の運動の方向について」 (2003-02-21)

  • 教育環境研究所:多競争時代の中の大学と受験産業

  • 藤田 整(大阪経済法科大学学長)「大学に卒業は無用」

  • 大井 玄(国立環境研究所)・大塚 柳太郎(東京大学)2000.7
    ニュ−ジ−ランドの行政改革と高等教育および科学研究への影響予備調査報告」

  • 皆村武一「国立学校特別会計制度と大学運営―国立大学の独立行政法人化の問題点―」

  • 中嶋哲彦「国立大学独立行政法人化の問題」2000.4

  • ユネスコ「21世紀の高等教育に向けての世界宣言:展望と行動 (1998) 」

  • その他(論説コラム

  • 2000.11 辻内鏡人
    打ち上げ花火ではなく地道な改革をしないと大学は本当にだめになると思います。株式相場のようにめまぐるしく変わる市場の原理を学問・教育の論理に何の疑いもなく当てはめようとする学長(あるいはもっと上の政治勢力)のために、大学は窒息死寸前のように見えます。...足下を見ない「改革」のつけがどのような形でやってくるのか、恐ろしい限りです。
    1998 川人 博著「過労自殺」
    いま、私たちに一番求められているのは、競争によって活路を見出すことではなく、国際的にも国内的にも過剰な競争に必要な規制をおこなって、荒々しい市場競争に歯止めをかけることではないだろうか。そして、もっと時間と心のゆとりをもって、国内の社会政策、地球規模での社会政策のあり方を考え、軌道を修正していくことではないだろうか。
    岩波新書1998 p208
    2000.1 エリ・ヴィーゼル「ふたつの世界大戦を超えて」
    愛の対極にあるのは憎しみではない。無関心である。美の対極にあるのは醜さではない。無関心である。知の対極にあるのは無知ではない。それもまた無関心である。平和の対極にあるのは戦争ではない。無関心である。生の対極にあるのは死ではない。無関心、生と死に対する無関心である。
    文芸春秋2000年1月号p214-217

    統計access statistics(1999.11.22-2002.4.15)[1,928,608 successful requests from 188,940 distinct hosts. 296116 visits to this page]