==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
大学憲章 [hu-net:004] より転載
北大構成員の皆様

 大学の独立行政法人化が問題になっていますが、大学の設置形態のいかんに関わら
ず大学に保証されなければならない権利と大学が守らなければならない義務を考えて
、大学憲章としてリストアップしてみませんか。私は以下のようなことを考えました
。(なお、東大でも大学憲章を作ったと言う話がありますが、どなたか情報をお持ち
ですか。お知らせ下さい。)御意見をお聞かせ下さい。私は法律については素人なの
で、はじを忍んでこのようなものをお送りします。法学部の先生、御協力下さい。

獣医学研究科 藤田正一
(cf. (1999.11.10)「国立大学の独立行政法人化と教育の将来(私見)」)

大学憲章

 大学とは、個人の尊厳を重んじ、真理と世界の平和を希求する人間の育成を期する とともに、普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を行う高等教育機 関である。 明治初期に我が国に学校教育の制度が導入された時、西欧の大学におい て培われて来た学問の自由、学の独立、大学の自治等の概念も紹介された(ことは福 沢諭吉や大隈重信の著述等から想像に難く無い)が、我が国の政権に支持されるには 至らず、政権によって教育が支配され、国家主義教育が大学をはじめ初等中等教育を も支配し、我が国を戦争へと導いてしまった苦い経験に鑑み、再びこのようなことを くり返すことの無いよう、そして、大学の崇高な目的を達成するために、大学に不可 欠な以下の諸条項をここに記すことにする。 「教育研究の目的」 第1条 大学における教育研究は世界の平和と人類および地球上の生命の福祉に資す るもので無くてはならない。 「教育と研究」 第2条 大学はその時代の最新の知識を教授し、考える力を育成し、文化の創造と発 展に寄与する場である。この目的遂行のためには、大学が先端的研究の場であり、教 員はその研究の遂行者でもあることが必要である。 「教育の中立」 第3条 国立大学は、特定の政党あるいは宗教を支持し、またはこれに反対するため の政治あるいは宗教教育その他、政治的、宗教的活動をしてはならない。なお、この 条文は特定の政治あるいは宗教団体に関する事柄を研究対象とすることを禁ずるもの では無い。 「学問の自由」 第4条 大学における学問の自由、真理探究の自由の権利は、日本国憲法第23条に よって、保証されなければならない。 「学の独立」 第5条 大学における教育は、大学の良心に基づき国民全体に対し直接に責任を負っ て行われるべきものであり、何人も(行政と言えども)これを不当な支配のもとに置 くことは出来ない。教育基本法第10条に規定されている所は大学教育にも適用され、 遵守されるべきものである。 「大学の自治」 第6条 学問の自由と学の独立を担保するためには、大学の自治が保証されなければ ならない。学長をはじめとする教員人事の自主選考権、大学の管理運営権、大学の理 念、目標、計画の自主決定権は大学構成員に帰属するものとする。 「大学人の義務」 第7条 前三条に規定した「学問の自由」、「学の独立」、「大学の自治」の学問に おける三権は、国家と大学、あるいは、権力と学問の関係の長い歴史の教訓の中から 生まれた、大学が有すべき基本的な権利であり、義務でもある。この三権がおかされ ようとする時、大学人は全力を斗してこれを阻止しなければならない。
〒060 札幌市北区北18条西9丁目 (fujita@vetmed.hokudai.ac.jp) 北海道大学大学院獣医学研究科環境獣医科学講座 毒性学教室 教授 藤田正一 TEL: 011-706-6948 FAX: 011-717-7569