==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
共同通信の速報によるなら、 高等教育研究グループの案は「国立大学法人法」の制定ではなく、 通則法プラス特例法で、名称は「国立大学法人」とする という性格のものです。
国立大学の法人化の在り方を検討している自民党の教育改革実施本部高等教 育研究グループ(座長・麻生太郎元経企庁長官)の原案が六日、明らかになっ た。国立大学を独立行政法人とする政府の方針を見直し、独自の「国立大学法 人」とすることを打ち出している。 日本が「科学技術創造立国」「教育立国」を目指し、科学技術の進展をリー ドする人材を輩出していくためには、公務員の定員削減などスリム化を狙う国 の独立行政法人化を、国立大学にそのまま適用することは不可能と判断。「国 立大学法人」としての独自の地位を与え、独立行政法人通則法を修正した特例 法に基づくべきだとしている。 このほか、経営強化のため、経営担当の学長補佐機関の設置などの検討を求 めている。今月末までに意見書をまとめる。 文部省は二○○○年度の早い時期に、自民党案も参考に国立大の法人化の内 容をまとめ、関係省庁や行政改革推進本部などとの調整を進める。ただ、国立 大だけに独立行政法人と異なる法人格が認められるか、今後、政府や党などで 論議を呼びそうだ。 原案は「大臣が各大学に目標を示したり、学長を任命・解任するシステムは 国と大学の関係として不適切」と指摘、「文部科学省に置かれる評価委員会が 業績評価を適正に行えるのか」と、疑問を投げ掛けた。 さらに国立大を法人化する場合(1)各大学の意見を尊重して中期目標を作 成する(2)学長・教員人事は各大学の主体性にゆだねる(3)教育研究の業 績評価は専門の第三者評価機関が行う―など、自由な運営を保障する特例法を 求めている。 独立行政法人には当面、国から運営費が交付されるが、中期目標に達してい ないと判断された場合、減らされる恐れもある。しかし、国立大には基礎科学 や哲学など経済的効果で測りきれない学問分野もあるため、それだけで切り捨 てられることがないよう配慮すべきだとした。 さらに、法人化が国の財政支出の削減を意味するものであってはならないと して、現在、国の予算に占める割合が欧米諸国の半分にも満たない日本の運営 費を拡充するよう求めている。 文部省は昨年九月、人事や研究・教育に対する評価での自治の尊重など、大 学の特殊事情に配慮した特例措置を個別法に盛り込む必要性を指摘した「検討 の方向」を国立大学側に提示していた。国立大学法人原案ポイント
自民党の教育改革実施本部高等教育研究グループがまとめた「国立大学法人」 に関する原案のポイントは次の通り。 一、大臣が学長を任命・解任するシステムは諸外国にも例がなく不適切。 一、国立大学を法人化する場合の法人名称は「国立大学法人」が考えられる。 一、各大学の自由な運営が保障されるよう以下の点に留意し、独立行政法人 通則法に修正を加えた特例法に基づいて移行する。(1)教員人事は各大学の 主体性にゆだねる(2)教育研究に関する業績は専門の第三者評価機関による 評価にゆだねる(3)企業会計原則を適用する場合は、大学の特性を踏まえる― など。 一、法人化した国立大学の経営を強化するため(1)経営担当の学長補佐機 関を置く(2)学長に大学運営に見識を有する適任者が選ばれるよう選任の在 り方を見直す(3)経営担当副学長を置き適任者を学内外から募る。 一、法人化後の国立大学に第三者評価機関による評価を義務付け。大学自ら 活動の実態を積極的に公表。大学運営諮問会議の機能を充実強化する。 一、国立大学で教員に対し任期制を導入。優秀と認められた教員に対しては 任期の付かない在職権が付与されるような教員人事にする。 一、高等教育・学術研究への公的投資を欧米水準並みに拡充。税制面で民間 からの寄付金の支出が促進されるようにする。 一、国立学校特別会計の借入金返済や国立大学の施設整備を円滑に進める仕 組みを設ける。