==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
朝日新聞全面広告

朝日新聞全面広告

全大教(全国大学高専教職員組合)は朝日新聞全面広告を出した。北海道版では3月16日朝刊に掲載された。

「国立大学の嘆きと苦悩」

考えること、悩むこと。迷う苦しみ、名案にたどり着く喜び。これは人間だけに許された特権です。すぐに結果が出なくてもよい、考え抜いた足どりがすばらしいのだ。これも人間だけの知恵のはず。しかし、そんな「考える過程」よりも「お金に換算できる成果」だけが求められるとしたら−−?

今、大学に、効率化と市場原理を柱とする「改革」の波が押し寄せています。そこでは、研究も教育も大学経営も、お金に換算できる成果だけが判断基準。ところが、文学や哲学にかぎらず、大学で教育研究する学問は、短い間に利益を上げられる方が、むしろ例外です。だから、多くの欧米諸国では、利益追求にかたよらず、受益者負担を押しつけることなく、公費で教育研究活動を支えているのです。ところが、この日本では、高等教育と学問研究に対する公的な支出の割合が低迷を続けています。逆に学生と家族が負担する学費は高騰しています。それはまるで、授業料負担という現実の前に、未来のシェークスピア・明日のショーペンハウエルに無限の夢を断念せよ、と命ずるかのようです。

私たち大学教職員は、今という時代の難問に立ち向かう専門家集団です。すぐには答えの出ない問題を、じっくり研究する。安い学費で、すぐれた教育を行う。教育研究の成果を、広く人類社会に提供する−−国立大学の存在意義はここにある、と考えています。

私たちは「もうかる研究」や「もうけにつながる教育」だけを重視する、国立大学の「独立行政法人」化に反対します。その影響は、高等教育・学術研究に、取り返しのつかない損失をもたらします。学びたい人が、希望にあふれる未来をめざして、ともに自由に学ぶことができる大学。これが私たちの目指す21世紀の大学です。


このメッセージの下に「私たちは国立大学の独立行政法人化に反対します」と書かれ、全国の大学の教職員約2500名の氏名が記載されている。