私たちは、本日、「大学の教育と研究を考える京都連絡会」「国立病院の雇用と権
利、国民医療を守る共闘会議」「京都国家公務員労働組合共闘会議」の3者の主催で
「国民の医療、教育、行政サービスを考えるつどい」を開催しました。本集会では
「行政改革」の名の下に行われている、国立大学や国立病院・療養所の独立行政法人
化、国家公務員の25%削減などが、国民の権利や生活を切り捨てるものであること
をあらためて確認し、国民本位の行財政、司法、医療、教育の実現をめざすことを誓
いあいました。
「政・官・財の癒着を断ち切ってほしい」「ムダな公共工事をやめ、税金を国民の
ために使ってほしい」「天下りを規制してほしい」というのが私たち国民の願う行政
改革であったはずです。
しかし、政府はそういった国民の声に背をむけ、財政再建の一環として「小さな政
府=行政スリム化」を提唱し、中央省庁の再編、公務員の大幅削減、独立行政法人制
度の創設などを中心とした行政改革を進めてきました。
その内容は、許認可数2532件、職員7万人、予算は公共事業費の8割にあたる
7兆2千億円を擁する、国土交通省という巨大な利権官庁を生み出す一方で、現行憲
法にうたわれている「健康で文化的な生活する権利」と、基本的人権と位置づけられ
た勤労権や職業選択の自由などを、それぞれ保障するために分離独立した厚生省と労
働省を統合する中央省庁再編は、およそ国民の願いとはかけ離れていると言わざるを
得ません。
また、「行政改革」の目玉として位置づけられた独立行政法人制度には、「自立的
・自主的な行政運営が可能」になるとして、国立病院・療養所や試験・研究機関、国
立大学などがその対象にあげられ、独立行政法人化にむけた準備・議論が進められて
います。この制度は、そもそも、国家公務員の25%定員削減をはじめとした「行政
スリム化」のための手段であり、その対象は「国が直接執行する必要のないもの」と
されています。そのことをふまえるなら、独立行政法人化によって、医療や教育と
いった本来国が果たすべき責任が放棄され、ひいては「自立的・自主的な運営」を理
由に採算性・効率性が優先されることによって、行政サービスの低下、受益者負担の
増大につながることは明らかです。さらに、一方で「自己責任原則」の名の下にさま
ざまな分野での規制緩和がおしすすめられていることからすれば、気象事業や年金・
社会保障、登記や職業紹介などの業務も独立行政法人化され、国民の生活や権利が
いっそう切り捨てられる危険性をもっています。
政府は、国家公務員の数は先進諸国と比べても少ないことを認めておきながら「む
こう10年間で25%の国家公務員削減」を進めようとしています。現在、社会構造
の変化や国民の権利意識の変化などにより、国民の行政に対する期待がますます高
まっているにも関わらず、教育や医療、環境や安全の確保、財産や権利の擁護など国
民生活に密接に関連した行政分野が削減の中心になっています。
私たちは、政府のこうした動きを許す訳にはいきません。いま本当に必要なのは、
首相自らが「世界一の借金王」と自嘲したような財政状況に陥った原因でもある「社
会保障に20兆円、公共事業に50兆円」といった逆立ちした税金の使い方をあらた
めさせること、また、「自己責任原則」の名の下にすべてを市場原理に委ねるのでは
なく、憲法で保障された国民の権利を保障するためのルールや体制をつくることで
す。
本日の「つどい」に参加されたみなさん!
いまこそ国民犠牲の「行政改革」を許さず、国民が主人公の21世紀、国民本位の
行財政・司法・医療・教育を求める世論を実現しようではありませんか。
2000年4月11日
国民の医療、教育、行政サービスを考えるつどい
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