==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
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5月26日記者会見 国大協会長発言メモ
5月26日記者会見
国大協会長発言メモ
本日の文部大臣の説明についての国立大学協会の公式の反応は、総会
が開かれていない以上、現状では申し上げることはできません。しかし、
国大協におけるこれまでの議論や、これまでに発表された公式の見解な
どから、会長として発言することが許されると判断できるかぎりのこと
を、ここで申し上げようと思います。わたくしがその枠を踏み外しそう
になった場合は、ご列席のお二人の副会長、ならびに第一常置委員会委
員長に正していただけるものとおもいます。
まず、国立大学の設置形態に関して、国立大学協会は、すでに法制化
されている独行行政法人通則法を、現在の国立大学に「そのままの形で
適用することはきわめて困難である」という視点からこれに反対してま
いりました。その姿勢は、本日の中曽根文部大臣のお話をうかがった後
も、なお堅持されております。
ところで、皆様もご記憶の通り、国立大学協会は、昨年九月七日に、
第一常置委員会の「中間報告」として、かりに国立大学が法人格を持つ
とするなら、最低限どのような条件が必要となるかを、詳細にまとめて
公表しております。「独立行政法人通則法をそのままの形で適用するこ
とはきわめて困難である」という言葉は、すでに「中間報告」に書かれ
ていたものであります。しかし、その後、九月二〇日の内閣改造の直前
に文部省が発表した「検討の方向」は、あまりにも不確定な要素が多く、
「中間報告」で提起した肝心の問題には充分に答えてはいないと判断せ
ざるをえませんでした。
例えば、国立大学協会は、高等教育機関としての特性に鑑み、大学に
は「特例法」の制定を必須のものとみなし、それを「国立大学法人法」
とすべきであると主張したのであります。しかし、文部省の「検討の方
向」には、それに対する詳細な言及は含まれておりませんでした。また、
「中間報告」では、高等教育に対する国家の投資が先進諸国の中でもき
わだって低い現状の改善を求めてまいりましたが、文部省の「検討の方
向」には、それに対する言及もまったく含まれておりませんでした。し
たがって、国立大学協会は、「検討の方向」にたいする公式の見解は発
表しておりません。わたくしたちの真摯な問題提起に対して、十分な配
慮がなされていないと判断されたからであります。
こうして、われわれが投げたボールは、これという反応もないまま、
文部省のもとにとどまり続けたのであります。国立大学協会は、この文
部省の沈黙を、本来なら高等教育政策の問題として検討すべき問題を、
教育行政の水準でのみ処理しようとする姿勢からくるものと解釈し、そ
の姿勢の変更を各方面に訴えてまいりました。
国立大学協会の会長としての私は、今日の文部省の説明を、平成十一
年九月七日の第一常置委員会の「中間報告」に対する文部省の公式の態
度表明とうけとめております。事実、昨年九月七日の国立大学の見解に
問題提起として盛り込まれており、九月二〇日の文部省の「検討の方向」
にはまったく触れられていなかった点について、例えば、「調整法(ま
たは特例法)」、あるいは「国立大学法人」という言葉で、文部大臣は
初めて言及されているからであります。その意味で一定の評価を示しう
るものと私自身は考えておりますが、国立大学協会が、今日の文部大臣
の説明を受けて、文部省と同じテーブルについて検討を始めるか否かは、
近く予定されております総会を待たねばなりません。
国立大学協会の「中間報告」に対して、文部省が今日まで沈黙をまも
らざるをえなかったことには、多くの事情が介在したにちがいなく、そ
れに対しては、一定の理解を示すにやぶさかではありません。しかし、
昨年の九月二十日の「検討の方向」に、私たちの問題提起に対する反応
が含まれていなかったことを、私はきわめて遺憾に思います。
最後に、文部大臣の説明に触れつつ、一つの提案を行いたいと思いま
す。これは、あくまで私個人のものでありますが、それは、「我が国の
高等教育や学術研究の在るべき姿を長期的な視点から展望」する目的で、
「国全体の視点から議論しうるような場を設けることを考えていきたい」
と述べておられることにかかわります。この言葉は、高等教育行政から
高等教育政策への転換を主張していた国立大学協会の見解とも明らかに
一致いたします。これは、国立大学協会でも、非公式ながら「高等教育
評議会」素案として検討したことのある問題であり、私個人としては、
これが、科学技術基本計画に対応する学術文化基本計画として策定する
ことを前提とした議論の場となることを強く訴えたいと思います。