==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
From: "Asai, T."
Date: Mon, 29 May 2000 13:53:45 +0900
reform@ed.niigata-u.ac.jp
Subject: 事態は変わったか
辻下さま 29 may 00 / t.a.
南の方は早くも梅雨近しと思わせる蒸し暑さです。加えて、
26日以後の豪雨のようなニュース攻勢、まるで独行法化本決まりのような。
しかし今朝の辻下さんのメッセージ[02828]に激励されました。同感です。
鬱々とした気分が去る、ほどでもありませんが、再読、反芻しています。
わたしも、昼休みに、きのうから渦巻いてるボヤキを少し出してみました。
幾分あつさぼけ気味ですが、気持はいつもの通り、辻下さんへのエールです。
最近は情報を十分フォローしてません。誤解のあるときはご指摘下さい。
失礼の段、おゆるしください。
事態は変わったか
それが独立行政法人化の正式表明でありその説明であるという5月26日の
国立大学学長会議文部大臣説明を一読し、怪訝な思いにかられたのは私だけで
はなさそうだ。昨秋9月20日の前文部大臣あいさつと比べるとき、繰り返し
どころか仕切り直しの感がする。この間に主として大学側から幾度となく発せ
られた数多の危惧と懸念に対しては勿論のこと「検討の方向」として自ら設定
した問題点についても、その解決の見通し等について何ら述べられていない。
新たに「調査検討会議」なる場が設けられ、あたかも白紙の状態で法人化問題
の検討を開始するかのごとくだ。しかしむろん事態はそうではない。今回の文
部省の方針表明が先の自民党提言を受けての結果であることは周知の事実だ。
この八ヶ月間に文部省は政府・自民党と熾烈といわれる調整努力をしてきたは
ずだし、その「成果」が自民党提言ではなかったのか。今回はその当否を含め
て文部省側から成果の説明あるいは見解が表明されるべきではなかったのか。
大学の自治を無に帰して大学の淘汰廃合を強調する、あのあからさまな提言は
隠蔽されたのであろうか。それともあの政党提言は文部省から二度三度と各国
立大学へ流されて周知徹底ご了解済みだ、とでもいうのであろうか。
もう一つ奇異なのは伝えられる国大協会長の転進?である。蓮実会長が「一
定の評価ができる。話し合いのテーブルにつく用意はある」と好意的にとらえ
た云々、とは一体どの部分によってであろうか。調整法あるいは「特例法」に
よる対応を含めた検討、といった実体不明の個所を指すのであろうか。態度の
変更は何ゆえであろうか。まさか自民党提言の背景をなす憲法・教育基本法の
精神を破壊せんとする「政策」を諒とされたわけでもありますまい。蓮実会長
は年明け後も一貫して先頭に立って独立行政法人化の非を主張してこられた。
その主張は自民党提言に十分に影響反映されたとご判断されるのであろうか。
各機関、各段階での意思決定に関わる情報は、果たして十分に公開されてい
るのであろうか。国民に対する説明責任とは、このようなときこそ喚起される
べき言葉であろう。文部省が「5月26日大臣説明はアレデ行コウ」と判断
し、伝えられる通りとすれば国大協会長もまた「前進した。コレデ行コウ」と
する理由が、私の愚鈍のせいか、まるでわからない。とてもその体裁をとらぬ
ものが「正式表明」と伝えられ、法案にもならぬものが「踏み切った」「競争
と淘汰の時代に入った」などど、既成事実化されていこうとしている。この
先、教授会、評議会、国大協、さまざまなレベルで厳しい議論が展開し、困難
な選択が迫られるであろう。その度に「事態は変わった」という恫喝が繰り返
されるかも知れない。しかし、議論を経た明解な意思決定というものは未だど
こでもなされていない。5月26日説明を逆手にとれば、話はふりだしに戻っ
た。実は、何も決まっていない。指摘される通則法の問題点は残ったままであ
る。国立大学の独立行政法人化の危険性について、われわれはそれぞれのレベ
ルで責任をもって、変わらぬ態度で、懸念と危惧を発しつづけねばならない。