==> 国立大学独立行政法人化の諸問題

6月国立大学協会総会の合意事項に関する要望書


2000年6月19日

国立大学協会会長 
蓮實重彦殿

独立行政法人化問題に関する以下の要望書を、国立大学協会の会則第28条に従っ
て、文書で提出させていただきます。

辻下 徹

北海道大学  大学院理学研究科 数学専攻
〒060-0810 札幌市北区北10条西8丁目
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/tjst/

6月国立大学協会総会の合意事項に関する要望書

6月14日の記者会見で、会長は総会における合意事項4点を公表されましたが、第3点〔調査検討会議へ国立大学協会として積極的に参加する)については多くの誤解があって学内外で混乱が生じています。

たとえば、東京新聞は、6月15日に「事実上の法人化宣言」と報道しました。しかしながら、14日の記者会見の内容を見ると、会長はそれを明確に否定する御発言をしておられ、理想的な独立行政法人化や理想的な法人化となれば受け入れる、という合意を得たわけではないと述べられると共に、「最終的にまったく理想的な形態がそこに 成立しなければその後新たな問題が起こるだろうというふうに考えます」とまで述べられています。これは、極端な場合には国立大学制度に留まることも可能性として残っているように解釈できます。

しかし、国立大学協会として調査検討会議に積極的に参加することにより、当該会議の結論に国立大学全体が縛られることになるのは常識的に当然のことであると思います。上の会長のご発言は、そうではないことを主張されていると思いますので、いずれが真意であるかを対外的に文書で明確にされると共に、当該会議の結論を待って最終的に国立大学協会としてその是非を吟味するという点を明確にして頂きたく思い、以下のことをお願い致します。

東京新聞に正式に抗議することにより、次の2点を明確にしてください。

(1)調査検討会議への国立大学協会としての参加は、当該会議の結論に全国立大学が縛られることを含意しない、
(2)最終的な調査検討会議案が出た時点で、最終案を各大学に持ち帰って議論・吟味を行い国立大学構成員の総意に基づき受け入れるかどうかを判断する。

(2)について総会での議論が必要であれば、臨時総会を開催して決めてください。(2)のステップを省くことは、日本社会における知のリーダーとしての国立大学の矜持を捨てることになると懸念しております。