==> 国立大学独立行政法人化の諸問題

全医労(全日本国立医療労働組合)アンケート


全医労(全日本国立医療労働組合)アンケート

2000年6月19日

 

総選挙にあたり取り組んだ各政党への政策アンケート結果について

守る会全国連絡会

森新政権の成立という急展開の中で、総選挙は、6月25日実施されます。今回の総選挙は国立病院・療養所の今後のあり方にも、重大な影響を及ぼす選挙です。
 私たちは、各地で立候補予定候補者への政策アンケート実施を呼びかけるとともに、全政党へ政策アンケートをお願いして参りました。
 現在までに、回答が寄せられた政党からの回答内容を掲載します。(自民・公明・保守の各党からは回答なし)  なお、質問項目は、次の3項目。

【質問事項1】

 いま、政府・厚生省は、国立病院・療養所の再編成「全体計画」を進め、全国で統廃合・移譲をすすめています。今後の国立医療機関の存続・拡充、果たすべき役割について、どのようにお考えでしょうか。

【質問事項2】

 政府は、上記の再編成「全体計画」を進めた後、国立病院・療養所のセンター病院、ハンセン病施設を除き、2004年度に独立行政法人化する計画を進めています。 国立病院・療養所の独立行政法人化について、どのような見解をお持ちでしょうか。

【質問事項3】

 相次ぐ医療事故の発生が、社会的に大きな問題になっています。

 その背景には、少ない看護婦配置人員や長時間夜勤、過密労働の実態があると考えます。どのような政策・対策をお考えでしょうか。


民主党

         政策医療を行うべき

【1】国で行う医療機関の役割については、基本的に政策医療を行うものと
位置付けるべきだと考えます(センター病院や、へき地あるいは過疎地の多機
能病院など)。

         独立行政法人化をはかるべき

【2】 国の医療機関として政策医療を行うもののほかは、原則、独立行政法
人化や自治体への移譲、民営化をはかるべきだと考えます。

         政府全体で、法整備も含め検討

【3】 医療事故の背景には、組織や医療提供システムなどの問題があること
から、個々の医療機関のみならず政府全体での取り組みが必要と考えます。ま
た、例えば「医療事故調査委員会(仮称)」のような第三者機関を設置し、原
因調査を行い再発防止に活かすことや、事故報告を病院に義務付けるなど、法
整備も含めた検討に取り組みます。

一流病院における態様の違う事故の多発には共通する背景があります。つまり、
欧米の病院に比べ30年は遅れている患者1人あたりの医師・看護婦等職員の
配置基準の低さを改善しなければなりません。民主党は、急性期医療を行う病
院の数を絞り、そこに職員を集中する必要があると考えます


日本共産党 

         国の責任放棄であり反対 【1】国立病院・療養所の統廃合・移譲は、国の医療責任を放棄し、地域住民 に対する医療サービスを切り捨てるものであり、日本共産党は反対してきまし た。国立病院は、地域の中核的な医療機関としての重要な役割とともに、高度 医療機関としての研究機能や専門医療の提供を通じて、国民医療の向上に貢献 する役割をはたすことがもとめられています。          独立行政法人化にも当然反対 【2】独立行政法人化は、行政サービスについての国の役割と責任を事実上放 棄し、効率性・採算性優先の「評価」によってサービスの後退と労働強化をお しつけ、民営化や組織自体の廃止にも道をひらくものです。  日本共産党は、独立行政法人関係法案に反対しました。国立病院・療養所の 独立行政法人化にも当然反対です。          看護婦の配置基準を改善 【3】医療・看護事故の相次ぐ発生の背景の一つには、日本の看護婦配置基準 が、欧米諸国と比較してもきわめて少ないことがあります。特に、国立病院の 二交代制の導入のように少ない人数での夜間の長時間勤務は、安心できる医療 という点からも看護婦の健康にとっても、緊急の改善が必要です。  日本共産党は、看護婦配置基準を、「患者2人に1人」を最低の基準とする など抜本的改善を提案しています。  また労働時間の短縮、過密労働の規制、深夜・交代勤務の規制など労働基準 法の抜本的改正を提案しています。

社会民主党 

        採算制ではかれない役割がある 【1】国立医療機関には、採算性でははかれない役割や意義があると考えます。 例えば、高度医療や難病、小児慢性疾患、がん克服などについて、その治療方 法確立や調査・実態把握、患者の療養環境の向上などが、今後の重要な課題と なります。こうした課題をはじめ、営利ではない、国民の総合的な医療保障を 確立する観点から、国立医療機関のあり方についての検討を進めなければなり ません。         労働条件の悪化あってはならない 【2】独立行政法人をはじめとする行政改革は、職員団体との十分な協議・合 意を行い、各方面の十分な理解を得て進めていかねばならないと考えます。い ささかも雇用不安を招来することがないよう雇用問題に万全を期すことが前提 であり、労働条件の悪化があってはなりません。これらについては、国会審議 において社民党のみによって主張され、確認答弁が政府からなされています。         過密労働の解消が急がれる 【3】不十分な配置基準や給与水準が医療業務の円滑な執行を妨げ、サービス 低下につながることは当然です。コメディカルスタッフ等の十分な配置や過密 労働の解消などが急がれます。また、弱い立場に置かれている患者の権利を確 立することも急務です。「患者の権利基本法」を制定して、インフォームド・ コンセント(十分な説明と報告に基づく同意)やカルテ開示などを権利として 保障しなければなりません。

自由党

       総合的な医療制度の改革すすめる 【1】医療施設の体系化の他、国保事業の広域化、薬価・診療報酬制度の見直 し等、総合的な医療制度改革を進める。これらを通じ、老後の生活や病気への 不安を取り除き、高齢者の積極的な社会参加を推進し、働き盛りの人々も安心 して生活できる社会を構築すべき。           基本的には賛成 【2】国立病院・療養所のセンター病院、ハンセン病等を除く独立行政法人化 には、基本的には賛成である。        研修・人員配置のあり方含め検討 【3】医療従事者の研修のあり方や人員配置のあり方を含め、国民健康保険事 業の広域化や、薬価・診療報酬制度の見直し、医療施設の体系化等を通じて、 総合的な医療制度改革を進めるべき。

新社会党

         国が責任持ち運営すべき 【1】本来医療は国が責任を持ち運営すべきものです。国民に対する重要な義 務のひとつです。民営では、不採算部門は切り捨てられ、経営効率を中心に検 討せざるを得ません。都市部の医療、過疎地の医療それぞれに多くの問題が山 積みの中、国立病院は益々重要な位置を占めていかなければならないと考えま す。          独立行政法人化に反対 【2】国民の生存権、基本的人権から考えても、国が責任を持ち、運営すべき で、独立行政法人化に反対します。         診療報酬制度の変更が必要 【3】 指摘通りと考えます。基本的には診療報酬制度が人的体制や時間に関 係なく、物に対する評価になっている点が問題です。人に対する評価に重点を 置き、全職員体制に対して評価する、診療報酬制度そのものの考え方の変更が 必要です。現在の決められた診療報酬で、患者中心医療の追求は医療スタッフ のかなりの努力で維持されています。 3Kといわれる状態では、理想高くもった看護婦さんでも、日常の疲労、結婚、 出産、育児等永く勤務をすることが困難な状態ではないでしょうか。限られた 看護婦さんの人数では、退職、補充の繰り返しで基本的解決はできません。国 が責任を持って、基準看護等の見直し(当然予算も付ける)が必要です。