いま、ジュリストの石井論文をざっとみました。
ひどいですね。主要な部分は独法とまったく変わりません。財務・会計の部
分は略となっていますが、もとの案から大きく変えるつもりはないというこ
とでしょう。大学人の反発の強かった名称を変え、学問の自由と自主性(自
治ではない!)という文言を条文に入れただけです。
却って悪くなっている点もあります。第2条、第3条2などで国際的水準の
研究ということがいわれていますが、これは明らかに評価基準になります。
その水準にいっていない大学をつぶす口実になります。通則法ではそこまで
限定せずぼかしているというか、運用の解釈に任されているというか幅があ
ります。しかし石井案では限定的に明示しています。
中期計画などの手続きに若干の手直しはありますが、実施後の評価を予算に
リンクさせる点などは残っています。
わたしが批判している国立大学だけを公立、私立とは別に特別な組織とする
点はもとのままです。
また大学の自治を否定している点は大きな問題です。大学の自主性の尊重を
いってもそのための保障は何もないのです。
石井氏は政府の審議会の委員などを多く行っており、最近の政策立案の中で
重要な役割を果たしている人物です。そのような人物がどのような意図でま
とめたか、十分検討されるべきです。また実施したらどうなっていくのかシ
ュミレーションが必要でしょう。
大事なことは言葉の有無でなく、全体の基調が変わったかどうかをしっかり
みる必要があると思います。石井氏の案は通則法や自民党のいっている点と
本質的にまったく変わらないと思います。
蔵原清人(工学院大学)