==> 国立大学独立行政法人化の諸問題

総合科学技術会議


Date: Tue, 4 Jul 2000 11:58:12 +0900
From: Yuichi WATANABE
Subject: [reform:02968] 総合科学技術会議
To: reform@ed.niigata-u.ac.jp

reform会員各位:

「前文」
 今回の行革の一つの目玉として、独立行政法人化があげられますが、同時に
もう一つ行政・財界への権力集中という意味で、内閣の機能を強化しつつ
「内閣府」に直接設置される、「総合科学技術会議」(以下総合科技会議)が
もう一つの目玉であることに注意する必要があるでしょう。
 この組織が発案された時に、筆者は財界の政策が容易に貫徹する恐れがあると
発言したのですが、官僚の支配の強さというものは、並大抵のものではない事が
読みとれるようです。財界も必死に発言力を確保しようと巻き返すでしょうが。

 まず、今回は、この会議の設置に至るまでの資料を再掲し、もう一度流れを
振り返ります。そして、最後に最近の政治情報に詳しい、日経記者の
宮崎氏の記事を転用して、「現在」起こっていることをお知らせします。
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目次 1)経団連の経済産業政策(98.11.17)より 抜粋
           2)経団連今井会長の如月会での発言(99.3.25)
   3)経団連くりっぷ No.84 (1998年8月27日)より
          4)New:  BTJ /HEADLINE/NEWS  No 167
                       (Biotechnology Japan) 2000/07/03
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★1) 98.11.17 に出された「経団連」の経済産業政策(抜粋)

  現在、中央省庁等の再編準備が進められており、この機会に 必要な組織体制を
整備することが望まれる。 
    1).総合科学技術会議による産業技術政策の戦略目標の決定
   新しく内閣府に置かれる総合科学技術会議は、
・)国の科学技術政策の基本、
・)科学技術に関する予算、
・)人事等の資源の配分の基本方針等を審議する。
総合科技会議は、産業技術政策の国家的重要性を十分に考慮し、これらの方針等に
おいて、産業技術政策の推進方向を明確にするとともに、科学技術の推進に関する
総合的な計画の中で、産業技術政策の戦略目標の達成等を明確に位置づけるべきで
ある。そのような観点から、総合科技会議は、当然のこととして産官学のバランス
のとれた委員構成とすべきであり、事務局にも産業技術に精通した職員を重点的に
配置する必要がある。また、産業技術政策は経済産業政策においても重要な構成部
分をなすものであり、経済全般の運営の基本方針等を審議する経済財政諮問会議に
おいても検討が行なわれる必要がある。両会議の緊密な連携・協力関係が望
まれる。 
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★2)経団連の今井会長が、財界の集まりである如月会で、述べた発言

(今井会長発言)抜粋
 如月会   1999年3月25日 (木)   於 キャピトル東急ホテル
   自国にとって将来戦略的に重要な産業については、単に企業の自由競争に
任せるのではなく、政府の様々な政策を駆使して、世界市場において「比較優位」
を創り出すことが重要であるとの明確な考えがあります。わが国も、情報通信、
環境、バイオ、新素材・新材料、高度医療等の高度技術集約型事業分野の中から、
特に重点分野を絞り込んで、産官学の持てる資源を投入していくなど、戦略的な
産業技術政策を一刻も早く確立すべきです。こうした取り組みが、やがて
「総合科学技術会議」につながっていくものと存じます。
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★3)経団連くりっぷ No.84 (1998年8月27日)
  中央省庁等改革の具体化にあたっての課題    会長 今井 敬

第1(略)
第2に、内閣機能の強化である。とりわけ新設される内閣府に置かれる予定の
経済財政諮問会議、総合科学技術会議等の実効性をどのように確保し、トップ
ダウン的な政策形成・遂行を可能なものとするか、米国はじめ諸外国のあり
方も参考にしながら、大胆な検討を加える必要がある。
第3以下略
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 ★4)総合科技は、文部科学技術省の下に隷属させられる?
                               果たして企画提案機能を持てるのか?

 水面下で国の科学技術政策を巡り、政官民の間で猛烈な綱引きが行われて
います。それは総合科学技術会議の組織を巡る綱引きです。官僚は総合科学
技術会議をかつての科学技術会議と同じく、文部科学技術省に隷属させよう
としています。各省庁の頭ごなしに国家全体の科学技術政策を企画立案する
機関は邪魔物以外なにものでもありません。そこで内閣府の設置法の中に、
密かに細工を行い、総合科学技術会議は審議するところであり、自ら審議す
るテーマを企画立案する能力を奪う法文を紛れ込ませました。総合技術会議
で審議する案は、なんと文部科学技術省が企画立案するというのです。これ
では、総合科学技術会議が国全体の科学技術政策にリーダーシップを発揮して
整合性をとるなんてことはできません。文部科学技術省が提案した事項に関
して首肯するだけの機関に成り下がります。つまり総合技術会議の脳死化です。

 こうした官僚の馬鹿げた抵抗を察した、総合科学技術会議設置を審議している
顧問会議は5月末、森首相に対して、総合科学技術会議も審議案の企画提案を行う
ことができることを、申し入れました。法文を訂正することが間に合わないため、
これで脳死化の歯止めをかけようという緊急措置です。最終的には官僚の暴挙を
一掃するため、設置法の改正は不可避です。
 立ち会った方によると「森首相は分かったような顔をしていた」とか。
かそけき申し入れだけが頼りであるため、森首相の継投は総合科学技術会議
の健全化にはプラスだということになります。但し、森首相が覚えていれば
ですが。御願いですから、思い出していただきたい。

     以上: 
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〒950-2181
   新潟市 五十嵐二の町  8050  
       新潟大学  理学部  生物  生体制御学
   渡辺 勇一 
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