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教育改革国民会議への注意を喚起
Date: Wed, 2 Aug 2000 20:15:32 +0900
From: Yuichi WATANABE
Subject: [reform:03046] 恣意的な教育論議
To: reform@ed.niigata-u.ac.jp
会員各位:
これまで、教育改革国民会議の記事は、極めて断片的にしか
報告されていません。独立行政法人の問題が結局自民党の文教族
によって、最後の舵取りをされた事は記憶に新しいところですが、
初等から高等教育までの将来をどのようにしてゆくかを、再び
自自公の元に教育改革「国民」会議なるものを勝手に作って、
論議してゆくことに大きな疑問を感じる。
これは一種の放談「審議会」の様なものだと思われます。
しかし、単なる放談に終わらない事は、以下の町村総理補佐官の
言葉が物語っている。
【町村総理補佐官】
「いくら提言取りまとめても何も実行されないのではしようがない、
必ず実行するんだろうね」、こういう御意見・御質問が何人かの方から
ございました。もちろん教育予算を一挙に5倍にしろ10倍にしろという
御提言をいただいてもなかなかできないことはあろうかと思いますが、
しかし、幸いなことに総理直属の国民会議ということもあるものですから、
できるものであれば、来年度の予算なり、来年度の法律改正にこういう
ものがもし可能であれば、そうさせていただきたいし(中略)三党連立の
下で三党の方々も参加をしてという意味は、これは責任を持って実行させ
ていただきたい、そういう思いで、これを取り組んでまいるということで
ありまして、そういう意味から、言いっぱなし、聞きっぱなしということ
にならないようにやっていきたい」第三分会・第一回議事録より。
−−−−−−引用終わり−−−−
問題は、放談をさせておいて、利用出来るところを利用しようとする
裏の立役者官僚の存在にある。(審議会は役人のためにある。宮本政於氏の
言葉を想起しよう)この会議に集められた人の中には、演劇・柔道一筋と
いった有名人も含まれ、その発言には傾聴すべき部分もある。しかし
教育という巨象を極めて主観的な、まとまりのない放談で対処してゆく
事には、大変な危険を感ずる。官邸のページには、一つの発言を掘り下げ
多角的な視野、あるいはその発言に書欠けている部分を補いつつ深めて
ゆく作業が全く見られない事が、議事録を見てすぐに解る。
この様な作業をいくら繰り返しても、教育現場にとって真に有効な
改革は生まれてこないであろう。
メンバーを全てここで紹介する事はスペースを取りすぎるので、
各自確認願いたい。(江崎玲於奈氏が会長である)
http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/youkou.html
第一 分科会 人間性
第二分科会 学校教育
第三分科会 創造性
という重要なテーマで、限りない放談を続けて行く有様が
http://www.kantei.go.jp/jp/kyouiku/index.html
から探すことができる。
ここで特に強調したいことは以下の点である。
バブル以後の経済の落ち込みを利用して、日本の大学が産業にいかに
貢献しない硬直した組織であるかというキャンペーンを展開し、任期制
独立行政法人化などの一連の策を生み出してきたと同様に、青少年の
犯罪の多発が、戦後教育の全面否定を行う最大のチャンスと捕らえられて
いる事が明確に読みとれる。
第一分科会 審議の報告 より引用
戦後教育の危険性は、はるか以前から意識されていたが、ここへ来て、
教育の欠陥の病状は俄かに明らかになった。
結果として、その攻撃の矛先が教育基本法に向かっている
「個人や普遍的人類などが強調されすぎ、国家や郷土、伝統、文化、家庭、
自然の尊重などが教育基本法から抜け落ちている」、と断定している。
「教育は不当な支配に屈することなく−−−」という規定が過去に
拡大解釈された経緯がある」も、教育全体に圧力が強まりつつある
現在においては、大変奇異に感ずる表現である。曽根絢子氏は致し方
ないとしても、浅利慶太氏、山下泰裕氏などには、せめて現在の大学へ
の官僚支配の危機を少しでも感じ取って欲しいと思うのだが。
とにかく、第一分科会は、議論の結果教育基本法の改正(悪)が
必要であるという結論に達している。もちろん、この法律の改変が
教育をめぐる諸問題の解決に直ちに結びつくものではないという
逃げ道を用意しながら。
教育基本法の中には、男女共学など、確かに達成された部分もある。
しかしこの法律を敵視する人達は、昔の道徳教育・宗教教育が現在の
教育の荒廃を救うものと信じて、それらの面を個人の尊厳や平和に
対する意識よりも優先したがっているように思われる。
その他:ダブルメジャー制度、小中学校教員にも評価と任期制、
大学を3年で終えて大学院へ、
大学9月入学による進路決定への熟慮期間設定
などなど、少しあげただけでも大学に対する施策が次々に
論じられている(全て実行されるか否かは不明だが)。是非目を
通していただきたい。この様な少数の人間の集まりの発言を利用
しつつ、更に大学の組織や制度の外からの「いじり」が続けられる。
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