==> 国立大学独立行政法人化の諸問題
[he-forum 1981] 全大教東北地区協議会
2001年5月28日       

東北地区国立大学学長会議への申し入れ

東北地区の各国立大学学長殿

拝啓

 日頃大学の管理運営と教育研究の発展にご尽力されておられますことに敬意 を表します。

 さて、国立大学の独立行政法人化をめぐる情勢は急を告げております。文部 科学省の調査検討会議は、法人の組織、運営などをめぐりかなりの意見対立が あるにも関わらず、「中間まとめ」案の検討を進め、本年度中に「最終まとめ」 を出す日程を組んでいると言われます。一方国大協は、長尾特別委員会委員長 の出した「国立大学法人の枠組についての試案」を基に検討作業を進めて、5 月21日の特別委員会で法人の制度設計に関する「中間報告」をまとめ、それを 6月12−13日の国大協定例総会に提起する予定とされています。この長尾委員 長「試案」は、その第3項で「独立行政法人の基本的枠組みを参考にしてつく る」と言明しており、根本で、国大協の従来の立場と抵触するものとなってお ります。

 こうした状況の下に開催される全国各地区の学長会議には多くの大学人の注 目が集まっております。長尾委員長「試案」について各大学の意見が集約され、 それらを十分に反映した形で「枠組み」を新たに作るための議論が行われ、国 大協総会に反映されることが期待されています。そこで私たちは、今回の東北 地区学長会議における討論の場で以下の諸点が明確化されることを望み、申し 入れ致します。

1. 昨年6月国大協総会での確認事項である「独立行政法人通則法を国立大 学にそのままの形で適用することに強く反対するという姿勢は維持され、今後 も堅持されるだろう」を再確認すること。

2. 長尾特別委員会委員長の示した「試案」は、独立行政法人の骨格的シ ステムを容認するものとなっているため、先の国大協総会確認と根本で抵触し ています。学長の選び方や教授会・評議会の位置付けで大学の自律的・自治的 機能の放棄につながる危険性をもつ変更を含んでいることなどの問題点を明確 にし、長尾委員長「試案」の再検討を国大協総会に要請すること。

3. 少なくとも東北地区の各大学は、「独法化」に備えた体制作り或いは 「独法化」先取りを互いに競い合ったりするのではなくて、それぞれの大学が その地域に存在することの重要性を認識し合った上で、なおかつ、それぞれが 背負っている個別の問題点および共通の問題点を出し合い、それらの解決に向 けて東北地区の全大学が共同するという意思を明権にすること。

 東北地区の各大学がこうすれば発展するのだという展望を国民に示すこ とが出来る討論がなされ、また「独立行政法人化」によって、地方におかれた 大学の発展が如何に困難になるかについての真剣な討議が行われることを要望 致します。          

敬具