ムルアカ氏の奨学金問題の本質国立大学付属病院教官(匿名)Tue, 19 Mar 2002 17:09:02 +0900鈴木宗男氏の問題は従来の政官界の構造的な問題のみならず、その秘書ムルア カ氏の問題から、政―官―学界の問題をも露呈することとなった。国会答弁にも あるように、ムルアカ氏は我が国を代表する“独立行政法人”研究機関で、研究 者として受け入れられ、1000万円以上の奨学金の交付を受けている。ムルア カ氏は国会議員秘書という極めて多忙で、医学研究者としての活動などおよそ不 可能であるのは自明であり、また若手(35歳以下)でないにもかかわらず特別に 奨学金を受けるに値するか否かは常識からして明らかであろう。(どのような経 緯で政治家秘書がこの研究所の研究員になったのかははっきりされていない。) また、国会審議、文部科学省の予算配分等より予算の大小が決まる研究機関が 政治家の圧力に屈したか、自ら迎合したのかは不明であるが、すくなくとも異様 な奨学金交付に決定的な関与をしたことは事実であろう。さらに困ったことに、 この研究機関は原子力利用の規制や国民の健康に関わる政策に影響する多数の研 究とデータの報告を行っており、これが国家の政策に影響している。この研究所 の発表データ、研究方針が他にも政治屋の圧力に屈していないか、迎合していな いかという保証がどこにあろうか?。 最近の行政、政治主導の独立法人化論議は研究者のデータといえども一政治屋 の恣意で捻じ曲げられる、あるいは政治屋に迎合しない研究者はその活動ができ ないというまさに戦慄すべき“大官僚翼賛体制”であることを、国民各層に訴え ていく必要があろう。 この他、文部科学省の官僚はムロアカ氏をいくつかの私立大学に講師(こちら はさすがに医学研究者ではなくアフリカ問題の専門家)として採用を要請してい る。(予算他でいくらでも圧力かけられるし、国立大学のように政治的中立を侵 したなどと文句を言われないところを狙った極めて卑怯な行動であろう。今後、 独立行政法人の上層部特に、管理部門は官僚OBの天下り先になるのは火をみるよ り明らかである。独立行政法人化が避けられないならば、事前にこのような天下 り阻止条項(予算審査権限等を有する官僚経験者は、国立大学が移行した独立行 政法人の管理職、顧問などに就職することを禁じる。)が絶対必要であろう。ま た最近の厚生労働省のスキャンダルや東海村事故などに代表されるように、官僚 の干渉に対して独立して研究を行える予算などを確保できる担保措置が絶対に必 要なことを訴えなければならない。このままでは独立行政法人から行政従属法人 になり、最後は政治屋隷属法人になることは必至である。 この事件を鈴木氏の特異なキャラクターに矮小化してはいけない。 |