[毎日新聞8月8日] ( 2002-08-08-03:01 ) 自殺者:GDP1兆3000億円減に 人口問題研が試算 2002.08.08  日本の自殺者の生涯所得損失額は、年平均2兆5000億円に上り、総消費 額で年約6000億円、GDP(国内総生産)で1兆3000億円のマイナス をもたらしているとの試算が7日、厚生労働省で開かれた自殺防止対策有識者 懇談会で発表された。試算をした国立社会保障・人口問題研究所の金子能宏社 会保障応用分析研究部室長は「みんなが健康に働ける環境ができれば、大規模 な先行減税や公共投資によらなくても、経済を活性化させることも可能」と指 摘した。  金子室長は賃金や産業構造に関するデータなどを基に、自殺による勤労所得、 老齢年金、遺族年金などの喪失分を加算して労働者、自営業者の自殺による生 涯所得損失額を試算した。  それによると、日本の自殺者の生涯所得損失額は95〜97年は年平均1兆 7820億円だったのが、自殺者が年3万人を突破した98〜00年の年平均 は2兆5480億円と1・4倍まで増えた。昨年の自殺者は3万1042人だっ たが、98〜00年の年平均の総消費額の損失が約6000億円、GDPの損 失が約1兆3000億円と試算した。  また、金子室長は日本では失業率が高くなった時期に自殺者が増加する傾向 が見られるが、国家的に自殺予防対策が講じられているスウェーデンでは失業 率が上がっても自殺者は減少しているとも指摘。「日本でもストレスを持つ人 の割合を低くするような心のケア対策が自殺防止につながるのではないか」と 述べた。 【須山勉】