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定価600円(送料120円)購入申込: 民主教育協会 03-3431-6822 「大学評価の新時代」抜粋天野郁夫(国立学校財務センター教授)「時代は「評価の時代」といってよい。規制緩和・構造改革がキーワード化し、「事前規制から事後チェックへ」の移行が叫ばれるなかで、「評価」はとりわけ大学の世界で、いわば「まじない言葉」化しはじめている。あたかもあらゆる困難な問題の解決を約束してくれる、「魔法の杖」でもあるかのように。 ・・・・・・時代は「評価の時代」だと書いたが,正確には,評価の制度化の必要性が声を大に語られはじめた時代,というベきだろう。評価はまだ言説の段階にあり,実残の段階には入ってはいないからである。それは裏返せば,私たちがまだ,評価の経験や蓄積を十分に持ち合わせていないことを意味している。それが評価の「まじない言葉」化,「魔法の杖」視をいった理由である。評価の必要性を叫ぶのなら,それと同時に,そうした現実の厳しさに思いをいたすべきだろう。・・・・・」
「設置認可という「事前規制」を緩和するのだから,代わりに「事後チェック」のためのシステムが必要だという論理構成は,よくわかる。しかし中教審がめざしているその事後チェックシステムは,アメりカのアクレディテーション制度とは,似て非なるものである。なぜならその評価は,私立大学をふくむすべての大学に,国家が法令によって義務づけるものであり,しかも評価を行なう「第三者評価機関」は国の「認証」を受け国が資金面で支援することが予定されているからである。 答申通りにシステムが制度化されれば,私立大学はすべて,国の「認証」した評価機関の評価を定期的に受けることを義務づけられる。文部科学省はすでに,私学団体に評価機関の設置を働きかけており,私立大学協会,私立短期大学協会,私立大学通信教育協会などが,設立を検討しているという。また国立大学については大学評価機構が,その役割を果たすものとされている。つまり,既存の大学基準協会のような(アメリカ的な)大学横断的な機関ではなく,既存の大学団体それぞれが,設立母体となる評価機関が想定されているのである。 先にふれたように,アメリカ的なボランタりズムの精神に立った唯一の,しかも国公私の別を超えた「機関別評価」機関である大学基準協会は,設立から半世紀の間,必ずしも期待どおりの発展を見ることなく,現在に至っている。それは一体なぜなのか。いま,その大学基準協会の存在や経験にほとんどふれることなく,政府主導で新しい評価機関を,しかも設置者や種別による大学群ごとに設立するのは必要な,また望ましいことなのか。すべての大学に,機関別評価を国が義務づけることが,水準の維持・向上に本当に不可欠なのか。新しい評価システムの制度化をはかるまえに,さらに慎重な検討が重ねられて然るべきであろう。・・・・・・」 |