国立大学独立行政法人化の諸問題
[he-forum 5094]

「国立大学法人法案の概要」についての鹿児島大学教職員組合の意見と要望

鹿児島大学学長 永田博行 殿
                      2003年2月14日
                      鹿児島大学教職員組合
                      中央執行委員長 山根正気

 去る1月31日、文部科学省は国立大学協会法人化特別委員会に「国立大学法人法
案の概要」(以下「概要」と略記)を提示しました。私たち鹿児島大学教職員組合は、
この「概要」に対する以下のような意見を表明し、また鹿児島大学長に対する要望を
提出します。

(意見)

1.「概要」では、中期目標については文部科学大臣が定め、中期計画については文
部化学大臣の認可・承認を受けるとしています。これは文部科学省による大学の統制・
管理の強化につながり、大学の自主性・自立性を著しく弱めるものと言わざるをえま
せん。

2.「概要」では、「経営協議会」と「教育研究評議会」の二つの機関の関係が不明
確です。とくに「経営協議会」が大学の財政を担当することから、「教育研究評議会」
が「経営協議会」に従属し、もっぱら経営的な観点から教学の内容が規定される可能
性があることを危惧します。

3.「概要」では、大学運営において教授会が果たす役割・責任について一切記載が
ありません。大学における研究・教育の現場を担当する教授会の意向が、大学運営に
全く反映されない運営は様々な問題を引き起こしかねません。

4.「概要」では、学長が「経営協議会」の学外委員と「教育研究表外会」の代表者
からなる「学長選考会議」による選考されることになっています。こうした学長の選
考は、これまでの全学の教員による学長選出というやり方から大きく後退するもので
あり、大学構成員の意向とは無関係に学長が選出されることを意味しています。

5.上記、3及び4の問題点は、大学運営における学長の権限を必要以上に強めるも
のと言わざるをえません。

6.「概要」では、設置者が「国」ではなく「国立大学法人」となっており、これは
国立大学に対する国の財政的な責任を回避するものです。現在でも日本は高等教育へ
の国家財政支出は少ないと指摘されていますが、設置者を「国立大学法人」とするこ
とにより、ますます大学への国家財政支出が縮小する可能性を否定できません。

7.1〜6以外にも、細部については、不透明な部分や懸念される部分がありますが
(たとえば、「国立大学法人評価委員会」の設置形態など)、この「概要」は極めて
重大な問題を含んでおり、この「概要」にそって国立大学法人法が策定されることに
は到底賛成できません。

(要望)

1.上記1〜7の意見を、国立大学協会法人化特別委員会に対して表明して頂きたい。

2.今回の概要への意見聴取は、鹿児島大学の教職員への周知徹底が行われないなか
で行われています。今後、法人化問題に関する意見聴取については、できるだけ全教
職員への周知徹底を行ったうえで実施して頂きたい。

3.法人化問題については、各学部教授会における十分な審議を保障するよう最大限
の努力を払って頂きたい。

4.法人化問題は、鹿児島大学の教職員の労働条件や職場環境を大きく左右する問題
であり、鹿児島大学教職員組合の意見を機会に応じて聴取するとともに、組合からの
要望等を最大限尊重するようご尽力頂きたい。