第156回国会 文教科学委員会 第16号
平成十五年五月二十九日(木曜日)
○西岡武夫君 文部科学大臣に御質問申し上げます前に、委員長と与党の皆様方にお願いを申し上げます。
これだけ、これまでの各委員の御議論を承っておりましても、また衆議院での審議の状況等々も報告を受けておりますけれども、これだけ大きな問題でございますから、基本的な理念、そしてそれをめぐる周辺の問題、そして更に逐条の審議まで含めますと、かなりの時間が、審議の時間が必要だろうと思います。
その点におきまして、委員長におかれては、十分この法案について、日本にとって将来を左右する大変大きな問題でございますので、十分な審議時間をお取りいただくように御配慮をいただきたい、まずお願いを申し上げます。いかがでしょうか。
○委員長(大野つや子君) ただいまの御意見、確かに大変重要な問題であるということでございますので、十分な審議を尽くすように理事会でも諮っていきたいと思っております。
○西岡武夫君 ありがとうございます。
文部科学大臣に御質問を申し上げます。
先ほど、大臣の御答弁の中にもございましたけれども、大臣はかねがね国立大学に法人格を与えるということは一つの考え方だったということをおっしゃっておられたんですけれども、これは法人化することが正しいと、そういう前提のお考えだったんでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 国立大学、私は日本の大学群の中で中核的な役割を果たしている存在だと思いますけれども、大学人自らも、現在の状況における国立大学については様々な制約があって十分ではないということで、殊に行政組織の一部としての存在ということに伴う様々な制約、人事権あるいは会計上の制約等々ある、それでは十分に自主性、自律性が発揮できないという、そういう自覚があり、かつまた、大学審議会等様々な場でもそれが討議されてまいったわけでございます。
では、そういう問題を解決するのに、日本の国内法の中で、しかも国が責任を持って国家の意思として国立大学として存置をし、かつまた財政上の支援もしていくということになると、これは私といたしましては、法人化といいますか、今回の国立大学法人という形で制度化するというのが最も状況に適した適切な対応であるというふうに考えております。
○西岡武夫君 それでは、大臣がお考えの法人格が望ましいというときの大学教官及び職員の皆さん方の身分は国家公務員であってはならないというお考えでしたか。
○国務大臣(遠山敦子君) 身分の問題は、かなり私はこれは論議がなされたと思います。様々な論議がなされた上で、やはり今日の国家行政組織の一部としての機構、組織の存在、それから人事院規則等の通常の国家公務員に伴う様々な規制といいますか縛りというものがあっては濶達な研究活動、教育活動、さらには社会貢献、兼職・兼業もできない等のことがあって、さらには今日では産学官連携のこともございますし、さらには私は、もっと大学というものは、例えば給与の格付、給与の、給与費の定め方においてももっと自主性があっていいと思います。例えば、トップクラスの世界の研究者を持ってきて、それに対して年俸で多額の報酬を考えるということも現在では全く不可能なわけですね。
しかし、これからの日本の大学というものがより世界に羽ばたくあるいは国際的な競争力を持つという観点からは、そういったことも可能にならなくてはならないわけでございまして、そのようなことを様々に勘案をして、私は、今回、大学人の方からむしろ非公務員型がいいというふうな提案があったというふうに考えております。
その非公務員型のメリット、せっかくでございますから具体的に申し上げますと、例えば、優れた研究者を給与法の体系によらず柔軟に処遇できること、また、外部の優れた研究者を年俸制で短期間招請することが可能であること、サバティカルリーブ等の弾力的な勤務時間管理の導入が可能であること、兼職・兼業が各法人の判断で弾力的に許可することができること、あるいは国家公務員試験によらずに各大学の人事戦略に基づいて専門性を重視した事務職員等の採用が可能になること、大学の実態に合わせた多様な職種の設定が可能になることなどなどでございます。
そのようなことから、私は、大学人の英知を集めて検討いただきました「新しい「国立大学法人」像について」の報告書におきましても、国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議において非公務員型というものを結論付けられたというふうに考えております。
○西岡武夫君 大臣は心ならずも今のような答弁をなさっているんだろうと思いますから、余り大臣をいじめたくないんですけれども、大体今回のこの法案提出というのは、元々は国家公務員を削減すると、その計画に文部省もやり玉に上がったと。
ですから、次から次へと国家公務員を削減するといいましても、特殊法人の看板を書き換えただけの独立行政法人という形で、文部省のこれまでの国立博物館を始めとするいろいろな組織をすべて独立行政法人にして国家公務員から外してしまったと。そして、最後のとりでとしてあった国立大学も国家公務員を削減するという目的で独立行政法人化されるということを、こういう法案にいろいろ書いてありますけれども、結局は、最終的には独立行政法人の通則法の規定の適用というものもちゃんと付いているわけですから、形は独立行政法人ではないとおっしゃっているけれども、実際は独立行政法人の傘の下にあるという形で、国家公務員の定員を削減するという小泉政権下における考え方に国立大学をのせてしまったと、こう申し上げていいと思うんですが、いかがですか。
○副大臣(河村建夫君) 私どもも最初にこの話を聞いたときに、まず行政改革、特にこの国立大学の法人化、あるいは元々の独立行政法人に当たるその設計というものがまだはっきりしていなかった。そういう意味で、当初、有馬委員も冒頭の質問で我々反対だったということでございました。
先ほど、草川委員の説明の経緯の中でも私、御説明申し上げたんですが、やはりこれは大学改革という視点でないと我々は受け入れるわけにいかないんだということで、そういう方向で議論をしていったわけでございます。そして、閣議において、平成十四年、独立行政法人というのは何たるものだということがまだあの当時は我々も分からなかった。イギリスのエージェンシーというものらしいという程度のことでありまして、イギリスにも視察等を出したりなんかしながらいろんな話を聞いていって、やっぱりこれは、その手法というのはこれからの時代に必要なものであろうけれども、まず大学改革だということからいこうということになって、これは政府としても、平成十一年四月の閣議決定において、国立大学の法人化については、行政改革の観点よりも、むしろ大学の自主性を尊重しながら、大学改革の一環として検討をしたい、すべきであるという閣議決定を得て、これを受けて初めて国大協も、そういう視点ということであれば我々も協議しようということでスタートして今日に至っていると、こういうことでありますから、行政改革で国家公務員を減らすための犠牲にこれがなったということは、私は、スタートはいろいろな、ともかくこれは国立大学ではなくて、国家公務員を削減という方針は小渕内閣のときに多く出ました。
その中の一つにこれが上がってきたことは我々は承知いたしておりますが、それ以外にも、大学改革の観点で考えたときに、我々記憶に新しいのは、例えばあの一橋の先生がどこかの取締役になろうとしたけれども国家公務員法があってできないんだというような話も一つの話題になったりいたしましたけれども、もっとこれ、大学がダイナミックに変わっていく一つの手段として考えていこうというのが最終的なこうした大学協会等々で議論をされて、おおむね我々としてはこれを受け入れようということになったと、こういうことであるというふうに思っております。
○西岡武夫君 私は、かつて人確法、いわゆる人確法という法律を立案し、提案し、立法化した経験があるわけでございますけれども、その際に、教育研究について一般の、一般職の公務員の皆さん方と同じ身分といいましょうか、この公務員という形ではなくて教育研究職という新しい国家公務員の、給与体系にしても身分にしても、そういうものを作って、そして今、副大臣からお話がありましたように、いろいろなところとの人事交流等もできるというような、そういう第三の身分といいましょうか、そういうものも大分人事院とも話をし、提案をしたことございますけれども、私、微力にして実現することができませんでした。
今、副大臣のお話ございましたけれども、じゃ、なぜ国家公務員のまま今の法人化ができなかったんですか。
○政府参考人(玉井日出夫君) ちょっと御説明を、恐縮でございますが……
○西岡武夫君 いや、大臣。いや、大臣。
○国務大臣(遠山敦子君) 委員長の指名ですから。
○政府参考人(玉井日出夫君) 新たな身分、一つの大変示唆に富む御提案と受け止めているわけでございますが、なかなか公務員制度全体の中での難しさがあるのは、もうこれは西岡先生よく御存じのとおりでございます。教員の特性にかんがみ、教特法の世界でそれぞれ特例は設けておりますけれども、やはり何といっても公務員という大枠の中でございまして、その中に全く違った形まで持っていくのは大変難しいということがございます。
一方、今のこの時代、世界の中で我が国の大学がそれぞれ伍していかねばならない、あるいは地域貢献を更に図っていく、そういう中で、それぞれどういうふうに考えたらいいかという中から、今、教職員の自律性を高めるための人事の在り方というのが国立大学関係者始めいろんな方々からの御議論があり、そして先ほど大臣、副大臣御説明いたしましたとおり、お答え申し上げたとおり、これはそれぞれの調査検討会議の中でかなりいろんな角度から御議論がなされて、その結果、やはり非公務員型という形でより自律性、主体性を高め、それによって教職員のより自由な様々な活動が行われ、それが結果として大学としての活性化を図っていこうと、こういう流れがあったわけでございます。
○西岡武夫君 大臣にお尋ねをいたします。
当初は、文部科学省は、法人化した場合も大学人の身分は国家公務員であることが望ましいとお考えになっておられたと思いますけれども、違いますか。
○国務大臣(遠山敦子君) それはどの時点のことであるのか分かりませんが、少なくとも私自身は、身分の在り方については広く議論をした上で考えるべしと思っておりました。
そのことに関しまして幅広い論議がありまして、恐らく私は大学人の中でもいろんな考えがあったものと思います。しかし、そのメリットという点から考えて、恐らく非公務員型の方が様々な自由、自主性がある。
先ほど、もう本当にさきの文部大臣でございますので、私としては大変もう答弁は今日しにくいのでございますけれども、西岡委員がおっしゃいましたような新たな教育研究職ですか、そういうものも作ってみようというほどに、やはりそれはそこの大学を担う教員の持つ独自性なり、自由活発な学問研究に基づく優れた教育を展開していくという通常の、私どものような事務職、私もかつてそうであったわけでございますが、とは違った機能を持つ存在というものが更に本来のあるべき機能を発揮していただくには、一般の国家公務員という枠内にとどまるよりは非公務員型の方がいいというのが、私は多くの比較検討の後に大学人が選ぼうとした方途であるというふうに考えております。
そういう意味で、私は、この問題について様々な議論があり得たと思いますけれども、今日この法案でお願いしておりますものは、今回の法人化の目的を達成するために、その身分も非公務員型であるということにおいて、よりその目的に合致するというふうに考えているところでございます。
○西岡武夫君 大臣にお尋ねをいたします。
その御議論の過程の中で、先ほど私が申し上げました教育研究職という第三の身分というものを公務員として考えると、そういう議論はありませんでしたか。
○国務大臣(遠山敦子君) これはむしろ歴代の文部大臣であられた中曽根委員やあるいは有馬委員の方が御存じかもしれませんけれども、私はそれが正式の課題として関係者によって論議されたということは残念ながら記憶にないところでございまして、私は一つの大変示唆に富む御提案とは受け止めますけれども、公務員制度全体の中では極めて難しい問題があるということは先生も御承知のとおりでございます。
○西岡武夫君 大臣にお尋ねいたしますが、教育と研究、学問の研究という、これを構成する一番大切な要素というのは何とお考えですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 教育、そして研究をつかさどるといいますか、それに携わる人そのものであると思います。
○西岡武夫君 その教育と学問の研究というこの分野について、私どもが一番大切にしなければいけないのは人材だと思います。そして、その人材の蓄積ということが大きな我が国にとっても財産であると思います。その人材の身分というものをこういう形でぱっと変えて非公務員型がいいんだということにされるということについては、どういう御感想をお持ちでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私は、そこのところが正に大学人たちを中心にする調査検討会議で真剣に検討されたと思っております。
正に教育、研究を担う最も大切な要素である人、その教員、まあ職員も入りますけれども、今の議論の場合には教授等の教員というふうに考えた方がいいと思いますけれども、そういう人の身分の在り方というものが、やはりこれまで様々に議論されてきた法人化への転換という機に当たって、より活発に本来の使命、本来の機能を発揮していただくという点で、非公務員型の方がいいということで私は結論付けられたと思っております。
非公務員型でありまして、民間人ではないわけでございます。それは、また詳細は担当の方から御説明したいと思いますけれども、民間人ではないわけでございまして、非公務員型、それは大学の組織の中でしっかりと国の運営交付金というもので支給される給与というものをベースに活動を展開できるという存在であるわけでございます。
○西岡武夫君 大臣にお尋ねをいたします。
今回のこの国立大学法人の内容でございますけれども、この役員会と経営協議会と教育研究評議会という三本立てのような形になっています。もちろん、執行機関というのは役員会だろうと思いますけれども、経営協議会と教育研究評議会との関係というのは、場合によっては相反する、意見が異なる場合が、場合によってはではなくて多々あるのではないかと私は思います。
なぜそういうことを申し上げるかといいますと、元々、特に基礎研究については、先ほど来、有馬委員からも御指摘があったように、非常に大切なことでありまして、このことを一般企業の経営的な感覚で考えていこうということになりますととんでもないことに私はなると思うんです。こういう組織の在り方と、これについて当然、国立大学法人でございますから、今度は財務監査についてもかなり厳しい監査をしていかなきゃいけないという仕組みになっているわけで、監査法人が監査するのか公認会計士が監査するのか知りませんけれども、そういう仕組みの中で正に、直ちに評価されない、結果を生まないという、そういう学問分野というものがおろそかにされるというおそれはないのか。
この点について、大臣、どのように御認識か、お伺いいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 私は、基礎研究というものを大事にしていくという意味で一番大事なのは、もちろん憲法上の学問の自由という精神に基づいてすべての人がそのことを尊重していく。国は文部科学省が直接の責任を持つものとして、その研究の自由というのを守っていくというのが一番ベースにあると思いますけれども、研究テーマを選んだり、あるいは研究組織をどうしていくかということは学内では大変大事だと思います。それは、法人化してもそれは全く変わらなくて、むしろ研究テーマはもちろんその研究者が自ら選び、そしてそれについての自らのプランの下に科学研究費を取るなり、いろんな方途によって遂行していくんだと思いますが、研究組織などは、私は、むしろこれまでよりは法人化によって、先ほど来様々に御説明いたしておりますように、学内において自由にできるようになるんですね。ですから、これは、これまでは本当に文部科学省の組織の一部でございましたから、もうすべてのあらゆる細々とした、組織を改編するについてもすべて我々と財務省とも御相談いただいてやってまいったわけでございますが、これは全体の運営交付金の中で弾力的に運用できるわけでございます。
その意味で、私は、研究テーマはもちろん自由に選べるわけでございますし、それを実施するための研究組織もより弾力的になるという意味で、私は、法人化によって、むしろ基礎研究というものをその大学がしっかりと支えるつもりになればこれは私は十分に対応できるようになると思いますし、正にそのこと自体が大学の本来の在り方であるというふうに考えております。
○西岡武夫君 私がお尋ねしておりますのは、大学の経営ということと基礎的な研究というものは概念としても余り両立をしないと思うんです。ですから、学長になられる方も、経営感覚が非常にあって、俗で言う商売上手の方が学問的な実績、業績というのをどれくらいお持ちなのかということを考えますと、どういう方が学長に選ばれてくるのかなということを、これから先どうなるのかなと、この法案が通りせばですね、どうなるのかということを私は心配するんです。
私は、やっぱり一般的な経営感覚というものももちろん大学の運営については求められますけれども、どちらを大切にするかということについては、これまでの国立大学にいろいろ問題点はあったと思いますけれども、そういう点では学問ということに専念をするという意味で大きな意味を今日まで持ってきたと思います。
私は、たまたまこの文教委員会に籍を置くようになりましたのが、あの昭和四十四年をピークといたします大学紛争のとき以来でございまして、そのときの大学の自治というものの在り方というのは、極端なことを申しますと、大学の中で殺人が行われても大学の自治の名の下に警察権は介入できないという、そういうすさまじい状況が現にありました。その中で、この大学紛争を何とか収束させなければいけないということで私どもが文教委員会に配属されまして、それから文部行政についていささか今日までいろいろと意見を申し上げ、法案も立案をしてきたわけでございますけれども。
その私の経験からいたしましても、今回のこの国立大学法人の法案の内容は余りにも文部大臣に権限が集中しているのではないかと。私が言うんですから。大学紛争のときは、本当に大学の自治というのはこんなものなのかと思うくらいの経験をしたわけであります。その私の立場で考えても、今回のこの法案、これ逐条でお話をしたいんですけれども時間がありませんからできませんけれども、今日はできませんが、文部大臣が結局は何でもかんでも決められるような感じになっていると私は思うんです。現に、学長の選考会議というのがありますね。ここに学長が入っているのはどういうことですか。いや、大臣ですよ。
○政府参考人(遠藤純一郎君) 法人化後の学長選考は、その職務の重要性を踏まえたふさわしい仕組みが必要であるということで、教学及び経営の双方の側面から学内の意向を反映させるということで、学外者の意向を反映させることを考慮しまして、経営協議会の学外委員の代表者と、学長、役員以外の教育研究評議会の代表者から成る学長選考会において選考を行うと、こういう仕組みとするものでございます。
その上で、大学によっては、例えば各国立大学法人の規定等で再任が認められておらず、現在の学長が学長選考において当事者にならない場合などもあり得るということもございますので、学長選考会議の定めるところによりまして、学長又は理事を加え得ると、いろんなパターンができるというような柔軟な仕組みとさせていただいたところでございます。「ただし、その数は、学長選考会議の委員の総数の三分の一を超えてはならない。」ということとしておりまして、そういった面での配慮も併せて規定しているところでございます。
○西岡武夫君 大臣にお尋ねをいたします。
今、局長からの御答弁ですけれども、学長選考会議の構成メンバーに学長が入っているというのは、大臣はどうお考えですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 現在の規定におきましても、学長の選考は評議会が行うわけでございますけれども、評議会の必要的な構成員に学長はなっておりまして、その学長が選考に加わることは法令上禁止されていないところでございまして、各大学が大学の選考会議におきましてそれぞれの判断において学長を加えるという場合には加えるということもあり得てよろしいんではないでしょうか。
○西岡武夫君 経営協議会と教育研究評議会とが意見の対立があった場合に、これはどういうふうになるんでしょうか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私は、それぞれの大学において良識ある人々が選ばれて、経営協議会あるいは教育研究評議会の構成が決まるわけでございまして、そこでの論議そのものは合意形成が可能なものであろうとは思いますけれども、仮にその二つの評議会なり協議会において意見が合致しない場合には、それは最終決定は役員会の議を経て学長が行うわけでございます。
私は、恐らく今、委員が想定されますことは、教育研究という角度から、特に研究のような場合に、最近では例えば素粒子の研究にしたって大変多額の設備費、研究費が掛かるわけでございまして、限られた運営費の中ではそれが優先されると他のものが圧迫されるとか、様々なそういう議論があって、ではその教育研究評議会の方ではともかく出してみようと。しかし、それは経営協議会の方では、これは法人の一定の運営交付金等の手配の中でどうかということで、マネジメントの観点からそれなりに意見調整が行われる必要があると思います。そのときに、やはり役員会において議論をされて最終的に学長が決めるということになると、そういう仕組みになっているわけでございます。
その意味で、私は、マネジメントというのはこれからの組織体、特に法人化するような場合には不可欠なものでございます。しかし、それは株式会社のような利益追求のための組織とは違うわけでございまして、正に教育研究の質の向上というものをねらいとする、そういう大学におけるマネジメントということはまた別途の、何といいますか、能力というものが要ると思います。
その意味で、学長は、学長の資質というものが大変大事になるということは確かでございますけれども、私は、それぞれ大学内においてそうした問題をどのように解決していくかということは十分に議論をし、対応できる問題でありますし、またそのような形で各大学が法人化する際に自らの意思決定というものをしっかりしていく、そういう存在になってくれるものと思っているところでございます。
○西岡武夫君 大臣にお尋ねをいたします。
もう時間がほとんどありませんので、私はこの法案には反対であります。反対でありますが、こういう国立大学法人化をやるにしても、なぜ文部省は、国立大学機構を一つの法人として作って、そしてそこが大学を設置するということをお考えにならなかったんですか。
私は、なぜそれを申し上げるかといいますと、私が政務次官のころでございますが、昭和四十六年ごろ、国立学校庁というのを文部省に、当時の文部省に作って、そこが国立大学を監督するという形が望ましいのではないかということを申し上げたことがあります。かつてです。
そういうことから考えますと、こんなに国立大学の法人を一つ一つ全部法人化するというよりも、一つの法人を作ってそこが国立大学を設置するということにはなぜならなかったんですか。
○国務大臣(遠山敦子君) 私は、西岡委員が現職であられますころお仕えいたしましたときに、様々な大学の問題について理想をお持ちになり、いろんな、何といいますか、構想をお持ちだったということを思い出します。しかし、そういう、しかしかなり独自性のおありになる構想でございまして、なかなか全体の動きにはならなかったということも確かでございます。
今のお話でございますけれども、国立大学機構というものが八十九の大学を設置するようにしたらどうかということでございますが、今回の法案は、本当に成り立ちといいますか、私どものねらいというものは大学としての自主性、自律性を確立するという観点でございまして、それは、大学ごとに法人化をして、国立大学が切磋琢磨しながら特色ある多様な教育研究を展開するということを目指しているわけでございます。
国立大学機構法人、機構方式というふうに仮に言わせていただきますと、これは言わば形を変えた護送船団方式でございまして、各大学の自主性、自律性を拡大することには必ずしもつながらないというふうに考えます。
○西岡武夫君 終わります。
○委員長(大野つや子君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
午後五時二十一分散会