==> 国立大学独立行政法人 化に抗して

大学評価機関(仮称)創設準備委員会中間報告


                 大学評価機関(仮称)創設準備委員会中間報告

                               平成11年9月

 

             目次

          はじめに

          1 大学評価機関の必要性
          2 整備の基本的考え方
          3 大学評価事業
          (1)評価の目的
          (2)評価の対象
          (3)評価事業の内容、方法等
          (4)評価結果の活用
          4 調査研究事業
          5 情報収集・分析・提供事業
          6 組織
          (1)基本的考え方
          (2)評価研究部
          (3)管理部
          (4)評価事業部
          (5)評議員会・運営委員会
          (6)評価委員会(仮称)
          おわりに
          委員名簿

           

           

               はじめに

               大学審議会答申「21世紀の大学像と今後の改革方策につい
               て」(平成10年10月)により、大学評価のための第三者機関の
               設置が提言されたことを受け、平成11年度において、大学評
               価機関(仮称)の創設準備を行うこととなり、文部大臣裁定
               「大学評価機関(仮称)の創設準備組織要項」 (平成11年4
               月)に基づき、創設準備に関する重要事項を審議する機関とし
               て、大学評価機関(仮称)創設準備委員会が発足した。

                

                本委員会は、専門委員会を設けその専門的検討を踏まえつ
               つ、大学評価機関の在り方について鋭意検討を行ってきたとこ
               ろであり、ここに本中間報告をとりまとめたものである。

                

               1 大学評価機関の必要性

                

               21世紀に向け、我が国の大学が人材育成や学術研究等の面で
               求められる役割を十分に果たし、社会に貢献していくために
               は、各大学が自らの自律性に基づき、教育研究の更なる向上を
               目指して改革を進め、切磋琢磨し発展していくことのできる新
               しい高等教育システムヘの転換が求められている。

                

               平成10年10月の大学審議会答申「21世紀の大学像と今後の改革
               方策について」においても示されているように、今後の大学改
               革は、(1)課題探求能力の育成を目指した教育研究の質の向
               上、(2)教育研究システムの柔構造化による大学の自律性の確
               保、(3)責任ある意思決定と実行を目指した組織運営体制の整
               備、(4)多元的な評価システムの確立による大学の個性化と教
               育研究の不断の改善、の四つの基本理念に基づき、それまでの
               制度を大胆に見直したうえ、推進転換される方向にある。

               中でも、「多元的な評価システム」は、このような大学改革の
               取組を実効あるものとするための必要不可欠な存在であり、大
               学審議会答申の副題にもあるように「競争的環境の中で個性が
               輝く大学」として、各大学が一層発展していく基盤として、そ
               の確立が急がれるところである。

                

               評価とこれに基づく、大学自身の教育研究の不断の改善は、平
               成3年の大学設置基準の大綱化とあわせ、自己点検・評価が制
               度化されて以来、その必要性が認識されてきた。このような自
               己点検・評価の充実はもちろんのことであるが、社会の期待に
               応え、評価をより実効性の高いものとしていくためには、客観
               的な立場からの専門的な判断を基礎とした信頼性の高い評価が
               今まさに必要とされている。

                

               このため、第三者評価の導入を通じて、評価結果を各大学にフ
               イードバックすることにより、各大学の教育研究活動の改善に
               役立てていくとともに、大学の諸活動の状況や成果を多面的に
               明らかにし、それを社会に分かりやすく示すことにより、公共
               的な機関として大学が設置・運営されている点について広く国
               民の理解と支持が得られるよう支援・促進していくことは極め
               て意義のあるところである。

                

               大学という総合的で多様な機能を有する機関について、教育活
               動、研究活動、その他の諸活動のそれぞれにわたり、専門分野
               ごとに適正な第三者評価を行うためには、評価に精通した専門
               スタッフ等を備え、また、各専門分野ごとにピア・レビュー
               (対象分野の専門家による評価)を基本としながら、教育を受
               ける学生や卒業生を雇用している企業などの利用者の視点等も
               加味した多様な観点からの評価を行うことができる体制を用意
               する必要がある。

               また、多元的な評価システムを確立するためには、広く社会で
               行われている大学評価を含めて、多岐にわたる大学評価に関す
               る情報の収集・分析・提供事業や、大学評価の各種指標の有効
               性等に関する調査研究事業をあわせて実施する必要があり、そ
               のための専門スタッフを備えることが必要である。

               そこで、各大学が共同して利用することのできる専門の評価機
               関の設置が必要となるところである。

                

               なお、評価機関は、社会と大学の双方に開かれた組織でなけれ
               ばならず、また、発足後も、評価とそれを通じた各大学におけ
               る自己改革の動向を見ながら、常によりよいシステムを求めて
               いくという姿勢が重要である。その意味で、開放的で進化する
               システムとなるよう、組織・運営面において留意すべきであ
               る。

                

               2 整備の基本的考え方

                

                    (1) 平成12年度に、学位授与機構を改組し、大学評価
                    機開としての事業と、従来の学位授与機構の業務をあわ
                    せて実施する新機関(「大学評価・学位授与機構(仮
                    称)」)とする。

                     

                    (2) 大学評価・学位授与機構 (仮称)は、従来の学位授
                    与機構の業務に加え、次の業務を行う。

                    ア)大学評価事業

                    イ)大学評価に関する調査研究事業

                    ウ)大学評価に関する情報の収集・分析・提供事業

                     

                    (3) 大学評価・学位授与機構(仮称)は、大学共同利用
                    機関と同様の位置付けとし、大学関係者その他の学識経
                    験者の参画を得て運営を行い、その専門的な判断に基づ
                    いて自律的に評価を実施する。

                     

               3 大学評価事業

                

               (1)評価の目的

                    (1) 教育活動・研究活動・社会貢献活動など大学の行う
                    諸活動について多面的な評価を行い、評価結果を各大学
                    にフイードバックすることにより、各大学の教育研究活
                    動の改善に役立てる。

                    (2) 大学の諸活動の状況や成果を多面的に明らかにし、
                    それを社会に分かりやすく示すことにより、公共的な機
                    関として大学が設置・運営されている点について広く国
                    民の理解と支持が得られるよう支援・促進していく。

                     

               (2)評価の対象

               国立大学は公費で運営されている機関としての社会的責任を果
               たしていくことが求められることから、評価の主たる対象は国
               立大学とする。

               公私立大学についても、設置者である地方公共団体や学校法人
               の希望により評価の対象とする。

                

               (3)評価事業の内容、方法等

               各大学の数育研究活動の個性化や質的充実に向けた主体的な取
               組を支援・促進していくためには、各大学・学部等の目的や将
               来計画などにも考慮しながら、教育活動、研究活動、地域杜会
               や産業界との連携・交流、社会貢献など、大学の行う諸活動に
               ついて、各大学の個性や特色が十二分に発揮できるよう、複数
               の評価手法に基づく多面的な評価を行う必要がある。

               そのため、評価事業として

                 (1) 全学テーマ別評価

                 (2) 分野別教育評価

                 (3) 分野別研究評価

               を行うとともに、各国立大学から毎年度の教育研究活動の状況
               等の総括を求め、その調査・分析を行う。

                

               評価の実施方法としては、まず、各大学が実施している自己点
               検・評価報告書や、大学評価・学位授与機構 (仮称)の示す
               フォーマットに基づき各大学が作成する自己評価(根拠となる
               データを含む。)、大学評価・学位授与機構(仮称)が独自に調
               査・収集する資料・データ等に基づき、十分な研修を受けた評
               価委員会(仮称)の小委員会の委員及び評価員による訪問調査ま
               たはヒアリングを行う。

               これらの過程における各大学からの資料等の提出については、
               電子化やネットワークの利用を推進する。

               さらに、大学関係者及び大学外の有識者からなる評価委員会
               (仮称)において審議を行い(その中で専門的事項については、
               小委員会によるピア・レビュー(対象分野の専門家による評
               価)を実施)、評価対象ごとに記述式の評価結果をとりまとめ
               る。

               評価結果を確定する前に当該大学に通知し、これに対する異議
               申し立ての機会を設け、それを踏まえて評価委員会(仮称)にお
               いて再度審議を行ったうえで最終的な評価結果をとりまとめ、
               評価報告書として、公表する。

               なお、評価事業の透明性の確保に十分留意する。

                

               1 全学テーマ別評価

                

               全学テーマ別評価は、個別の学部等の課題ではなく、大学とし
               ての全学的な課題に関するテーマとして毎年度数テーマを適切
               に設定し、評価を行う。

               テーマの設定にあたっては、教育研究活動のみならず、大学の
               目的・機能を総合的に発揮するための全学的な大学連営や、社
               会貢献活動など、大学の諸活動の多様な側面について評価を行
               うよう留意する。

               <テーマ例>

               ○ 大学の目的・機能を総合的に発揮するための全学的な大学
               運営

               ○ 教養教育や基礎学力の形成についての全学的な取組

                    ○ 教育機能の強化のための全学的な取組(シラバスの
                    作成・活用状況、厳格かつ適切な成績評価、学生による
                    授業評価等の活用、学生の学習状況、ファカルティ・デ
                    ィベロップメント等)

                    ○ 学士課程、修士課程、博士課程ごとの教育目的、日標
                    との課程相互の開連性、位置付け

               ○ 大学としての研究活動の推進に関する基本的な考え方とそ
               のための方策

                    ○ 社会貢献活動(地域社会への協力、大学開放、メデ
                    ィアを通じた意見発表等社会への知的啓発等)

               ○ 国際社会への貢献、国際化への対応(留学生の受入れ、国
               際協力等)

               ○ 産学連携

               ○ 自己点検・評価を活用した自己改革

                

               2 分野別教育評価

                

               分野別教育評価は、原則として、学部、研究科を単位として、
               これに対応した学問分野ごとに評価を行う。

               同一学部・研究科に対する評価は、5年周期を基本とする。

                

               当該学部、研究科の教育目的・目標との関係において

               (1) 教育内容・方法

                         (実際の教育課程や教育方法、基盤となる組織運営
                         等の教育目的・目標の実現への結びつきや学生によ
                         る授業評価等による学生の二一ズの反映)

               (2) 教育成果、目標の達成状況

                         (教育目的・目標の内容によって、例えば社会から
                         の要請の度合いや、同一学問分野における全国的な
                         状況との比較など)

               (3) 教育の質の向上、改善のためのシステム

               (目標設定→実施→点検・評価→改善の仕組)

               などについて評価を行う。(その際、授業観察や、学生または
               卒業生などへのインタビューあるいはアンケートを行うなど、
               実際の教育状況を的確に把握できるような方法を工夫・検討す
               る)

                

                どのような点に改善の余地があるのか、問題点の背景・原
               因、優れた取組等について、記述により、評価結果の中で明ら
               かにする。その際、他大学との比較や、大学改革で求められて
               いる方向性を考慮する。

                

               3 分野別研究評価

                

               分野研究評価は、原則として、学部、研究科、大学附置研究所
               等を単位として、これに対応した学問分野ごとに評価を行う。

               同一学部・研究科等に対する評価は、5年周期を基本とする。

                

               評価は、当該学部、研究科等に関し、

                    (1) 国際的な視点を踏まえた研究水準、独創性、当該研
                    究の今後の発展性、他の研究・学問分野への貢献など学
                    問的意義

                    (2) 社会・経済・文化への貢献(新技術の創出、特許等
                    の知的財産の形成、新産業基盤の構築、生活基盤の強
                    化、文化の諸分野の継承・発展・創造、政策形成への寄
                    与、地球規模の課題の解決等)

               (3) 機関の設置目的・使命や目指す方向に照らした達成状況

               などについて評価を行う。

               個別の研究業績や各種データを踏まえたピア・レビュー(対象
               分野の専門家による評価)を中心とした評価を行い、学科・専
               攻レベルでの状況を明らかにしていく。

                

               記述により、評価結果を明らかにするが、その際、研究環境や
               研究者数などその大学が置かれた条件、独創的研究や萌芽的研
               究の推進あるいは人材養成への貢献などの特性、研究体制の整
               備途中あるいは将来計画に向けた転換点にあるため十分な実績
               が出てくる段階になかったり、学問分野の特性上成果が出てく
               るのに時間がかかる分野であるなどの事情を、的確に加味する
               必要がある。

                

               4 国立大学についての毎年度のレビュー

                

               国立大学について、教育研究活動の状況を社会に説明していく
               責任を果たす観点から、毎年度の全体的な状況をわかりやすく
               示す必要がある。

               このため、各国立大学の教育研究上の目的を達成するための基
               本的な計画に沿った毎年度の教育研究活動の状況を各国立大学
               で総括し、これを基に大学評価・学位授与機構(仮称)が調査・
               分析を行う。

                

               (4) 評価結果の活用

               評価結果については、各大学にフィードバックすることによ
               り、各大学の教育研究の改善に役立てるという評価の趣旨・目
               的を踏まえ、各大学において、教育研究の改善のための取組を
               企画したり、大学の将来計画を策定する際の基礎とすること
               が、基本となる。客観的な立場からの専門的な評価を受けるこ
               とを契機とし、各大学の改革がそれぞれの個性や特色を十二分
               に発揮しつつ、大きく前進することが期待される。

               また、大学の諸活動の状況や成果を多面的に明らかにし、社会
               にわかりやすく示す目的で評価が行われ、評価結果が広く社会
               に公表されることから、幅広い活用方法が考えられ、例えば、
               次のような活用が期待される。

                

                    (1) 大学を選択し教育を受ける学生、大学の研究者を志
                    望する者、卒業生を雇用する企業等、共同研究などの産
                    学連携を行っている企業等、国際交流の相手方となる海
                    外の大学や研究機関などが、大学評価・学位授与機構(仮
                    称)の行う評価の結果を参考にし、大学等を選択するうえ
                    での判断材料の一部とすることができる。これにより、
                    一面的な情報による偏った判断ではなく、各大学の個性
                    や特性、状況を正確に理解したうえでの有効な選択が可
                    能となる。

                     

                    (2) 資源配分機関や、助成団体、大学への寄付者(企業
                    等)などが、必要と判断した場合は、大学評価・学位授与
                    機構(仮称)の行う評価の結果を、配分指標あるいは参考
                    資料の一つとして活用することができる。これにより、
                    より適切かつ効果的な配分や資金提供が可能となる。例
                    えば各大学における優れた取組や教育研究活動の水準向
                    上の努力を正当に評価し、これらに対しよリ多くの資源
                    配分や資金提供を行うための手段の一つとすることが期
                    待される。

                     

               4 調査研究事業

                

               1 調査研究事業の必要性

                

               多元的な評価システムの下で行われる大学需価を、真に大学の
               教育研究の質の向上や個性化につなげていくためには、大学評
               価のシステムの有効性等に関する調査研究を進め、その研究成
               果を多元的な評価システム全体の充実に活かしていくことが必
               要である。

               また、大学評価・学位授与機構(仮称)が、将来にわたって各大
               学から信頼され、支援される機関となるためには、公平で、透
               明性・柔軟性が高い評価システムを構築・保持していく必要が
               ある。このため評価結果を常に厳正に分析し、有効性の高い評
               価システムを求め調査・研究を行い、研究成果を評価システム
               の改善・熟成に活かしていくことが重要である。

                

               2 調査研究内容

                

               調査対象としては、

               (1) 各大学の実施する自己点検・評価の分析調査

               (2) 外国における大学評価の分析調査

                 3. 大学基準協会や民間で広く行われている大学評価に関す
                    る分析調査など

               が考えられる。

               それらを基に大学評価・学位授与機構(仮称)が自らが実施した
               評価事業の結果も踏まえて調査研究を行い、大学評価を効果的
               に実施するための科学的かつ実証的な裏付けを得る必要があ
               る。

                

               研究課題としては、

               (1) 評価の指標の有効性に関する調査

               (2) 効率的かつ効果的な評価内容及び評価手法に関する研究

               (3) 評価結果の使用方法や評価の有する社会的機能に関する
               研究など

               が上げられる。

                

               3 調査研究成果の公表・提供

                

               調査研究成果の外部への公表・提供は、各大学の自己点検・評
               価や民間で広く行われている評価の効果的な実施に寄与する。
               特に、各大学の自己点検・評価の充実を図り、共通的な基準や
               手法の研究・開発、普及を強力に推進するための資料となるこ
               とが期待される。

                

               5 情報収集・分析・提供事業

                

               1 情報収集・分析・提供事業の必要性

                

               大学評価を真に大学の教育研究の質の向上や個性化につなげて
               いくためには、広く社会で行われている大学評価を含め多岐に
               わたる評価情報及び大学情報デーク・バンクの構築を目指した
               様々な情報の収集・分析・提供が必要である。さらに、大学評
               価・学位授与機構(仮称)の行う評価事業の成果の提供、広報
               という観点からの情報提供も必要である.

                

               2 情報収集・分析・提供事業の内容

                

               (1) 評価情報の収集・分析・提供

                

               国内外の様々な評価機関の行う評価のシステムや個々の評価結
               果に関する情報のみならず、評価の基礎となった資料やデータ
               (各大学、学部、専攻、学科別のデータ、個別の項目ごとに整
               理されたデータ、改革に向けての意欲的な取組みの実施例など
               の具体的改善例など)などの情報を収集・分析する。

               これらの情報を各大学に情報提供することによって、各大学の
               自己評価の内容・方法の充実に資するばかりでなく、大字評
               価・学位授与機構(仮称)自身が実施する評価事業のシステムの
               改善や調査研究事業に活用できるほか、民間の評価機関などが
               行う評価の充実にも役立つ。

               多元的な評価システムの全体像に対する社会の理解を深めた
               り、大学の業績等の公表にも役立つと考えられる。

               (2) 大学情報データ・バンクの構築を指向した情報収集・分
               析・提供事業

               大学の個性化を図るため、各大学の特色を的確にとらえるとと
               もに、各大学が他大学の状況を把握し教育研究の質の改善を考
               える際の参考とすることができるような情報や指標を蓄積した
               大学情報データ・バンクの構築を指向し、その基盤としての情
               報収集・提供事業を行うことが考えられる。なお、国際的な視
               点にも留意した情報の収集に努めることが望まれる。

                

               (3) 評価事業の成果の提供、広報という観点からの情報提供

                

               大学評価・学位授与機構 (仮称)の行う評価についても、上記
               1と同様の趣旨から情報提供を行うことにより、広く国民が評
               価結果を活用することが可能となり、また、評価事業について
               の理解を得ることが可能となる。

                

               提供手段としては、インターネット上にホームページを設け、
               評価事業結果報告書や年次報告書を公表するなどして、一般の
               国民に情報を得やすい環境を整備することが必要である。その
               際、国際社会に向けて情報発信にも努める必要がある。

                

               6 組織

                

               (1) 基本的考え方

               大学評価・学位授与機構(仮称)は、これまでの学位授与機構の
               業務と、あらたに加わる大学評価関係の業務をあわせて実施す
               る機関となるため、両方の業務を円滑かつ効果的に実施できる
               組織であることが求められる。

               これまでの学位授与機構の果たしてきた役割と今後のニーズを
               踏まえ、学位授与関係の業務の円滑な実施に必要な体制を引き
               続き維持する必要がある。

               同時に、大学評価関係の事業は、今後の高等教育の発展、学術
               研究の振興を考えた場合、極めて重要な位置付けを有するの
               で、事業が期待される有効な成果をあげることができるよう、
               大学評価・学位授与機構(仮称)は十分な規模を有する万全な
               組織として整備されることが肝要である。

               具体的には、学位授与関係の業務の実施を担ってきた教員組織
               や事務組織 (審査研究部や審査会等)に加え、大学評価関係の
               業務の実施を担う教員組織として評価研究部を、事務組織とし
               て評価事業部を設置するほか、管理部の拡充を図ることが必要
               である。

               また、管理運営組織である評議員会や運営委員会に加えて、評
               価事業の実施のため、評価委員会(仮称)を設けることが必要で
               ある。

                

               (2) 評価研究部

               評価研究部においては、教育・研究評価開発部門、評価システ
               ム開発部門、評価情報研究開発部門を置き、大学評価関係の事
               業について、次のような役割を担う。

               (1)大学評価事業について、研究・企画・調整を担当

                    ・ 評価研究部の教員は、大学の教育研究活動の特性を
                    踏まえ、専門的な立場から、評価システムの在り方を統
                    一的・継続的に研究し、より有効なシステムを企画す
                    る。また、評価事業の事後の分析やシステムの改善にお
                    いて中核的な役割を担う。

                    ・ また、評価事業の実施にあたり、評価事業全体のプ
                    ロセスを管理し、調整するとともに、専門的な立場か
                    ら、評価事業に携わる委員や事務スタッフを支援し、シ
                    ステムの統一的かつ有効な実施を担う。

               ・ 評価事業に携わる委員等の研修を企画し、推進する。

                    ・ 専任教員の一部は、必要に応じ、評価委員会(仮称)
                    またはその下に置かれる小委員会に、委員として参画す
                    る。

                     

               (2) 調査研究事業を担当(前述の「4 調査研究事業」)

                    (3) 情報収集・分析・提供事業について、必要なデータ
                    ーベ一スの構築も含め、システムの研究開発を担当

                     

               (3)管理部

               管理部においては、庶務・人事・会計・施設・共済・研究協力
               等に関する事務、学位授与に関する事務、大学評価関係及び学
               位関係の情報収集分析・提供に関する事務を処理する。

               特に、情報収集・分析・提供は、主要事業の一つに位置付けら
               れるため、充実を図る必要がある。

                

               (4)評価事業部

               評価事業部においては、評価事業の企画・立案・実施の各段階
               において、評価研究部と連携しながら、評価事業に関する事務
               を処理する。

               同部は、実施計画の策定・具体化にあたっての委員や各大学と
               の調整、評価事業に携わる委員等の研修業務の事務から始ま
               り、評価の基礎資料の収集・整理・分析、訪問調査や面接調査
               への随行、評価チーム内の連絡・調整、評価報告書作成の事務
               など、あらゆる面において、事務処理が要求されるため、相当
               数の事務スタッフが必要となる。

                

               (5)評議員会・運営委員会

               大学評価・学位授与機構(仮称)の組織運営規則(文部省令)に
               基づき、大学共同利用機関や学位授与機構の場合と同様に、評
               議員会と運営委員会を置く。

               評議員会は、大学の学長その他の学識経験者である評議員によ
               り構成し、大学評価・学位授与機構(仮称)の事業計画その他
               の管理運営に関する重要事項について、審議し、機構長に助
               言・勧告を行うものとする。

               特に評価事業については、広く社会に開かれ、また、各大学の
               信頼を得て実施されることが極めて重要であり、評議員会が、
               その在り方について、幅広い見地から審議を行い、機構長へ助
               言・勧告を行うことにより、評価事業の適正な実施と不断の改
               善充実が図られることが期待される。

               また、運営委員会は、大学評価・学位授与機構(仮称)の教授並
               びに大学の学長及び教員その他の学識経験者である運営委員に
               より構成し、大学評価・学位授与機構(仮称)の事業の運営実施
               に関する事項で機構長が必要と認めるものについて、機構長の
               諮問に応じるものとする。大学評価関係の事業と学位授与関係
               の事業のそれぞれの事業に適切に対応できるよう、運営委員会
               においては、委員構成や運営方法を工夫する必要がある。

               なお、評議員会等は、機構長の採用など人事面においても重要
               な役割を果たす機関である。(機構長の採用における選考は、
               運営委員会の意見を聴いたうえで評議員会が推薦をした者につ
               いて、任命権者(文部大臣〉が行う。また教授等の採用・昇任
               における選考は、運営委員会の議を経て機構長が推薦した者に
               ついて、任命権者(訓令によリ文部大臣から機構長に任命権を
               委任し、機構長)が行う。)

                

               (6)評価委員会(仮称)

               大学評価・学位授与機構(仮称)に評価委員会(仮称)を設け、大
               学評価事業や情報収集・分析・提供事業の実施要項等の基本的
               事項を審議するとともに、具体的な評価結果をとりまとめるた
               めの審議を行う。

               評価委員会(仮称)には、評価システムに大学の特性に応じた観
               点を取り入れるため、大学関係者が委員として参画するととも
               に、社会の側からの多角的な観点を取り入れるために、大学外
               の有識者が委員として参画する。

               評価委員会(仮称)に、テーマ別・専門分野別等の事門家が委
               員として参画する小委員会を設ける。

               なお、大学の諸活動にわたる多面的な評価の必要性、専門分野
               の多様性、また、評価対象数が大規模となることから、評価の
               実施にあたっては、小委員会の委員に加え相当規模の専門家を
               「評価員」として活用する必要がある。

                

               おわりに

                

               大学評価機関(仮称)創設準備においては、大学審議会の提言
               する第三者評価機関の設置が、大学改革を推進するための緊急
               の課題であるという認識の下に審議を行い、これまで4回の創
               設準備委員会、8回の専門委員会を開催した。その検討の状況
               を踏まえ、中間報告として整理した。

               引き続き、本年度末まで創設準備を行うことが予定されてお
               り、今回の整理を基に、さらに創設準備委員会において審議が
               続けられることとなるが、今後の大学評価・学位授与機構(仮
               称)の設置に当たっては、今回の中間報告に盛られた趣旨が適
               切に反映されることを期待するものである。

                

                

               大学評価機関(仮称)創設準備委員会委員名簿

                

               阿部博之  東北大学長

               阿部充夫  東京国立博物館長

               猪口邦子  上智大学教授

               ◯ 井村裕夫  科学技術会議議員

               荻上紘一  東京都立大学長

               笠見昭信  (株)東芝取締役専務

               木村 孟  学位授与機構長

               小出忠孝  愛知学院大学長

               小林陽太郎 富士ゼロックス(株)代表取締役会長

               田中弘允  鹿児島大学長

               丹保憲仁  北海道大学長

               鳥居泰彦  慶応義塾大学長

               永井順國  女子美術大学教授

               長尾 真  京都大学長

               中村桂子  JT生命詩研究館副館長

               蓮實重彦  東京大学長

                

                  + ◯は委員長

                

               大学評価機関(仮称)創設準備委員会専門委員会委員名簿

                

               天野郁夫  国立学校財務センター研究部長

               石村雅雄  京都大学助教授

               伊藤文雄  青山学院大学国際政治経済学部長

               内田博文  九州大学教授

               岡田益男  東北大学教授

               金子元久  東京大学大学総合教育研究センター長

               川口昭彦  東京大学教授

               ◯ 木村 孟  学位授与機構長

               齋藤安俊  学位授与機構審査研究部長

               舘  昭  学位授与機構教授

               安原義仁  広島大学教授

               山本眞一  筑波大学大学研究センター長

                

                  + ◯は委員長