==> 国立大学独立行政法人化に抗して 北海道大学評議員への呼びかけ

北海道大学評議員への呼びかけ


                                               平成11年9月28日
北海道大学評議員 各位

9.24に中央省庁等改革推進本部顧問会議第15回議事概要が
http://www.kantei.go.jp/jp/komon/990924dai15.html
に公表されていますが、文部省が9月20日に大学に示した提案に対する改革推進本
部の対応が記録されています。

> 国立大学を独法化する場合、その目的は、大学の経営管理体制の強化と同時に 自由
> ・自主性の向上にあると考えるが、それは独立行政法人通則法の枠内に収 まるのか
> どうか、また、基本法において大学の会計・財務の柔軟性の向上がう たわれている
> がその方向性については不変と考えてよいのか、との質問があっ た。これに対し、
> 国立大学についての例外は、文部省の検討結果がより具体的 に出てきた段階で検討
> したいとの説明があった。

これは、文部省が国立大学に示した提案について改革推進本部は何も約束しないとい
う明言です。つまり文部省の提案には政府側からの裏付けが何もないということです。

心配になって、これまでの国会の議事録や改革推進本部の議事録を調べてみましたと
ころ、改革推進本部は、独立行政法人の中期目標達成度に対する対応として、予算の
増減などではなく改廃(そして職員の非公務員化)の方を主要な選択肢と考えている
ことがかなりはっきりしました。独立行政法人化は、廃校の準備と考えていることが
かなりはっきりしているのです。関係する資料を少し集めて
"http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/agency/index.html"
に置きましたので、ご自身でご確認下さい。

独立行政法人化を受け入れてしまえば、学術的にどのように優れた中期業績を大学と
して挙げたところで、政府がどういう理由であれ廃校がいいと思えば、<効率が悪い
>という理由はいくらでも見つけられる以上廃校は文字通り不可避になります。です
から、独立行政法人化の選択は、数年後に廃校宣告が来る高い可能性を考慮にいれ、
私立(あるいは北海道立)大学としての設計図も同時に検討しなければならないもの
と思います。

しかし、私としては、「現状維持+定員削減」が最初はつらいようだが実は確
実で楽な道であることは自明だと思っています。これは多くの人が指摘してい
ることです。しかも、国立大学が国家的見地に立って敢えてこのつらい選択を
決断することにより、経済原理とは無縁の価値観の下に行動する存在であるこ
とを証し、「もうかるか否か」しか関心を持たない社会の中で、掛け替えのな
い役割を果たすことになると思っています。

おそらくこれが最後で最大のチャンスです。

辻下 徹
北海道大学大学院理学研究科数学専攻

PS.これは主要な問題ではないと思いますが、独立行政法人職員の公務員身分のこと
は改革推進本部の中の多くの議員が強く難色を示していることで、上の議事要約にも

> 独立行政法人の職員数についても純減を図るべきであり、そのためには、将来 の問
> 題として、設立時には公務員身分を与えることとする独立行政法人につい て、同一
> 法人に公務員身分を与えるものと与えないものの混在を認めて新規採 用者には公務
> 員の身分を与えないこととする等の措置を検討する必要があるの ではないか、との
> 意見があった。

とあります。この方法と、中期目標期間終了後の評価に依拠した身分変更の方法とを
組み合わせれば、どうにでもできます。文部省の提案にあるように独立行政法人化直
後に大学教職員が全員公務員となったとしても、それは一時的なもので実質的な意義
はほとんどないように思われます。