「独立行政法人問題に関する
山形大学人文学部教員有志の意見書」
の提案について
山形大学人文学部構成員 各位
1999年10月5日
独立行政法人問題に関する山形大学人文学部教員有志の会
「独立行政法人問題に関する山形大学人文学部教員有志の意見書」の提案について
ご存じのように、現在推進されようとしている国立大学の独立行政法人化は、激変
する世界に対応した将来の世代の知的・倫理的バックボーン形成に中核的役割をもつ
高等教育制度をどのように充実・発展させるかという根本問題の検討を回避して、も
っぱら国家公務員数の25%削減という著しく政治的で、本来の教育政策とはかけ離
れた文脈で提出されたものです。そして、その問題点は、本年1月の本学評議会の議
決にもあるように「21世紀の教育・研究の発展を阻害し、わが国における学術研究
の発展に重大な禍根を残すものである」ところにあります。
この独立行政法人化の問題点・危険性は、いくつかのマスコミの記事のように、大
学の外部からも指摘されつつあります。他方、残念ながら大学の内部では、独立行政
法人化の問題点が察知されながらも、現在の政治状況ではやむをえないという雰囲気
のなかで、次第に独立行政法人化の流れに流されていく気配があるように思います。
しかし、いま必要なのは、この50年間、とりわけ地方国立大学が日本の学術研究
と高等教育において果してきた役割とその成果を正確に認識しつつ、将来の大学像を
展望すること、そして国大協第一常置委員会の「中間報告」と文部省の「国立大学の
独立行政法人化の検討の方向」を冷静に検討し、その問題点を十分に把握したうえで
、独立行政法人化に反対する態度を明確にすることではないでしょうか。いま私たち
がこの問題についてはっきりと主張しておかなければ、それこそ将来に「重大な禍根
を残す」ことになるでしょう。
人文学部では、10月13日の臨時教授会において教授会の意見のとりまとめがお
こなわれ、10月20日の評議会で山形大学の意思形成がおこなわれます。その間に
も各地区毎の学長会議が開かれ、事態が急速に展開していくことも予想されますが、
11月の国大協総会にむけて、議論の渦を巻き起こしていくことが急務です。
最近、状況は少しづつ変わりつつあります。宮崎大学評議会が9月28日に「国立
大学の独立行政法人化に反対する」との声明をあらためて確認したことをはじめ、各
国立大学では真剣な議論が展開しています。全国の地方新聞も、地域にとっての国立
大学の意義を論じ、独立行政法人化の無謀さを指摘する記事を掲載することが多くな
ってきています。さらに、中央紙もことの重大さに気づきはじめ、独立行政法人化に
反対する解説や知識人の論説を掲載するようになってきました。わたしたちも、真剣
に議論を展開していきたいと考えます。
「独立行政法人問題に関する山形大学人文学部教員有志の意見書」は、こうした気
運のなかで教員有志が集い、とりまとめたものです。短い期間でまとめたものなので
、いたらないところがあると思います。人文学部構成員の方々にいくつかの論点を喚
起し、賛否双方含めてご意見をいただきたいと考えています。
この意見書は、人文学部構成員として学長および評議員に意見を提言するというス
タンスで書かれています。わたしたちは、もし多数の賛同が得られますならば、この
意見書の主旨を人文学部教授会としての意見に反映していきたいと考えています。そ
して、全学の意思形成に向けて発言していきたいと考えています。
また、わたしたち人文学部および山形大学の将来を考えていく一つの重要な契機と
し、議論のなかで、その内容を深めていきたいと考えています。
よろしくご検討をお願いいたします。
独立行政法人問題に関する山形大学人文学部教員有志の意見書(1999年10月5日)
山形大学人文学部教授会:国立大学の独立行政法人化に関する人文学部教授会の見解(1999年10月13日)