==> 国立大学独立行政法人 化に抗して
国民の皆さまへ

国民の皆さまへ

国立大学の一教官として御願いしたいことがあります。

 政府が国立大学に強要しようとしている独立行政法人化に対し、
私たち国立大学教官は、一部の方を除き、反対しています。これを
単なる保身と思われる方もおられるかも知れませんが、私たちの多
くは、独立行政法人化には国家的見地から見て底知れぬ危険性があ
ると判断し反対しているのです。この点をご理解いただきたく筆を
とりました。

 日本の教育・研究の場は多くの柱に支えられており、その中でも
国立・公立・私立大学は各々独自の役割を担う支柱であり、どの一
本を欠いても国家規模の取り返しのつかない破損が教育・研究の場
に生じます。

 国立大学の役割は、経済的負担の少ない高等教育の場を提供し、
経済原理とは調和するはずもない大多数の学問、政府や企業の批判
につながる研究、既成の枠にはまらない時間のかかる研究、マスコ
ミ受けしない地味な研究等々、に安定した場を用意することです。

 独立行政法人化後は、国立大学は政府から5年ごとに改廃審査を
受ける企業となりますから、まず最初にリストラされるのは、経済
原理に合わない研究を維持・促進する国立大学の独自性そのもので
す。

 さらに、すべての独立行政法人大学が確実に直面すると予測され
ている廃学処分後には、少数が私立として生き残れたとしても、公
立大学を除き高等教育は高価なものになります。これは人的資源し
かない日本にとっては致命的国難です。

 国立大学は一時の政府のものではなく、過去から未来にわたって
国民の皆さまの財産です。これを預かっている私たちは、政府が性
急に廃棄しようとしている国民財産を守り抜くつもりでおります。

 どうか以上の点をご理解いただき、ご支援くださいますようお願
いいたします。

http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh に上の論拠等を置いてい
ます。

北海道大学大学院理学研究科
数学専攻 辻下 徹