==> 国立大学独立行政法人化に抗して
独立行政法人化問題について

独立行政法人化問題について

岐阜大学地域科学部教授会
独立行政法人化問題について     10月20日
                                      
                    岐阜大学地域科学部教授会

 去る9月20日に、文部省が従来の立場を変更して国立大学の独立行政法人化に向
けて歩み出して以来、国大協や各大学の意向が依然として「移行反対」を基本的立場
として維持しているにもかかわらず、文部省の提示した方向が既定の事実であるかの
ような論調が強まっています。
 しかし、行政のスリム化、国家公務員の定数削減などを理由とするこの政策は、わ
が国の高等教育の在り方についての正面からの議論を抜きに進められており、このま
まに国立大学の設置形態の変更を行うことは、あまりに性急にすぎるといわなければ
なりません。さらに、主務大臣の定める中期目標に大学の教育・研究が拘束され、基
礎研究がおろそかにされるのではないかとの疑念も繰り返し表明されてきたし、企画
・立案機能と実施機能を分離するという独立行政法人なるものの制度設計について
も、一般の行政機関ですら問題が多いとされており、ふたつの機能を区別することが
そもそも困難な大学においてはこの制度の導入による混乱はさらに深刻なものになる
とする有力な見解もあります。研究・教育の在り方を効率や成果を基準とする二重、
三重の外部評価に委ねることについても、大学の自治や学問の自由という観点から強
い懸念が表明されています。
 岐阜大学においては、一昨年11月に国立大学の独立行政法人化には反対である旨
の評議会決定がなされており、昨年12月にはそのことを改めて再確認しています。
行財政改革をバネとして、この春以来事態が急転したにもかかわらず、大学の在り方
や将来の高等教育の使命に応えるという視点に立ってみるとき、国立大学がこの独立
行政法人化を受け入れざるをえない事情についての明確な説明はなお見当たらないと
いうべきであります。
 私たちは、大学がその使命にふさわしく機能するための改革は進められなければな
らないと考えており、大学内外からの率直な批判に応えながら、今後もこれまで以上
に自主改革の努力を続けていかなくてはならないものとその責任を自覚するものです
が、性急な制度改変は、こうした大学における努力に水を差し、研究・教育の論理、
大学人の意思を無視したものといわざるをえないでしょう。
 以上のことから、私たちは、国立大学の独立行政法人化に反対するという従来から
の立場を再確認し、国民各層のご理解と文部省、国大協をはじめとする関係諸機関に
おける慎重な対応を要望するものです。