==> 国立大学独立行政法人化に抗して
国立大学の独立行政法人化問題についての意見等について 東北地区国立大学長会議 <論点および主な意見或いは提案> 1. 国立大学の独立行政法人化について ○人文社会系のみからなる地方大学としては、到底賛成に廻るわけにはいかないので、こ の点での文部省の更なる努力を望みたい。 ○地方国立大学の浮沈は、地方文化の興亡を左右することから、地元の高校長やマスコミ 界等に独立行政法人化に対する危機認識がないので、国立大学協会が音頭をとって地元に 対し危機感を訴えてほしい。 2.「国立大学の独立行政法人化の検討の方向」の今後の見通しについて ○特例措置の具体的内容については、9月20日の国立大学長・事務局長会議での資料の「 検討の方向」にある特例措置等を全部盛り込むよう配慮・検討いただきたい。 3. 東北地区国立大学長会議の要望事項について ○東北地区国立大学長会議として、臨時の国立大学協会総会を開催して、議論を深めて対 応を図るよう要望する。 <国立大学の独立行政法人化問題に関する文部省への質問事項及び要望事項に対する文部 省説明要旨について> ◎文部事務次官挨拶 国立大学の独立行政法人化問題に関する文部省の考え方を、この9月20日に「国立大学の 独立行政法人化の検討の方向」としてお示ししたところである。今回文部省が出席してい るのは、各大学の声を聞くとともに、文部省の考え方を十分に説明したいためである。文 部大臣から、定員削減など諸般の事情から、来年度のできるだけ早い時期までに結論を得 るよう指示されている。この「検討の方向」の基本は、国立大学が世界的水準の教育研究 を目指し、その実現を図ることができるようにすることにあることに御理解をいただき、 良い知恵を拝借させていただきたい。・各大学の率直な意見を伺った上で、今後文部省の 方針を関係省庁に説明していくこととしている。 1. 「国立大学の独立行政法人化の検討の方向」の今後の見通しについて ◎今後のスケジュールについて ○現在先行機関の特例措置について交渉中であり、国立大学の特例措置についての今後の スケジュールば、まだ詰まっていない。 ◎特例措置について ○国立大学の特例措置について、十分に関係方面に説明し、理解を得たい。その結果、仮 に理解を得られない場合は、改めて国立大学の設置形態の在り方を検討することとなろう 。 ◎民営化再燃の懸念について ○通則法における独立行政法人の定義で「民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施さ れないおそれがあるもの」とされており、独立行政法人化と民営化は異なるものと考えて いる。 ◎移行手順について ○仮に、独立行政法人に移行するとした場合の手順については、平成12年度の早期に結論 が出た時点で考えることとしており、今後の検討課題である。 2. 独立行政法人化の必要性について ◎大学改革との関連について ○9月20日にも説明したとおり、大学改革の一環として、これを活用してより良い大学と したいと考えているので、どのような特例措置が必要か等について皆様のお知恵を拝借し たい。 ◎財源の確保について ○財政の確保については、非常に不安になる必要ばないと考えている。むしろ、資金の一 層の拡充が不可欠であり、そのようにしていきたいと考えている。 3. 国大協の見解・検討等について ◎文部省との関係について ○基本的に国立大学協会と文部省との認識が一致しており、第1常置委員会の中間報告を 十分に参考にして検討の上、今後とも十分相談していく。 ◎特例措置の法案他について ○仮に、国立大学を独立行政法人化するに当たっては、どのような内容の特例措置が必要 かについて十分に検討し、そこで得られた特例措置をどう法案化するかは法制局との協議 の中で詰めていくことになろう。 ◎各大学の検討について ○各大学には設置形態も含めて検討願い、何らかの結論が得られたら、文部省にお知らせ 願いたい。。なお、検討の視点としては、国立大学が発展していくためには何を改革して いくかを基本として欲しい。 ◎私立大学の反応について ○文部省として私大関係者に説明はしていないし、私大側でのとりまとめの動きもない。 4. 独立行政法人化と定員削減との関係について ◎独立行政法人化移行前後の定員削減の取扱いについて ○国立大学が独立行政法人化しない場合には、10年間で少なくとも10%の定員削減となる 。また、方針決定から独立行政法人化移行時もその対象となるが、移行後は国の定員管理 外となるので、対象外の扱いとなる。 ◎例外措置について ○文部省としては、方針決定から独立行政法人化移行時までを定員削減の対象外とするよ う働きかけたいと考えている。 ◎独立行政法人化移行後の定員削減について ○独立行政法人化した場合、一律の定員削減はないが、財務との関係から増員等について は一定の制約を受けよう。 5. 法人単位について ◎法人化の方向性について ○各大学ごとに法人格を取得することを基本とし、来年度可能な限り早い時期に結論を得 たい。 ○一部の国立大学が独立行政法人化することは考えていない。 ◎独立行政法人化に当たっての統廃合について ○文部省として現時点で大学の統合等の見通しはもっていない。教育研究の基盤強化のた め、各大学で考えることなので、そのような相談があれば、文部省でバックアップする用 意はある。 ◎独立行政法人化後の各大学の役割・機能の確保と予算措置について ○これまで各国立大学が果たしてきた役割・機能が十分に考慮されて予算措置されること になるものと考えている。 6. 業務について ◎業務内容について ○教育研究の実施というような全大学に共通な事項を一本の法律で規定し、各大学ごとに その分野を明らかにする内容を文部省令で規定するよう考えている。 7. 組織について ◎学長の位置づけについて ○学長の職務内容は、法人の長としては通則法で、学長としては学校教育法で定められて おり、法人の最高機関として位置づけられる。 ◎副学長の位置づけについて ○副学長は、通則法で「その他の役員」として位置づけられ、具体的職務は通則法とは別 に定めることになるが、学長補佐機関として位置づけられる。 ◎学長及ぴ副学長と審議機関との関係について ○これを図式化すると、学長が審議機関である評議会等の意見を尊重しつつ、副学長のサ ポートを得て管理運営を行っていく形になる。 8. 目標・計画について ◎中期目標と主務大臣の関係について ○中期目標と主務大臣の関係については、法律上の特例措置として検討することとしたい が、中期目標はその期間で完結するものではないことに留意願いたい。なお、主務大臣と 独立行政法人の立場を対等に規定することは、法令的に困難であると考える。 ◎中期計画について ○中期計画への記載事項については、通則法に規定されているところであり、これによっ て国立大学の自主性・自律性が拡大されるものと考えている。 ◎中期計画と予算要求の関係について ○独立行政法人制度下では、中期計画に墓づいて主務大臣が予算要求を行うこととなって おり、そのためには現在と同様、事前ヒアリングを行う必要があるものと考えている。中 期計画ごとの程度予算に関する事項を記載すべきかは今後の検討事項ではあるが、大枠程 度の記載となるものと考えている。 9. 評価等について ◎総務省審議会の評価について ○総務省の審議会は、各省庁の評価委員会の評価結果を評価するものであり、個々の法人 自体を評価の対象とするものではない。 ◎年度計画及びその評価の適用除外について ○少なくとも教育研究に関する年度計画及びその評価は適用除外にすべきいう考えについ ては、中期計画に従って年度計画が定められており、国立大学だけを適用除外にすること は非常に困難であると判断するが、国立大学の特性を踏まえ、今後十分に検討する必要が あるものと考える。 10. 人事について ◎身分について ○人事的には、国家公務員型を前提とし、教育公務員特例法を適用するという考え方であ るので、今と同様と考えてほしい。ただし、任命権は法人の長に移行し、給与体系も原則 的には各大学単位で決定できること、また、定員管理についても国の管理外となることが 現在と異なる点である。 ◎教員人事について ○教員人事については、教育公務員特例法の適用を前提とする現行制度の変更は意図して いないが、この点をどの程度まで法律で規定できるかは不明な点があり、今後慎重に検討 していく必要かあるものと考える。 ◎給与の上乗せについて ○職員の給与の上乗せについては、現段階では説明が困難である。原則的には、各法人に おいて決定が可能であり、各法人において様々な工夫が可能とされているが、通則法上で 国家公務員との均衡の保持への考慮が求められていることと、他の法人の基準を大きく逸 脱することの是非を考えると、自ずと限度があるのではないか。 11. 財務について ◎現在の資産の扱いについて ○現在の大学の資産の扱いは、現物出資の方向で考えられているが、具体的にどのような ものが該当するかは各大学と財政当局とで個々に協議することになるであろう。 ◎会計制度について ○会計制度については、ほぼ国立学校特別会計法による特例を維持できるものと考えてい るが、現在特別会計制度自体の見直しが行われているところであり、その動向を見守る必 要がある。 ◎授業料について ○各法人間又は学部間での授業料差の容認については、独立行政法人においては自己収入 を各法人の収入に直接計上でき、授業料もそのうちの一つであるという観点と、国立大学 の機能・役割が維持されるべきでありそのためには安易な授業料の値上げや学部間での授 業料差の容認によっては、国立大学の課たすべき役割に支障を生ずるという観点から考慮 されるべきであり、更に慎重に検討する必要がある。