==> 国立大学独立行政法人 化に抗して
山田晴通氏から国立大学へのメッセージ

山田晴通氏からの国立大学へのメッセージ

( 1999.10.29 [reform:02217] より転載)
(一部略)
私大に働く者の立場からいえば、国立大学における一連の変動は、これまで研究環境
や待遇の改善の目標としてしばしば掲げられてきた国立との格差の是正や、民主的な
大学運営の実現といった私たちの主張をおおきく揺るがすものです。

また、人的資源や社会的威信など、これまでの様々な意味での蓄積を背景とした「旧
国立大学」が、近い将来、財政基盤の確保のために、より私学に近い姿勢で学生獲得
競争に参入する事態などを想像すれば、私学界においても大きな混乱が生じるおそれ
は大きいと言わざるを得ません。

国立大学関係者の方々には、独法化の先にすすむ道が、単に現行の国立大学にとって
だけでなく、日本の高等教育全体にとって不幸なものであることを積極的に主張して
頂けるよう期待しています。

ご参考までに、東京私大教連の最近の機関紙に掲載されたコラムを紹介します。


 国立大学の「独立行政法人」への移行が、いよいよ急を告げている。国立大学関係 者は強く反対しているが、私学人の一部には、国立大学偏重からの政策転換として独 法化を歓迎する向きもある。「やっと国立と同じ土俵に上がれる」と考える私大関係 者も実は少なくない。 国立大学と私立大学は、従来それぞれの時代状況の中で一定の棲み分けを行ってた。 それは、国立が研究中心で私立は教育中心だとか、国立は少数エリート教育で私立は 大衆的マスプロ教育といった、単純な整理で割り切れるものではない。国が公共の利 益のために支える国立大学に対し、公共性をもちながらも個々の建学の理念と自立的 な運営の下で特色ある教育・研究を展開するのが私立大学である。国立と私立はそれ ぞれに得意な分野をもち、学術研究と高等教育に広がりと多様性を築いてきた。 しかし、独法化の結果、現行の国立大学が私学に近い経営形態に移行すると、どんな ことが起こるのだろうか。例えば、国立大学が私大なみに収容定員を上回る学生を確 保しはじめたら事態はどうなるのか。 国立大学の独立行政法人化は、私学人にとっても、他人事、対岸の火事ではありえな い。異なる性格の組織であっても私たちと同様の仕事をしている人々の境遇に重大な 変化が生じようとしていることに、私たちはもっと敏感になるべきだ。