==> 国立大学独立行政法人 化に抗して
11/12北大理学研究科教授会動議原案

11/12北大理学研究科教授会動議原案


北海道大学理学部・理学研究科教官の皆さまへ
(これは北海道大学全体にも配付します)

明日12日の理学研究科教授会において、次を動議として提案します。
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(提案)以下の声明文案について審議修正の上採決する。可決された場合は国
立大学協会の総会(17日18日)開催前に報道発表する。否決された場合は
全教官による拡大教授会の開催を採決する。
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提案内容、声明文案、等について御意見があればぜひお聞かせください。
明日はそれを考慮したものを提案したいと思っております。
(中略)
なお、米国の大学評価機構について
 喜多村和之「大学淘汰の時代ー消費社会の高等教育」(中公新書 965)(1990)
に詳しい説明がありますので、興味あるかたはごらんください。

また、地球環境科学研究科では、次回12月2日の教授会で研究科としての態
度を全構成員を加えて議論を行った後、教授による議決を行うことが、昨日の
教授会において可決されたそうです。

辻下 徹
数学専攻
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北海道大学大学院理学研究科 教授会声明文(案)

学問研究の主目的は、世界・生命・人間・自己の描像を絶えず適切なものする
ところにあり、大学教育の主目的は新しい世代に最善の描像を伝えると同時に、
それが絶対的なものではないことを教え、絶えず新たな描像を描こうとする姿
勢を学ばせるところにある。この目的によって大学は有機体をなし、その中で
初めて様々な学問分野の研究・教育に深い意義が生じるのである。国立大学の
独立行政法人化は、学問のこの有機的統一性を根本から崩す危険性を持つ。

中世に欧州で本来の使命から遊離した<宗教>が数百年にわたる知の暗黒時代
を招いたように、今、生産という経済活動の原点から遊離した<経済原理>が
知の暗黒時代を招こうとしている。学問の世界がビジネスの世界に精神として
接近している国が増えている中、日本ではいまだ、学問の原点に根差した研究
生活に沈潜できる環境が残されている。中世において、欧州の外に知の中心地
が移り人類が原始時代に戻ることを防いだように、日本は、知の新たな中心地
となり人類が原始時代へ退却することを防ぐ使命を持っている。

国立大学の独立行政法人化は、バブル経済を惹起しバブル崩壊で弱体化した大
企業を支援するために、国立大学を解体し<無駄>を省き下請け研究会社に作
り変えて提供するものであり、日本の近未来に話を限ればそれなりの意義はあ
るが、世界で残り少ない知の場を大きく刈り込むこむものであり、人類史的見
地から見ればこの上ない愚行である。

しかしながら、国立大学制度の中で、知の場の地盤が種々の要因で弱体化しつ
つあることは否めず、国立大学制度という環境の中で、弱体化した地盤をいか
に回復し拡大していくかを真剣に考え具体的改革案を立案していくことが必要
である。その中で特に重要なことは、大学設置審議会・学位授与機構等の国の
評価機関以外に、米国の基準団体に匹敵する機能と権限を持つ、本格的な大学
評価機関、および評価機関自身の評価機関を、我々自身の手で育成していくこ
とと思われる。これは多大な時間と労力を要する作業であるが、これなしには、
日本の大学の未来はあり得ないと思われる。

さて、当研究科は8月30日に独立行政法人化受け入れがたいことを表明し、
その理由として次の点を挙げた。

(ここは最終案と同じなので略)

当研究科は、文部省が通則法の枠内で検討が進めている独立行政法人化は、基
礎科学の研究教育を不可能にするだけでなく学問全体を矮小化し知の暗黒時代
を招く大きな危険性を孕んでおり、強く反対する。また独立行政法人化問題の
帰趨に責任のある位置におられる方々、特に国立大学協会と文部省に対し、こ
の重大な問題について拙速に結論を出さないないように要望すると共に、文部
省および政権担当者に対しては通則法の枠内での独立行政法人化を断念し、世
紀に一度という制度改革をわずか1年で結論を出すような無思慮な日程を放棄
し、国立大学のあるべき姿を根本から検討しなおすことを要請する。

それと共に、大学設置審議会と学位授与機構に並ぶ、新たな大学評価機構と、
評価機構自身の評価機構を非政府機関として設立することに向けて検討を始め
ること全高等教育機関とその構成員に呼びかけたい。
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