==> 国立大学独立行政法人 化に抗して
地学団体研究会全国運営委員会 [reform:02320]より転載

国立大学の独立行政法人化に反対する声明

地学団体研究会全国運営委員会
        国立大学の独立行政法人化に反対する声明

 日本の国立大学は,学問の自由と大学自治を基盤に,基礎的で長期的展望をもっ
た研究・教育に取り組み,国民の高等教育を受ける権利を保障する役割を担ってき
た.
 ところが,最近になって,財政の効率化を目的とした行政改革の一環として,国
立大学の独立行政法人化が急浮上してきた.つまり,国立大学の独立行政法人化は,
今後の大学があるべき姿を模索する真摯な大学改革の動きから提起されたものでは
ない.
 独立行政法人通則法によれば,国立大学が独立行政法人化されることによって,
文部科学大臣による中期目標の指示,中期計画の認可,文部科学省に置かれる評価
委員会による実績評価と文部科学大臣による検討が行われ,その成績次第で財政も
増減されることになる.したがって,国立大学は主務省である文部科学省の完全な
統制下に置かれることになる.
 このような状況の下では,研究者や大学は資金獲得や生き残りのための熾烈な競
争に走らざるを得なくなる.その結果,時の政府や財界等の要求に即し,かつ,短
期間に成果を挙げられるプロジェクト型研究が優先されることになって,国民生活
に必要な研究やオリジナルな発想による自主的・基礎的・長期的視野に立った研究
や教育がないがしろにされることになる.
 また,国立大学が独立行政法人化された場合,授業料を数倍に値上げしなければ
経営が成り立たなくなると試算されており,憲法に保障されている,国民の能力に
応じて等しく教育を受ける権利を奪うことになる.特に,これまで地域の文化,教
育,学術の中核として寄与してきた地方大学の場合には,経営が成り立たなくなっ
て,最悪の場合には廃校という事態にもなりかねない.
 このように,国立大学の独立行政法人化は,大学における国民の立場に立った研
究・教育を破壊し,さらに国民の高等教育を受ける権利を侵害する許し難い暴挙で
ある.創立以来,学問の自由を守り,「国民のための科学」を求めて活動してきた
我々地学団体研究会は,国立大学の独立行政法人化に強く反対する.そして,関係
の諸団体・諸機関が,ともに反対の行動に立ち上がることを切望する.

1999年11月13日
                       地学団体研究会全国運営委員会