情勢変化・推薦文献・用語解説
北大構成員の皆さまへ
来年は独立行政法人化の動きが大詰めを迎えます。1月の国立大学協会総会開
催は見送られる可能性が出てきましたが、2月頃に文部省案の要点が確定した
後、各国立大学ごとに短時間に決断を迫られる可能性があります。その時期は、
入試等の年度末業務で大学は忙殺されていて十分な議論をする暇はないと思い
ますので、大学人全員が各々責任を持った判断ができるための準備を<冬休み
>中にしておく必要があると思います。年末年始の休暇の一部を割いて、ぜひ
独立行政法人についての知識を深めて下さいますようお願い致します。
どうぞよい年をお迎え下さい。
辻下 徹
PS.ご参考までに
目次:
前提の変化
推薦文献等
基礎用語
【前提の変化】
国立大学の独立行政法人化の検討が始まった頃から、前提が変わってきた。
・10%の定員削減は独立行政法人化が決まった大学にも適用される。
・国立学校特別会計の1兆円の累積赤字は独立行政法人大学が引継ぐ。
・独立行政法人の公務員型の職員の人数は国会への報告事項となる。
・5年毎に公務員型身分継続を(個人単位あるいは法人単位で)審査。
・独立行政法人大学の入学金・学費・学生数等も国会への報告事項となる。
・運営交付金は負債として大学に貸与される。
・運営交付金の剰余金の使用使途には厳しい制限がある。
・寄付金や委任経理金の分、運営交付金が減額される見込みが強い。
【推薦文献】
(1-a)独立行政法人制度に関する大綱事務局原案
http://www.kantei.go.jp/jp/syoucyou/v.html
(1999.4月時点での独立行政法人の制度設計の主旨を知ることが
できる。若干変化してきたところもあるが、全体像が明確にわかる。)
(1-b)「中央省庁等改革の推進に関する方針」(1999.4.27)
http://www.kantei.go.jp/jp/cyuo-syocho/990427honbu/housin.html
(行政改革の全体像と、行政内での独立行政法人の位置づけがわかる。
「III 独立行政法人制度関連 項目16」は通則法にある「審議会」として
総務省内におかれる「政策評価・独立行政法人評価委員会(仮称)」の詳細な規定
があり必読)
(2)独立行政法人通則法
http://www.kantei.go.jp/jp/cyuo-syocho/990427honbu/houjin1-h.html
(制度設計を法律に表現したものに過ぎないが一瞥の必要がある。)
(3)国立大学協会中間報告
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/99907-kokudaikyou.html
国立大学の独立行政法人化についての問題の全貌が検討されている。必読。
(4)文部省案
http://www.monbu.go.jp/news/00000368/
現在検討中の独立行政法人化案の概要。必読。
(5)「大学評価機関(仮称)創設準備委員会中間まとめ」
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/999-hyouka.html
(独立行政法人化とは無関係に国立大学に関わる機関創設の検討状況)
(6)独立行政法人会計基準 中間的論点整理
http://www.kantei.go.jp/jp/komon/dai15append/siryou3.html
独立行政法人の企業会計制の検討。内容は会計学的予備知識が多少必要。
(例えば「会計学入門」(櫻井久勝著)日経文庫ISBN 4-532-10728-8)
運営交付金が貸与される点が明確に述べられている。)
-- 以上が必読と思います。以下は、背景を理解するのに助けになります。--
(7)通産省産業政策局産業技術課大学等連携推進室が試験的に行った
日本の15大学の評価
http://with.mri.co.jp/Sangyougijutsuka/rs-0.html
(総務省の審議会は、民間組織のこういう評価を参考にできる。)
(8)経済企画庁経済研究所教育経済研究会報告書の要約
http://www.epa.go.jp/98/g/19980406g-kyouiku-s.html
(国立大学の独立行政法人化への圧力は行革だけではない)
(9)「総務省設置法」
http://www.kantei.go.jp/jp/cyuo-syocho/990427honbu/soumu-h.html
(独立行政法人大学を監督するのは文部科学省だが評価・監視・改廃審議するのは
総務省である。)
(10)ユネスコ「21世紀に向けての高等教育世界宣言」
http://www.kpu.ac.jp/Resource/UnescoJ.html
(日本の高等教育政策の偏りを浮き彫りにするものです。)
-- 以下は2つの立場の意見の見本です。--
(11)北大学長メモ「Agency 化について」
北大にとって重要な問題点の多くに触れている。
(12)独立行政法人反対首都圏ネットワーク「独立行政法人と大学の未来」
http://www.asahi-net.or.jp:80/‾bh5t-ssk/net/netkityou991117.html
(独立行政法人化の問題点を整理したもの。独立行政法人化に反対ではない人でも
一読の価値がある)
(13)国立研究所の証言
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/99929-fujimoto.html
(独立行政法人化の検討が2年先行している国立研究所の方の証言。国立大学への
警告も含まれている。)
(14)他にも多くの情報や論説が、「国立大学独立行政法人化の諸問題」
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh
にありますので見てください。
なお、国立大学だけでなく国家機関の独立行政法人化自身や、その背景にある、
現在の行財政改革の考え方自身も含めて、問題の根底を吟味しておくことも必要
です。根底からの認識を深めるには「激震!国立大学−独立行政法人化のゆくえ」
(岩崎稔/小沢弘明 編、未来社 ISBN 4-624-40049-6 )
が最善です。
【基礎用語の説明】
国立大学の独立行政法人化問題の資料や議論に登場する用語の簡単な説明を試
みたページ
http://fcs.math.sci.hokudai.ac.jp/dgh/dgh-terms.html
をつくりましたので参考にしてください。以下その一部だけ記載します。
・「通則法」(正式名「独立行政法人通則法」)
1999年6月に通常国会で可決された法律。独立行政法人の骨子を定める。
・「個別法」(独立行政法人毎にできる法律の総称)
通則法というテンプレートに、個々の独立行政法人特有の具体的事項を書き
入れた法律。たとえば12月に「独立行政法人大学入試センター法」が可決さ
れたがこれが大学入試センター用の個別法。
・「特例法」:意味が動いている。6月の藤田ジュリスト論文や国大協第一常
置委員会の9月の中間報告では、行革本部が構想した独立行政法人の設計図自
身を変更するようなものも含んでいたが、第二藤田論文では9月の文部省案の
「通則法+特例措置」も特例法と呼ぶことを提案している。
・「特例措置」
通則法で規定されている独立行政法人の大枠の一部を変える法令。たとえば文
部省案にある「文部科学省に置かれる評価委員会は、教育研究に係る事項につ
いては、「大学評価機関(仮称)」の評価結果を踏まえて評価及び大臣への意
見表明を行う」。どの「特例措置」が通則法と整合的かについての判定するの
は行革本部であると思われる。
・「行革本部」中央省庁等改革推進本部
http://www.kantei.go.jp/jp/cyuo-syocho/index.html
独立行政法人を含む行政改革の現在の中心組織(内閣直属)
・「総務省」2001年の中央省庁の改革で新設される省。内閣を補佐するこ
とが使命で、総務省設置法にあるように、行政活動全般を評価・監視する強い
権限を持ち、その一貫として、独立行政法人を評価・監視し改廃等を決める。
・「大学評価機関」
文部省案にある特例措置の一つである、独立行政法人大学の「学術的評価」
を行う予定の組織。東大・京大・東北大学長等も参加する大学評価機関(仮称)
創設準備委員会が設立準備中。この組織自身も独立行政法人として設立される。
・「藤田ジュリスト論文」97年以来行革本部の軍師的存在を勤め、行革の大綱
を設計した行政学者の論説。独立行政法人化は国立大学にとって行政学の視点か
らは最善の選択であることを論じたもの。国立大学教職員13万人全員に配られ、
多くの大学人に独立行政法人化が不可避であるという印象を与えた。
(藤田氏のホームページhttp://seri2.law.tohoku.ac.jp/‾fujita/に関連する
文献がある。2年前の行革本部への提案も掲示してある。)