「p61 おわりに
国立大学等の法人化とは、各大学等が、競争的環境の中で切磋琢磨することで活性化し、能カ・個性を最大限に発揮できるよう、国と国立大学等と社会との三者の関係を見直し、各大学等の自主的・自立的な運営体制を確立するための改革である。
その意味において、まず国に対しては、改革の趣旨に沿った周到な制度設計に加え、何よりも法人化後の制度運用における大学等の自主性・自律性への配慮と、高等教育・学術研究等への効果的で十分な支援について責任が問われることになる。他方、各国立大学等に対しては、自主性・自律性と表裏をなす自己責任に対する深い自覚が求められるとともに、真に自律的な運営、すなわち、自らを厳しく律するルールや体制を自らの手で確立することができるかどうかが問われる。
また、産業界その他大学等を取り巻く社会に対しては、「知」を支える大学等の在り方に対する高い関心と深い理解に加え、我が国の大学等の発展への積極的な参加と貢献が期待される。
法人化による国立大学の改革と新生は、新制度に移行した後の、このような国と国立大学等と社会の各々の絶えざる努力と相互の意思疎通の進展によってこそ、その実を上げうるものと言える。重ねて関係者の取り組みを期待するとともに、当事者たる国立大学等の全ての構成員が、法人化の趣旨を十分に踏まえ、自覚と自信を持って新しい道を切り開いていくことを希望する。」
♯(国と産業界の責任を追究する制度は何も具体的に提言せず、国立大学の責任を追究する制度のみ詳細に提言する報告書ーーこの歪みを覆い隠すかのように、国・大学・産業界3者の責任を「公平に」厳しく問うポーズだけ見せて報告書を結んでいる。言葉だけの「公平性」は誰も納得させることはできないだろう。