国立大学独立行政法人化の諸問題国会
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第154回国会 文教科学委員会 第8号

平成十四年四月二十五日(木曜日)


非公務員型1中期目標大学のあるべき姿(文部科学大臣)非公務員型2兼業への歯止め事務職の非公務員性H16採用も公務員試験統合法人化と学校教育法
○委員長(橋本聖子君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。

 質疑のある方は順次御発言願います。

○有馬朗人君 皆さん、おはようございます。

 今日は、国立大学の法人化について中心に御質問申し上げたいと思います。この問題を論ずる際にいつも私は自己批判をしているようなところがありまして、今までの一生のことを総括するような気がして、今日御質問申し上げます。

 まず、英国のエージェンシーの日本版である独立行政法人の考えが初めて浮上しましたのは、当時の橋本龍太郎総理を会長とする行政改革会議においてでありました。そして、一九九七年九月には東京大学と京都大学を独立行政法人化しようという提案が会議の中で水野清事務局長よりなされました。

 私は、直ちに反対いたしました。その主な理由は、日本は高等教育への公的、財政的支援をもっと強化しなければ国際競争に負けてしまうこと、欧州先進国では大学の九〇%以上が英仏のように国立かドイツなどのように州立であること、私学が多いのは日本とアメリカで、どちらも大学総数中七五%あるが、日本では七五%の学生を私学に依存しているのに反してアメリカでは四〇%にすぎず、校数は少ないが州立大学が六〇%の学生を教育していることでありました。私は、国立大学の独立行政法人化を図るのではなく、もっと高等教育への財政的援助を増大し、私学助成を強化すべきであると主張いたしました。

 また、当時より国公私立大学は大学の改革に積極的に取り組んでいましたから、一九九七年十二月の最終報告では、国立大学の改革の方策の一つとしての可能性を独立行政法人化も視野に入れて考えようという結論になりました。一九九九年四月の閣議決定ではこの報告の結論を一歩進め、国立大学の独立行政法人化については、大学の自主性を尊重しつつ大学改革の一環として検討し、平成十五年までに結論を得るということになりました。

 文部省としてもこの線に沿って検討を進め、一九九九年の八月より有識者による国立大学等の在り方に関する懇談会を発足させ、その審議の結論を考慮に入れて、一九九九年九月二十日に国立大学の独立行政法人化を検討する際の基本的な方向を私及び高等教育局長より国立大学の学長会議に提示し、この線に沿って検討を始めるべく要請いたしました。その際、身分は公務員型といたしました。

 ここで、私が行政改革で反対したのにその考えを変えたのはなぜかと申しますと、文部省及び私自身の調査によって、欧米先進国の多くの国立、州立の大学が法人格を持っていて、そのことにより大学が独立性、自律性を持っていることを知ったからであります。

 以上、私自身が強くかかわったことについてまとめて申し上げました。このようなことを前提にして幾つかの質問をさせていただきます。

 まず第一問は、その後、文部科学省及び国立大学協会で検討され、先週の四月十九日金曜日に国大協臨時総会が行われ、一つの結論に達したと伺っておりますが、そのことについてお教えください。

○政府参考人(工藤智規君) 先週、四月十九日に国大協の臨時総会があったわけでございますが、これは、先月、三月二十六日にこれまで調査検討会議で進めてまいりました国立大学の法人化の方向についての最終報告が取りまとめられたのを受けて、国大協としての御審議をいただいたものと承知してございます。

 調査検討会議の最終報告では、既に御承知のとおりと存じますけれども、主な内容としまして、大学ごとに法人化することによりまして自律的な運営を確保し、各大学の切磋琢磨による国際競争力の育成を図ること、それから二番目には、教職員の身分を非公務員型とすることによりまして、各教職員の努力と実績に応じた処遇の実現でございますとか、あるいは産学官連携など教員の多彩な活動を活発化させること、三つ目に、学外者を役員等に参画いただきまして、役員会によるトップマネジメントを導入することによりまして透明で機動的、戦略的な大学運営を実現すること、さらに四つ目としまして、第三者評価の導入によりまして事後チェック方式に移行することによりまして、各大学の個性に応じたそれぞれの努力や実績が適切に評価されて個性的な発展が図られることなどをうたったものでございます。

 この最終報告を受けた国大協での御論議の結果、会長談話が取りまとめられまして、その談話の中でこう述べてございます。二十一世紀の国際的な競争環境下における国立大学の進むべき方向としておおむね同意できるというのが第一点、さらに国大協として最終報告の制度設計に沿って法人化の準備に入ることということなどが明らかにされたところでございます。

○有馬朗人君 今お聞きしたところでは公務員型ではなく非公務員型ということでありましたが、非公務員型を良しとする理由は何でしょうか。

 その際、非公務員型でも、国としての財政的支援が今までどおり、願わくばそれ以上に行われる保障はどのようにして約束されるのでしょうか。

○副大臣(岸田文雄君) 法人化後の国立大学の教職員の身分でありますが、調査検討会議の最終報告において、国家公務員法等にとらわれないより柔軟で弾力的な雇用形態、給与体系、勤務時間体系、さらには外国人の学長あるいは学部長等管理職への登用、あるいは兼職・兼業の弾力的な運用、さらには試験採用の原則によらない専門的知識、技能等を重視した職員の採用、こうした点で、弾力的な人事制度を実現し得るという点で非公務員型の方が優れた面が多いというふうにされているところであります。メリットとしては、ここに挙げられている点が挙げられると存じます。

 また、国からの財政支援につきましては、これは公務員型あるいは非公務員型、いずれの場合でも取扱いは異なるものではないと考えておりますので、その運営費交付金等において必要な措置を講じてまいりたいと考えております。

○有馬朗人君 そこのところは是非しっかりやっていただきたいと思います。外国人が多く採れるとか外国人を学長にすることができる、こういうことは私は非常に評価をいたします。

 私は、教育や研究を行う大学が独立行政法人として、行政の一環として取り扱われることには終始反対をしてまいりました。

 そこで、国立大学を法人化したときの名称はどのようなものになるのでしょうか。また、その際、国立大学法人のための法律は、独立行政法人法とは別個に新たに作られるのでしょうか。

○政府参考人(工藤智規君) 今後、更に政府部内等で検討しながら、また御審議を賜りたいと思ってございますが、先般まとめられました最終報告で御提言いただいておりますことによりますと、法人化後の大学の名称でございますが、先行しております独立行政法人は独立行政法人何とかかんとかということでございますけれども、国立大学につきましては、一つには、高い自主性、自律性を前提にしながら大学教育、それから学術研究を主体的に展開する法人であるということ、二つ目には、従来から国立大学の総称が社会的にも広く定着しているということ、三つ目に、所要の財源措置が前提とされておりまして、学校教育法上の設置者としては国立とする方向で整理する必要があるということ、ということなどを総合的に勘案しまして、国立大学法人何とかかんとかという方向が示されているところでございます。

 それから、実際の法案でございますけれども、これも今後の検討によるのでございますが、最終報告での御提案は、独立行政法人通則法とは別に国立大学法人法あるいは国立大学法というような形で制定するのが適当であるという御提言をいただいているところでございます。

○有馬朗人君 私も、是非その方向でお進めいただきたいと思っております。

 例えば、国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議、ただいまお話がありました報告、新しい国立大学像についてという報告書などにおける国立大学法人化の議論において、いささか実行策の策定に中心があり過ぎるように感じております。

 そもそも大学とはいかなるものか、その本質についてどう考えるかが重要だと私は思います。この点についての文科省のお考えをお聞かせください。

 私は、社会ですぐ役立つような教育研究も大切ですが、すぐには日に当たらないような基礎的なものも大切だと思っています。各大学は、その理想とする理念、目的等、言わば建学の精神を持つべきであり、それを長期目標とすべきであります。

 ところが、今回の調査検討会議では、中期目標について論じられてはいますが、長期目標には触れられていないのはどうしてでしょうか。大学は、人類の英知を継承し、発展するための教育研究の中心の場であるべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。この点に関しては、遠山大臣より御見解をお伺いいたしたいと思います。

○国務大臣(遠山敦子君) 大学のあるべき姿といいますか、大学の持つ使命といいますものは、私は今、有馬委員が御指摘になりましたように非常に大事なものがあると思っております。

 一つは、教育を通じて優れた人材を輩出することでございます。これは大学の使命の中で最も大事なことだと思っております。同時に、大学におきましては、優れた研究を展開をしまして独創的な研究を行う、あるいは人類の英知が積み重ねてきた知の体系というものを継続させていく、そういった大変重要な使命があると思っております。同時に、それは研究者が自ら満足して研究するということだけではなくて、その研究を通じて社会に役立っていくという面も大変大事ではなかろうかと思っております。

 したがいまして、教育研究というものを立派に遂行していただくのと同時に、社会貢献ということも近時では特に大事になっておりますし、これからの日本を考えましてもそのことは大変重要と思っております。その中で、社会に役立つ研究、あるいは実際の産業にも役立っていく分野ももちろん大事だと思いますし、しかし、より長期的な目を持つといたしますと、五年後、十年後のことだけではなくて、五十年、百年先の人類の知にどう貢献していくか、あるいはその後、そのころにおける日本の知的存在感というものを増していくために大学がどうあったらいいかというようなことも含めますと、基礎研究というものは非常に大事だと思っております。

 そうした私は三つの大変重要な機能が大学にはあるわけでございまして、そのこと自体は言わば余りにも自明なことと考えております。今回の報告におきましてそのことが取り上げられておりませんのは、むしろ余りにも自明であるということで、その後にあるいはそのことを本当に達成していくためにどのような組織、どのような予算形態、あるいはどのような設置形態であればいいのかということが論じられたものではないかと思っているところでございます。

 したがいまして、それぞれの大学はそうした本来大学が持つべきいろんな機能の中から、自らの大学の特色としてうたい上げる理念あるいはその設置の精神というものを明確にしていく、そのようなことは大変大事な時代に入ったと思っております。

○有馬朗人君 ありがとうございました。

 自明ということは時々忘れるということでもありますので、これ、是非とも自明なことをきちっと自明にしておいていただきたいと思います。

 国立大学法人化に際し、具体的な問題について更に質問をさせていただきます。

 大学における自己点検、自己評価はかなり各大学に浸透し、実行されております。さらに、第三者評価、外部評価も抵抗が少なくなったと思います。一九九三年に東京大学の学長として、東京大学理学部で初めて外部評価を実行いたしました。外国人を含めて実行いたしましたが、その際、大学の自治が侵されるというような学内外の強い批判や反対を考えますと、今昔の感に堪えません。

 法人化されると文科省に評価機関が設置されることになります。その際、どのような人によってどのようなことが評価されるのかお教えください。その際、私は、教育研究に自ら携わる人々による、すなわち同僚による評価が大切と思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(工藤智規君) 御指摘のように、これまでの各大学における自己点検・評価、それから外部評価の経験を踏まえましてこの最終報告での御提言もなされてございまして、国立大学の事後的な評価をするに当たって、文部科学省にこれまで置いております独立行政法人評価委員会とは別に国立大学評価委員会を置くべしということが提言されてございまして、その構成につきましては、社会、経済、文化等の幅広い分野の有識者の方々を含めまして、大学の教育研究や運営に関しまして高い識見を有する方によって構成すべしということが言われているわけでございます。

 また、具体的な評価の手続につきましては、各大学がその中期目標の達成度等につきまして、自ら点検・評価を行いまして、それを御報告いただく。その御報告いただきましたものを、特に教育研究に関する部分につきましては専門的な観点から大学評価・学位授与機構を活用してそこでの専門的な評価をお願いし、更に運営面なども含めた全体について、先ほども申しました評価委員会で総合的な評価を行うというような方向が提言されているところでございます。

○有馬朗人君 目的が比較的狭く定まった研究所と違いまして、大学では広い分野について教育研究が行われ、時にはごくごく少数の専門家が研究教育をしていることも多いのであります。そのような分野についてはどのように評価をなさるのでしょうか。

○副大臣(岸田文雄君) 調査検討会議のその最終報告を見ますと、今、先生御指摘のように、大学が多様な活動を行っていることを踏まえて、国立大学評価委員会による評価に先立って、まず各大学における自己点検、自己評価を実施する、そして、そのうち教育研究に関する評価については外部の専門的な機関である大学評価・学位授与機構を活用する、その上で国立大学評価委員会が総合的に評価するという仕組みが報告の中で盛り込まれております。基本的には、こういった仕組みの下にそういった様々な多様な分野の活動を評価していくということになると存じます。

○有馬朗人君 私はよくサンスクリットについての教育や研究を例に取りますが、このような地味な、日の当たらない、しかし重要な分野の教育研究をどのようにして今後推進していったらばよいか、お考えをお聞かせください。

 このような分野は、応用の利く科学や技術の分野と違って外部より財政的支援を受けにくいと思いますが、どのようにして支援していただけるのでしょうか。このような、すぐに利益を生まない人文科学や自然科学の中でも極めて基礎の教育や研究、これこそ国として育てていかなければならないと私は考えますが、この点いかにお考えでしょうか。

○副大臣(岸田文雄君) 国立大学というもの、御指摘のような分野も含めて我が国の学術研究の推進に大きな役割を担っております。この役割は今後とも強化をしなければいけないという認識でおります。

 そこで、今回の法人化は、このような国立大学に期待される機能を十分発揮するため、国としての一定の財政措置を当然の前提としつつ、その自律的な運営を確かなものにするためにいろいろ工夫を行うというのがこの提言の趣旨であります。ですから、最終報告で、事前の規制を緩和し、各大学の創意工夫により教育研究の柔軟な展開が可能とするよう提言をしている一方で、各大学の目標、計画の策定の認可ですとか、国立大学評価委員会による業績評価ですとか運営費交付金の措置ですとか、こうした仕組みによって設置者である国がしかるべき責任を果たすための仕組み、こうした仕組みも併せて提言されているわけであります。

 こうした仕組みを十分活用して、御指摘のような分野を含めた教育研究についても充実強化が図られるよう、その具体化、進めていかなければいけないと考えております。

○有馬朗人君 実は、イギリスに行ったときにイギリスの大学の状況を聞いたのですが、ケント大学であったかと思います。フランス語が非常に評判が悪い、そこでフランス語の教官の後任を採れないという状況になっているというようなことがありました。こういうことにならないように、やっぱり基礎的な学問分野についてはお守りいただきたいと思います。

 個々の大学ごとに設置された場所、規模、目的に違いがあり、それぞれの大学が特徴を持っています。そこで、大学評価・学位授与機構などによる評価は十分きめ細かく多様でなければなりません。共通の尺度で測ることも必要でありますが、それぞれの大学に即した尺度も必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(工藤智規君) おっしゃるとおりと考えてございます。

 現在、大学評価・学位授与機構が評価の試行をしているわけでございますけれども、各大学の特色や個性に応じた自己点検・評価を基にしながら、かつ大学関係者と相談して、機構が設定した多様な観点から行ってございます。今度、法人化後の評価の在り方についても、このようなスキームを大体想定してございまして、大学の教育研究、専門的な観点から、この評価機構が評価するに当たりましては、各大学による中期目標の達成度等につきましての自らの点検・評価を基にしながら、大学の特色等を踏まえて一層きめ細かく、多様な観点から実施する必要があると考えてございます。

 いずれにしても、今、日本の場合になかなか、評価の仕組み、システム全体が欧米諸国に比べましてまだまだ未定着な部分もございますので、この大学評価・学位授与機構の試行段階でテストランをびっちりやっていただきまして、この制度設計に合うように、かつ御指摘のように各大学の個性や特色が失われないような適切な評価が行われるように努めてまいりたいと思っております。

○有馬朗人君 評価を受けた大学が、それに対し質問し、説明し、時には反論できるようにしておかなければいけないと思っています。そして、評価機関はそれに対して答えるべきであり、善処すべきであると思いますが、どうお考えでしょうか。

○政府参考人(工藤智規君) これにつきましても御指摘のとおりでございまして、最終報告書の中でも、国立大学評価委員会及び大学評価・学位授与機構は、評価を決定する前にその結果を大学に示して、大学からの意見の申立ての機会を設けるべしということとされているところでございまして、相互の意見交換の下に適切な評価が実施される必要があると考えております。

○有馬朗人君 次に、非公務員型になることに関して二、三質問をいたします。

 大学外の職を併任でき、報酬を得ることも自由にするために非公務員型を導入するという御説明でありました。本当にそれができるのでしょうか。

 私自身が理事長をしていた理化学研究所は特殊法人で非公務員でありました。あるとき、某私企業の社外監査役に私は任命されました。そのとき、理研が属していた科学技術庁は、監査役になることは許可するが、給料はもらってはならないとのことで、私は無給で数年監査役を務めました。国立大学が法人化したときには、このような制約は本当になくなるのでしょうか。

○副大臣(岸田文雄君) 現行の兼職・兼業制度ですが、国民全体の奉仕者であります公務員という基本性格を大前提として定められておりますので、例えば勤務時間を割くこととなるような兼業は、職務の遂行に支障を生じるおそれがあるというようなことから基本的に認めないとか、いろいろと制限があったわけであります。

 法人化後におきましては、各大学法人が教員等の勤務形態、兼職・兼業のルールを自ら定めるわけですから、このルールの中で多様な勤務形態を導入したり、あるいは学外における産学官連携活動に従事することができるとか、こうした場合を規定することができる、要するに広く認めることが可能になるというふうに考えております。こうしたそれぞれの大学のルールの中で、より弾力的な兼職・兼業制度というものが作られていくものだと考えております。

○有馬朗人君 繰り返し申しますけれども、理化学研究所は特殊法人で非公務員型でございました。今でもそうなんです。非公務員だからといって、直ちにこういう制限がなくなるわけではないと私は考えているので御質問した次第であります。

 省庁によってどうも取扱いが今でも違うようなところがあると聞いております。兼業に関してアメリカの大学は自由だといいますが、私が勤めていたニューヨーク州立大学ストーニーブルックではかなり制約がありました。もちろん、御承知のように、アメリカの大学の給与は十か月分だけが支払われます。そして、あとの二月は何をやろうと自由であります。私は、その二か月の給与はアメリカのエネルギー省よりもらっておりました、研究費ももらっておりましたが。この給与をもらっている十か月内の兼業はやってもよいが、週末であるとか、月曜日より金曜日までの間であれば、外よりの給与の分だけ大学よりの給与を減らすと言われたことがあります。アメリカの例であります。また、休講はなかなか許可してもらえませんでした。

 国立大学法人では、どのように産業界などとの併任、兼任を許可するのでしょうか。

○政府参考人(結城章夫君) まずアメリカの州立大学の場合でございますが、教員の兼業についてはそれぞれの大学において異なるルールが決められておるというふうに聞いております。御指摘のように、兼業期間や給与についての制約を設けている大学もあると承知しております。

 そこで、これからの我が国の国立大学法人の場合でございますけれども、兼業を全く自由に行えるようにするということはちょっと考えにくいわけでありますが、国家公務員法体系の下で人事院承認などを必要としております現在の兼業許可制度と比べまして、各大学法人がそれぞれ定めます就業規則などで弾力的かつ迅速に各大学法人のそれぞれの御判断で兼業許可がなされていくことになると考えております。

 したがいまして、法人化後は、各大学法人の責任と判断において、それぞれの個性や特色に応じた兼業に関するルールが定められ、産学官の連携が積極的に柔軟に展開されていくことを期待しているところでございます。

○有馬朗人君 兼任するような活力のある教員が多いことは望ましいと思います。しかし、大学本来の目的であり義務である教育と研究がおろそかになってはいけません。緩いことが望ましいのですが、何らかの歯止めの条件があるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(結城章夫君) 国立大学の法人化後におきましても大学の教員による教育と研究がおろそかになってはならないということは、正に御指摘のとおりだと考えます。

 法人化後は、どのような場合に兼業を認めるのかについては、最終的には各大学法人が本務との関係や利害相反関係などを勘案して定めます就業規則などによることになるわけでございます。各大学法人の良識の下で、学生に対する教育研究指導とか各教員の研究活動に対する時間が十分に確保されるということで、言わば本務に支障のないということで兼業を認めていくということになるものと考えております。

○有馬朗人君 教員は、本来、どんどん働く場所を変えていく大きな流動性を持つべきだと私は思っています。したがって、教員は、非公務員型であろうとなかろうと、教育研究についての環境が良ければ満足するでしょう。

 私は、事務系・技術系職員の身分が心配です。現在、公務員として身分保障されている人々を非公務員型へ移行するにはどのような手続を踏まなければならないのでしょうか、お伺いいたします。

○副大臣(岸田文雄君) 事務系・技術系職員の身分の取扱いですが、個別法において、法人成立の際に、当該国立大学法人の職員に身分を移行する旨の措置を講ずることになるというふうに考えております。そして、医療保険、年金、宿舎などについては引き続き国家公務員と同様の扱いをするほか、退職手当の在職期間通算のための所要の法的措置を講ずる必要があるというふうに考えております。

 また、身分保障という点につきましては、各大学の就業規則によって労働条件や解雇事由が定められるということになることから、この辺りは各大学で適切に定められることを期待したいというふうに考えております。

○有馬朗人君 大変細かいことで恐縮でありますが、移行時の明年四月の新規採用者にはどのような条件を示すべきでしょうか。その採用の仕方をお教えいただきたいと思います。特に、大きな大学では相当の人数を採りますので、どのようにして採用すればよいのでしょうか。今までどおり公務員試験で合格した人々から採用してよろしいのでしょうか。

○副大臣(岸田文雄君) 明年は、四月の新規職員採用については従来どおり国家公務員採用試験の合格者から採用することとなります。ただ、その際に、採用者に対して、将来、国立大学が法人化に移行する際、国家公務員の身分を失うことになる、この旨を十分説明し、移行の際に混乱が生じないよう配慮をすること、これが大切だと思っておりますので、是非この辺りをしっかりと配慮していきたいと考えております。

○有馬朗人君 良い人が採用されれば有り難いと思っています。

 報告にも指摘されておりますが、流動性の確保のため、数大学を含むブロック中で事務・技術系職員の交流が考えられていますが、これに対してはどのような法律が作られるのでしょうか。単に関係大学間の合意だけで行われるのでしょうか。

○副大臣(岸田文雄君) 法人化後におきましても、事務系職員等の能力の向上とか組織の活性化を考えますときに、この大学の枠を超えた幅広い人事交流が可能な仕組みを整えること、これは重要な点であります。

 地域や分野、機能等に応じて、各大学等を始め、幅広い人事交流を促進するための協力体制、仕組みの整備、さらには各大学間等の退職手当の相互期間通算、国等との交流の場合の退職手当の期間通算等の措置、これらの方策の検討が必要であるというふうに考えております。

 なお、その非公務員型の人事交流につきましては、就業規則に具体的な取扱いが定められることとなっておりまして、各法人において、人事交流の意義を踏まえて、この就業規則に基づいて法人間の人事交流が円滑に行われるよう期待したいと考えております。

○有馬朗人君 兼業の可能性の少ない事務系・技術系職員は公務員型でということは全く不可能なんでしょうか。一つの法人の構成員が、一部は非公務員、残りは公務員ということは煩瑣には違いありませんが、まず、制度の急変を避けるために、第一期に公務員型で、やがて非公務員型へ移行するというようなやり方は全く考えられないのでしょうか。

○副大臣(岸田文雄君) 独立行政法人通則法、この法律によりますと、職員に国家公務員の身分を与えるかどうかは、当該法人の目的、業務の性質等を総合的に勘案して決定するということになっております。したがって、この法律に従いますと、同一法人の職員の中に国家公務員の身分を有する者と有さない者を混在させることは独立行政法人の制度上想定されていないものということになります。

 そうしますと、国立大学法人についても、同一法人の中で事務・技術系職員だけ教員と区別して公務員としての身分を与えるということ、これは制度上なかなか難しいというふうに考えております。

○有馬朗人君 しかし、ひとつお考えいただきたいと思います。

 国立大学の統合を推進しようとされていますが、その理由をお聞かせください。目的とするものが、志を同じにして統合することは望ましいのですが、私は、総合大学で、目的の違う、やり方の違う学部がただ併存しているだけで、総合性が発揮されていないような大学もあると見ております。特に、設置の場所が離れている学部を持つ大学です。そのようなところは専門性を考慮してむしろ独立させた方がよいのではないでしょうか。特に、ポリテクニック型の徹底的な技術教育について私はそう考えておりますが、いかがでしょうか。

○政府参考人(工藤智規君) 私ども、大学と御相談しながら今検討しております再編・統合は、統合ありきではございませんで、再編・統合と言っておりますように、これだけ財政事情が厳しい中で、せっかく、国立大学全体を通じますと定員、予算含めて相当のリソースがあるわけでございまして、かつ、各大学は教育上あるいは研究上の事情で、いろいろ、あれを入れたい、これをやりたい、大変ニーズがあるわけでございますが、なかなか対応し切れていない部分がございます。したがいまして、一足す一が三にも四にもなるような、そういう教育あるいは研究上のパワーアップのために大学で御検討いただいているところでございます。

 いたずらに総合大学を目指すとかあるいは短期大学をなくすとかいうことではございませんで、今申したような趣旨で各大学が、例えば先般、今国会で御賛成賜りました統合でいえば、山梨大学と山梨医科大学、あるいは筑波地区の統合ございますけれども、医学部と工学部の関係者による言わば近接した研究領域が新たに開拓されて、それに対する体制整備でございますとか、教養教育の充実でございますとか、そういうそれぞれの大学の教育研究上のメリットをよく吟味しながら対応していただいているところでございまして、私どもも今後とも目配りしてまいりたいと思っております。

○有馬朗人君 山梨大学と山梨医科大学の合併に関しては、私は賛意を表します。それは、元々山梨大学が医学部をつくろうとして予算要求の準備をしておったところに、各県に一医科大学をという方針が国として定まったために分けられたという歴史がありますので、それが元に戻って一緒になることは私は賛成いたします。ただ、今、局長言われたように、統合ありきではなく、やっぱり慎重に各大学の目的をよく聞いた上で、必要があれば統合、必要があれば独立というふうなことをお考えいただきたいと思っております。

 戦後の新制大学は、高等教育の普遍化で国民の質の向上、国力の増大に非常に役立ちました。が、一方、余りに急いで全く性質や気質の違うものも統合したために失敗したことがあります。師範学校、高等学校、すべて旧制でありますが、工業専門学校の統合などがそれに当たります。そして、アメリカのリベラルアーツ・アンド・サイエンスをまねをして教養部をつくったことは後々まで禍根を残しました。まず、アメリカと違い日本の初中教育の質がそろっていること、新制大学発足時から一九七〇年代まで高校への進学率が低く、それだけ大学へ進学する学生の質が高く、大学で教養や一般教育を教える必要がなかったのに、教養部を導入したことにより、学生が大学に来たのにまた高等学校と同じ教養の勉強かという不満が大きかったのであります。そしてまた、大学人ほど公平性、平等性を大切にする人々はないにもかかわらず、専門学部と教養部との間には待遇や研究費などに格差が大きかったのであります。一方は学部、一方は部と呼ばれていたことからもそのことがよく分かります。

 この問題が一応解決したのは、一九九一年の大綱化によってでありました。しかも、皮肉なことに、日本の高等学校がアメリカのように大衆化しほぼ一〇〇%の進学率になり、大学もまた大衆化し五〇%の進学率になり、これからいよいよ教養教育が必要なとき教養部を解体してしまいました。このような失敗の、前車の轍を踏まないようにしなければなりません。

 お願いは、大学の構造を変えるときには、是非とも熟慮に熟慮を重ねられ、将来に禍根を残さぬようお願いをいたしたいと思います。また、不都合があったときには、何十年も待つのではなく、即刻善処できる仕組みを準備しておいていただきたいと思います。

 法人化の際の運営について質問をさせていただきます。学長の選出はどのようにして行われるのか。その際、教育研究で教員が活力を発揮しやすいよう、そして大学の歴史も考えに入れて教員の希望を酌み取る方式を作っていただきたいと思っております。この点についてお聞きいたします。

○政府参考人(工藤智規君) 法人化後の学長のお立場、役割というのは大変重いものがございます。教学面の最高責任者でありますほかに、これまで所管大臣に属しておりました権限の移譲などもございますので、経営面の最高責任者としてのお立場もあるわけでございます。

 そういう意味で、大変重いお立場の方を選ぶに当たりまして、かつ国立大学として国民の理解とサポートも得る必要があるわけでございますので、学内外の方々の意見も反映させていただきながら適切に選ぶ必要があるという方向で御提言をまとめていただいたところでございます。

 具体的には、教学に関する学内の代表者から成ります評議会と、それから学外の方もお加わりいただいた経営に関する重要事項審議機関であります運営協議会の双方で学長選考委員会を構成して、学内外あるいは国内外から最適任の方を御選考するような手続を進めていただく。その学内における具体の手続はそれぞれの大学がお決めになることでございますけれども、いずれにしても、ぽっと選ばれて学内の信任が得られないということでは学内の運営なりませんので、何らかの形で学内関係者の信任を確保しながら、リーダーシップのある学長が選ばれることを期待しているところでございます。

○有馬朗人君 私は、大学の自治は教授会の自治という考えには長年反対してまいりました。今日の大学の自治、そして大学の意思は評議会で決められるものと考えています。ここで大学の自治とは、社会の動きと全く関係なく行われているとは決して思いません。当然、良識を大学が持つべきであります。

 私は、大学の自治ということは、二つの点にあると思うのです。第一は、何を教育し、何を研究するかの自由であります。仮にその時代の雰囲気に反しても、学問の自由を守らなければなりません。戦時中のドイツのナチズムによるドイツの大学の崩壊の惨たんたる歴史、そして日本の戦時中の大学の苦悩を考えると、私はこのようなことが二度と起こらないよう教育と研究の自由を大学では確保しておくべきだと思っております。しかし、大学が社会の要求に常に注意と関心を持つべきであるということは言うまでもありません。

 大学の自治のもう一点は、最も優れた人を選び推薦する役割であります。もちろん、決定は、あるいは任命は学長等によるべきだと考えております。国立大学法人では、教育研究のみでなく経営を独立してやっていかなければなりません。そこで、学長を補佐する仕組みが必要であります。

 外部の意見も酌み入れる上で、外部の人も含めた運営協議会が設置されると思いますが、評議会と運営協議会の役割分担及び協力の仕方についてどのようにお考えでしょうか。もし両者の意見が割れたときにはどうするかについても、お考えをお聞きいたします。

○政府参考人(工藤智規君) 報告書でもその辺りは大変熱心に御議論いただいたところでございまして、大学の自治の基本でございます教育研究のプログラム、それから教員人事の在り方等については、学内の関係者で構成されます評議会で教学関係について重要事項を審議をすると。他方で、経営面については、学外の方々もお加わりいただきました運営協議会で重要事項の御審議をいただくということになってございます。

 ただ、経営と教学といいましても、かなりの部分で重なる案件がございます。したがって、別々に御議論して学内で衝突するということは避けなきゃいけないわけでございまして、その意思決定プロセスの透明性の確保あるいは適正な意思決定の担保といった観点からいろいろな御提言がございますが、例えば運営協議会と評議会、同じような案件については合同で会議を開くとか、それぞれの大学の御工夫が期待されているところでございまして、何も二つの審議機関が設けられるから別々にいつもやらなきゃいけないということではないと考えてございます。

○有馬朗人君 私学で理事会と教員側がよく意見が割れることがありますので、この点、慎重にお考えいただければ幸いであります。

 大学が活力を持つか持たないかは、教職員、特に教員の質によります。そこで、教員の選考は、最もその教育や研究を知っている同僚教員たちの考えを十分に反映することが必要であります。教員についての選考は、教授会及び評議会の最も重要な役割と思います。ただし、現在の国立大学では、完全に教授会の意見で決まってしまいます。学長の方針を反映できるようにしておかなければなりません。教員の選考はどのようにして行われるようになるか、お考えをお聞かせください。

○政府参考人(工藤智規君) 大学の自治、学部の自治というのは努めて長い歴史と伝統の中で定着している部分がありまして、しかも個々の大学によって取扱いが違う様相もあるわけでございますけれども、御指摘のような実態が見られることの反省にも立ちまして、この報告書では、それぞれの学部の、学部というか部局の人事につきましてはそれぞれの部局での教授会で御議論はいただくわけでございますが、全学的な人事方針あるいは戦略がありませんとせっかく法人化した意味がございませんので、全学的な立場からの人事方針について評議会で御審議いただき、学長やその部局長のリーダーシップの下に人事補充あるいは選考等が行われるべきであるというような御提言がなされているところでございます。

○有馬朗人君 教育研究のテーマ及び内容の選択についても教授会が重要な役割を演じると思いますが、その点についてどうお考えか、手短にお答えいただきます。

○副大臣(岸田文雄君) 個々の教員はそれぞれ教育研究に関する自由を有するものではありますが、各学部としてその教育研究に関する重要事項について審議をするということ、これが教授会に期待されている役割だというふうに思っております。また、大学全体としては戦略的な教育研究目標、計画、こうしたものを評議会での審議を踏まえて、最終的に学長が責任を持って決定するという形になると存じます。

 こうした個々の教員の教育研究の自由を保障しつつ、社会の変化とかニーズに的確に対応する、大学が組織として一体的に機能するということ、これが重要だと考えておりますので、そうした運営が行われるよう促していかなければと思っております。

○有馬朗人君 平成十一年、学校教育法等の一部改正により、評議会、教授会の役割を明確にするなど、やっと大学、特に国立大学の運営方式が整合性のあるものになりました。

 しかし、国立大学法人化に際し、この学校教育法の大学に関係する部分は不要になるのでしょうか、それとも法人化された大学でも活用されるのでしょうか。この法律の成立に大臣として当たった者といたしまして大変気になります。お考えをお聞かせください。

○国務大臣(遠山敦子君) 結論から申せば、そこに定められたものはそのとおり踏襲していくべきだと考えております。

 お話しのように、平成十一年の学校教育法等の改正におきまして、国立大学におきます組織運営の機能分担の明確化を図る観点から、評議会と教授会との権限を見直したところでございます。

 今回の最終報告では、主に教学面を担当します評議会と並びまして、法人化に伴って経営面の体制を強化するために、主に経営面に関する重要事項や方針を審議する運営協議会を設ける、あるいは特定の重要事項については学長の意思決定に先立って役員会の決定、これ仮称ですが、決議を経るということなどが提言されているところでございます。また、教授会については、その審議事項を真に学部等の重要事項に精選すると指摘されているところでございます。

 したがいまして、今回の最終報告を見ましても、法人化に伴う新たな運営組織の整備が必要ではございますけれども、全体としては平成十一年の学校教育法改正で示された学内の機能分担の明確化の考え方が一層徹底されるべしとされておりまして、私どももその方向でいきたいと考えております。

○有馬朗人君 ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、高等教育の公財政について国際比較等を含めてお聞きいたします。

 日本の初中及び高等教育に対する公財政支出のGDPに占める割合は幾らでありましょうか。また、アメリカや欧州の主な国はどうか、比較をしていただきたいと思います。ごく簡単にお願いいたします。

○副大臣(岸田文雄君) 一九九八年の数字が最も新しい比較できる数字でありますが、日本の初等中等教育及び高等教育に対する公財政支出のGDPに占める割合、それぞれ二・七八%と〇・四三%です。

 そして、国際比較ですが、OECD調査によりますと、初等中等教育の場合、アメリカが三・四〇、イギリスが三・四〇、フランスが四・一四、ドイツは二・七八、日本は先ほど申しました二・七八です。高等教育段階では、アメリカ一・〇七、イギリスが〇・八三、フランスが一・〇一、ドイツが〇・九七、日本が先ほど申しました〇・四三です。

 以上でございます。

○有馬朗人君 日本は非常に教育の費用が少な過ぎると私はかねがね思っております。日本はそもそも国家予算がGDPに占める割合は一六ないし一七%であり、アメリカは一八ないし一九%、イギリスは二八ないし三三、フランスは一七ないし二〇%に比べて低いのです。その分、日本の教育への公財政支出が少ないという説がありますが、ドイツの国家予算のGDP比は日本よりももっと小さく、一一ないし一二%です。この事実を反映して、先ほど副大臣がおっしゃられましたように、初中教育の公財政支出は日本が二・七八%に対して、ドイツは二・七九でほとんど同じであります。しかし、高等教育に対しては、ドイツは〇・九七%、日本はその半分の〇・四三%にすぎないのであります。ですから、国家予算がGDPに占める割合が低いからといって、教育費が低いという理屈は私は成り立たないと思います。

 ここで、今述べたこの数字は正しいかどうかお聞きし、そして日本の教育、特に高等教育への公財政支出が極めて少ないのはなぜかお聞きしたいと思いますが、時間がなくなりましたので、またいつかお聞かせいただければ幸いであります。

 小泉総理は米百俵の精神を提唱されました。私はその考えに全面的に賛成しております。どうぞこの内閣で教育費を抜本的に増大してくださることを心から希望いたしております。

 高等教育から離れますが、初中教育についてお聞きいたします。

 私が会長をさせていただいた第十五期の中央教育審議会の答申で、二十一世紀の初頭において欧米並みの人数のクラス編制にすることを提案させていただきましたが、まず、欧米のクラスの平均値はどのくらいでしょうか。

○政府参考人(矢野重典君) 御指摘のように、平成八年七月の中教審答申におきまして、教員配置の改善を進めるに当たっては、教員一人当たりの児童生徒数を欧米並みの水準に近付けるという御提言をいただいたところでございまして、諸外国における教員一人当たりの児童生徒数について見ますと、小学校については、アメリカ十八・〇人、イギリス二十二・七人、フランス十九・一人、ドイツ十八・一人となっておりまして、中等学校では、アメリカ十四・二人、イギリス十六・六人、フランス十二・六人、ドイツ十五・〇人となっている、そういう状況でございます。

○有馬朗人君 人口千人当たりの小中高の教員数は、一九九八年に日本は百万、丁寧に申しますと百一万一千人であったと思います。アメリカは三百二十一万七千人であります。この人数は総人口に対して、アメリカは一・二%、日本は〇・八%であります。やはり日本は教員が少な過ぎると思います。教員を増やすことについて文部科学省の御努力をお聞かせいただきたいと思います。

 その際、教員一人当たりの平均生徒数は、今、局長が言われましたように、確かに日本も少なくなりました。ただ、これは過疎地帯も含めているからであります。東京や大阪など大都市の人口が稠密な地区では依然四十人学級が多いと思います。

 そこで、教員一人当たりの平均生徒数はどのくらいでしょうか、東京、大阪の中心部を例にして、もしお分かりであれば教えていただきたいと思います。これを減らすためにどのような努力が行われているか、お聞かせいただければ幸いであります。

○政府参考人(矢野重典君) 教職員定数の改善につきましては、教科等に応じた少人数指導等の指導方法の工夫改善を実施できますように、第七次の公立義務教育諸学校教職員定数改善計画によりまして、平成十三年度から十七年度までの五か年計画でトータル二万六千九百人の教職員定数の改善を図ることといたしておりまして、この改善計画が完成した段階では、教員一人当たりの児童生徒数で見ますれば、小学校で現在の十九・〇から十八・六人に、中学校では十六・一人から十四・六人と欧米並みの水準となる見込みでございます。

 私どもといたしましては、この改善計画の、今後ともきちんとした計画どおりの推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。

○有馬朗人君 ただ、お聞きしたいことは、全般では確かに改善されていると思うのですが、巨大都市において依然としてやっぱり四十人学級が多いというふうなことについてどうお考えかをお聞きいたしたいと思ったのでありますが、また改めてお聞きいたします。やはり、巨大都市の学校を少し考えていかなければならないと私は思っております。

 最後に、一分ぐらい残りましたので、私立大学への助成についてお聞きいたしたいと思います。

 今日の質疑応答の初めで、私は日本と欧米の大学設置の違いについて述べました。欧米の大学の設置者は、欧州の場合、かなり国ないしは州であり、ほとんどがと言ってよいかと思います。私学が多いアメリカでも学生数は圧倒的に州立が多いということを申し上げた次第であります。そのことを考えますと、要するに日本では、私学に余りにも大きく日本の高等教育が依存し過ぎていると思うのです。そこで、私学助成を増やすべきだと考えておりますが、いかがでしょうか。

 今現在、この額はどのくらいになっているのか、そして各大学の経営にどのくらい寄与しているのか、そして配分法についてお聞かせいただきたいと思います。

○政府参考人(工藤智規君) 御指摘のように、日本の場合に、大学、短大を含めますと、学生数で約八割が私学でございます。私学振興の重要性にかんがみまして、大変財政事情が厳しい中ではございますが、私ども、その予算充実に努力しているところでございまして、今年度の予算では対前年度五十五億円増の三千百九十七億円余を確保しているところでございます。

 また、その配分方法等でございますが、できるだけ各大学の特色に応じた傾斜配分でございますとか、特色ある教育研究活動への助成に重点的にということで努力しているところでございます。

○有馬朗人君 私学助成を是非とも増やしていただきたいと思いますが、今、局長もおっしゃられておられましたが、一般的な配分ではなく重点的配分を増加すべきだと私も考えております。まだ重点的な配分の割合が低いと思いますので、その点を是非ともお伸ばしいただきたい。

 最後に、遠山文科大臣にお聞きいたしたいと思いますが、遠山文科大臣は大学の研究を活性させるためにいわゆる遠山プランを提唱されたことを心から賛意を表しております。

 そこで、研究は活気付いてまいりましたが、私は、教育を活性するために教育トップ30大学を選ぶというようなことをお考えいただければ幸いであります。この考えに対する御見解と日本の大学の教育力強化へのお考えをお聞きして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

○国務大臣(遠山敦子君) 先ほどもお答えいたしましたように、大学の第一の使命は優れた人材の輩出でございます。その角度からいって、私は、大学における教育活動というものをより活性化し、より充実したものにしていく必要があると思っております。

 教育についてのトップ30ということの重要性について御指摘がございました。

 私もそういう角度での振興策も効果があるかと思っておりますが、教育につきましてはなかなか評価が難しいという面がございます。また、教育につきましては、教養教育の場合、それから専門教育の場合、あるいは研究者養成の場合、いろんな教育の中身もございますし、そういうことではございますが、私は、これからの日本の在り方の一つとして、大学についてもきちんとアカウンタビリティーを持つ必要性があると。

 その意味では、まだ日本では評価機構が十分ではございませんけれども、この問題についても私も就任以来ずっと繰り返し言っておりまして、評価機構をきちっとした上で、優れた教育を展開しているものについては何らか重点的に援助をしていくなり、社会的な評価をきちっと明確にしていくなりということが大事だというふうに考えておりま/して、今、目下研究中でございますし、中央教育審議会におきましても評価の在り方について御検討いただいているところでございまして、またどうぞ有馬委員からもいろんなアイデアをお寄せいただければ大変有り難いと思っております。

○有馬朗人君 四分超過いたしましたけれども、これで終わらせていただきます。

 どうもありがとうございました。