国立大学独立行政法人化の諸問題

http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009615420020703015.htm

衆議院文部科学委員会2002.7.3 石井議員質疑

第 15 号  平成14年7月3日(水曜日)
○石井(郁)委員 同じく大学問題ですが、国立大学の法人化問題でお聞きし なければなりません。  これは、前回、五月二十九日の本委員会で、私、国立大学の法人化の準備問 題で取り上げまして、そのときにこういうことが問題になりました。月一回の ペースで旧七帝大、事務局長の方が集まって、法人化のもとでの管理運営のモ デルづくりをしている、これは文部科学省主導でやっているのではないかとい うことで指摘をいたしまして、これは文部省の指示でこういうことをさせてい るのかどうかとお答えを求めたわけですけれども、そうしますと、工藤高等教 育局長は、各大学はそれぞれの判断でいろいろな諸準備に取りかかっていると いうことで、だけれども、私どもがとりたてて指示をしたり、いろいろ申し上 げているわけでは全くございませんとお答えになりました。  七人の学長さん方が集まっていらっしゃる、事務局長もそうやっていらっしゃ る、そういうときに意見交換しているんだろうということで、要するに、私が 質問したような、指示をしているなんということは決してございませんという ことで否定をされたわけですが、この答弁、今日もお変わりございませんか。 最初に確認いたします。 ○工藤政府参考人 全く変わりません。その点もあちこちでいろいろ聞いてご ざいますが、例えば、名古屋大学が中心になって中京地区の大学が合同でいろ いろな検討、準備に当たるようなことも進めているということも含めて、あち こちでそれぞれの大学の自主的判断で御検討いただいているものと承知してご ざいます。 ○石井(郁)委員 全くやっていない、文部科学省はその指示をしていないと いうことですが、ところが、全然違うんですよ。  私の議事録を読んだ人から、ある書類が送られてまいりました。それは、四 月九日、五月十五日の事務連絡という文書で、本省が出しているんですよね。 平成十四年四月九日、各大学の事務局長あてです、「国立大学法人化に関する 打合せの開催について」と。短いのでちょっと内容を読みます。  皆様方におかれましては、ますます御清栄のこととお喜び申し上げます。国 立大学の法人化につきましては、先月、国立大学等の独立行政法人化に関する 調査検討会議において最終報告が取りまとめられたところですが、各事務局長 におかれましては、法人化へ向け、種々の検討を進められているものと推察い たします。つきましては、法人化後の国立大学の事務局組織のあり方の検討に 資するため、各事務局長の忌憚のない御意見をいただきたく、下記のとおり打 ち合わせを行うことといたしましたので、御多用中まことに恐縮でございます が、御出席方よろしくお願いします。場所は、本省のA棟二階A二十二会議室。 担当、文部科学省大臣官房人事課云々等々と、名前も書いてございます。  どうなんですか、これは。文部科学省が指示しているということじゃないん ですか。これは文部科学省が招集しているということでしょう、どう考えても。 ちょっと御答弁ください。     〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕 ○工藤政府参考人 今の文書を私はちょっと存じなかったんですけれども、担 当の方に聞いてみましたら、各大学でいろいろな御検討をいただいている、そ の検討状況を本省でも把握したいのでということで、特に事務局組織のあり方 というのは、今年度の多分最後に近い概算要求なども控えながら、どういう組 織構成を考えていったらいいのかということも含めて、こちらの参考にするた めに、各大学の検討状況を聞くための事務連絡であると承知してございます。 ○石井(郁)委員 今、最初に何とおっしゃったんでしょうか。あなたはこの 文書は知らないということでしたか。この文書が出ていることを知らなかった ということですか。そういうふうにおっしゃった、そう確認していいんですね。 局長は知らないでこういう文書が出ていると。そうしたら、担当のところで、 局長が知らないところで出ているということですか。ちょっとそれが一つ。  では、私、重ねて申し上げますよ。そんな、あなた、まさに、何というか、 うそをつくという態度なんですけれども。五月十五日の文書も私は持っていま す。それは、もう省略しますけれども、つきましては、皆さんのいろいろ意見 を参考としつつ、法人化後の国立大学の人事制度のあり方についての検討の進 め方等々について御相談させていただきたく、下記のとおり打ち合わせを行う。  だから、今あなたは、大学が自主的に勝手に集まっている、それを聞いてい るんだというスタンスでのお話でしょう。だけれども、これは文部科学省が招 集しているでしょう。御出席方よろしくお願いしますですよ、出席してくださ いと。それで、場所はこれも本省です。文部省の担当の名前が入ってございま す。どうですか。これは招集というんじゃないんですか。文部省の指示で行っ ているんじゃないんですか。はっきりしてください。 ○工藤政府参考人 新しい法人化への移行につきましては、いろいろな検討の 側面がございます。それで、会計制度もございますし、人事制度もございます し、そういう中で、多分、今先生おっしゃいましたように、私ども高等教育局 のほかに官房の会計課あるいは人事課などもございますので、それぞれの部署 の仕事を遂行する必要上、各大学の検討状況をお聞きするために招集といいま すか、集まっていただいて、別にそこで検討を指示したとかということでは決 してない。むしろ、各大学の検討状況を本省として聴取するための会合である と承知してございます。 ○石井(郁)委員 ちょっとごまかさないでください。いろいろ準備はする。 その準備だって実は大変問題なんですけれどもね。本省の指示でそういう準備 をさせているじゃないですか。そこを問題にしているんですよ。前回は、そう いう指示は一切していません、大学がどういう準備をするかは指示していない というのがあなたの答弁だったでしょう。しかし、今回、私がきょう出しまし たのは、そうじゃない、本省の指示で招集されて、要請を受けてこういう会議 が持たれているということでしょう。では、各課がこうやっているわけですか、 あなたのもとで。  私は、きょうはちょっと皆さんにまだお配りする用意がなかったんですけれ ども、ぜひちょっと、委員長、文書を大臣に見ていただきたい、委員長と大臣 に。 ○鈴木(恒)委員長代理 はい、どうぞ。 ○石井(郁)委員 では、続いてちょっと大臣に伺いたいと思います。それを 見ていただけますでしょうか。  こういう文書が出ているということは、大臣は御存じでしょうか。 ○遠山国務大臣 これは、私、今初めて見ます。ただ、今御議論を聞いており ますと、私は法人化の問題について、これは大変大事な問題でございまして…… (石井(郁)委員「いや、そんなもう一般的にしなくていいんです、事実だけ 言ってください」と呼ぶ)  では、私は、この段階のものについては通常見ないことになっております。 ○石井(郁)委員 しかし、それは国会で何が審議されているかについて大臣 は全く知らないということでもあるんですよ、今の御答弁は。法人化について、 重要なことだ、準備はいろいろ進める、それは一般論ですよ。私が質問してい るのは、文部科学省が主導で指示を出して、そして全国、しかも七大学ですよ、 七大学を集めているというのはなぜなのかということを含めて聞いているわけ ですよ。はっきりしてください。大臣も知らないところで文部各課が勝手にやっ ているということなんですか、これは。大変重大じゃないですか。だから、そ のことと、私は、それでも局長は、前回の指示を出していないという答弁、こ の資料を見てもそのとおりだということですね、指示は出していないんだと。 これだけの文書が出ていて、これは文部省の指示じゃないんだということがど うして言えるんでしょうか。これは絶対通りませんよ。どうですか。     〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕 ○工藤政府参考人 大学の関係者は、学長同士あるいは事務局長同士、いろい ろな会合を持っております。これは、私どもで招集する場合もありますし、そ れぞれが自発的にやっている場合もありますが、特に七大学というのは、昔、 戦前の経緯もあって、学長同士も頻繁に七大学で会議を行っておりますし、事 務局長の方々も集まっておられるのは事実でございます。  先ほどのものは、人事関係についての検討状況をお聞きするために招集した といいましょうか、お集まりいただくための事務連絡であると理解してござい まして、この事務連絡をもって検討を指示したということでは決してございま せんで、あくまで大学でそれぞれ準備をする中で、私どもと歩調を一緒にしな がら、むだなことをやめ、能率的にやることも含めて考えられた会合ではない かと思っております。 ○石井(郁)委員 この文書は、国立大学法人化に関する打ち合わせの開催で すから、法人化の打ち合わせなんですよ、でしょう。私、前回聞いたのは、管 理運営のモデルづくりを七大学でしている、そのことに文部科学省が関与して いるんですかと聞いたら、全くしていない、全くございません、そう答弁した でしょう。しかし、これで全くしていないと言えますか。そうしたら今は、そ ういうことはあり得ると、では逆に開き直っているわけでしょう。全然答弁、 違うじゃないですか。違うでしょう。全くしていないと言えないでしょう、こ の事実は。そんなことが通るんですか、この国会の中に。世間に通りますか。  文部科学省が本当にこの国会、委員会の審議というのに対して、私は、やは り本当にうそをつき通して通るというふうにたかをくくっているとしか言いよ うがありません。本当に不誠実ですね、これは。あるいは、それは大学人をも 裏切ることにもなります。大きな問題ですよ。防衛庁が調査リストの情報開示 の問題でうその答弁をしたと同じようなことじゃないんですか、これは。国会 にうそをついていますよ、文部省。 ○河村委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕 ○河村委員長 速記を起こしてください。  議事を続行いたします。石井郁子君。 ○石井(郁)委員 今理事の皆さんで御協議いただいたようですので、私は、 この問題は、ぜひ理事会で協議をいただきたい。やはり国会審議に当たって、 ちゃんと答弁は一貫性を持たせていただかなくちゃいけませんし、また真実を 言っていただかなくちゃいけませんので、その点では、こういう食い違いとい うのか、うその答弁をされたら審議が成り立ちませんので、ぜひこの問題で理 事会協議をしていただきますように委員長にお取り計らい、お願いします。 ○河村委員長 理事会で協議させていただきます。 ○石井(郁)委員 もう一点なんですが、文部科学省、文部大臣も、法人化に 向けては準備が必要だということを再三お述べになりますが、しかし法律はま だできていません。どんな法令になるのか、どんな省令になるのか。これは、 国会という場でいろいろな修正だってあり得るじゃないですか。それなのに、 これこれの準備をせよというのは、大体無理な話なんですよ。そのことを私は 言っているんですね。  実際、五月末に国立大学協会が法人化準備に関する各国立大学へのアンケー トというのをされていらっしゃいます。それに当たりますと、準備に当たって 大学として困っていること、要望事項というのを出されていますでしょう。そ れを見ますと、法律も政令、省令もいまだ見えないので、大学が決めてよい裁 量の範囲がどこまでなのか明確でないと九六%の方が答えていらっしゃいます よ。それはそうでしょう、大学は。何が法律なんだと。どこまで大学が決めて、 裁量は何なんだと。国はどこまで何をするんだと。わからない状態で準備をせ よというのは無理ですよ。こういうことを今文部科学省がさせている、これが 問題なんですよ。これも国会無視でしょう。国会軽視じゃありませんか。私は、 本当にひどい話だと思いますよ、今のやり方は。  もっと言うと、先ほども文部科学省の姿勢が民主党の議員からも出されまし たけれども、もうこれは官僚の暴走じゃないか、あなた方が勝手にやっている だけだと。しかも、先ほども、恫喝、予算のおどしと、いろいろなことを使っ てやっているじゃないですか。もうとんでもない話だということがありますの で、私は、この日本の知的基盤をどうするか、本当に高等教育をどうするかと いう、もう一大重大問題ですから、慎重に、あるいは拙速にすべきでないとい う立場で申し上げておりまして、ぜひこの点では、大臣、いかがでございます か、簡単に、もう一点私としても聞きたいことがございますので。この国立大 学協会の学長のアンケートの、九六%の皆さんが持っていらっしゃるいろいろ、 その要望ですね、危惧というか、これについての大臣の御見解を伺います。 ○岸田副大臣 ちょっとその基本的な考え方だけ、済みません。  国立大学の法人化につきましては、六月二十五日に閣議決定されました経済 財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二において、平成十六年度をめど に開始するとされ、そして、有識者等における調査検討会議において制度のあ り方について最終報告がまとめられ、そして法案の準備が今進められるという ことであります。  そこで、その中で、国立大学側においては、四月十九日の国立大学協会の臨 時総会において会長談話がまとめられて、国立大学協会として最終報告の制度 設計に沿って法人化の準備に入ること等が明らかにされており、そして技術的 な取り組みを進めているというふうに承知しております。  こういった事柄が並行して進むことによって、法律が制定された際に、円滑 かつ速やかに新しい国立大学法人に移行できるよう各関係者、努力していると いう中での話だと御理解いただきたいと存じます。 ○石井(郁)委員 それはもう重々私はわかっていますよ。そんな一般的なこ とを聞いているんじゃありません。  今国立大学の学長が、法律も政省令もないんだ、何も見えない、こんな中で 何を急がせるのか、何をやれというのかという疑問に対して、大臣、ちょっと 一言お答えください。 ○遠山国務大臣 確かに国立大学にとって有史以来の大改革でありまして、私 どもももちろん非常に努力をしなきゃいけませんけれども、各大学においても 努力をして、高い理想といいますか、本来の教育研究がさらに活性化されるこ と、社会貢献をしていくことなどの目的を達成するための法人化というものは しっかりなされなければならないと私は考えております。  そういう諸準備の段階でありますので、各大学におきましてもいろいろな疑 問を持たれることはあろうかと思いますが、私どもは、誠心誠意、こういうふ うであるというようなことの説明もする必要がありますし、また、御疑問があ れば常にドアをあけてそれに答える姿勢でいるわけでございます。  この重大な時期に、私どもとしては、設置者としての責任もありますし、各 大学ときちんと連携をとってそういう不安の解消に努めていかなくてはならな いと考えます。 ○石井(郁)委員 もう一点、ちょっと具体の問題なんですが、教員養成系大 学・学部の存廃といいますか、統合再編ということが今大変重大な局面に来て いるというふうに思っておりまして、これも文部科学省、私ども伺って、決し て時間を区切らない、それから枠をはめないということは私は御答弁いただい たと思うんですが、しかし、現場を回ってみますと、例えば、もうブロックご とにここでは教員養成の担当校は一つですとか、あるいはスケールメリットと して定員は三百名が適当だとかというようなことをいろいろ言われているとい う話があるんです。  ここもぜひ伺いたいんですが、文部科学省として、こういう教員養成の担当 校は、例えば具体的に言いますと、北東北では一校、南東北ブロックでは一つ という形で、担当校を一つだというふうにあるいは文部省がお考えになってい らっしゃって、それをそれなりの指示をしていらっしゃるのかどうか。それか ら、定員の三百名ということもそんな形で、規模としてはこれがふさわしいだ とか言っているのかどうか、このことだけお答えください。 ○工藤政府参考人 教員養成の再編統合は、先生今存廃とおっしゃいましたけ れども、私ども、廃止するとかということではございませんで、今の少子化の 影響での就職率の低下でございますとか、各大学の教員養成大学における規模 の弱小化でございますとか、しっかりした教員養成をしていただくために、大 変環境が厳しい中で再編統合しながら、もっとパワーアップしようじゃないか、 勢い県域を超えた再編をお考えいただくということで、各大学に御苦労いただ いているわけでございますが、私どもとして、何かマップをつくって、それを 大学に指示したり、そういう誘導したりということではございません。  ただ、現に北東北は、たまたま三大学の学長さん方が、最近リタイアされた 先生方もいらっしゃいますけれども、大学全体でのお話し合いの会合でござい ますとか、南東北の方でも、そういう動きがあるとかということは承知してご ざいますけれども、私どもとして、それを指示しているわけでもマスタープラ ンがあるわけでもございません。各大学の御検討の状況に応じて、しかも地元 の関係者の方々の御理解も得なきゃいけない話でございますから、適切な案が まとまるように、私どもも大学の努力を見守りたいと思ってございます。 ○石井(郁)委員 以上で、終わります。