http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0106/154/15407180061015c.htmlより。ただし、参議院議事録のページは1ヶ月で消去され、議事録データベースに移行。
第154回国会 文教科学委員会 第15号
平成十四年七月十八日(木曜日)

○西岡武夫君 前回に引き続きまして、国立大学の独立行政法人化について、それを中心として、それにかかわる文部行政全体の問題についても若干大臣に御質問をさせていただきます。

 まず初めに大臣の御認識を承りたいんですけれども、私は、特殊法人というものはいったん全部なくして、どうしても必要であるというものはそこで考える、そうしないと特殊法人の廃止というような問題がいろいろ議論をされる中で議論が進まないということをかなり前から主張してきておりました。

 ところが、ここに独立行政法人という新しい考え方が導入されて、全部そこに逃げ込まれるという感じになってきております。これは大きな誤りではないかと。独立行政法人化するということがあたかも大きな改革のように言われておりますけれども、私は、決してそうではなくて、むしろ場合によっては特殊法人よりも悪くなるというふうに私は思っているわけです。そういう中にあって、文部省のいろいろな組織がどんどん独立行政法人化していっているわけですけれども、大臣の御認識として、特殊法人というものと独立行政法人というものが、どこがどう違って、これが好ましい組織であるかと。特に、国立大学を独立行政法人化するということが望ましいというふうに本当にお考えなのか。

 これは大臣が御就任になる前に大きな流れが決まっておりましたので、遠山大臣に私はこういう質問を申し上げるのは大変心苦しい感じがするわけでございますけれども、決して大臣の責任ではないわけですけれども、しかし、大臣はやっぱり、ここで私は文部科学省のこれからの役割というものが本当に決まっていくと思うんです。後から述べますけれども、義務教育についても、文部省は一体これからどう義務教育について責任を果たしていくのかということも真剣に考えなければいけないと私は日ごろから思っているわけでして、そういう中にあって、もうみんなが少しぐらい疑問を持っていても、時の流れとかそういうことがどんどん進んでいっているのだからしようがないやということであっては、特に教育行政については次の世代に対して責任を負うということを考えますと、真剣に考えて、疑問を持ったならば、きちっとそこで疑問を文部科学省としても公式に政府全体の方針に逆らってでも述べていかれるということが文部科学大臣としての役目ではないかというふうに思うわけでございまして、その点について大臣の御見解を承りたい。

○国務大臣(遠山敦子君) 特殊法人という特別の立法によって設けられた組織体を独立行政法人にしていくという流れにつきましては、これは文部科学省のみの問題ではありませんで、政府全体の大きな方針として今日動いてきているところでございます。どういうメリットかという面も十分に検討された上で今日の大きな制度改革が行われようとしていると思っております。

 私自身はたまたま西洋美術館長でございましたけれども、このときに、国の行政組織の一つとしての立場から独立行政法人になったという経験をほんの二十六日間でございますがいたしております。二十六日間ではございましたけれども、私はむしろ、国の行政組織であるということにおける人事及び会計面等、マネジメントにかかわるかなり制限的な拘束された組織の運営よりは、独立行政法人ということで様々な工夫もでき、活性化した活動もできるというふうに思いまして、二十六日の間にもかなりの改革をしたところでございます。それによって職員の姿勢も意識も取り組み方も随分変わったなという感じを持ちながら過ごしていたわけでございます。

 そういう個人的な経験は別といたしまして、私は、今回の、国立大学という一国の知の拠点というものをどうしていくかということは大変大事な、言わば一国の将来に大いに影響する事業だと思っております。これは、その流れは急に起きたものではございませんで、平成九年からの非常に長い、しかし慎重な検討の上で今日に至っていると承知いたしております。

 平成九年の行政改革会議が最終報告を発表して以来、この中で、国立大学については、独立行政法人化は大学改革方策の一つの選択肢となり得る可能性を有しているけれども、これについては、大学の自主性を尊重しながら研究、教育の質的向上を図るという長期的な視点に立った検討を行うべきである等の、国立大学については別途の留意を要するという内容を盛り込んだ報告が今日の国立大学の法人化の流れの原点にあろうかと思っております。そして平成十一年度、閣議決定。それから平成十一年の八月、九月におきまして、それぞれ、国立大学協会における常置委員会等の中間報告の発表等、様々な経緯がございました。

 そして、十一年の九月には、国立大学長・大学共同利用機関長会議におきまして有馬文部大臣が、独立行政法人化の問題の検討の視点、それから独立行政法人化の意義等について見解を表明されまして、併せて「国立大学の独立行政法人化の検討の方向」を公表されました。その後も、国立大学協会の動き、それから自由民主党の政務調査会における提言、そして中曽根当時の文部大臣が文部省としての考え方と今後の方針を、これはかなりきっちりと国立大学の特質を踏まえた内容であったと思いますけれども、五月にそれを国立大学長・大学共同利用機関長会議において発表されました。その後に、国立大学協会における検討、さらには、これは文部科学省において設置いたしました調査検討会議における検討等、様々な検討を経て、今日、私どもとしては、国立大学については、これまで進んできている独立行政法人としてではなくて、国立大学法人として、その機能あるいはあるべき組織の考え方、経営の在り方等も含めて、独立行政法人とは違った形の国立大学法人ということで法人化の課題にこたえていこうという決意であるわけでございます。

 そこで、じゃ法人化というものはどうして国立大学法人ということでやるのかという御質問かと思いますけれども、大学の教育研究というものをより活性化をして、また社会の期待にこたえていくためには、これまでの行政組織の一部としての国立大学の位置付けでありますよりは、より独立をした、自律性を認めた、そういう国立大学法人として再出発してもらう方がいいという判断があるわけでございます。これは諸外国の例でも、それぞれ組織の形態、名称はやや違いますけれども、大学が公費をもって賄われる場合には法人格を持っているという先例等もございます。

 そのようなことから、私どもといたしましては、新しい国立大学法人への移行は、正に国立大学改革の一環として、大学における教育研究をより活性化させていくという本来の機能をより発揮するために、設置形態を変えて、日本の知の拠点の中核たる国立大学、国立大学の名称は変えるつもりございませんけれども、そういう位置付けをきっちりして、それぞれの大学により努力をお願いをして、それぞれの大学が特色と魅力を発揮して国際競争力も持てるような、そういう大学に発展してもらいたいという願いの下に、今日、必要な準備を着々と整えているところでございます。

○西岡武夫君 重ねてお尋ねしますが、それでは大臣も、途中でこういう問題に、既定の事実がある程度でき上がった中で大臣に御就任になったわけですけれども、今この時点で遠山大臣としても、国立大学が、私は国立大学の今の制度の下でも、例えば評議委員会委員等々に地域の代表の方々に入っていただいて国立大学の運営に参画するという、当初の国立大学を各都道府県にそれぞれ設置をしたときに論じられていた方向で改革していくということも可能でありますし、人事院とも大分、私、お話ししたことが昔あるんですけれども、この前の委員会でも申し上げましたように、教育研究者については、公務員でもない民間企業の方でもない第三の身分というものも考えてはどうかということを私は提起したこともあるわけです。

 そういう意味で、今の制度の下でそういう改革をすることも可能であったと思うんですけれども、今の大臣のお話を承りますと、独立行政法人化する方が今の国立大学のままであるよりはよりいいという、積極的に評価されたということでよろしいんですか。

○国務大臣(遠山敦子君) 確かに、今日でも大学側が管理の在り方について民間人をもっと登用したり、あるいは運営諮問会議も既にございますけれども、そういうところにより強力な民間人の意見を用いるようにしたり、様々な工夫はできると思います。

 しかし、今日、新しい国立大学法人で実現しようといたしております身分の新たな在り方、あるいは国家公務員法の枠組みから離れた身分制度なり、あるいは財政法といいますか、財政上のいろんな規制からもできるだけそこは自律性を保つようにしていく問題等、様々な新たな大学における教育研究及び運営の活性化ということを図ってまいりますには、現行の法体系の下における国立大学の在り方では決してそれは実現できないわけでございます。

 その意味で、今日の状況の中で、もちろん教員の流動性を図りますとか外の意見を入れていくとか、様々な工夫というのももちろん可能でございますし、大学改革の一環としてそういうことを私どもも様々な機会を通じて助言をしてまいったということも確かでございますが、その行き方とはまた一段、自律性とそれから独立性を保ちながら国民の期待にこたえていくという角度から見ますと、私は国立大学法人として新たに出発する行き方がいいのではないかと、そういうメリットを大いに今感じているところでございます。

○西岡武夫君 大臣、昔、大分古い話ですけれども、中央教育委員会というのを作ろうという議論が国会でも一部ございました。党でも、何々党ということを申し上げませんけれども、政党の中でもそういうことを正式におっしゃった方もおられたわけでございます。

 私はこれに対して反対の立場でございまして、これは大学の問題ではないんですけれども、義務教育は国の責任で行うべきであると。地方分権ということが今大きな流れで、私はこれは積極的に進めるべきだと思いますが、少なくとも義務教育に関しては国の責任でこれをきちっと行うべきであると。もっと突っ込んで申しますと、今の教育委員会制度を根本的に改めて、国が義務教育については全面的に責任を負うと。先ほど私はたまたまちょっと席を外しておりましたけれども、有馬議員の御質問の中にも、義務教育国庫負担について、これはきちっと確保すべきであるという御質問といいますか御激励があったやに聞いておりますけれども、そういうことではなくて、国が全部責任を負うと。小学校の先生も中学校の先生も国家公務員にして、今は地方公務員ですけれども、そして国の責任で義務教育のすべてを責任を負っていくということにすべきであろうというふうに思って元来いたわけでございます。

 そういう観点からしますと、今、地方分権の中でどんどんどんどん、大学も独立行政法人化したと。文部科学省の責任というのは、独立行政法人で、大学の自主性とかそういうものをどんどん、学問の自由はもうこれは厳然として存在する、守らなければいけない基本的なところですね、それ以外のところでもどんどん大学は独立行政法人として自由におやりなさいと、そういうことでしょう。

 そうなりますと、今のままでいくと、義務教育についても、例えばまずすぐ起こってきます影響というのは、国立大学が附属の学校を持っておられる、それで国家公務員としての小学校、中学校、幼稚園のそれぞれの教官がおられるものですから、その方々を対象として給与の問題についても人事院勧告がなされる、それに準じて教職員の給与の問題についても、国が人事院という制度の下でそれに準ずるという形で教職員の給与の問題も考えられると。ところが、これも人事院の勧告の対象でなくなりますね。

 そうなると、給与そのものをどういうふうに、何を根拠に、大学もそうですけれども、義務教育の諸学校について、公立の、諸学校について給与をだれが決めるのか。それぞれの都道府県の人事委員会が決められるのか。そういうところまで全部波及するということを当然大臣はお考えだったと思いますけれども、その点をどういうふうに御認識ですか。

○国務大臣(遠山敦子君) 西岡委員の多年にわたる大変御見識の高い御意見につきましては折々に聞かせていただいたところでございますが、義務教育につきましては、先ほども御説明いたしましたように、地域における地方の独自性、工夫というふうなこともできるだけ認めていく、そういう方向にあるわけでございますが、義務教育の根幹については私は国として堅持すべしという考えを持っております。

 国立大学法人にかかわります様々な法制が変わりますと、確かに今日、人事院において作成されています給与表がそのままでは適用、国立大学法人における教授等の給与に反映されるということはなくなるわけでございますし、したがって、今お話にありましたように、各県における教員の給与等の問題についても影響が出るわけでございます。ここは、しかし、じゃ全くそれが自由であってもいいかということになりますと、これは義務教育費国庫負担との絡みもございますし、したがいまして、ここはきちんと詰めておりまして、そこのところ、人事院等との話合いも今進んでいるところでございます。

 この具体的な進み方について、もし更に詳しいことが御必要でございましたら、今、局長からお答えをしたいと思います。

○西岡武夫君 私が申し上げたいのは、文部科学省という役所が本当に日本の教育、もちろん科学技術、科学と技術の問題、そして文化、体育、スポーツという非常に広範囲な、国民の基礎的な面での人間形成について大きな役割を果たしている、また社会的にそういう文化、芸術、体育、スポーツという面で大きな役割を果たさなければいけないという面があるわけですけれども、やはりその根幹は義務教育にあると思うんですね。

 ところが、私も力不足で今日に至っているわけですけれども、大学の独立行政法人化をして大学の自主性にどんどん任せていくと。今まで義務教育について、私が、何か問題が起こると、文部省の皆さんが必ず、当時単独与党であった自民党の文教制度調査会とか文教部会に呼ばれて、いろいろと皆さんの先輩の皆さんがしかり付けられているのも私は当選一回、二回のころずっと見ておりました。

 ところが、文部行政というのは元々指導と助言しかできない、命令することができないということで成り立っているわけですね。指導、助言しかできない。文部科学省は、事文部科学の行政について指導、助言する以外の手だては何にも持っていない。大臣、違いますか。

○国務大臣(遠山敦子君) 指導、助言という大きなくくり方をされますけれども、具体的に申しますと、例えば義務教育につきまして国の責務は一体何かという角度から申しますと、一つは、全国の義務教育の在り方について、無償であることを保障し、かつ一定の教育水準を保つという観点から、それに必要な制度、枠組みをきっちり作る責務がまずございます。それから、教育内容については、学習指導要領を定めて、それに基づく教育が展開されるように、その面では大きい意味での指導、助言でございますが、しかしそういうものを定める責務もあるわけでございますし、財政的な援助もしていくということでございます。

 大学につきましても、基本的な制度、枠組みの形成ということにおきましては、その担当する分野についてすべて持っているわけでございまして、特に教育の場面では、設置基準でありますとか、あるいは設置についての、私学についても認可でありますとか、様々な責務といいますか権限といいますか、そういうものを持っているわけでございます。

 その意味で、指導、助言だけというのは、まあ教育内容にかかわることは正に指導、助言が主でございますけれども、私は制度の根幹を定めていく、そしてそれが実際に現実に移されていくということをきっちりと見守っていく、そういう責務は非常に複雑な、かなり内容の深いいろいろな責務を負っているというふうに思っているところでございます。

○西岡武夫君 今、大臣がおっしゃっていることは、要するにいろいろな施策について予算、補助金とかそういうことを通じて、まあ言葉が適切かどうかは別といたしまして、事実上はある程度、まあコントロールという言葉は余りよくないんでしょうけれども、文部科学省の考え方を進めていくことができるということだろうと私は理解するわけですけれども、独立行政法人化した大学というのは、これに対する、交付されるお金というのは、事実上どういう積算根拠に基づいて、やり切りという形になるんですか。交付したままになると。もう自由にお使いなさいと。ある程度の金額、積算基準はもちろんあるでしょうけれども、それに基づいて交付されたお金は独立行政法人が自由に使っていいと。借金もできるわけですからね。

 私が何を言いたいかといいますと、そういう意味で、今まで文部科学省としては国立大学に対しては予算の執行を通じて相当事実上の、コントロールという言葉が適切でないとすれば、文部科学省の一つの考え方というものを、何といいますか、公にすることができた。ところが、そういうことになりますと、全部自由にお使いなさい、借金も自由にできますよと、システムを作るということですけれども、そうなると特殊法人の二の舞になりかねない、将来。ということと、文部科学省の役割というのは一体何なのかと。

 今日はちょっと余り時間がないものですから、大学と義務教育と両方、全部おしなべて申し上げるということはなかなか難しいんですけれども、私が申し上げたいのは、この前の委員会でもちょっと触れましたけれども、教育行政についても今の教育委員会制度で私はいいと思わないんです。だれも責任持たないんですから。知事が予算を持っているわけですね、知事が。ですから、議会でいろいろ、県議会でいろんな問題が、都議会で議論が起こっても、知事は答えないでいいわけです。教育委員会が、教育長がほとんど答えているようですけれども。

 そこで、ところが、教育委員というのは、これはもう昔に、大昔に質問をしてなかなかうまくいかなかったんですけれども、そのときも私は野党でございましたが、昭和五十二年でございましたか、大体非常勤の教育委員にその地域の教育行政の全部を任せるというのは一体どういうことなのか、それで教育行政の責任が果たせるのかと。文部省はそれじゃそれに対して、今、大臣いろいろおっしゃったけれども、現に、具体的な県は申しませんけれども、大分時間がたちましたから申し上げるのは控えますけれども、ある県が長い間、知事の考え方によって第二の文部省と言われた長い時期があったわけですね、特定の県で。それは、やろうと思えばできたわけですね。

 だから、文部科学省というのは、もう国立大学も独立行政法人化したと、義務教育についても今のままで、今度は義務教育国庫負担についても、先ほど有馬議員が心配されて御質問になったのはそこだと思うんですけれども、国庫負担金については整理統合していこうと。一番大口の義務教育の教職員の給与についての負担金をどうもねらっていると。そういうような状況の下で、文部科学省はじゃどういう意味で存在しているのかということになりかねないということを私は心配しているわけです。

 ですから、義務教育についてはやはり国の責任としてきちんと全額国が責任を持つと。制度の面でも資金の面でも、財源の面でも責任を負うべきであると。大学についても、日本の本当に基礎研究をもっと大事にしていくということを考えれば、文部科学省の果たすべき役割は非常に大事だと。そのことを考えると、こういう大学の改革の仕方で本当にいいのかと、後で悔いを残さないのかということを私は恐れてあえて申し上げているわけです。このままだと文部科学省なんて要らないじゃないかということになりかねない。そうでしょう、大学は独立行政法人です。それで、義務教育はもう地方に全部任せると。これじゃ何やられるんですか、文部科学省は。

○国務大臣(遠山敦子君) 文部科学省の将来について大変御心配をいただいておりますが、義務教育につきましても高等教育につきましても科学技術の振興についても文化の振興についてもスポーツに関しても、私は国のなすべき役割というのはきっちりとあると。むしろ、二十一世紀を考えますときに、人間の知なり感性なりというようなものが非常に大事になってくるときに、全体の日本の国の重点の置き方等を考えるときに、文部科学省の役割というのは大変重要だと思います。

 今義務教育のお話ございましたけれども、私どもは憲法上の要請というのをきっちりと守って国の責務を果たしていくというのは当然でございます。それを元にしまして、様々な法制度を私どもとして構築してきているわけでございます。

 教育委員会制度を定めた地教行法の在り方、先生の御意見は一つ大変有益な示唆を持つ内容とは思いますが、仮にそういう制度を改めるとすれば、これは文部科学省自体が主体的に考え、もちろん全国のいろんな意見も聞きながらでございますが、法制化を図っていく必要もございますし、教員の制度の在り方、免許法の在り方あるいは義務教育に関する学級編制の在り方等、様々な基準も定め、そしてそれを実現するための指導そして財源措置、そういったことのトータルを通じて日本の教育を支えているわけでございます。

 国立大学につきましても、先ほど来申しておりますように、国の行政組織の一部としての存在であるよりは、より独立をした法人格を持った上でその機能を発揮してもらうということでございまして、国が負うべき責務をすべて譲ってしまうということではございません。

 御心配の運営交付金の算出方法について申しますと、運営交付金は、一つは学生数等客観的な指標に基づいて各大学に共通の算定方式によって算出される標準運営費交付金、それから客観的な指標によることが困難な特定の教育研究施設の運営や事業の実施に要する特定運営費交付金を合計したものとするものでございまして、国立大学法人になってもこれは国費を注入、投入するということは継続されるわけでございまして、そのことについての責任を持つのと同時に、競争的環境の醸成、それから各大学の個性ある発展を促進する観点から、中期計画終了後の各大学に対する第三者評価の結果等を適切に反映させていく、そういう責務もあるわけでございます。

 大学という単に日本の高等教育の拠点というよりは世界の知にも貢献をしていくべき大変重要な存在につきまして、これは文部科学省といたしましては、科学技術も担当し、それとの関連で学術の振興も担当をしておりますし、今回の今進めようとしております国立大学法人化について、その大きな目的を更に進めるという方向でこそあれ、文部科学省自体の責務を減殺をしたり、あるいは各国立大学における取組自体の在り方をマイナスに持っていくようなことはしない、そういう考えの下に進めているということをお答え申し上げたいと思います。

○西岡武夫君 私が心配といいますか恐れておりますのは、今はそれでスタートを仮に、私は認めていないわけですから、仮の姿を、独立行政法人化した国立大学というのはすべきではないと思っていますから、すべきではないというのが実現した場合のことを想定して議論をするのは私は最も好まない議論の仕方なのでございますけれども、あえて申しますと、将来、私は日本の財政というのはこんな状態ですとますます悪化すると。今は義務教育国庫負担でさえ手を付けようと、文部科学省じゃなくて政府全体としては。これは補助金、国庫負担金を整理統合するという、もう一番目に付く予算でございますから、そこに目が付けられつつあるというような、私は元々、文部科学の予算編成に当たって、何か文部大臣が大蔵大臣といろいろ陳情したり何かしたような形で予算が決まっていくということはおかしなことだとさえ思っていたわけですから。

 ところが、そういう財政事情が悪くなった、政権が変わったということで、いったん独立行政法人化したものがどういう扱いになるかというのは、将来のこと、だれも保証できない。だって、義務教育国庫負担金だって何とかしようと言い出しているわけでしょう。その事実ないんですか。

○国務大臣(遠山敦子君) 地方分権に関する調査会議におきまして、そのようなことも含めた検討をという提言がなされていることは確かでございますが、まだ決定ではございませんし、私どもの義務教育に対する強い意思というものは、これは全うしていかなくてはならないと考えます。

○西岡武夫君 その程度の問題じゃないと思うんですね、この問題は。要するに、問題はそういう検討するテーブルに上がっていること自体が問題だと私は思うんです。そういう意味では、何か、冒頭に申し上げましたように、方向性がこうなると何でもかんでも流れていってしまうと。それはちょっと私は日本の将来のためには好ましいことではない。

 週休二日制の、五日制の学校の導入についても多くの問題を実は抱えて、私もこういうことになっちゃってちょっと責任を痛感しているわけでございますけれども、阻止できなかったことに痛感を感じておりますが、責任を感じておりますけれども、とにかく次の世代のために、文部科学行政というのは取り返しが付かないわけですから、ほかのダムとか道路とかが最近問題になっておりますけれども、これやめたってみんなが合意しちゃえばそれで済むことかもしれませんけれども、子供たちの教育の問題については、途中で何か急にばっとやめたといったって取り返しが付くものでは決してないわけでして、ですから、例の第三の教育改革ということを銘打った森戸辰男先生の教育改革のときに先導的試行という言葉がそこで初めて出てきたわけですけれども、その同じ試みを行う場合でも普通の行政とは違うという意味でやらなければいけないと。

 ですから、大きな流れの中で、文部科学省が是非そのときには、みんな応援団がおられるわけですから、毅然たる態度で対応をしていただきたい、そのためには文部科学省はどう考えるかということをまずきちんとしていただかないといけないということを最後に申し上げて、質問を終わります。