Original:http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009615420020807017.htm
第154回国会 文部科学委員会 第17号 平成14年8月7日(水曜日)

平成十四年八月七日(水曜日)
    午後一時三十分開議
 出席委員
   委員長 河村 建夫君
   理事 斉藤斗志二君 理事 鈴木 恒夫君
   理事 田野瀬良太郎君 理事 平野 博文君
   理事 斉藤 鉄夫君 理事 武山百合子君
      伊藤信太郎君    岡下 信子君
      近藤 基彦君    高市 早苗君
      高木  毅君    谷田 武彦君
      馳   浩君    林田  彪君
      松野 博一君    松宮  勲君
      森岡 正宏君    大石 尚子君
      木下  厚君    武正 公一君
      中津川博郷君    中野 寛成君
      藤村  修君    牧  義夫君
      牧野 聖修君    山元  勉君
      佐藤 公治君    石井 郁子君
      児玉 健次君    中西 績介君
      山内 惠子君
    …………………………………
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   文部科学副大臣      岸田 文雄君
   政府参考人
   (文部科学省大臣官房長) 結城 章夫君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長
   )            工藤 智規君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局私
   学部長)         玉井日出夫君
   政府参考人
   (文部科学省スポーツ・青
   少年局長)        遠藤純一郎君
   文部科学委員会専門員   柴田 寛治君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月七日
 辞任         補欠選任
  高市 早苗君     高木  毅君
  鎌田さゆり君     武正 公一君
  山口  壯君     木下  厚君
同日
 辞任         補欠選任
  高木  毅君     高市 早苗君
  木下  厚君     山口  壯君
  武正 公一君     鎌田さゆり君
    ―――――――――――――
七月三十一日
 一、学校教育法の一部を改正する法律案(武正公一君外三名提出、第百五十三回国会衆法第二六号)
 二、文部科学行政の基本施策に関する件
 三、生涯学習に関する件
 四、学校教育に関する件
 五、科学技術及び学術の振興に関する件
 六、科学技術の研究開発に関する件
 七、文化、スポーツ振興及び青少年に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 文部科学行政の基本施策に関する件(帝京大学問題等)


     ――――◇―――――
河村委員長 これより会議を開きます。
 文部科学行政の基本施策に関する件、特に帝京大学問題等について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として文部科学省大臣官房長結城章夫君、高等教育局長工藤智規君、高等教育局私学部長玉井日出夫君、スポーツ・青少年局長遠藤純一郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
河村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
河村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馳浩君。
馳委員 自由民主党の馳浩です。
 帝京大学の問題に入る前に、昨日、私は、国立スポーツ科学センターを視察してまいりまして、センター長の浅見さんからいろいろと御意見を承ってまいりました。また、視察中にJOCの強化本部長である松永さんと御意見を交換することがありまして、三点ほど申し上げたいことがありますので、答弁できる方はお願いしたいと思います。
 まず、一点目ですが、国立スポーツ科学センターには契約研究員制度というのがあります。これはどういうふうな任期になっておるかと申しますと、年度ごとの契約で三年まで、そして延長は二年間までできる。つまり、センター長の覚えめでたければ、優秀な研究もあれば、五年間までということでありますが、実際に契約研究員の方々と意見交換をしてまいりましたら、どうも本音を言いますと、生活の不安が一つ。二つ目は、せっかくこのすばらしい場所で研究をさせていただくにもかかわらず三年まで、それも年度ごとの契約更新であり、そして延長はセンター長の了解があれば五年まで。
 個別の話を申し上げるのもなんですが、せっかく入った、去年から入ったわけですから、三年でもし切られるとすれば、二〇〇三年に切られる。私たちは、トップレベルの選手の強化にも資する研究もやっている、そうした場合には二〇〇四年のアテネ・オリンピックまでも関与できない可能性もある等々、いろいろなお話を伺いました。
 私は、実際に現場を見てまいりましたが、再任を妨げないという形で、しかしながら三期までとか二期までとかこういった形で、生活の基盤の安定はもとより、十分研究員の皆さんが、現場の研究状況、設備の更新もあるでしょう、あるいはトップレベルの選手との人間関係等もあるでしょう、そんな中で働きやすい環境をつくってあげるべきであるというふうな認識を持ちまして、この契約研究員の規則については、日本体育・学校健康センターにおいて取り決められておりますが、これについて文部科学省の御意見を伺いたいと思います。
遠藤政府参考人 国立スポーツ科学センターにおきましては、プロジェクト研究という形でスポーツの医・科学研究を進めておりまして、それぞれの研究プロジェクトごとに優秀な若手研究者を、専任の研究員のほかに、契約研究員という形で任期を限り採用しているというところでございます。
 任期につきましては、特定のテーマに関する研究プロジェクト、こういうことから、その研究内容等を勘案しまして、基本は三年を限度といたしまして、特に必要と認められた研究員については最長五年までと、委員御指摘のとおりでございます。
 御指摘のように、研究の活性化を図っていくということが一つ大事な点としてあると同時に、優秀な研究者の能力を活用して伸ばしていくということも、スポーツ医・科学研究を進めるに当たっては重要なことでございますので、両者をどう調和して、どのようにして優秀な研究者の活用を図っていくか、こういうことにつきましては、センターとともに今後研究してまいりたい、こう考えております。
馳委員 若手の研究者がほとんどなんですよ。オーバードクター、あるいは修士を終了された方、あるいは企業の研究者から希望を持って転職された方もいらっしゃいます。そういった方々が、特定の研究分野についての研究だからそれでいいという紋切り型の言い方ではなくて、今後、国立スポーツ科学センターの利用価値を考えれば、研究員の任期についてはもっと弾力的に考えていただきたいということをまず申し上げておきます。
 二点目ですが、これは細かいんで余りあれなんですが、運営について一言言いたいんですが、ここは、研修ですから、トップレベルの選手たちが合宿研修もできることになっているんですが、チェックインが三時、チェックアウトが十一時と固定されているんですね。これは海外からも来るんですよ、あるいは日本全国からも来るんですよ。それを三時に限定して、でなければなりませんという姿勢ではなくて、あるいは夕食の時間は六時から八時までと決められていて、それ以外はだめですというふうになっているんです。あるいはリラックスルームの利用は三時から十時までしかだめです、ここが多分国立と言われるゆえんの悪いところだと思うんですね。
 何でですかと聞いてみたら、いや、運営を委託していて、委託している人の事情によるんですと言うから、だめですよ、それは。利用する人の事情を配慮することが一番運営する側の目的でありますから、そういう時間的な規制とかはできる限り排除するように私は求めたいと思います。今のは運営についての私の意見ですから、ぜひ利用者優先でやっていただきたいということをまず申し上げておきます。
 三点目。JOCの強化本部長の松永さんがおっしゃるには、totoがあるでしょう、あの収益の中から直接強化にお金を回してもらえないのですというふうな御意見を承ったんです。いや、それはおかしいなと。totoは議員立法で出しましたから河村委員長もよく御存じだと思いますけれども、JOCの強化本部長が、totoの収益が直接強化に回せないんです、何とかしてくださいよ馳さん、スポーツ議連の皆さん、こういう御意見だったんですよ。
 実際私はどうなっているのかよくわかりませんが、もしそうであるとするならば本末転倒で、スポーツ振興基金制度もありますけれども、このサッカーくじをやった当初の目的は、スポーツの基盤整備と同時に、トップレベルの強化にも充てて、オリンピック、世界選手権等でメダル獲得のための選手の練習環境、生活環境の補助もしてあげよう、こういう趣旨もあったはずでありますから、もしそういうふうなシステムになっているのであるならば、これは法改正も検討しなきゃいけないかもしれません。この点について、局長、何かありますか、お願いします。
遠藤政府参考人 トップレベルの選手強化につきましては、国からのいわゆる国庫補助の制度、そしてスポーツ振興基金の制度、それから新しくできましたスポーツ振興くじの制度、この三つをもってその強化に努めているところでございます。
 そのスポーツ振興くじの法案ができた際に、やはりその三つ、一応仕切りといいますか、持ち分といいますか、役割分担ということがございまして、例えば、選手強化の中で、トップレベルの選手の強化合宿費、こういったようなものについてはスポーツ振興基金のお金をもって充てる。したがって、スポーツ振興くじの方からの助成の対象としないということで、法律でそう定められている、多分そのことを指しておっしゃっているのだろうと思われますけれども、先ほど言いました、財源が三つチャンネルがございますから、そういうものを活用しながら、選手強化、これからアテネもありますので、頑張っていきたい、こう思っております。
馳委員 スポーツ振興基金の利回りも悪いんですね、局長。この辺は、法改正が必要ならば、今委員長ですけれども、河村先生、これは法改正してでも、やはりJOCの強化本部で利用しやすいような形にしてあげるのが筋ですよ。あるいは、そのほかの方法でできるのであるならば、局長、よく作戦を練ってやってあげていただきたいと思います。
 では、帝京大学問題について、まず一点目、質問させていただきますが、文部科学省による現地調査がありました。
 それを受けてまず質問いたしますが、寄附金の多い少ないによる合格、不合格の影響はなかったとする大学側の主張を覆す事実の確認はできなかったと。子供の使いじゃないんですから、ここまで、こういう文言を書かざるを得ない文部科学省の調査の限界というものに対して、私は、強い憤りと抗議をまず申し上げたいと思います。
 そうはいいながら、言いわけを聞きましょう。具体的調査はどうだったんですか、そして、確認できなかったという結論に達した理由は何ですか、教えてください。
工藤政府参考人 私ども、三日間ではございましたが、非常に精力的に調査に当たらせていただきました。現地で入試関係書類等を精査いたしましたところ、次のような点が確認されてございます。
 一つは、合否判定は、一般入試の一次合格者及び追加合格者とともに、成績順に作成された合否判定資料に従って成績順に合否が決定されていたこと。それから二つ目には、寄附金の収受日が合否判定前のものは発見できなかったこと。三つ目は、合格者の中で寄附に応じられた方がいらっしゃるわけでございますけれども、成績との関係を見ますと、成績が下位の合格者あるいは追加合格者でも寄附をしていなかったり、あるいは逆に、成績が上位の者でも多額の寄附をしている者がいるなど、合否と寄附との関係について明確な関連を見出すことができなかったのでございます。
 あと、関係者に事情聴取をしたことも含めまして、そのような記述とさせていただいたところでございます。
馳委員 この「寄附金関係」については、大学側は、「個人の判断と責任で、」というふうな言い方をしているんですが、この報告書を見ただけでも、私はここはまず指摘したいと思いますよ、工藤局長。入学手続前に寄附を受け付けるために歴代の事務局長と保護者の間を取り持った仲介者はだれですか。こんな疑問は報告書を読めばすぐ出てくるんですよ。個人と、全国から集まってくる受験者の保護者、保護者の方々がみんな歴代の事務局長の連絡先の電話番号を知っていて、この人にお願いすれば何とかなるんじゃないか。まさかそんなことはあり得ないと私は思いたいのですが、仲介者はだれですか。
 平成十年から十四年度の間に、入学手続前に寄附を受け付けているのは五十八人もいるんですよ。これは子供が読んだってわかるような疑問ですよ。歴代事務局長と受験生の保護者、寄附金をもらったと大学側も認めているんですから、間をつないだのはだれですかという疑問がもしわかなくて、そういう調査もできなかったとするならば、文部科学省は、つまり強制的な調査権を持たない限界を感じざるを得ないわけですよね。工藤さん、どうですか。
工藤政府参考人 私ども職員のほかに、公認会計士の資格を持ちます専門家の方の御協力も仰いで調査に当たったわけでございます。その際に、関係の書類の精査、それから関係教職員からの事情聴取なども精いっぱいやったつもりでございます。
 今の、入学手続以前の寄附金でございますけれども、お手元にもございますように、過去五年間で、いわゆる簿外経理での八億円の経理処理、それから入学手続前の寄附金の収受が二十五億のうち合格発表前が約十億ということ、こういう事実は年度ごとに精査いたしましたが、その書類、それから関係教職員との事情聴取で、いずれも歴代の事務局長が個人でやったということでございました。
馳委員 書類の精査の問題を私は聞いているのではありません。
 いいですか、入学手続前の寄附者と事務局長、大学側は、事務局長の個人の判断と責任においてと言っているんでしょう。ふざけた言い逃れをするものだと私も思いますけれども、これを取り次いだのはだれですかという疑問が一読してすぐ出ますよ。それを追及できないんですねということを私は確認したんです。追及できないんですよ、皆さん。おかしいと思いませんか。
 こうなってくると、私学は、財政の運営においても、こういう寄附金に絡む問題においても、言葉は悪いですけれども、やり放題じゃないですか。そして、この指摘を受けたのはどこですか。国税庁でしょう。所管しているのはどこですか。文部科学省じゃないですか。この矛盾に対して、私は、大きな反省と責任を持って事後の方策を考えなければいけないのではないですかということを言いたいんですね。副大臣、どうですか。
岸田副大臣 文部科学省としましては、現在文部科学省に与えられている権限、そして制度の中で最大限、今回、帝京大学という大学が社会的な信頼、そして私学の公共性において疑問を持たれている、こういったことに対して、疑念を晴らすべく努力をしたところであります。
 現状の制度において文部科学省としてとり得る手段、今最大限を尽くしておるところでありますが、しかし、なおかつこうした疑念が残っているということ、このことは事実でありますし、また、厳粛に受けとめなければいけないと思っております。
馳委員 この点についてはまた後ほど聞きますが、一九八一年の文部省通達に反していると問題になっている事前寄附や寄附金の簿外経理についての大学側の組織的関与について、大学側は組織的関与はなかったと主張しておりますが、これについて文部科学省は、調査したが、これを覆す事実は確認できなかったと答弁しておられます。
 すなわち、大学の言い分を認めざるを得ないという、ここにも大きな文部科学省側の、副大臣は最大限の努力をしたとおっしゃいますけれども、最大限の努力をしてもこのていたらくでしかないという現状で、私は、天下の文部科学省も帝京大学になめられたものだなという印象をこの報告書を一読しただけで持ちました。
 私は、この現状の制度というのはゆゆしき問題であり、今後、委員の先生方御承知のように、少子高齢化の中で、大学の運営は、大学当局とすれば、ブランド化を図っていくか、あるいは大衆化を目指して経営を何とか頑張っていこうか、これは数日前のNHKの「あすを読む」という特集でもやっておりましたけれども、二極分化されていく中で、今回の帝京大学のように、こういう不正を働いて私財をため込んで大学の運営に何とかしていこうという不逞のやからが今後どんどんあらわれてきても私はおかしくはないと思いますね。なぜならば、文部科学省の現実的な調査の限度がここまでしかないわけですから。
 これについてのコメントはいかがですか、副大臣。やはり同じですか。局長でも結構です。
工藤政府参考人 私ども、私学行政はなかなか難しい部分がありまして、言葉がいいかどうかはございますが、いわゆる警察国家という言い方がございますが、管理あるいは査察という関与のあり方が私学との関係でいいかどうかという議論などもあるわけでございまして、やはり私学の自主性、しかも、大変多くの私学がある中で、みんながみんな同じような事件を起こしているわけではございませんので、私学の自由な発達を望むという観点が一つと、もう一つは、一定の国費を投入することによるチェック体制をどうするかという兼ね合いの問題であろうかと思っております。
 私ども、先般、中央教育審議会の方からも御答申をいただいたのでございますが、今後の大学への国の関与のあり方としまして、事前の設置認可等の関与をできるだけ緩和いたしまして、事後的なチェック体制を充実する、それにあわせて、現在は閉鎖命令という最後の手段しかない行政行為について、その前段階でのいろいろな措置を検討すべきじゃないかという御提言もいただいてございまして、私ども、早急に検討いたしまして、できるだけその整備を図ってまいりたいと思っております。
馳委員 全体的な大学、特に私学も含めて大学の運営に関して、文部科学省の関与のあり方についてはこの後にもう一回詳しく聞きますから、今回の帝京大学のまず後始末についてどうするかということをちょっと追及したいと思います。
 この寄附金疑惑について、旧文部省が一九八一年に出された私立大学医学部における入学者選抜の公正確保等についての通知違反、具体的にはその六の(一)に書かれてある、任意の寄附金について、募集の開始時期は入学手続終了時以降とし、それ以前にあっては募集の予告にとどめること、つまり入学手続終了前の事前寄附金の募集禁止、これに違反しております。さらに、六の(三)に書かれてあります、任意の寄附金はすべて学校法人が直接処理すること、つまり簿外処理禁止に違反している、明らかに違反していると思いますが、そうですね。これは、まず確認しておきたいと思います。
工藤政府参考人 おっしゃるとおり、ゆゆしい話だと思っております。
馳委員 違反しているんですよ。通知違反です、明らかに違反しているんです。事前寄附金はよしなさいと言っているのを、これは不正入学にもかかわりますからね、やめなさいと言っているのにこれも違反しているし、簿外経理にも違反している、二つ明確に違反しております。そうであるならば、当然、私立大学等経常費補助金取扱要領第三条違反により、第三条、十九条、二十条の適用がなされて、文部科学省として、補助金の不交付や過去の補助金の返還請求をしていただかなければ示しがつかないと思います。
 これは、過去のといえば、一九九八年度以降でも過去五年間五十七億五千万円です。これは返還してもらわなきゃいけないですね。明確な法令違反ですよ。返還してもらう検討に入っておりますね。
 これは副大臣に。
岸田副大臣 御指摘のように、今回の現地調査によりまして、簿外経理あるいは不適切な寄附金収受、こうした事実確認をされました。このため、まず過去五年間にわたりまして、さかのぼって返還を求める方向で対応することとしたいと考えております。
 ただ、具体的には、この医学部以外の他の学部の調査はまだ今進行中であります。この調査を踏まえまして、日本私立学校振興・共済事業団の運営審議会の審議、これを経て決定するという手続を踏むことになると考えております。
馳委員 今後の不交付や、これまでの返還というのは当たり前の話なんですよ。こんな失礼な、国民の税金から補助金も入っているところがこういう明らかな法令違反をしているということに関して、しかしながら、新聞報道等によれば、国税の調べによれば、過去七年間で百四十億円も寄附金を集めているんですよ。そのうちの五十、六十億ぐらい返還しても、恐らく帝京大学グループにとっては、もしかしたらそんなにこたえないかもしれない。
 だから、その次に、先ほど工藤さんがお答えになりましたけれども、国として、文部科学省として、所管する大学、私立大学を含みますが、ここのまず財政のあり方について、寄附金問題とか簿外経理については非常に具体的な調査権限が必要になると思いますけれども、こういうものに関して、私は、法律を改正して、これは学校教育法の改正になるかもしれませんが、より強い権限を持って、あるいは処分の仕方にしても、先ほど工藤局長がおっしゃいましたように、今、いきなり閉鎖命令しか出せませんが、学部ごとの閉鎖であるとか、いわゆる行政としての事後チェックによる、事後評価による、そして事後の調査体制による強力な調査権限に基づく調査による結果に基づいた処罰というものは考えなきゃいけない。
 これはまさしく私学の学問の自主性とは何ら反しない問題でありまして、明確に数値として出てきたこういう問題に対しては、私は、厳しく対応をしていかざるを得ない。じゃないと、今後の大学運営が、まさしく少子化に入って厳しくなってくる。高校生の諸君は、選ばなければどこにでも入れるような時代になってきたときに、ブランド化された大学と、大衆化された、つまり経営のためには、どんどん入りなさい、受け入れてあげましょうという大学と、二極分化されていく中で、大衆化された大学がたどる末路は、こういう帝京大学のような、こんなことになってもらっては困るという、私は、今回の報道に接した国民の要請というのはあると思いますが、局長、いかがでしょうか。もう一度お答えください。
 副大臣で結構です。
岸田副大臣 大学の質の保証ということにつきましては、我が国においては、従来、国によるその設置認可と、設置後は各大学の事後努力に負ってきたということであります。
 しかしながら、大学の質の保証のあり方そのものにおける議論、さらには事前規制の緩和と事後チェックの強化という規制改革の大きな流れがあります。こうした、国全体における大きな規制改革の流れを受けて、従来の大学の質の保証のあり方というものを考え直さなければいけないということ、おっしゃるとおりだというふうに思っております。
 だからこそ、先ほど工藤局長の答弁の中にもありましたが、中教審におきましても答申が出されて、是正措置につきましても段階的な是正措置を導入するというようなこと、現実的にそういった対応をすることによってしっかりとした質の保証を確保していくという議論が出てくるんだというふうに思っております。
 いずれにしましても、私立大学における自主性の尊重と、そして公共性の確保、この二つの大きな課題のバランスというものは大変重要なことだと考えております。
馳委員 秋の臨時国会における法改正も視野に入れながら、大臣の御指導で検討していただきたいと思います。
 最後に、これは先月、七月十八日、参議院の文教科学委員会でも共産党の畑野君枝さんの方からも指摘されておる話であります。私もリストは手に入れて、残念だなと思っておりますが。やはり文部科学省から、あっせんも含めて天下りは帝京グループにあるわけですね。これは事実であります。その文部科学省においてというか、退職されたときの官職をお聞きしまして、私は、なるほどなと思いました。
 読み上げましょう。退職時の官職、そして帝京大学グループの、あるいは関連財団の要請に基づいて文部科学省があっせんして再就職した方々です。名古屋大学事務局長、山梨医科大学事務局長、横浜国立大学事務局長、鹿児島大学事務局長、千葉大学事務局長、山形大学事務局長というふうな、つまり、こういうルートがあるということはこの資料からも明らかなわけですね。
 これは私は、文部科学省として、天下りの重要な先として、再就職の口としてお願いをしておる手前、まあまあそういうこともあってこういう子供の使いのような調査報告書しか出てこないのかなという、これは私の意地悪な見方でしょうか。私はそうは思いません。
 私は、改めて申し上げますが、他の省庁も同じような話があるかもしれませんが、率先して文部科学省として、特にこの帝京グループには絶対に天下りはさせない、当然です。関与しない、当たり前ですよ。そういうルートがあるのは明らかですよ、そういうことはさせない。そして、やはりきっちりとした、今副大臣が御答弁いただいたような感じのあり方、こういったものを確立していただきたいと思います。
 他の省庁に先駆けてそういう厳しい対応を示されるのも、文部科学省の改革に向けての大臣のやはり一つの責務ではないかと思いますが、最後に大臣の所感をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
遠山国務大臣 我が省といたしましては、それぞれの学校法人から依頼を受けて、大学行政に知識経験のある者を推薦してほしいと言われたときは、これは人材活用ということで推薦はいたします。しかし、それ以上に出て、その人がいるからといって手心を加えたり、あるいは何らかで便宜を図ったりということは一切あるべきではありませんし、やったということはございません。
 今のような状況でございますので、今後とも、そういう問題についてはきっちりと適正に対応していきたい、そういうつもりでおります。
馳委員 終わります。
河村委員長 次に、平野博文君。
平野委員 民主党の平野博文でございます。
 なぜ、きょうこの帝京大学に関する委員会を開かなければならないかということであります。
 この問題は、そもそも昨年の十一月ごろからこういう疑惑のものが報道されながら、文科省としても責任所管として十数回にわたって調査をしながら、なおかつ、直近の問題としては、七月の十五日に報告書、さらには三十日までの三日間の現地の調査、こういうことで、帝京問題に関しての調査を文部省が主体でやってこられたわけであります。
 つい閉会する前の理事会でもその結果を受けましたけれども、報告書の結果については極めて私は遺憾である、このように思いました。したがって、このまま国会を閉じていいのか、こういうこともありまして、きょう改めて閉会中審査の中での委員会を開催したということであります。
 そういう視点で、少し文科省の調査結果等々を含めて御質問をしたいと思っております。
 まず、今回の調査というのは、入学前に寄附金を取る、あるいは合格前に寄附金を取る、こういうところが非常によくわからない。学校が関与しているのか、個人なのか、あるいは、今馳議員がおっしゃったけれども、だれか仲介者がおるのか、こういうところが非常にわからない中でそういう疑惑が起こっているし、調査結果の中には、事実としてそういうものがあったということであります。
 加えて、宮路前副大臣が明らかに照会したというのは、公の委員会の中でも発言をされています。それに対しても、現地調査ではそういうものは一切ありません、一体どうなっているんだ、こういうところを含めて私はまず御質問したいと思うのであります。時間がないものですから、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
 まず、今回の調査の最重要課題とは、何を最重要ポイントとして調査をされましたか。数点なんて要りません、最重要課題は何なのかということでお答えいただきたいと思います。
遠山国務大臣 私どもといたしましては、現地調査の主要な目的としまして、入試にかかわる不適正な寄附金収受につきまして、その年度別の状況でありますとか不正経理の実態などについて、帝京大学からの報告書で明らかになっていないことを検証するということを最重要といいますか、大きな目的として行ったところでございます。
平野委員 そうしますと、入試の公正性というところについても当然やられるわけですよね。入試の公正性を担保できない中で、それを補うがゆえの寄附金ということがどの時点でやられているかということも当然調べている対象になっている、こういうふうに理解してよろしいですね。
 では、次に申し上げます。
 宮路前副大臣の照会した学生の入試の公正への関与、こういう視点でお聞きしたいのでありますが、基本的にその当事者の学生には全く罪のないことでありますから、固有名詞は別にいたしまして、合格発表前、ましてや試験前に政治家が、大学側が接触した結果、発表前に合否が漏れた、あるいは合否がそのことによって左右されたとなれば、入試の公正が害されている、こういうことになります。しかし、国会の場で明らかに宮路さんが発言された事実と十五日の報告に際しての帝京側の回答は、事実関係そのものは真っ向から食い違っているわけであります。
 このような入試の公正にかかわる具体的な争点が事前にかつ明確に示された以上、現地の調査においては、文部省はこの点をしっかりと調査されたのかどうなのかということについて、まずお聞きしたいと思います。
工藤政府参考人 現地では、書類等によりますほかに、各学部長あるいは元病院長、事務局長等、随分多数の教職員の方々からもヒアリングして調査いたしました。
 今の件につきましては、宮路先生、ああいう御発言をしていらっしゃいますけれども、私どもがヒアリングした教職員の方々は一切そういうことはなかったということでございまして、さきに参議院の厚生労働委員会で参考人質疑がございましたけれども、私どももそれを拝聴してございますが、そのときの参考人の御答弁ですと、亡くなった前事務局長がひょっとしたら受けていたかもしれないようなニュアンスのことが開陳されたかと承知しているところでございます。
平野委員 よくわからないんだけれども、では、亡くなった事務局長が関与しておったということだけは明らかなんですか。
工藤政府参考人 少なくとも、今おられる元事務局長、現事務局長も含めて、そういう宮路先生とのやりとりは全くなかったということでございまして、先ほど申したように、参議院の委員会での参考人質疑の中で、亡くなった方がいろいろな方からお話があるのでというようなことを言っていたというような趣旨の御答弁をされたということでございます。
 それが事実かどうかというのは、全くやぶの中といいますか、確認できないところでございます。
平野委員 ちょっと待ってくださいよ。死人に口なしで、そこに全部しわ寄せをしちゃったら、この問題というのはなくならないので、少なくとも副大臣がそういう関与をしたと言っているんですよ。これはもうマスコミにも取り上げられましたし、少なくとも言っているんですよ。ところが、帝京大学は、そういうことは一切ありませんと。亡くなった事務局長がそういうことを言っていたかな、そんな感じで、やぶの中にある。
 こういうことを、まさか副大臣も、やっていないのにやっていたということを言いますかね、これ。ここが私全く理解できないですよ。そういう事象がありながら、文科省としては現地調査でそこをしっかりと追及できなかったのですか。ここを聞きたいんですよ。
工藤政府参考人 先ほど申し上げましたように、その周辺の事実を受けまして、私どもも大変多くの方々と事情聴取させていただいて、今の件も含め問いただしたのでございますけれども、少なくとも関係者は一切そういうことはなかったということでございますし、また、七月十五日を期限にしたレポートを求めてございましたが、その十五日のヒアリングでは述べられておらなかったことで、今の宮路先生の件については十六日付の先方からの文書で、総長も含め大学の幹部職員、政治家の方からの依頼は特になかった、受けていなかったということでございまして、これはまさに、私どもからすれば、八方ふさがりなのでございます。
平野委員 いや、だから、帝京大学の言い分を十五日のレポートに書いているだけじゃないですか。みずから、文科省として主体的に、それが本当にこうでしたということを文科省が事実をもって、何のあれも報告書の中に書かれていないんです。調査概要には、外部からの問い合わせはすべて断っているとのこと、国会議員及び秘書からの問い合わせについては、いずれの者も受けたことはないとのことですと、向こうの言い分をレポートに書いているだけじゃないですか。
 もし不正がないとするならば、大臣みずから言っておられたように、最低限の事実関係をやはり調査して、その調査結果に、文科の責任において調査レポートを仕上げるべきだと私は思うんです。
 もう一つ、これに関して言います。
 固有名詞は避けますが、その方の合格判定資料における生徒の点数とか合格最低点が満足しているのかという、このこともあわせてお調べになった上ですか。
工藤政府参考人 合格者、合否判定については、先ほども馳先生の御質問にお答えいたしましたように、教授会で成績順にリストアップされまして、それに基づいて、正規といいますか、途中で辞退された方の追加合格なども含めて成績順に合否が決定されているということでございます。それは確認されております。
平野委員 では、少なくとも宮路さんが御照会をした人についての具体的答案とか云々というのは見られましたか。
工藤政府参考人 答案は、例年、入試が終わった後の五月段階ですべて破棄するという取り扱いになっているようでございまして、今年度の入試も含めて、答案そのものについて私どもは精査するに至りませんでした。それぞれの年度のプリントアウトといいますか、各年度の合格者の点数順の一覧表、どこまでどう入学し、あるいは辞退したかということのリストなどを精査させていただいたところでございます。
平野委員 では、この生徒の保護者からは寄附金がございましたか。
工藤政府参考人 先ほども馳先生に御答弁しましたように、成績の点数が高い低いにかかわらず寄附の状況でございまして、個別に、特定の方についての寄附金の有無ということまでは調べるに至りませんでした。
平野委員 しかし、少なくとも宮路さんがやったと言うんだから、少なくともその人ぐらいはどういう状態であるかということは調べて当然じゃないですか。まして答案がもう五月段階では焼却される。焼却されてから幾ら調べたってしようがないですよ。疑惑が少なくとも昨年の十一月ごろから起こっているんですから、そのときに、十何回やったんですか。どうですか、どうですかと向こうに問い合わせて、向こうの答えだけをもって調べましたなんて、何の調べにもなりませんよ、これ。私は、だから七月の十五日の調査レポートを一生懸命心待ちにしていました、今回は文科省、しっかりやってくれるんだなと。何ですか、あのレポートは。
 加えて、三十日、二十九、二十六、三日間現地に入りました。その結果も、向こうに頼んで、現地に入ってよろしいか、そんなの調査にはなりませんよ。ある意味で、しっかりと調べる、全部出せと言えるような状態に、馳議員が先ほど言いましたように、法的にそういう部分が担保されていないから、向こうにお伺いを立てて、了解を得てやらせてもらう。談合じゃないですか、こんなの。したがって、この不明瞭な疑惑については絶対にこれは解明できていないですよ。
 もう少し言いますよ。合格発表前の寄附の有無であります。
 入学前の寄附と合格発表前の寄附と、これは二とおりあると思います。入学手続前の寄附金は五年間で五十八件、二十四億円となっています。入学手続前の寄附金のうちに特に問題となるのは、合格発表前の寄附金の有無や金額については何の記述もないですよ。これについてはどうですか。
工藤政府参考人 済みません。お手元にお届けしたせんだっての現地調査の結果の概要については、私ども、これまでの取り扱いで入学手続以前の寄附金の収受について禁止しているところでございますから、その数字を整理したものでございますが、今御指摘の合格発表前の寄附についてももちろん精査してございまして、過去五年間、五年間といいましても、実はこの春の入試に係る部分は該当なかったんでございますけれども、そういう意味で四年間になりますが、全体で二十五人、約十億円の合格前の寄附金の収受があったことを確認しております。
平野委員 当然、合格発表前に寄附金をするなんていうのは、先ほど来のお話のように違法である。しかし、国会審議の中においても、まさに合格発表前の寄附金の募集が一番問われているところでもあります。果たして発表前の寄附金はあったのかなかったのか。今局長からは、二十五人、十億円、これ、五年間ということにさかのぼってということであります。仮に事務局長名義の口座に入金記録では入学前の寄附金はなかったとしても、保護者から全額を直接受け取っているかどうかということもまだわからないですね。一部をそこに受け取って、一部は別のところに行っている可能性だって、これはあるんですね。したがって、私は、もっとそういう視点、いわゆる入学前の寄附金、違法であるけれども合格前の寄附金、このことをやはりしっかり調べ直してもらいたい、このように思います。
 今年度の分の入試に、この間のレポートにありますが、平成十四年度の推薦、一般、これは簿外経理、それ以外、こういうところから見ると、十四年からもう明らかに、これ、ゼロになっておるんですね。それまではずっとあるのに、十四年からもうゼロになっているんですね。これは一体どういうことなんでしょうか。推薦入学とその入学手続というのは、やはり昨年の十一月に推薦入学というのはやるんですね。正規の試験ではありませんが、推薦手続というのがあります。十一月ごろに帝京の寄附金問題がちょうど発覚した時期なんですね。入学手続の終了も含めて、いきなり平成十四年度、ゼロになっているんですね。
 裏を返して言えば、本当に寄附がゼロになったとするのであれば、そもそも過年度の寄附金集め、簿外処理が適法でないことは大学自身は知っておったんじゃないでしょうか。このままではいかぬということで、十四年からゼロにしてしまった、こういうふうに私は、この調査レポートから見ても明らかに、十年からずっと十三年まであるんですが、十四年になったら全部ゼロになっているんですね。違法であるということを帝京自身は知っておってやっておったということになりませんか、この数字から見たら。どうですか。
工藤政府参考人 いわゆる簿外経理というのは、歴代事務局長の御判断で、五十六年通知もあるものでございますから、それに抵触しないようにということでやっていたということなのでございますが、私どもからすれば、それはまさに抵触する話なわけでございますので、寄附金を正規の学校法人会計に入れるべきところを迂回した経理処理というのは不適切な経理処理でございますから、昨年来、そういう寄附金の収受のあり方、それから新聞等でも報じられています財団法人等の関係など、これまで随分折々追及してきたところでございます。
 それで、この春の入試に当たりましては簿外経理をやめたということなのでございますが、簿外経理と正規の学校法人への寄附、総額で見ましても、この春の寄附金というのは格段に減っておるのでございます。それは先生お気づきのとおりでございまして、これはどう見るかということでございますが、一つには、いろいろ騒がれてのマイナスアナウンス効果もありましょうけれども、他方で、過去における寄附金の取り扱いについて、先生がおっしゃいましたような大いなる疑問を抱かせるものではなかったかと思っているところでございます。
平野委員 いやいや、それは局長、違うんですよ。平成十四年の推薦というのは昨年の十一月にもう締め切るんですよ。正規のものは四月、五月でやるんですが、推薦入学は昨年の十一月で処理をするんですよ。それもゼロになっているんですよ。それまでは全部あるんです、推薦、一般入試。平成十四年の推薦というのは平成十三年度の十一月ですよ。これもゼロになってしまっている。
 ということは、明らかにこのころから疑惑が出てき出したから、やばいということで、ゼロにあえてやりくりをしてしているんじゃないでしょうかということを、私は、逆に向こうは違法であるということを知っておる、悪質であるということを一つ言いたいわけであります。
 加えてもう一つは、正規の寄附、簿外処理分の寄附との金額の差が余りにもひどい。正規の部分でいきますと、せいぜい数百万から一千万円、これは時期の問題があるんでしょうけれども、簿外処理になっておるのは一件当たり数千万円になるんですよ。簿外処理数千万円、正規は数百万。
 この処理のあり方を見ましても、明らかに一事務局長が個人的にやったなんということは言わせない。事務局長がその後どこかの財団に移して、それから学校に移すんですから、移したら当然そこに学校経営者が、このお金は何だということがわかるわけですから、これは事務局長が勝手にやっておったなんということを帝京大学が言い逃れをして、それをうのみに受けて、文科省がレポートとして、これは事務局長個人の判断でやられましたという報告書をつくっておる文科省の責任は私問いたいと思うんですが、どうですか。
工藤政府参考人 私どもがお手元にお届けしてございます報告書は、何も引かずというと、先ほどのように合格発表前の寄附金まで書いていなかったじゃないかとありますが、少なくともこちらの、当省として感じておる疑問とか疑惑とか、そういう憶測を交えないで、いわば最大限努力した結果をまとめたものでございます。
 おっしゃいますように、私どもも、一事務局長がこのように多額の寄附金を管理し、あるいは、いわゆる帝京グループに個人の判断で配分をするということは大変不自然なことでございますし、仮にそれが事実だとしましても、そういう処理をしていたことについて、当時の経営陣の管理責任というのは大変重いものと感じているところでございます。
平野委員 たとえ個人と言うけれども、組織的関与の立証に必要な調査をしましたか。
工藤政府参考人 諸帳簿でできる限りの痕跡を見つける努力をいたしましたし、それから関係の教職員、元事務局長も含めてヒアリングした結果、要は事務局長が歴代個人の立場でやっていた、ほかの方々はそれを先般国税の方からのお話があるまでは知らなかったという一点張りでございまして、私どもはそれ以上追及するに至らなかったところでございます。
平野委員 それ以上追及するに至らずというのは、法的な意味で追及することができないのか。
 先ほどありましたけれども、学問の自由である、私学における学問の自由云々という、この調査は、結局は学問の自由を侵しておるのではありませんよ。それは私はやっちゃいかぬと思いますよ。だけれども、学校運営、さらには国の補助金を出している、こういう立場からやはり公正な公共性のある施設だというふうにとらなければ、生徒を預かる立場ですから、それが今の現行法ではどうしても限界があるというふうにお感じですか。意欲を持ってやれば私はできると思うんですが、できませんか。限界なのかどうかをお答えください。
工藤政府参考人 残念ながら、最大限の努力はしたのでございますが、私どもの立場というのは、警察等と違いまして、捜査機関でもございませんので、おのずからの限界があるところでございます。
 ただ、簿外経理が多額にあったこと、それから入学手続前の寄附金が確定したことも含めて一定の不適正な事実は確認されましたので、残っております他学部等の調査も含めまして、今後の対応は可能である、つまり改善指導等の対応は可能であるという事実はつかんできたつもりでございます。
平野委員 一定の限界がある、こういうことですから、我々当委員会としても、文科省には一定の限界がある、幾ら待っても事実が出てこない、しっかりした解明ができないという、大臣、こういうことでよろしゅうございますか。
遠山国務大臣 私は、三日間にわたって、十何人の人たちが専門的な角度から一生懸命調べたと思います。しかし、今先生のおっしゃっている部分について、物的証拠というのをなかなか得られないのではないかと思うわけですね。それは状況を、事情聴取を十分にして、いろいろな角度で恐らく迫ったんだと思いますけれども、それはないと言われたらそれ以上、私どもとしては捜査権もないわけでございますし、これは、私はなかなかこれ以上、恐らくどなたがおいでになっても、どんならつ腕の弁護士とかがおいでになっても、恐らく難しいのではないかなと思った次第でございます。
 私どもが本当に欲しかった部分、要するに毎年度、さかのぼってみて、そこで私どもの通知に反するような寄附金の収受があったということが確認されたわけでございまして、その意味において、私どもとしては、我々の権限におけるこれからの対処というものはきちっとやっていきたいというふうに今感じているところでございます。
平野委員 行政のトップがこれ以上難しいということであるならば、やはり、私は参考人を求めておるわけですが、当委員会から求めているんですが、参考人じゃなくて、しっかりと委員会として、これは国政調査権も含めて、参考人以上の証人喚問まで含めて、当委員会が乗り込んででもこの疑惑解明をすることが、国民に対する信頼を取り戻すことになるし、健全な私学のあり方を求めていくことになると私は思うんです。
 改めて私、時間が参りましたから、当委員会からも直接現地に調査団を派遣する、こんなことをぜひ委員長にお計らいをいただきたいと思いますし、前々からお願いをしております参考人、参考人ではなかなかわからないのであれば、証人喚問までしてでもやっていく疑惑である、このことを申し上げまして、後、委員長にその判断はお任せをしたいと思いますが、ぜひ理事会でお諮りをいただきたい、このように思います。
 以上でございます。
河村委員長 理事会で検討させていただきます。
 次に、木下厚君。
木下委員 民主党の木下厚でございます。
 先ほど来、今回の現地調査の結果の質疑を拝見していました。実に、私もこれまで、二月十五日の予算委員会、一時間四十五分やりました。それ以後、五回にわたって質問してきました。しかし、何ら私の行ってきた質問あるいは文科省の答弁が生かされていない。この七カ月間、一体我々は何をやってきたんだろう、そんなじくじたる思いがいたします。
 先ほど、今回の現地調査のねらい、それについて質問がありました。私は、ねらいは経理がどうのこうのじゃないんです。公正であるべき入学試験が寄附金の多寡によって選抜が決められている、そうした不公平さに対して、帝京大学の学生さんあるいはOBが怒りを持って私のところへ幾つもメールをよこしているんです。そのことを全くわかっていない。
 私も、何回か、内部告発者の領収書までそれぞれの委員会に提示して、彼に一度事情聴取してくれと。今、大学から彼に対してすさまじい圧力が加わっております。誹謗中傷が行われております。彼は、大学をおとしめるためとか、あるいは恨みつらみが出て領収書まで偽造した、そうまで言われて、彼の人格攻撃まで行われているんです。そうしたことに対して、文科省は何ら考慮することない。私は、一度でいいから彼に事情聴取してくれ、聞き取り調査をしてくれとお願いしました。
 そして、結局、現地調査の結果が出ました。何ですか、これは。私はこんな経理の内容を見せてくれなんて言っているんじゃないんです。試験が本当に公正に行われていたかどうか。
 先ほど、合格発表前の寄附金、四年間で二十五人、約十億円という発表がありました。これをすべて調べましたか。どういう経緯でこういうことになったのか。これはうのみですか、向こうの発表。どうですか。
工藤政府参考人 うのみというよりは、そういう事実を確認したということでございます。
 これまで、七月十五日のレポートでも、全体として入学手続前の寄附金の収受が約一割という大変アバウトな数字しか出ていなかったわけでございますが、各年度にわたり、入学手続前、合格発表前、何件で、かつどれぐらいの金額があるかということを確定させていただいたということでございます。
木下委員 そうすると、この合格発表前の二十五人については、先ほど同僚議員からも質問ございました、点数その他、調べましたか。調べていないでしょう。ただ金額を聞いてきただけなんですね。
工藤政府参考人 合格発表前の方に焦点を絞っての話じゃございませんで、合否決定が適正に行われているかどうか、それについては、教授会に諮って審議し、決定しているわけでございますけれども、成績順に、筆記試験、面接試験の成績結果を得点順に並べたシートで議論し、合格を決めていると。
 それと、先ほど馳議員からの御質問ありましたように、私ども、アトランダムにいろいろ調べてみましたら、成績の上位の者でも多額の寄附をしていらっしゃる方もいるし、あるいは成績が下の方あるいは追加合格になった方でも寄附をしていない方もいらっしゃる。成績と寄附金との関係については有意性が見つけられなかったということでございまして、寄付金の多寡による合否決定というのは、私どもの確認した限りではそういうことはなかったと認定したわけでございます。
木下委員 あなた、帝京大学の組織を知らないんですよ。私は、随分多くの帝京大学の教授さんから内部告発をいただきました。教授会なんて機能していないじゃないですか。あそこは、私は何回も指摘しています、冲永総長ファミリーによってすべて要所要所が押さえられ、そして冲永総長のワンマンによって組合活動から、あるいはカリキュラムから全部つくられている。私は、何回もそのことを指摘しています。
 ですから、合格発表だって、点数だって、総長の一存で決まっている。そのことを私はこの前の予算委員会で、経済学部へ入学した人たちの寄附金の額を総長みずから手書きで書いたボードを示しました。そうやっているんですよ。それが今も行われている。
 それを調べるには、実際に私が指摘した人、彼から調査したらどうですか。彼は、いつでも委員会へ来て証言すると言っていますよ。まず、ここへ出る前に、調べる意思があるかどうか。私は彼と会いまして、自宅を担保に三千万円借りているんです。そして、二千五百万円を寄附している。それも、総長夫人にはっきり寄附しているんです。どうしてそれを調べないんですか。調べてくださいよ。
工藤政府参考人 先生からお話のありました例は、たしか昭和五十年代の大分前の事例であったかと思いますが、私ども、補助金の取り扱いなども含めて、近年、しかも現在の扱いはどうなっているかということが焦眉の急でございまして、現に、私ども、教職員と申しましたけれども、各学部長それから入試等に当たりました教授等の方々にもインタビューというか、事情聴取いたしまして、教授会での合否判定がどうやられているかということを確認したのでございます。
 その結果は、先ほどのように、筆記試験、口頭試験も合わせた合計の中で、いかに何でも医師としてふさわしくない方をDランクとして一応ふるい落とした上で、成績順に並べて、その成績順に合否を決めていたということが確認されたということでございまして、総長と学内の教職員との人間関係、それはなかなかわからないところがありますけれども、少なくとも教授会は教授会なりに機能していたということが確認されたということでございます。
木下委員 もしそこまで確認されたんなら、この四年間で二十五人、合格発表前に寄附金を集めている。この点数、確認しましたか。さっき、していないと言ったでしょう。していないわけでしょう。だったら、正規にきちんと点数で入学させたなんて、冗談言っちゃいかぬですよ。調べてから言いなさいよ。どうですか、調べましたか。調べていないでしょう。
工藤政府参考人 失礼しました。先ほどの合格発表前の方々については、寄附金の収受のぐあいも含めて、個別に突き合わせしてございます。合格者ごとに、寄附金の収受日、合格発表日あるいは合格手続等に関する照合をして、先ほど申したように、寄附金の収受と合否との連関は見つけられなかったということでございます。
木下委員 結局、わからないんでしょう。だったら、そんなすべて正しいみたいなことを言わないでくださいよ。点数があって、きちんと合格基準点に達しているかどうか、わからないわけでしょう。調べていないわけでしょう。そこをはっきり言ってくださいよ。
工藤政府参考人 今申しましたように、合格発表前の寄附者の受験生については、個別に点数も当たりまして、正規の合格ライン以上の点数を得ていたということは確認してございます。
木下委員 そうすると、なぜ合格発表前にわざわざ寄附金を集める必要があるんですか。合格点に達しているんだったら、合格発表後に集めればいいじゃないですか。なぜわざわざ合格発表前に集めるんですか。それは、何らかの意図があったからでしょう。
 私、十年前かもしれないけれども、経済学部の入学のとき、ABC、ランクづけして、そしてBの人にはやれ五百万、みんなランクづけして、そして、すぐ電話しろ、現金ですぐ持ってこい、そしてそういう人に合格を与える。今だって変わらないことをやっているんですよ。寄附金を合格発表前に持ってこいということは、そういうことじゃないですか。それを確認しましたか。
 なぜわざわざ合格発表前に、それは大学だって違法だというのを知っていますよ。知っているからこそ、今、先ほど同僚議員が指摘したように、調査の結果、ああいうゼロになってくるんです。その説明を受けましたか。
工藤政府参考人 合格発表前もそうでございますが、入学手続前も禁止されているところを、寄附金の指示があって、それらについては、いわば大学側の方は、自分らの方から持ちかけたのではなくて、事務局長が、寄附金の申し出があった方からいただいたのであるという主張でございまして、私どもは、それを覆すような材料は見つけるに至らなかったものでございます。
木下委員 先ほど同僚議員が言いましたけれども、死んだ人に対して、全部事務局長がやった、大学は一切関知していません、だれがそんなこと信じられますか。あの学校で、冲永さんのワンマンの学校で、事務局長一人の独断でこれだけの金額を財団の方へそっくり持っていく、そんなことが行われるはずないんです。必ず、事務局長だけでなく、東京三菱銀行から経理担当者が入っているでしょう。私が聞いたところによると、その事務局長と東京三菱銀行から入った経理担当者と、冲永さんが全部経理を握ってほかはだれもいじれない、これが実態ですよ。知らないなんていうことないですよ。
 まして、実弟が脱税容疑で起訴をされました。追徴課税されました、二回にわたって。実弟ですよ。それも、勝手にやったことで大学と関係ない、冗談じゃない。その金はどうなっているんですか。もちろん実弟が懐に入れた分もあるけれども、大学に行っているんじゃないですか。入学しているんでしょう、彼の紹介で。その実弟に聞き取り調査しましたか。
工藤政府参考人 嘉計氏につきましては、昨年の入試疑惑が発端として報じられて以来、大学側に、ぜひ本人にも確認して報告書をまとめてほしいということを要請してきたわけでございます。七月十五日の報告書では、七月の初めになってやっと本人と連絡がとれたと。しかも、先生御存じのような報告書の内容でございまして、本人から新たな事実を確認するに至らなかったということでございまして、いわば身内からの接触でもそういう状況でございます中で、私どもとしては、なかなかいかんともしがたい事情にあるわけでございます。
 それと、寄附金の入金の状況でございますけれども、入学志願者あるいはその保護者の方々からの寄附金の収受の状況でございまして、嘉計氏自身から寄附金がなされたわけではございませんので、どの寄附金に嘉計氏が絡んでいたのか絡んでいないのか、それは特定するに至らなかったところでございます。
    〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
木下委員 よくわからないんだけれども、要するに、事前に寄附金を集めたのは嘉計さんでしょう。それとは別にまた、その受験生を紹介された、あっせんした嘉計さんに行かないで、別口で行っているということですか。
工藤政府参考人 国税当局はしかるべき証拠書類などをお持ちなんだと思いますけれども、脱税容疑での立件にたえるものがあったんだろうと思いますが、大学との関係でいいますと、嘉計氏が、言われておりますような、仮にあっせんして、お金を収受して、嘉計氏の名前で大学に振り込んだわけではございませんで、大学で受け取っております寄附金というのは、嘉計氏のお名前じゃなくて、入学志願者あるいはその保護者の方々のお名前であるということでございます。
木下委員 そんなことはわかっていますよ。しかし、嘉計さんが受け取った金額あるいは寄附金は、受け取った受験生というのは入学しているわけでしょう。入学していなければ詐欺罪ですよ。入学させてやる、寄附金を取って入学できなかったら詐欺罪になるんです。ちゃんと入学しているわけでしょう。どういうルートで入学しているか、調べましたか。
工藤政府参考人 先ほども申しましたように、嘉計氏がいわゆるあっせんというのでどういう方に絡んでいたのか、そういう特定に至らなくて、その方がどういう学生で今どこにいるのかということも、特定するに至らなかったのでございます。
 それと、報じられている情報によりますと、約七年前のことでございますので、私ども、現地調査をしましても、六年以上前の書類についてはなかったといいますか、提出が協力を得られなかったといいますか、本当になかったのか得られなかったのかわかりませんけれども、少なくとも調査するに至らなかったところでございます。
木下委員 いずれにしても、大々的に現地調査などと銘打ってしたけれども、何ら解明をされていない。
 私は、前から言っていました。大学につくった特別調査チームも、学内の身内だけでつくった調査、こんなものは実際には何の調査にもならないよ、再三言ってきました。そして、七カ月待って、今度は文科省が調査に入る。これも、三日間ぐらいでわかるような話じゃない。だから、もし本格的に調査するんだったら、私は、別に第三者機関を設けて、受験生も含めて親御さんも含めて、徹底的に調査してもらいたい。
 これは、司直にゆだねる話じゃないですよ。犯罪性があるかないかじゃないんです。文部省の通達に違反して、事前に寄附を集めていた問題です。ですから、これは、文部科学省が独自に調査をしなければいけない。もう自分たちのやった調査も限界がある、それはお認めになっている。だとしたら、第三者による徹底的な調査、これをぜひやってもらいたい。どうですか。
工藤政府参考人 今回は、私ども、課長級の職員のほかに、公認会計士という第三者の方の御協力も仰いで行ったわけでございます。しかも、三日間でございましたけれども、これまでわからなかった金額の確定などもできましたし、それなりの成果が上がったと思っておりますが、いずれにしても、不適正な経理処理等があったというのは事実でございますし、まだここで終わったわけでもございませんで、ほかの学部等も含めて調査を続行してまいりたいと思ってございます。
木下委員 ですから、私はこの前も要求しました。閉鎖命令はなかなか出せない、私もそう思う。だとすれば、今の経営陣の刷新を強く要求してください。冲永ファミリーによる大学支配、これが教授会を極めて閉鎖的なものにし、そして経理の透明性を欠く、大学の民主化がない、民主的でない。これはファミリー一族がすべてを握っている、実権を握っている、ですから健全化されない。私は、閉鎖命令以前に、やはり先ほど来、大学は公的なものだ、社会的な責任がある、そういう観点からいえば経営刷新。大臣、どうですか、経営刷新を求めていく考えはございませんか。
遠山国務大臣 私自身も、大学の社会的な責任の重要性についてしっかり認識してもらいたいということで、これまでも再三御答弁させていただきました。
 今回の帝京大学への現地調査におきまして、過去五年間にわたる簿外経理あるいは入学手続前の寄附金収受があったということなど、学校法人の管理運営に著しく適正を欠く行為があったということが判明したわけでございます。
 しかしながら、まだ医学部以外の学部の実態など、明らかになっていない面もございますので、一連の疑惑に関する事実解明をできるだけ行うという姿勢でおります。そして、厳しい対応をしていかなければならないと考えているところでございます。その一環で経営体制の改善を求めるということも視野に入れて、これからの対応を考えていきたいと思っております。
木下委員 この前も指摘させていただいたけれども、七カ月、八カ月たっても、あんな学内の調査しか出ない。これは、文科省に対して、あるいは遠山さん、あなたに対して、ばかにしている話ですよ。甘く見られている証拠なんですよ。あるいは、もっと言えば、私がこれまで五回質問してきました。それに対しても、私に対しても極めて甘く見ている。そのことを自覚してもらいたい。
 これではとても大学の管轄なんてできない、私はそう思います。むしろ、できないとするならば、大臣、責任とって私はやめてもらいたい。こんな大学がいつまでも、調査します、調査しますと、もう八カ月かかっているんですよ。それだけ要求しておきます。
 それともう一つ。これは先般、決算行政監視委員会で質問した件なんですが、帝京大学、帝京平成大学、帝京科学大学の三大学が所有している株、これは皆さんのお手元に資料としてお配りしております。大学がこれだけの株を持っている、合計すると七百四十九銘柄、大学がですよ。これはまさに、私も言いました、機関投資家じゃないですか。
 しかも、この銘柄を見ると、仕手筋のものがかなりある。これは、既に日本テレビと朝日放送についてはマスコミに大きく報道されます。しかし、こんなものはちっちゃいものですよ。トップのキリンビール、恐らくこの割合でいくと一千万株あるいはそれ以上株を持っている。総額にすると幾らになるか、見当がつかないです。
 それに加えて、この前問題になった育英財団、ここでも五十銘柄持っているんです。そして、帝京大学の財団、約十三あります。それをプラスすると、恐らく財団だけで五百銘柄、それに大学の七百四十九銘柄、これを合わせると、恐らく千二百から千三百銘柄持っている。総株数はどのくらいになるか、見当がつかない。
 どうですか。三大学が持っている銘柄は結構です。ここにも書いてあります。企業ガバナンスの面から、これ以上は言えない。総株数ぐらいは、私、きのう調べてくださいと言っておきましたが、大学三校の総株数はわかりますか。
    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
工藤政府参考人 お手元に先生がお配りになった資料も、帝京大学で作成、依頼したものでございますが、私ども、改めて三大学の株式の保有状況を照会しましたところ、回答が得られなかったものでございますから、その総数につきましては、残念ながら承知していないところでございます。
木下委員 これは類推するしかないと思うんですが、わかっているだけでも、これから類推すると、恐らく帝京大学グループで三千万とか四千万株持っている。時価総額にしたら大変な額になりますよ。これは、そこらの生保だとか機関投資家以上の株式運用をしている。
 大臣、改めて問いただします。この財源は一体どこから出ているんですか。局長、この財源は調べましたか。
工藤政府参考人 帝京大学に限らず、多くの大学の歳入といいますか、収入は、主なものは学生からの納付金でございますが、そのほかに、附属病院の事業収入でございますとかいろいろあるわけでございまして、特定の株式運用の原資がどこからかというのは、私ども、特定できてございません。
木下委員 医学部で多額の寄附を無理して集め、そして受験生の親御さんから多額の寄附金を集め、そしてこうやって株式運用している。これはいいですよ、資産運用で、本当に健全な大学運営を目指すんならいい。しかし、これはそんなものとは縁遠い話じゃありませんか。うわさによると、冲永さんは株好きで、株好きの冲永さんと言われているそうです、兜町でも。
 大臣、改めて伺います。大学がこれだけの株数を保有している、これについてどう思いますか。
遠山国務大臣 学校法人が健全な運営をして、そしてすぐれた教育研究をやっていただくということは、まさにその機能そのものであると思います。
 したがいまして、学校法人の資産といいますものは、その学校法人がみずから考えて効率的な運用を図りますとともに、安全性にも十分配慮する必要があると思われます。そういう配慮の上で、どのような形態、方法によって資産運用を行うかについては、それはそれぞれの学校法人の責任において判断すべき事柄であるとは思います。
 ただ、非常に大規模な株式保有ということについて、もちろん法令等の制限はないわけでございますけれども、やはり株式というものの持つリスクというものも考慮をして、学校運営に支障を来すことがないように配慮されるべきではないかと私は思います。
 私としては、それ以上のことは申し上げられません。
木下委員 公益法人の帝京育英財団、これは奥さんが理事長をやっています。これに対して、愛媛県の教育委員会、教育長が、その株式運用について、リスクが多いので一刻も早く売って資産回収しなさいと改善命令を出しているんです。とんでもない株を持っているんです。だから、リスクが多いから資産運用にはなりませんよ、早く売って資産回収しなさいと改善命令を出している。少なくとも大臣もそのぐらいの指導をしてください。
 それから、時間がありませんので、もう一問だけ。
 これまで私も、帝京大学あるいは冲永総長が二つの宗教法人を持っていることを指摘してきました。一つは、群馬県にあります御嶽山白龍神社、これが、一九九二年八月に帝京大学が法人格を取得し、約一億円で買い取っている。この代表役員が冲永荘一総長。もう一つは、熊本県明徳町にある神道玉蟲教会、これも代表は冲永荘一総長です。
 この資金はどこから出ているか、調べてくださいとお願いしてありました。調べましたか。
岸田副大臣 帝京大学からの提出資料によりますと、同大学を含め、いわゆる帝京大学グループの学校法人の会計書類を調査したところ、宗教法人御嶽山白龍神社や宗教法人神道玉蟲教会に対して資金が出ていないということを確認できたということであります。また、冲永荘一氏は、それぞれの宗教法人から要請を受けてその代表役員に就任したこと、並びに個人としてこれらの宗教法人の運営について援助を行った旨の報告もあわせて受けております。それ以上の詳細については承知しておりません。
木下委員 これには、時間がありませんので、少なくとも個人であれ、これを学校教育に使おうとしている、はっきりうたっています。それから、帝京大学グループのパンフレットには全部入っています。個人で出そうがだれにしようが、帝京大学のグループとして使おうとしているんです。そうなれば、憲法八十九条並びに二十条、これに違反するおそれがある。十分調べてください。そのことだけを指摘して、時間ですので、終わりにします。
 ありがとうございました。
河村委員長 武山百合子君。
武山委員 自由党の武山百合子でございます。
 早速、先日、七月二十二日の決算行政監視委員会第二分科会での私の質問に対して、もう一度、再度質問をしたいと思いますので、改めてこの点について大臣の見解をぜひお述べいただきたいと思います。
 まず、その中で、教育基本法の問題で、GHQとのかかわりで、占領軍には、修身の廃止には、非民主主義的教科であるという認識や意思はなかったのにもかかわらず、日本の戦後教育に当たっては非民主的であるゆえにということで占領軍によって廃止されたという誤解が行き渡って、この誤解が今日の道徳教育にも依然と前提になっていると思われるということで大臣の見解をお伺いいたしました。
 そのお答えとして大臣は、二時間余り前にいただいたばかりで、私は責任を持ってお答えすることができません、お答えする立場ではございませんという答弁をされたわけでございますけれども、私の方では、こちらは四時間前に実は質疑通告をしております。要は、中身は、二時間だろうが四時間だろうが、時間がないからという意味ではなく、時間がないということであれば何のための委員会なのか。まず質疑通告なんというものは必要ないんじゃないかと思うんですけれども、この点について、もう一度、再度大臣からの見解をお聞きしたいと思います。
遠山国務大臣 議員が御質問された内容は、占領軍が修身を廃止するという意思は必ずしもなかったのではないかという事実関係にかかわる質問でございまして、私は、終戦直後のこの問題については相当しっかりと調べないと責任を持ってお答えできないという趣旨を答弁したものでございます。私どもは、御質問に対しては誠心誠意正確に答えたいということで常々当たっているわけでございます。
 今の件でございますけれども、修身につきましては、昭和二十年十二月、連合国軍最高司令官総司令部の指令によりまして、日本歴史、地理ともに授業を停止し、司令部の許可があるまで再開しないこととされたわけでございます。
 連合国軍最高司令官総司令部としての修身に関する考え方につきまして、文献、資料に当たりましたところ、修身の授業を停止した以降のその取り扱いについての総司令部としての明確な方針が記載されているものは確認できていない。つまり、組織として、総司令部として御指摘のような方針を出したというふうには確認できていないところでございます。この問題につきましては、委員が引用されました杉原氏の説とは異なる有力な見解も示されているところでございます。
 そのようなことが御質問のときには大体わかっていたのでございますが、これは大変私としては重要なことでございますので、時間をかけてしっかりと調べた上でお答えしたいという趣旨で申し上げたわけでございます。
 こうした経緯とは別に、日本国政府といたしましては、道徳教育の重要性にかんがみまして、昭和二十二年には、新設した社会科を中心に学校教育活動全体で行うことといたしました。さらには、教育課程審議会の答申に基づいて、昭和三十三年に道徳の時間を特設することによりまして、道徳教育の一層の充実を図ることにしたわけでございます。
 このように、道徳教育につきましては、教育課程審議会等において衆知を集めて、我が国にふさわしいあり方を検討して、その充実に努めてきたところでございます。その意味で、私どもといたしましては、今後とも御家庭や地域社会との連携を深めながら、体験活動を取り入れるなど、子供たちの心に響く道徳教育の充実に努めてまいりたい、そのように考えております。
武山委員 それでは、その点についてはこれで。
 次、帝京大学の問題について質問したいと思います。
 まず、三十日の報告書によりますと、先ほどもどなたか委員の方から御質問等も出ておりましたけれども、他学部の関係ですね。医学部を中心に今回は調べられたということですけれども、七月三十日までという時間の制約によって確認に至らなかったとありますけれども、もう一度確認のために、今後の対応はどうされるのか、他学部に対して。時間は十分とれると思いますけれども、他学部に対して、もう一度今後の対応をお答えいただきたいと思います。
岸田副大臣 今回の現地調査、三日間、二十時間半にわたりまして延べ四十八人をかけて実施したところであります。その結果、医学部入試に関しまして、不適切な寄附金の受け入れですとか、あるいは簿外経理が明らかになりました。しかしながら、医学部以外の他学部に係る寄附金受け入れ実態など、確認に至っていない点もあります。これらにつきましては、引き続きまして、必要書類の提出等疑惑に係る事実関係の解明努力を行っていく考えであります。引き続き徹底した調査を求めていきたいと考えております。
武山委員 先ほどから何回も徹底した調査ということをお聞きしておりますけれども、お話をずっと聞いておりますと、今の文科省の状態では限界かなと思いまして、努力はしているけれども、出てこない。
 それでは副大臣にお聞きします。では、どんな権限があれば出てくるんでしょうか。
岸田副大臣 今回帝京大学の問題につきまして、昨年来いろいろな疑惑が指摘をされ、たび重なる事情聴取を行い、そして、今回七月十五日には書面で調査報告書を受け、そして三日間の現地調査を行ったわけであります。そして、引き続きまして、他学部につきまして今調査を行っている最中であります。その間、いろいろなやりとりの中でいろいろな点が指摘をされているわけであります。
 帝京大学につきましては、引き続きまして、この与えられた権限の中で、制度の中でしっかりとした調査を行い、最大限、社会に対する説明責任を果たしてもらうよう働きかけていかなければいけないと思っておりますが、一般論として今後どのようなことが考えられるかというのは、今回の調査等を通じまして問題点を整理し、また今後検討していく課題だというふうに考えております。
武山委員 今まで本当に大勢の方がこの問題に対して質問しております。ずっと聞いておりまして、ほとんどもう食い違っているんですね。文科省から報告を受けるお話と私たちが求めているものとは、大変乖離しているんですね。
 なぜ、これだけ大勢の委員が質問して、その質問の内容というのは国民が一番聞きたいところなんですね。そこがなぜ、文科省が一生懸命努力した、努力したと言って答えたものと乖離しているのでしょうか。副大臣にお聞きします。
岸田副大臣 今回、文部科学省におきましては、文部科学省としてさまざまな、大学が社会的な責任を果たす公共性を持っている、こうした役割をしっかりと果たしてもらうためにこうした疑念を晴らさなければいけない、そういったことで、さまざまな調査を行ってきたわけであります。その中で、我々の権限等において限界があるという部分もあると存じます。
 また一方で、今回、いろいろ社会的に言われている疑念。そもそも、財務の問題を初め、それから資産運用の問題、さまざまな関係法人のあり方等と、我々文部科学省の所管外の案件もたくさん含まれていると思います。そうした大きな疑念に対して、我々の行っている調査が十分こたえ切れていないところもあるということ、その点は事実だと思っております。
武山委員 皆さんが、本当に、各委員が質問している内容は、国民が一番聞きたいところなんですね。それに対する答えが、本当に国民が聞きたいと思っている答えがほとんど出ていないんですね。それで、皆さんが調べているのは、限界だというわけですね。
 ですから、では、その限界はどんな限界があるから、では、こういう権限を、どんな権限が必要ですかと聞いたら、全然また違った答えが出てくるわけですね。いつもこういう委員会の繰り返しをしていたら、もう絶対に解決つかないと思うんですよ。ですから、私たちは、閉会中にこれだけやる以上は、何らかの形で前向きに進めたいということがあるわけですね、解明して。
 ですから、そこに文科省が答えられない限界が何かと先ほど、例えば捜査権だったら捜査権、あるいは、いろいろな他の、文科省とはまた全然関係ない分野にまで広がっている、そういうのであれば、縦割りの弊害じゃなくて、協力体制をしけばいいじゃないですか。その辺をやはり説明していただきたいと思います。
岸田副大臣 まず、対応としましては、法令違反状態の大学に対する是正措置として、現行、学校閉鎖命令という手段があるわけでありますが、現実問題、巨大な大学に対する閉鎖命令ということになりますと、具体的な対応というのが大変難しい状況にあります。
 ですから、段階的な是正措置として、改善勧告とか変更命令ですとか、あるいは大学全体に対する認可取り消しではなくして特定組織のみを対象とした認可取り消し等の手段、こうした段階的な是正措置というものを考えていかなければいけない。これは中教審の答申においても盛り込まれているところでありますが、こういった考え方は、これから検討していかなければいけない点だというふうに考えております。
武山委員 けさの新聞で、私も、中教審の最終答申ということでこの新聞読みましたけれども、今お話しのように、これで大きく前に進むと思いますか、この問題は。この中教審の最終答申が、今まで二段階でしたけれども、今度二つふえて四段階になりますね。これによって大きく進みますか。
岸田副大臣 従来の大学の質を保証していくということに対する体制としましては、国によって設置認可が行われ、設置後は基本的に各大学の自己努力に負ってきたというのが従来の基本的な考え方であります。
 それに対しまして、事前規制を緩和し、一方で事後チェックを強化していくというような規制改革の考え方がありますが、そういった改革の考え方も踏まえて、事後チェックを強化していくということ、大学、私立大学に対する対応においても考えていかなければいけないと思います。
 そういったことから、先ほど申し上げましたような答申も出てきましたし、文部科学省も検討していくということになるんだと思いますが、そのことによって、従来事前規制が中心だったものが事後チェックの強化という方向に動くわけでありますから、これは少なからぬ影響を私立大学のあり方についても与えるものだというふうに考えております。
武山委員 少なからぬ影響ということですけれども、本当にダイナミックの一歩じゃないと思うんですね。ただちょっと、本当に半歩の前進という程度にしか聞こえないんですね。
 ですから、先ほど工藤局長が苦しい答弁を一生懸命しておりましたけれども、私、次の質問に入りますけれども、まず、私学の財務状況の公開が法的義務はないということで、七月三日のこの委員会で答弁しておりますけれども、平成十三年度現在、八五・二%は財務状況が公開されている。でも、帝京大学は公開されていないということなんですね。
 それで、平成九年度から十三年度まで帝京グループに交付されている、いわゆる県、都道府県ですね、それから国のいわゆる助成が二百四十四億という膨大な金額なわけですね。これを、財務状況を公表しないというこの状態が本当に信じられない状態なんですけれども、こういう、財務状況を公表してくれという積極的な働きかけはしたと言っておりますけれども、本当に積極的な働きかけしたんでしょうか。工藤局長に聞きたいと思います。
工藤政府参考人 御指摘のように、全国の大学法人、年々、財務状況の公開、御努力いただいているところが多いのでございますが、残念ながら、帝京大学についてはそれに至っていない。
 私ども毎年、いろいろな通知もありますし、学校法人にお集まりいただく会議もございますし、また個別のことも含めまして御指導申し上げているところでございます。
 今回は、このような事件もありましたものですから、事後的な改善の要請もしなきゃいけないと思っておりますけれども、その中で、先生御指摘の懸念の点も十分私ども心に受けとめているところでございます。
武山委員 やはりこういうことが出るということは、膨大な国民の税金に対して本当にばかにしていると思うんですね。ですから、私は、これに対しては法改正をすべきだと考えておりますけれども、いかがでしょうか、大臣、ここの部分の、財務状況の公表に対して法改正を考えているかどうかということをお答えいただきたいと思います。
工藤政府参考人 前国会でも、個人情報の保護法の取り扱いなど国会でも御審議があるところでございますが、公的な法人に対する公開といいましょうか、その法人の状況についての公開の義務づけというのは、民法法人とかいろいろな法人があるわけでございますけれども、それらとのバランスも考えながら検討していかなきゃいけない課題だと思いまして、今にわかにその学校法人について、特別、監視を強化するといいますか、私学もいっぱいいろいろな大学があるわけでございますけれども、こういう、先生の党と同じ自由主義国家の日本の中でございますから、これを機に、全学校法人を悪者扱いするような形での制度改正というよりは、やはり私学の自由を尊重しながら、公的な法人としての社会的な監視のあり方とのバランスを考えて、適度な仕組みを今後とも検討するのが妥当なところではないかと考えているところでございます。
武山委員 まず、今のお話の中で、私学に対して義務づけがないということですけれども、いわゆる寄附金、授業料で私学はもう本当に建学の精神を生かしてやっているわけですから、それは税金を使ったいわゆる公的な機関が財務諸表を公表するのとまた違った公表というものを悪者扱いをしてするんじゃないんですよね。
 また、すなわち、生徒の両親に対して、それから生徒に対して、自分たちの学校はこれだけ健全経営しているんだという、堂々と誇りを持ってやはり公開をするということが私学の建学の精神だと思うんですよね。それを悪者扱いするということでさせるという意味は、こちらは、私はそういう意味でやっておるんじゃないんですね。やはり堂々と私学も建学の精神を生かして、そして、実は学校の経営はこうなっているんだと誇りを持ってできる、そういう私学の質を高めていかなきゃいけないと思いますので、悪者としてやっておるのではありませんので、それは取り消していただきたいと思います。
工藤政府参考人 失礼いたしました。言葉が過ぎた点はおわび申し上げます。
武山委員 それから、私学に対する調査等の体制の整備に、先日、問題意識を持っているということですけれども、これからどんな調査等の、いわゆる体制の整備ですね、もう限界があるということですけれども、どんな体制の整備を考えておりますでしょうか。
工藤政府参考人 先ほど副大臣の方からも御答弁申し上げたところでございますが、先般、八月五日に中教審の方からの答申がございまして、その中で、これからの各大学の質の保証といいましょうか、水準の維持向上のために設置後の事後的な評価システムの充実を図った方がいいんじゃないかという御提言をいただいてございます。
 そういう中で、第三者評価をそれぞれの大学で受けていただくこと、さらには、法令違反状態の大学につきまして、どうしようもなくなっての閉鎖命令ということではなくて、改善のための勧告でございますとか命令でございますとか、段階を踏んで改善の可能性を探っていくような措置などが提言されているところでございまして、私ども、この答申を受けまして、早急にその制度化のための検討に入りたいと思ってございます。
 それから、同じくこの答申で、今の財務状況の公開につきましても、広く大学についての財務状況も含めた大学情報の公開ということがうたわれているところでございまして、この第三者評価の活用も含めながら、各大学に対するこの定着あるいは進展を促すことも私ども一つの検討材料かと思っているところでございます。
武山委員 私は、今お話を聞いていまして、国民の方に目を向いた体制整備というのが本当に一番大事だと思うんですよね。国民の方に目を向いていないから、非常に乖離しているわけなんですね、考え方が。
 それでは次に、冲永荘一総長の実弟の件でお話を移りたいと思います。
 まず、先ほどある委員からも出ておりましたけれども、脱税事件で告発された冲永嘉計元帝京学園理事長との関係ですね、これについてお聞きしたいと思います。
 帝京大学は、文科省に提出した寄附金問題に関する特別委員会の報告の中で、冲永嘉計氏と帝京大学は全く関係がないことを確認したとしておるわけなんですね。それで、この確認したという点で、まず、幾つかの点で、全く関係がないということですので、関係があることをお話ししたいと思います。
 まず、嘉計元理事長は、受験生の親側から入試の口ききを頼まれた後、帝京大学の事務局側と連絡をとり合っているわけなんですね。これはみんなお話に今まで出ていたと思うんですね。それで、入試が終わって合格発表までの時期に、事務局側は、この嘉計元理事長に連絡して、寄附金を幾ら幾らと指定しているわけですね。嘉計元理事長は、受験生の親から自分の銀行口座に振り込ませたお金の中から指定金額を渡していたというこの事実経過が実はあるわけですね。帝京大学が合格発表前に受け取った寄附金の中には、こうした嘉計元理事長を通じた寄附金も含まれております。それでこの元理事長と大学が関係ないとはとても言えない実態なんですよね。
 まず、どうこの実態を受けとめているのか、それからまたどのようにこれを調査したのか。どう受けとめているのかと、またどのように調査したのかという、この二点についてぜひお伺いしたいと思います。工藤局長で結構です。
工藤政府参考人 今御指摘のような疑惑、いろいろな報道でもされておりますし、先般、国税当局の方からの解明の動きもあったわけでございますが、残念ながら、私ども、そういう情報を前提にしながら調査したのでございますけれども、いわゆるあっせんされたとされる時期が約七年前であったこともございますし、少なくとも、今いる教職員の方々、私どもが事情聴取した方々の弁、それから、私どもがとり得る限りの調査でいたしました寄附金収受の証拠書類を見た限りでは、その嘉計氏の関与が、うわさされているような事実の確認ができなかったところでございます。
武山委員 七月十五日の報告書では、元理事長にはお会いできなかった、電話を切られて連絡もつかなかったと。それでは、お会いしてもいないし、電話でお話もしていないというところでしょうか。
工藤政府参考人 私どもとして接触できるに至っておりません。
武山委員 それでは調査のうちにならないと思うんですよね。退職しているから、やめた人だから、それはもう、かかわっていたら、退職したとかということは理由にならないと思うんですよね。
 それで、これは実態をもう一度把握する気があるか、またもう一度本人と時間をかけて調査するのかどうか、お答えいただきたいと思います。
工藤政府参考人 一つには、嘉計氏が関与したとされる案件が、受験生、医学部だけではなくてほかの学部の方もいるように報じられてございます。先ほど来申し上げていますように、今回の調査におきまして、医学部の調査で精いっぱいだったものでございますから、他学部に係る部分は、今の嘉計氏絡みのことも含めまして、さらに、今調査続行中のところでございます。
 それから、嘉計氏自身の接触でございますが、先ほどのような状況でございまして、身内の方々の接触でも、昨年来努力していただいてやっと今月の初め、しかもそっけない対応で電話を切られたという状況の中で、なかなか困難でございますし、他方で、今、国税関係の捜査が進展してございますので、その推移を見守りながら、私どもがどういうことができるのか、さらに検討してまいりたいと思っております。
武山委員 国税当局の方は協力すればいいことでありまして、それはもう綿密に協力すべきだと思うんですよね。縦割りの弊害を盾にして他のことには関知せずというのは全く当たらないと思うんですね。こういうときにこそ、やはり協力して解明すべきことじゃないかと思います。
 それから、時間をかけて調査していただきたいと思います。本人に接触もしていなかったら、事実は全然出てこないと思うんですよね。それをやはり、いわゆる何の関係もないんだ、それをもううのみにして調査も何もしないというところに文科省の問題があると思います。ぜひ本人に会って調査していただきたいと思います。
 それから、次も嘉計元理事長の件なんですけれども、脱税告発の対象前の一九九五年に、受験生の親六人から四億七千万円を受け取って、その中から口きき料として自分の取り分を約三億円、これを除いた額を帝京大学事務局に寄附金として渡しているということなんですね。これも大学と無関係とは言えないと思いますので、これも文科省として調査をしていただきたいと思います。実態と調査ですね、ぜひこの件も調査していただきたいと思います。ぜひ調査していただきたいと思います。
工藤政府参考人 今回報じられていますように、国税当局の立件の範囲が七年前までさかのぼってございますので、私どももできるだけ過去にさかのぼっての調査に努めたところでございますが、残念ながら、六年以前の書類等が全く提供されないといいますか、破棄されたということでございましたけれども、協力を得られませんでしたので、一九九五年の今のお話の点については、私ども努力したのでございますが、今までのところで確認のすべがないという状況なのでございます。
 ただ、先ほど申しましたように、他学部関係の調査をさらに続行する中で、うわさされております他学部へのいわゆる口ききといいましょうか、そのあっせんといいましょうか、そういうことがあったのかなかったのか、そのあたりは含めて厳に調査を続けてまいりたいと思っております。
武山委員 この三億円については、今お話しのように、国税当局から所得隠しと指摘されて修正申告をしておりますけれども、この口きき料の中には経済学部と法学部の受験生の分が一人ずつ、各数千万円含まれていたことがわかっておるわけなんですね。ですから、これも、今のお話のように、他学部における合格発表前の寄附金の受け取りについてもぜひ調査していただきたいと思います。
 それから、七月二十三日の参議院厚生労働委員会の質疑で、参考人の前田憲正さん、帝京大学特別調査委員会事務局長が、国会議員の口ききについて、むげに断れないので、合否を発表の少し前に教えることはやっていると事務局長経験者から聞いていると答えているわけですね。この行為自体が入試の公平さを疑わせるものだと思いますけれども、過去にこのような実例がどのくらいあるのか、改めて説明をしていただきたいと思いますけれども、この調査というものは一体どのような調査をしているのか、これもお伺いしたいと思います。
工藤政府参考人 お手元に先般の現地調査での調査の概要をお届けしておりますように、私ども、現地に乗り込みまして、関係の書類、それから教職員多数に事情聴取しながら、このあたりの確認をしたわけでございますけれども、少なくとも国会議員からのそういう口ききの事実はいずれの方々も全くなかったということでございまして、私ども、それ以上それを調査する、究明するすべがなくて困っているところでございます。
武山委員 大体表向きは皆さんそうおっしゃるのは当たり前じゃないですか。何も疑惑が持たれていなければ、それで、はい、おしまいで結構ですけれども、疑惑だらけなわけですよね。
 それで、この前田事務局長は、一連の質疑の中で口ききの件数について尋ねられまして、寄附金を受け取ったうちの四割は事務局長にアクセスがあったと発言しておるんですね。寄附金を受け取ったうちの四割は事務局長にアクセスがあったと発言しているわけなんです。この発言が正確に口ききの件数に関するものなのかどうか、ここでは不明なまま終わっておるんですね。この点について、正確に確認したいと思います。
工藤政府参考人 私どもも、先般の参議院の厚生労働委員会でのやりとりを見てみますと、どうも医学部の寄附金の中での、今先生の御質問は、口ききで入れたのが四割か六割かという御疑問だと思いますが、前後の前田参考人からの御答弁によりますと、医学部の寄附金についてのお話のように受けとめられてございます。
 どういうことについて四割とかと言ったのか、私どもわかりませんが、私どもでおつくりいたしました報告書でもごらんいただきますように、全体の過去五年間の入学者総数五百八人に対しまして、いわゆる簿外経理で行われておりましたのが百九十一件ございました。これが約四割でございますので、こういう不適切な経理、医学部に係る不適切な経理が約四割だということを答弁されたのではないかと推測してございます。
武山委員 工藤局長にもう一度お伺いしたいんですけれども、わざわざ前田事務局長が来て一連のこういうお話をしておるのに、お話を聞かなかったんですか、本人と接触して。これは七月の二十三日ですよね。三十日まで三日間の調査とは別に、こういうことを二十三日に前田局長が話しているわけですよね。こういうことに対して、工藤局長自身は前田局長に、ここはおかしいんじゃないか、正確に口ききの件数に関するものかどうかとか不思議に思わなかったんですか、この答弁を聞いていて。
工藤政府参考人 先ほどの二十三日は参議院の方で参考人で呼ばれた日でございまして、私ども、その日に当人に接触するということはしませんでございました。
 ただ、それは現地調査を予定しておりましたし、その中でいろいろな事実関係が究明できるという心づもりでおったわけでございまして、その結果、簿外経理あるいは入試手続前の不適切な経理処理などの件数、金額などが判明いたしましたので、それに基づいて推測しますと先ほどのようなことになるんではないかということでございます。
武山委員 そうしますと、帝京大学側の説明と全く矛盾しているということですよね。合格発表前の働きかけはなかったと帝京大学はさんざん言っているわけですから、これはもう全く矛盾しているということに尽きると思うんですよね。その点に対して、工藤局長、いろいろ調べられた見解をぜひ今お答えいただきたいと思います。
工藤政府参考人 七月二十三日の参議院の厚生労働委員会でのやりとりで小林議員からの御質問が幾つかございまして、その中で、それに答える形で前田参考人から、医学部の寄附金という形で納められている方が大体六〇%ぐらいだと思う、全体の中で、なおかつフライングしたというのが今のところ一割弱ということであったということで、これは七月十五日のレポートで約一割というレポートが出てございますが、それを踏まえたことだろうと思ってございます。
 ただ、それに対して、追いかけて小林議員の方から、入学に関していわば口ききの件数はどれぐらいあったんでしょうかというお尋ねがあったのに対して、参考人の方がよく聞こえなかったようで、もう一度とおっしゃりながら、再度小林議員がおっしゃったのに対して、多分、全体のトーンからしますと勘違いだと思うんでございますが、先ほどの不適切な寄附金の割合を答弁しておられるという流れじゃないかと私どもは思っております。
武山委員 それで、私が今工藤局長にお聞きしたのは、帝京大学側がこの寄附金に対して、全くなかったと言ったわけですよね。それに対して、矛盾しているんじゃないかということに対してどう見解を持っているかと聞いているわけなんです。
工藤政府参考人 前田参考人は、前の亡くなった事務局長の弁として、そういうことがあったらしいというような御答弁だったかと思いますし、それから、残念ながら辞職されました宮路副大臣のお話と、私どもが接触しました、現にいらっしゃる事務局長も含めた教職員の方々との弁は、大変食い違っているのでございます。
 一般的に申しますと、それは、子供を抱える親の身として、受験生を抱えておりますと、親類縁者あるいは知人、友人を頼りながら、いろいろ親は心配するというのは考えられるわけでございますけれども、少なくとも大学側としては、毅然としてそれに対応しておった、しかも、政治家からの接触は、大学からの正式の文書も含めてお答えしますと、総長を含めて、現在おられる方々については政治家からの接触はなかったということで、大変食い違ったままなのでございます。
 その感想をどうかと言われますと、私どもも大変困っているといいますか、どこかに真実があるはずなんでございますが、大学側は一切そういう口ききは受けていないという一点張りでございまして、私ども、それをあとどうしようもないといいましょうか、突き崩すだけの新たな証拠もないという状況でございます。
武山委員 最後になりますけれども、これで終わりますけれども、文科省が限界だ、限界だと言うのは、それはもう理由に当たらないと思いますね。やはり命がけで国民の方を向いて調査していただきたいと思います。
 先ほど民主党の平野委員がお話ししましたように、徹底してこの部分は解明する必要がありますので、これはぜひ理事会で議論していただきたいと思いますけれども、本当に参考人ではだめだと思いますので、ぜひこれは理事会で相談して、来ていただきたい方向で検討をお願いいたします。
 終わります。
河村委員長 石井郁子君の質疑に入るのでありますが、この際、石井君の質疑に入る前に、政府より発言を求められておりますので、これを許します。工藤高等教育局長。
工藤政府参考人 貴重なお時間をおかりして恐縮でございます。
 去る七月三日の本委員会におきまして、石井委員より国立七大学の事務局長の会議に関する資料の御提示と御質問をいただきました。その時点で必ずしも詳細な事実関係を把握できておりませんで、十分な御説明ができませんでしたことをおわび申し上げますとともに、その後、事実関係を確認いたしましたので、この場をおかりして改めて御説明させていただきます。
 まず、御提示のあった資料でございますけれども、一枚目は、本省の人事課が国立七大学の事務局長に人事課主催の会議への出席を依頼した文書でございます。事務連絡の文書でございますので、通例どおり、人事課内の上司に口頭了解を得て、送付しております。
 それから、二枚目の文書は、一枚目の会議が開催される以前に国立七大学の事務局長が都内で自主的に開催した会議の出席者の名簿でございます。
 一枚目と二枚目は別の会議の資料でございまして、二枚目の出席者名簿の中に本省関係者も含まれておりますが、大学側からの要請を受けて、会計課の担当者が出席しております。
 以上が資料についての事実関係でございますが、本省人事課が主催しました会議の性格につきましては、ただいま御説明したとおり、国立七大学の事務局長が法人化に関する会議を自主的に開いて意見交換等を行っていることを踏まえまして、その状況や意見を把握し、本省での検討の参考とするために開催したものでございます。その会議で、本省が国立七大学の事務局長に対して法人化後の大学の管理運営のモデルづくりを指示したというような事実はございません。
 なお、本年七月十九日の国立大学協会の総会で、最終報告の制度設計に沿って法人化の準備に入ることが確認されておりまして、これを踏まえて、国立大学協会及び各大学において自主的に法人化の準備が進められております。
 また、文部科学省としましても、去る六月二十五日の経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二において、国立大学の法人化と教員・事務職員等の非公務員化を平成十六年度を目途に開始することが閣議決定されたことを受けまして、必要な準備を進めているところでございます。
 文部科学省といたしましては、今後とも各大学の自主性、自律性を高めるという法人化の趣旨を十分踏まえつつ、新制度に円滑に移行することができるよう、国大協や各大学と十分に意思疎通を図り、連携協力して準備を進める必要があると考えております。そのため、その過程において、今後、関係者間の意見交換、情報交換等のための会議を開催したり、相互に必要な作業の依頼等を行ったりすることはあり得るものと考えております。
 以上でございます。
河村委員長 石井郁子君。
石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。
 冒頭、先般の私の質問に関して、理事会協議に基づきまして、工藤局長から答弁いただきました。しかし、私は到底納得できませんので、本来これでもっと質問しなきゃいけない、それはまた別途の機会に譲りたいと思いますが、今の話の限りでちょっと、二、三だけ確認をさせていただきたいと思っています。
 今、資料の説明いただきましたけれども、私は、前回この二枚をお示ししたんですけれども、重要なことは、この国立七大学の事務局長の会議の出席者名簿、文部科学省からもいますよ、七大学もいますよ、そのことが一つの意味だったんですよ。だから、文科省と七大学の事務局長とがいわば一緒に会議をしているということなんです。そもそもこの会議の招集はどこなのかということを私はお尋ねしたんです。
 それから、きょうはその内容、四月十一日ですが、その打ち合わせの結果というか打ち合わせ会議後の文書というものを実は私は持っておりまして、これを見ますと、単なる検討状況を文科省がお聞きをするというか、そういうことにとどまっていないんですよ。まさに意見交換をしている。その意見交換の中には、大学側のこういう質問もある、文科省はこう答える、ちゃんとやりとりがあるんですよ、実は。
 これは多分文科省がつくっているものでございますけれども、今局長は決してモデルづくりなどは指示していないと言われましたが、これはもうちゃんと書いています。就業規則などのモデルを作成し、各大学に提示する方向で、その提示内容を含め検討している、これは文と書いているんです。大学側は大と書いている。文部省側は文と書いている。ちゃんとあるんですよ。だから、私はこういうことに基づいて、あなた方が言っていることと実際やっていることが違うじゃないかというのが私の質問の趣旨だったわけですね。
 そういうことで、きょうは時間がありませんので、その内容は後でもっと詳しくしたいと思いますが、はっきりしておきたいのは、平成十六年が目途ですと。それは政府として、閣議決定としてはそういう目途を決めているかもしれませんが、これは国会はまだ承認していない話ですよ。国立大学を法人化する、これは大臣がたびたびおっしゃっているように、日本の大学の一大変革だ、まさに大事業だ、大転換だという話でしょう。国会で法律も決まっていない、その本体も、そして政省令も決まっていない、大学がどのぐらいの裁量を持って何をするのかもわからない、こういう段階でどんどん事を進めていいのかというのが私の一番尋ねていることでございます。
 あえて申し上げますけれども、法治国家で、行政権の活動といえども、国会の制定する法律に服すること、要求されているのではありませんか。法律ができていない、制定もされていないのに、文科省が既定事実のように事をどんどん進める、しかも大学に押しつける。あなた方は大学は自主的にやっていますと言いますが、決してそんなことはありません。それは、文科省の話をよく聞きながらというか、もう聞かざるを得ない状況の中で進めているわけでしょう。そういうことを、これは大学が自主的にやっていますというようなことで強弁をするのは本当にやめていただきたい。国立大学法人化に関する打ち合わせの開催というのは文科省が招集した、これはもうはっきりしていることですよ、文科省がやった、そのことを私は言っているわけであります。
 ですから、こういう国会を無視する、まさに行政サイドの暴走としか言いようのないようなやり方というのは絶対認められない。私は、行政の監視というのは立法府の重要な責務でありますから、立法府のまさにそうした有意性もやはり否定するようなやり方で事柄が進められるということについては、断じて黙認するわけにいかないということでありまして、この点では、ぜひ大臣の御答弁もいただきたいと思います。
工藤政府参考人 私の発言をもとにして、大分御心配、混乱させまして、まことに申しわけないんですが、私どもも不本意に思われるようなことが多々ございます。それは、旧文部省に入省いたしまして、大学の方々、それから教育委員会の方々、いろいろ御相談に見えたり、お話しに見えたりしてございますが、私どももいろいろ申し上げている中で、先方の方から、こういう案でいきたいけれども、どう思うかねという話に対して、いや、こういうことも考えられたらどうですか、ああいうこともどうですかといろいろなアドバイスなどを差し上げるわけでございますけれども、それが現場に伝わると、いや、文部省はこれでいけと言っている、あるいはこういう指示をしたとか、こちらの趣旨と違う伝達で、時々不本意に思うことがあるわけでございます。
 ただ、今回の法人化というのは、国立大学をより活性化するために、その自律性を高めて、より教育、研究等に磨きをかけていただくための大きな制度改革だと思ってございまして、これは私どもがいかに気張っても、私どもだけでできるわけではございません。各大学の実情も十分ヒアリングしながら、各大学自身が準備していただかなきゃいけないこと、あるいは大学全体として国大協等で検討されるべきこと、あるいは私どもも一緒に交えさせていただきながらやること、いろいろございます。
 そういう過程で、ぜひ法案の御審議までに、いろいろな、先生からどんな鋭い御質問をいただいても、こんなふうにして大学をよくしていきたいということが答弁できますように、しっかりした制度設計に努めてまいりたいと思いますし、そのプロセスの中で、先生にこれ以上御心配をおかけすることのないよう、私ども、言葉遣いや応対等も含めて、注意しながら進めてまいりたいと思います。
石井(郁)委員 ちょっと一点、具体的に伺っておきたいことがございまして、それは、各大学で法人化に向けたグランドデザインの策定、中期目標、中期計画の検討に追われているんですね。ある大学では、グランドデザイン策定に当たって、平成十五年度から二十一年度にわたって毎年十名前後の定員削減を予定している。それを聞きましたら、法人化されたら運営交付金が毎年一〇%ずつ削減されるという文科省の指導があったから、それを見込んで人員削減数を計上したまでだというふうに述べているようです。
 だから、こういう形で、既定事実のように、やはり押しつけているということが出ているわけですよ。この問題で、法人化後も予算を削減する、あるいは人員を削減するのかという問題で私はきちっと答弁をいただきたいと思っています。
 というのは、法人化問題というのは、国立大学法人化になれば、いわゆる国家公務員の定数削減の対象から外れるということがこれまでの説明だったというふうに思うんですね。ところが、事態は全然それとは別個の方向で進んでいるわけであります。
 この運営交付金を削減する、あるいは人員を削減するというのは文科省の方針ですか。
工藤政府参考人 おっしゃいますように、法人化いたしますと、いわゆる定員法の範囲外になりますので、定員削減計画の対象外となるのは当然の前提でございます。
 ただ、実際に運営費交付金がどういう形で確保されるか、これからさらに財政当局とも詰めながらシミュレーションしていかなきゃいけないわけでございまして、それを毎年十人ずつ減らすとかそういうことが決まっているわけでも何でもございませんので、いろいろな、どこかでシミュレーションしている中でそういうことの検討がされているのかなと今私どももちょっと唖然としたところでございますが、いずれにしても、国立大学の充実のために引き続き、あるいはこれまで以上に財政の充実が図れますように、私ども制度設計に万全を期してまいりたいと思っております。
石井(郁)委員 何度も申し上げていますけれども、要するに法人化の法律はまだ形が見えていません。そうでしょう。それなのに、法人化後はこういうことになりますということで、それを事実上させているということが大問題なんですよ。これはもう何といったらいいんでしょうか、法律違反、これは法律がないのに法律違反というのかどうかはありますけれども、そういうことが行われていいのかということを私は繰り返して申し上げているわけです。
 この先ほどの打ち合わせの会議のメモによりますと、「法人化後も全国的人事交流は存続したいと考えている。」というようなことで、法人化後の話をもうどんどん進めている。だから、こういうことについては本来、文科省は待ったをかけなきゃいけないじゃないですか。あなた方がいろいろ考えるのは、まあ百歩譲って、あるかもしれません。しかし、大学にそれを押しつけることはできないということだけは私は厳しく申し上げておきたいと思います。
 だから、そのことは工藤局長自身もよく御存じで、さきの委員会では、私どもが指示したり、いろいろ申し上げているわけでは全くございません、全然そんなことはありませんと声を大きくされておっしゃったわけでしょう。ところが、国会の答弁と実際に大学とやっていることは違う、そのことを私は質問しているわけであります。今後きちんとしていただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。
 さて、それで、きょうは帝京問題の質問に入りたいと思います。
 まず、宮路前厚生労働副大臣の帝京大学医学部への入試をめぐる口きき問題について、ここからお聞きをしたいと思うんです。
 そもそもこの発端というのは、一月三十一日、木曜日、午後十二時三十分、帝京大学総長より、何々君の受験番号を至急連絡ください、何々様にナンバー照会の上、回答済みです、北山というこのメモがわかったことから国会のいわば大問題となったわけですね。実はこれ、そのメモというのはこういうものなんですよ、ちょっとその写真を持ってきましたけれども。
 それで、これに対して宮路副大臣は、冲永総長との関係を、二十年ぐらい前から大学の先輩後輩ということを通して、政治の世界を志す以前からよく存じ上げておりますという関係だ、だから受験番号の通知をしたことがあったことは否めないだろうと思いますとお認めになったんですよ。これはもう国会の答弁ですから、お認めになっているんです。
 ところが、帝京大学側というのはどうだったのか。私は本当にこの大学の非人間的な体質というのを感じて、もう本当に肌寒い感じがいたします。これは先ほども出ていましたけれども、七月二十三日、参議院の厚生労働委員会での前田参考人のお話なんですけれども、こう言っていますよね。「政治家の先生からのお問い合わせについては、失礼があるといけませんので、すべて事務局長が対応するというようにしておりますので。ただ、それに今回、事務局長が二月にお亡くなりになっていて実際に本人の口からは聞くことはできませんでしたが、周りの帝京大学の方の調査によりますと、想像しますに、今回の受験番号は事務局長が聞いたものと思われます。」だから、これはもう何度も出ていますように、この事務局長の方はお亡くなりになっておりますので、死人に口なしとばかりに、この方の責任になすりつけようとしているとしか言いようがありません。
 それで、まず伺いますが、この前事務局長の横田氏は、いつ入院され、退院され、また、再入院されたのはいつなのか、お示しください。
工藤政府参考人 帝京大学に確認しましたところ、同大学の前事務局長でございます横田享浩氏でございますが、病院への入院日は平成十三年の十月十六日、一たん退院されたのが同年十一月十日でございます。それから、再入院されたのが本年、平成十四年二月の五日とのことでございまして、残念ながらお亡くなりになられたのが本年の三月八日でございます。
石井(郁)委員 確かに文科省の言われるとおりだと思います。
 実は私も、この横田氏の病状について家族の方から伺いました。肝臓がんだったんですね。それによりますと、十一月十日に退院しましたが、病状がかなり悪い。学校へは、南浦和からバスと電車で疲れてぐったりとなって、出ていってもすぐ帰ってくる状態だった。ことしになってからは、学校に行った記憶は年賀に出かけたくらいで、あとはほとんど寝たきりだった。一月三十一日、この日が問題なんですね。一月三十一日ころは、ちょっと近所へ買い物に出かけようといっても出られない状態だった。このころは奥さんがほとんど付き添っておられました。そして、二月五日に再入院です。
 だから、一月三十一日に宮路氏が、事務局長、この方に電話をしたという話をされているわけですけれども、横田氏は学校に行っていない、電話をかけたり受けたりする状態になかった。そうじゃないんでしょうか。こうした事実、文科省は、調査をしたら把握できたと思いますが、把握していますか。それをなくして、前田氏の陳述だけをうのみにしているんじゃありませんか。お答えください。
工藤政府参考人 私どもは現地調査しまして、現にいる教職員、それからもとの事務局長も含めていろいろ聴取したわけでございますが、残念ながら、先ほど来の回答でございました。
 それから、亡くなられた横田事務局長の大学への出勤状況につきましては、出勤簿で確認してございまして、先生御指摘のようなあたり、つまり、再入院される前についてある程度出勤しておられたということが確認されているところでございます。
石井(郁)委員 一月三十一日も出勤されていたんですか。一月三十一日のことをお聞きしているんです。
工藤政府参考人 失礼申し上げました。
 訂正させていただきますが、御指摘の一月三十一日の出勤については、出勤簿でちゃんと出勤しておるということを大学側から聞いたということでございます。
石井(郁)委員 それもまた聞いた話で、では、現物は見ていないということですね。出勤簿そのものを見ていないということですね。こんな調査というのはあるんでしょうか。現物を見ていない、話だけ聞いている。これだったら、もう帝京大学の報告をうのみにしている、文科省、まずそこですよね。
 それで、私は、やはりこの受験番号、この人が、指示どおりにいたしますのでという依頼に対して、受験番号を至急お知らせくださいと。これは、このメモ、帝京大学冲永総長とはっきり書いていますよ。冲永総長が、君、何々君の受験番号を知らせてほしいと。だから宮路事務所の側は、これはまた宮路前厚生労働副大臣その人なのか事務所の方なのかという問題は残りますけれども、事務所の方が連絡しているんです。冲永総長とやりとりをしているんですよ、このメモは。
 ですから、そういうことに対して、国会に呼ばれた前田参考人が、国会の陳述の中では、冲永総長に尋ねたけれども、本人は全く心当たりがないと言っている、こういう答弁をされているんですよ。これもまた私は信じられない。ここにはちゃんと電話したとやりとりがあるわけですから。
 ということになりますと、文科省は、こうしたことをやはりまず、現物も確かめていない、冲永総長自身にも確かめてもいない、それでこういう文科省の調査報告書になっている、概要になっているということで、先ほど来、事務局長の責任と判断でやった、それを覆すような事実はなかったと言い切っているわけでしょう。ちゃんと調査していないじゃないですか。一体文部省はどんな調査をしたんですか。もう一度、この冲永総長に関する部分についてお答えください。
工藤政府参考人 当日は、今の御指摘の件も含めて、もちろん視野に入れながら調査に向かったわけでございますが、何しろ今回の主目的は、大臣からもお話し申し上げていますように、不適切な入試の合否判定があったかないか、それと寄附金との関係がどうであったかということでございまして、その関係の資料の精査に忙殺されたこともございまして、今の出勤簿の現物の確認まではちょっと至らなかったのは、手ぬるかったと言えば手ぬるかったかもしれませんが、そういう状況でございました。
 それから、冲永総長自身は入院中で、私どもも面会できませんでしたので、御本人から確認には至りませんでしたけれども、さきに七月十六日付で大学の理事長から報告いただいておりますいわゆる口ききの関係について言いますと、総長も含めてそれを受けていないということでございまして、私どもとしてはそれ以上なすすべがないという状況だったのでございます。
石井(郁)委員 ですから、もうとにかく大学側の報告を受けているだけ、現物にも本人にも当たっていない、それをもって調査の概要、調査報告ということですから。私はこんな調査報告はないと思いますよ。
 冲永総長については入院中というお話、わざわざなさいましたが、それは知られている話ですけれども、一カ月の入院でしょう。病床に行ったっていいじゃないですか。面会謝絶というような状況じゃないでしょう。何で会いに行かないんですか。そんな調査というのはないと思いますね。
 にもかかわらず、今回の現地調査の概要で、国会議員及び秘書の問い合わせについては、いずれの者も受けたことがないと言っているというわけで、だから、受けたとすれば、もうあなた方がわざわざ調査を外している冲永総長以外にないんですよ。
 事実上、帝京大とそういう寄附金行為というのがもうずっとあるわけだから、問題は、どういう、だれが、どうしてこういうことが可能になったかということが、今きちんと真相を明らかにしなきゃいけないわけですから、その大事なところを何も調査もしないで、事務局長だけの判断、責任でやったこと、そう言い切るという根拠はないでしょう。これはもう、どうしたって私たちはこれで納得できません。
 それで、冲永総長の関与については、私は今後いろいろ出てくると思います。
 これも、先日の参議院の文教科学委員会で畑野議員が取り上げておわかりのとおりでございますけれども、帝京安積高校の組合員銃撃事件というのがあったんですよね。これはもう結審している、刑も確定している問題ですが、そこでの供述調書の中にこういうくだりがあるんですよ。これは、組合員の銃撃事件というのは本当にとんでもない話ですが、これを指示したのがこの安積高校の元事務局長で石橋氏という方ですけれども、その方がこういう供述ですよね。
 私が神田さんから頼まれて、神田さんというのはある建設会社の方ですが、学園の斎藤理事長から帝京大学の冲永総長に働きかけをしてもらった結果、神田さんの次男は無事帝京大学経済学部に入学することができたということがあったのです。そして、私は、たしか平成七年一月ごろ、神田さんからその謝礼として現金百万円をいただいたのです。ちなみに、神田さんは帝京大学の冲永総長に対しては一千万円の謝礼をしたとのことでした。
 これは、ちゃんと裁判の記録ですよ。供述調書でしょう。例えば、これだって参議院の委員会で明らかにしているんですから、こういうことだって調べなきゃいけないじゃないですか、冲永総長自身に当たったりしながら。そういうことをしないで、こんな事務局長だけの責任、判断という調書が出てくる。これはもう、あなた方がまじめに調査したなんて到底思えません。
 この調査報告書はこう書いていますよね。医学部の寄附金授受の取り扱いは、他に知らせることなく事務局長の判断と責任において行ってきた。私たち、これは真っ赤なうそで、総長自身の判断で私は取り扱っているというふうに考えています。これは、私は考えています。文科省はどうですか。
工藤政府参考人 私どもでまとめましたレポート、受け売りで、かつ、それを私どもとして納得したということではございませんで、先ほど御指摘の学内外からのいわゆる口ききといいましょうか、問い合わせについては、先方の話としてこういうことであったということで、それを私どもとして否定も肯定もできる資料が得られなかったので、そうとどめているわけでございます。
 それと、冲永総長自身は関与していないというのは、先ほど申しましたように、七月十六日に文書で私どもに報告があったわけでございまして、それも含めて、先方の主張はこうであったということでございます。
 それと、今御指摘の、事務局長がお一人で、本当にそう信じているのかというお話でございますが、私どもも大変不自然な話だと思ってございまして、随分周辺の方々も含めて事情聴取し、あるいは関係の書類等も見たのでございますけれども、少なくともそれを覆すような新たな資料は発見できなかったのでございます。
 ただ、多額のこれだけの寄附金を一人で預かり、あるいはその配分まで処理するというのはいかにも不自然な話でございまして、仮に一歩譲って事務局長一人でおやりになったとしても、当時の経営陣の管理責任というのは大変重いのではないかと思っているところでございます。
石井(郁)委員 三日間にわたった調査報告書は、しかし、これで終わりではないという話もございますから、これからもされるんでしょうけれども、しかしながら、かなりある結論を断定的に出されていますから、これは十分な調査の上で出たものではないということで、そのような含みで御答弁されているように思いますけれども。
 ちょっと角度を変えまして、私、寄附金の問題でもお尋ねいたします。
 これはぜひ大臣に御見解をいただきたいんですけれども、今回の文科省の調査でも、正規に処理されず簿外処理による寄附金額は、一人当たり約四千六百万円。本当に高額です。私のところにもやはり内部告発的なというか、いろいろなことがございます。ある方は入試の前に一億八千万円払っているということです。だから、そういう寄附金の額の高額さというのは、本当に庶民の感覚や普通の国民の感覚から考えられないでしょう。こういうことがまかり通っているという、つまり、入試あるいは大学受験ということに巨大なお金が動くということは、これは文科省としてどう考えているのか。これは、最も公正公平であるべき入学試験という問題、あるいは入学ということをめぐって、こんなことは本当に異常です。この点での大臣の御認識を伺っておきたいと思います。
遠山国務大臣 大学自体が、社会的な存在として、本来あるべきすぐれた教育研究を展開してもらうためにあるわけでございまして、特に入試に関連してお金が動く、あるいはお金、寄附金につきまして、文部省が既に出しました通知に反してそういうことが行われるということは極めて遺憾でございます。
 今回、そのことにつきまして、過去五年にわたりましてそういうことが毎年行われてきたということが明確になったわけでございます。額についてもわかったわけでございまして、簿外処理も行われていたということでございまして、いずれも、私どもとしては、こういう大学の入試にかかわる一連の事件につきましては極めて遺憾というふうに考えているところでございます。これに対しましては、厳正に対処していく必要があるという姿勢でおります。
石井(郁)委員 ずっと出ていますように、どうもこの帝京大学というのは、こういう多額の寄附金集めということでいろいろ蓄財をしているんじゃないかという問題もあるわけですけれども、やはり教育機関がこういうことをしていいわけはない。まさに教育の名にかりてお金集めをしているという点では、幾つも本当に反社会的なというか、問題をはらんでいると私は考えております。
 またちょっと戻りますが、その寄附金を扱っているのは事務局長の専権事項で、冲永総長とは全く関係がないということは今答弁の中で出ているわけですけれども、それは余りにもおかしいわけで、この大学では研究費のわずかなお金の支出でも実は総長の決裁が要る、これは御存じでしょう。私も大学の方からお聞きをしました。これは、研究費の出金願書、願書を出さなきゃならないんですね。ちゃんと総長決裁日とありますよ。これは、大学関係者によると、本当に文具の果てまで、小さな支出まで総長に全部出さなきゃいけない、総長決裁が必要。だから、お金については、やはり出し入れ、総長のところで集中して行われているということは明らかじゃないですか。
 私は、この調査報告書の記載をこの限りで信用したとしても、疑惑の核心になるのは、入学者総数の約一割に存在する入学手続前の寄附金納付者、これに、事務局長に寄附金を持っていくように指示したのはだれかということなんですよ。何で事務局長のところにちゃんとその申し込みが行くんですか。これはどう考えたって、なぜなのかという説明が今までありません。どうして保護者が寄附金の納付先が事務局長であることを知るのですかということですね。やはり最初に、宮路さんの話に戻りますように、帝京大学の総長からいろいろ行っているんじゃないですか、指示は。その辺は、調査を通して、今どういう御認識ですか。
工藤政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたように、事務局長が一人で処理した、しかも寄附者との関係が、本当にどうして事務局長にストレートに接触できるようになっているのか、先生と同様の疑問を私どもも抱いて、いろいろ追及したのでございます。
 それにしても新たな事実の解明には至らなかったということでございまして、先ほど申し上げましたように、今、向こうの主張は主張としてありながら、私どもとしてはやはり大学経営陣全体の責任の重さというのは今後追及していかなきゃいけないのではないかと思っているところでございます。
石井(郁)委員 ですから、やはり先般出されました帝京大学の特別調査委員会のこの報告書も、そして今回の文科省の現地調査の概要も、私、重大な事実に触れていない、あるいは真相を隠している、真実を隠しているというふうに、隠しているというか、真実にはほど遠いと言わなければならないと思っています。
 それで、委員長にぜひお願いをしたいと思いますが、冲永氏を呼ぶということは決定的に大事だというふうに思います。本委員会に必ず冲永氏を参考人として呼ぶことにとどまらないという話も先ほどからありますが、もう証人喚問が必要じゃないのかということも含めて、ぜひ協議をしていただきたい。また同時に、宮路前副大臣についても、参考人として呼んでいただきたいということをお願いしたいと思います。
河村委員長 理事会で検討させていただきます。
石井(郁)委員 私、最後に、合否判定会議の実態についてお聞きをします。
 今回は不正入試はなかったというのが文科省の調査の一応の結論になっておりますけれども、やはり入試を判定するのは教授会ですよね、教授会です。
 そこで伺いたいんですが、帝京大学が提出した調査報告書によれば、帝京大学入試の合否判定を決定する教授会では、実は出席した教授に成績原簿が手渡されていません。総長がいて、わきに学部長がいて、医学部だったら病院長がおられて、そして口頭で合格点と人数だけを示す、何点まで、何人ということのようであります。出席した教授はそれを承認するだけだと。だから、非常に短い時間で教授会は終わっているということが明らかになりました。
 この実態については、私もさきの委員会でいろいろお聞きをしておりましたので、こういう実態じゃないのかということを指摘したとおりでありますけれども、今回は、文科省の現地調査の概要でも、それが事実だということが明らかになったと思うんです。つまり、どの受験者が合格したのかということは教授会は知らないということです。それから、教授会は合格者の確定もしていないということです。この事実は文科省はお認めになりますね。
工藤政府参考人 学部長や医学部の教授等からのヒアリング、それから、教授会の議事録とか関係の書類等を精査しまして、合否判定の教授会において、合否判定資料というのは成績順に並べたものを一部のみ、一部だけ作成して、総長や学部長等がこれを見ながら、総長というのも学長であるとともに教授でもいらっしゃいまして、教授会メンバーなわけですが、限られた方が見ながら、合格者数と合格最低点が総長から発表され、了承されているというのはおっしゃるとおりでございます。
 ただ、追加合格の繰り上げも含めまして、そのリストに載った成績順にどこまでどう繰り上げるかということも含めて総長と学部長に一任することも教授会で了承されているということでございまして、教授会でどこまで決めたかというと、そういう委任も含めて、教授会として一応判定がなされているという理解をすべきじゃないかと思っております。
石井(郁)委員 総長と学部長、学長と学部長に一任を教授会でしているということですが、ただ、それだって、学長の側から、一任してくれという形で言っているんじゃないですか。それを断れないという関係に教授会があるということの事例だというふうにも私は思います。
 やはり、成績原簿というのが一通しかない、一通しかないんですよ。これはぜひ皆さん、文科省、各私学、いや、国立だってそうですけれども、入試の合否判定というのはどういうふうにしているか、あなた方が一番よく御存じでしょう、これは。教授会の中で全員が見るんじゃないですか、原簿は。ことしの成績はどのぐらいだと。成績が、例年と比べて何点、非常に合格点が高かったとか低いとか、それを判断するのも教授会でしょう。
 ちょっと私の例を申し上げて恐縮ですけれども、私がいた大学では、本当に大きな教授会ですけれども、全員見ましたよ、全員。そうやって、それはもちろん受験番号しかわかりません、個人の名前なんか一切わかりませんけれども、全員見て、ここまでにするということを決めるのが教授会じゃないですか。
 だから、極めて異常なんですよ、ここの教授会は。異常でしょう。そういう異常で行われているのに、不正入試は行われていない、こう言い切るというのも、いかにも私は、きょうは帝京大をかばっているとしか言いようがないんですけれども、一体なぜ合否判定をきちんと教授会で、教授全員が名簿、資料を見てやらないのかということについて、大学側はどういう説明をしているんですか。
工藤政府参考人 大学側の御説明によりますと、情報漏えいを防止するためということでございまして、ただ、他の教授は、教授会メンバーであれば、閲覧することを禁止しているわけではなくて、希望すれば見ることができる状況であるという御説明でございます。
 ただ、今御指摘がありましたように、教授会でどういう合否判定をするか、それぞれの大学の教授会が決めるべき話でございますが、氏名を秘して、受験番号で、それを全員で点数を審査しながら決めるということもごく通例で私ども承知しているわけでございますが、一部、サンプリングで聞いてみますと、やはり情報漏えいを気にしながら、かなり限られた部数で合否判定をするという例もあるようでございまして、それはそれぞれの大学の教授会の見識の問題ではないかと思うわけでございます。
石井(郁)委員 私は、工藤局長がそういう御認識だったら、やはり、本当に大学の教授会の自治というものに対する認識はなっていないと言わざるを得ないですよね。今の話は、逆に言えば、入試情報というのは総長とその取り巻きだけしか知らない、知らせないようにしているということなんですよ。そういう話ですよ。
 それから、教授会のあり方はいろいろあるとおっしゃいましたけれども、学校教育法の施行規則六十七条、入学、退学、転学云々、教授会の議を経て、学長が定めると。教授会の議を経てということになっているじゃないですか。そうでしょう。この大学では、教授会の議になっていないんですよ。総長と学部長が一方的に人数を決めるんですから、点数も決めるんですから。後は一任ですから。
 こういうことをもって、だから私は、不正入試が起こり得るやはり条件というか温床というか、ここにあるわけでしょう。それになぜ目を向けないんですか。こういう実態にもかかわらず、教授会は機能していると先ほどおっしゃいました、他の委員の質問に対して。私は、これは本当に驚きました。教授会の自治が成り立っていないし、大学の民主主義が成り立っていないというのが今回の帝京大学の実態じゃありませんか。
 だから、そういう文科省の認識では、やはりこの帝京大学の問題を明らかにすることはできないというふうに言わざるを得ません。それから、管理運営体制の正常化をやはり図っていく、教授会が教授会らしく審議の場にしていく、入試判定を本当に公正明朗にしていくということについて、今後とも実態解明をきちんとやるべきだということを強く申し上げて、質問を終わります。
河村委員長 次に、山内惠子君。
山内(惠)委員 山内です。最後の質問者となりましたので、皆さんの質問と相当ダブることもあるかと思いますけれども、七月の三日の委員会で中西議員が質問した際にお答えになった中にも、過去、経常経費補助金の不交付あるいは減額措置された大学が相当数あったということを御報告いただいたと思います。
 それにしても、今回の帝京大学問題が、なぜ今日までこんなずさん経営がされたのか、許されてきたのかということを本当に疑問に思います。その意味で、今回出されましたこの「帝京大学に対する現地調査の概要について」、なかなか読み取れないものがありましたので、ただいまの石井議員の質問にも関連するんですけれども、もう一回、少し細かい質問なんですけれども、確認をさせていただきたいと思います。
 まず、一ページの六番の「調査概要」の(1)「入試関係」の「合否判定の方法」ということなんですけれども、「成績順に並べたものを一部のみ作成」というのがあるんですけれども、これはだれが作成したのでしょうか。
工藤政府参考人 これは、法人本部の学事課において作成することになっていると聞いてございます。
山内(惠)委員 法人本部の学事課が作成したと。
 では、もう一度聞きますけれども、合否に関してなんですけれども、各学部の中には入試事務局だとか教務課とか、そういうのはないんでしょうか。入試委員会のようなものがこの大学にはないんですか。
工藤政府参考人 各学部に教務関係の課は置かれているようでございますが、入試関係の今の判定資料というのは、本部の学事課、本部事務部というのは全体の学部を総括しているようでございますが、そこで一体的に行っているということでございます。
山内(惠)委員 教務課はそれぞれの学部にある、しかし、入試関係の、例えば入試委員会は各学部にはないというふうに今お答えになったということですね。法人本部事務局に学事課があって、そこが行うと。
 じゃ、もう一度聞きたいと思いますけれども、「教授会において、」というこの教授会なんですけれども、その前に聞いた方がいいかな、この「合否判定の方法(医学部を含む全学部について)」と書いているんですけれども、この全学部というのは、すべての学部、じゃ、そのすべての学部をその法人本部の事務局の学事課が合否を決める、そういう文章なんですか、これは。
工藤政府参考人 御説明ではそうでございました。
山内(惠)委員 ということは、他の学部も調べるということは今後だとおっしゃったんですけれども、基本的に、合否に関しては本部が一切牛耳っているという意味ですか。そうなんですね。じゃ、そうだというふうに押さえて、次の質問に行きたいと思います。
 この文一つ一つお聞きしたいと思います。「一部のみ作成」の次なんですけれども、「教授会において、」総長、学部長が見ながら、合格発表、高い点と低い点、最高と最低のところを報告するんでしょうけれども、この教授会というのは、どういう人たちの構成で成り立っている教授会なんですか。人数その他をお聞かせいただきたいと思います、だれが招集するかも含めて。
工藤政府参考人 全学の教授会規程というのがございまして、各学部に教授会を置くと。
 構成員は、学部に属する全教授、それから助教授については、各学部ごとに限定して代表が加わっているようでございます。それから、招集するのは学長となってございまして、学長または学部長がその議長になるというふうに教授会規程でなってございます。
 どれだけの数かということでございましたが、医学部では、教授を兼ねる学長と学部長を含めまして、六十八人の教授が構成員としていらっしゃいますし、あと、薬学部で二十二人、法学部で二十五人、経済学部で三十九人、文学部で六十五人、理工学部で三十七人の教授数と聞いてございます。
山内(惠)委員 合否は先ほども、ここで総長より公表されるというわけで、それは何人の賛同を得て、例えば、今言われた人数の総計の過半数をもってするとかいうような内規というものはないんでしょうか。ちょっと細かく聞きたいので、恐れ入りますが、ずっといていただいて聞いた方が早いかもしれないんですけれども、いかがでしょうか。まず、そのことについてお聞かせいただきたいと思います。
工藤政府参考人 先ほどの教授会規程を見ますと、教授会は全教授の半数以上の出席によって成立する、しかも、出席者の過半数で議決するというのがルールになっているようでございます。
山内(惠)委員 ちょっとお聞きしますが、過半数で成立していて、出席者の半数以上で決まるということなんですね。
 それで、総長と学部長の権限の違いは何なんですか。
工藤政府参考人 冲永総長について申し上げますと、学園全体を統べる意味での総長でもありますが、学校法人帝京大学におかれる、その帝京大学の学長でもいらっしゃいます、かつ、医学部の教授でもいらっしゃいます。ですから、医学部の教授会に入っていらっしゃるわけですが、学長と総長といいますか、学長と学部長の権限の違いとなりますと、学長というのは当該大学全体を総括するお立場でございますし、学部長というのは当該学部の代表というお立場が一般的でございます。
山内(惠)委員 わかりました、今のお二人のことについては。
 じゃ、これは、合否の判定は「医学部を含む全学部」と書いているんですけれども、この文章上読み取れるのは、総長と学部長等が見ながらと書いていますね。見ながらというのは、プリントを自分で実際もらえないで、総長はもらえるんですか、このお二人は、一部のみ作成で、一部のみを見ながらということなんですか。
 それで、学部長というのは、この場合は、医学部の学部長お一人のことを言っているんですか。でも、上の方では「全学部について」と書いているんですよね。これはどういう意味なんですか。お二人が見ていてという意味なんですか。
工藤政府参考人 これは、総長は帝京大学の学長でもございますので、すべての学部の教授会に出席しているようでございます。
 それで、「総長、学部長等」とありますのは、医学部の場合で言いますと、隣に病院長もお座りになっていることもあって、三人、四人になるということで、それぞれの学部で若干人数が違っているようでございます。
山内(惠)委員 そういう意味で、それじゃ、もうほかの学部では、学部長の役割も、すべて法人本部事務局の学事課が入試の判定をするわけだから、この方たちは、特別、全くここで異議を申せるような状況にないということも言えるような状況の中で、過半数でということの意味もよくわからないような報告のように私はここのところ思います。
 それで、じゃ、合否判定資料はどこで管理しているのかということなんですけれども、まずは、これは結局本部ですね。何か先ほどの話で、私はまさかまさかというふうに思っていたんですね。それぞれの、医学部だったら医学部で、法学部だったら法学部で合格を決めていくのが当然と思うんですけれども、ここはそうじゃないということで、私の質問の前提も何か本当に崩れるような、よその大学では考えられないような状況に思います。
 次の二ページのところに入ります。
 「入試情報の管理」というところで、「鍵は大学本部学事課長が管理し、」と書いてあるんですね。これは、管理しているのはどこかの金庫に入れているんですね。それは本部の金庫ということなんでしょうか。次の「パスワードを大学本部事務長が管理し、」とあるんですけれども、じゃ、これも、医学部以外のパスワードもみんなこの事務長が持っているということですか。
 そうなると、ここをあわせて質問します。かぎを管理している金庫は本部のものという意味ですね。それから、他の学部のパスワードは事務長が持っている、このお二人がすべて管理している、そういう文章なんですね。そこのところだけ、確認をさせてください。
工藤政府参考人 入試成績の原簿が保管されている金庫は大学本部の学事課に置かれておりまして、そのかぎは、大学本部の学事課長が管理しているということでございます。
 それから、コンピューターのデータについては、全学部にかかわるデータを本部に集められて、そのパスワードにつきましては本部の事務長が一元的に管理しているということでございます。
山内(惠)委員 そうすると、成績順に並べてとか言われたさっきの一部作成されたものにしても、それぞれの学部が管理を一切していないものということは、今回の追及、本当に不思議ですね。私も、質問しながら、何か茫然としてしまうようなやり方をしているんだということが見えてきました。
 それで、「入試情報の管理」のところでもう一回、突き詰めた質問をしたいと思いますが、パスワードを大学本部事務長が管理しているということがあるんですが、では、二ページの(2)の「寄附金関係」は、「医学部について」とわざわざ書いてあるんですね。「歴代の事務局長が、個人の」といくんですけれども、この事務局長と大学本部事務長とは別の人ですか、これ。
    〔委員長退席、鈴木(恒)委員長代理着席〕
工藤政府参考人 これは、御指摘のように別でございます。
 ちょっといろいろ、大学の事務組織機構が同じような名前が使ってありますので紛らわしいのでございますが、ざっと申しますと、大学全体を統べる帝京大学事務局というのに事務局長がおります。それから、そのもとに本部事務部というのがあって、事務長さんがおります。さらに、並列して各学部ごとの、一部文系は経済、法、文が一緒の事務部でございますが、各学部の事務部がありまして、そこに、組織の大きさによるんでしょうか、事務部長だったり事務長だったり事務次長だったりする方がいらっしゃるという構図でございます。
山内(惠)委員 それで、もう本当に驚くんですけれども、この人は合格する、この人は合格しないというのは成績順でという、その成績順の一覧表も、氏名を隠してでも、それはごらんになってらしたんですか。
 本当は調査はどなたが行かれたか、氏名報告というのは、このプリントには載っていませんね。工藤さんは、行かれた方なんですか、行かれてないんですか。
工藤政府参考人 調査に行った者が見てございます。
 それと、あるいは御質問のあれで混乱を申し上げさせていただいているのかと思いますのは、成績順に並べたシートというのは学事課の方でつくりますけれども、合否判定はそれぞれの学部の教授会でやるわけでございます。要は、採点、それぞれの学部で入試を担当された方が成績をつけますので、それを集計しての整理のものを本部でまとめてやっていたということでございまして、入試判定を本部事務部で勝手にやっているということではございませんので。
山内(惠)委員 それであれば、先ほど皆さんもおっしゃっているように、寄附の額によってどうだったかということを、もしできれば、氏名は報告なくても、ABCDでも一番二番でも結構ですけれども、私の想像するには、八十点台といっても、一点刻みか同点か、山ほどある数字だと思うんです、もっと低い点数のところにしても。そのときに、この方の寄附金が幾らかということが照合されていって、そして、寄附金の額が多かった人だけが入学してなくて、多かったけれども入学していないという一覧表のようなものがあれば、それを見るのは簡単にできることだと思うのですけれども、そういう資料は一切ないということですか。
工藤政府参考人 それは、調査に行った者が、成績順に並べました原本に当たりまして調査したわけでございます。(山内(惠)委員「よく聞こえません」と呼ぶ)成績順に並べた判定に使いました資料等、関係資料を突合して調査したところでございまして、先ほど馳先生からの御質問にお答え申し上げたんですが、寄附金の額の多寡と成績の上位下位というのは連関性がないといいましょうか、追加合格あるいは推薦合格になった方の中でも寄附金を払っていらっしゃらない方もいらっしゃるし、成績が極めて上位なのに寄附金を払っていらっしゃる方もいるし、そういう意味で、合格と寄附金の収受との関係が相関性が見られなかったということなのでございます。
山内(惠)委員 寄附金の額が全部多かったなんということはやるわけがないと思います。一定の合格者数、それを最初から数を少なくしておいて、寄附をしてくれる人をここに置いて、そしてその中で判定してとか、いろいろ疑惑というのは想像できますよね。そのことをどう調査されたかということがとても問題なのであって、合格が単なる寄附金だけの一覧表でできるということではないと思います。その辺の追及が、皆さんの指摘のように、甘かったということがありますので、そこのところはやはりもっとしっかり追及をしていただきたいなというように思います。
 私は、金額の問題のことよりは、次のところに行きたいと思いますが、「歴代の事務局長が、個人の判断と責任で、」それで、この「個人の」というのですから、歴代の事務局長というのですが、ここに書かれている長野名義、これが事務局長のお名前なんですね。そうすると、ことしはこの人で、個人だったかもしらないけれども、この長野という人の前は、やはりこのポストにある人の通帳に入ったということですね。そこのことをちょっとお聞かせください。
工藤政府参考人 簿外経理の預金口座は、事務局長がおかわりになってもずっと長野氏名義だったと確認してございます。
山内(惠)委員 よくわかりません。「歴代の事務局長が、」とあえて書いているのに、長野名義は変わらない。では、ここの意味はどういう意味なんですか。
工藤政府参考人 こういうところでお名前を申し上げていいかどうかですが、公知の事実に近いでしょうから申し上げますと、現在、帝京大事務局の事務局長は笠原という方です。この前の方が、先般亡くなられた横田さんという方です。その前が、つまり前の前が長野さんという事務局長でございます。長野さんの前は、また前田さんという別の、前田さんが事務局長でございます。前田さん以前の状況がどうだったかは、残念ながら、随分前のことでもございますので、わかりません。
 ただ、前田さんの後を継いだ長野事務局長の時代から長野名義の口座があって、それが次の亡くなられた横田さんになっても、長野さんの口座に簿外経理をしていたということでございます。
山内(惠)委員 それじゃ、ここのところで読み取れるのは、ポストの人がかわってもこの通帳にお金が入るということが組織的に合意されていたということじゃないですか。そういうことで言えば、組織的な関与はないと、相手が組織的な関与はないと言ったら、信じられることなんですか、そこのところを。
工藤政府参考人 先方の主張は、事務局長が交代のときに引き継いで、事務局長個人限りでやるんだよということでやっていたというのが先方の主張でございます。
山内(惠)委員 先方の主張はいいです、こんなことはない、ない、ないと全部言ってくるので。文部科学省として、これをどう受け取られるんですか。これは組織的関与とは思いませんか。
工藤政府参考人 私どもも疑惑や疑念というのはわくのでございますが、立場上、余り勝手なことを申し上げるわけにいかないわけでございます。
 ただ、先方の主張で、亡くなった事務局長を中心に、全く個人の方が大変大きな額の寄附金を管理し、それを、かつ個人口座といいますか、正規でない口座に送金し、あるいは、そこからまた引き出して帝京グループ全体に個人の判断で配分しているということは、全く、にわかに信じがたいことでございます。
 ただ、先方は、全く個人でやっているという一点張りでございますのでいかんともしがたいのでございますが、いずれにしても、仮に全く個人でやったとしても、これだけのことを長年やってきたということについては、やはり経営陣の責任の重さというのは考えていただかなきゃいけないのではないかと思っているわけでございます。
山内(惠)委員 今おっしゃったことであれば、これは文部科学省の調査ですから、今のようなことをお書きになる必要があったんじゃないのでしょうかね。これはやはり、組織的な関与はなかったと相手が言っているが、ここに疑念があるということですね。そのことをやはり、これは相手が言っている、言っているというのは、調査した人の言葉としては本当に不適切な表現だと私は思います。このことはそのように思いますので、この後、どのように経営陣を刷新されていくのかという状況をぜひつくっていただきたいというふうに思います。
 それで、先ほどの質問された方の中でお答えありましたけれども、合格前の寄附をした方の記述は文章にはないけれども、二十五人、十億円とおっしゃったんでしたね。そのことで言うと、入学を辞退した人も、一応は滑りどめと思ったか何か、ここを受けて寄附金を出している方がいるというふうに思いますが、それはどれぐらいあって、今後、その方にはお返しするという見通しを持っているのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
工藤政府参考人 先方の説明の一つに、簿外経理をなぜしたかということの理由の一つに、私どもの通知違反になるのを避けるためということもあるんですが、もう一つには、一たん寄附金をいただいた方に、入学辞退をされてお返しするのに、学校法人会計に入れちゃうと不自由なので、お返ししやすいように簿外経理したという御説明がございます。現に、今お話ありましたように、一たん寄附金を払い込まれて辞退された方、たくさんいらっしゃいまして、そういう方にはいただいた寄附金をお返ししているというのを調べてございます。
 ただ、今、集計してございませんので、それが何件で何人ということまで申し上げる状況にございませんけれども、現に、そういう辞退者がおり、返却している事実もあるようでございます。
山内(惠)委員 それは、過去、全部お返しになっているということをお聞きになっていらしたということですか。
工藤政府参考人 今回は、特に、集中的に過去五年間について調べたところでございます。
山内(惠)委員 では、そのことはまた改めて続きをお聞きしたいというふうに思います。入学しないのに払った人が、返せという裁判を起こしている方もいらっしゃるんですけれども、そのことを、私は、ちょっと中途で、やめておきたいと思います。
 卒業生が医師国家試験を受けるのは、医学部に入った学生は当然受けると思うんですけれども、何%の人が合格しているのか。それから、実際に医師になっているのは、卒業生、どれぐらいいるのか。おわかりでしたらお聞かせいただきたいと思います。
工藤政府参考人 帝京大学医学部の卒業生の医師国家試験の合格率、これは厚生労働省の方で毎年発表しているわけでございますが、過去五年間で見ますと、年間平均、五年平均でいいますと、七二・〇%でございます。ただ、年によって大分でこぼこがございまして、一番少なかったのが四八・五%、高かったのが八一・七%という状況と承知してございます。
 このうち、どれだけの方が医師になられたか、これは私どももよくわかりません。それは、私どもの国立大学にしてもそうでございますが、卒業後の状況調査、必ずしもフォローアップできていないんでございますが、全体の平均で申し上げますと、国公私含めて、医師の資格を持つ方の業務内容として、九割、九〇・四%ぐらいが診療に従事しているというデータがございますので、かなり過半の方々が医療に従事していらっしゃるのではないかと推測しています。(山内(惠)委員「済みません、これは帝京大学のことですか」と呼ぶ)これは全体の平均でございます。帝京大学については就職状況わかりません。
山内(惠)委員 では、きょうはおわかりにならないということですので、後ほどでも結構ですから、帝京大学の卒業生がどれぐらいの方が医師になっているかはぜひお聞かせいただきたいというふうに思います。
 ところで、文部科学省はこの大学に補助金を出していて、それを返してもらうんだというお話がありますから、それはそれでいろいろな取り組みが今後必要となると思うんですけれども、今回のような問題が出ないためには、それぞれの大学が自主的にチェック機能を持っているということが、機能というのはチェックできる体制にあるということがとても大事だと私は思うんです。チェックできるところはどういうところだというふうにお考えになっていらっしゃいますか。学内で、こういうことのないようにする、そこをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
工藤政府参考人 補助金の交付を受ける学校法人につきましては、法律に基づきまして、公認会計士の監査を受けた財務諸表の提出が義務づけられております。それから、もう一つ申し上げますと、私立学校法によりまして、役職員以外の者から監事を置かなきゃいけないということがございます。
 内部チェック体制としましては、その監事の機能、それから、公の資格……(山内(惠)委員「済みません、今何ておっしゃったの。何の機能とおっしゃったの」と呼ぶ)監事の機能ですね。監事というのが二人以上置かれるべきことになってございますので、内部チェック体制として、その監事の機能が万全であったかどうか、それから、公の資格でございます公認会計士さんがしっかりした仕事をしてくださったかどうかということが一番大事な点じゃないかと思ってございます。
 今回も、こういう監事あるいは公認会計士というチェック体制をくぐったはずでございますが、私ども、今回の調査の結果、今後の調査も踏まえまして、今後どういう改善の、体制が望ましいのか、学校法人運営調査委員の皆さんでございますとかあるいは公認会計士協会の方々の意見なども聞きながら、さらに具体的方策を検討してまいりたいと思っております。
山内(惠)委員 お金に関してのチェックということで今のお答えだったと思うんですけれども、私は、大学のあり方として、チェック機能ということの一つに、先ほどのお話を聞いていても、学部が最終的な責任を負う状況の合否判定にいっていませんね。管理しているのも、例えば医学部であれば医学部の金庫に保管して、そしてそれを持ち寄って教授会でちゃんとしていくというのが当然だと思います。その意味で、教授会がこの大学のあり方をしっかりとチェックできるような教授会でなかったんじゃないかと私は思います。
 それから、先ほど石井議員もおっしゃったことにかかわりますけれども、裁判は終わっていると聞いていますけれども、安積高校のような問題ですね。あの銃撃事件、教育史上かつてない、こんなこと今後あってはならないことですけれども、銃撃事件、委員長がねらわれたというような状況、これは、私は一つ大変なことだと思います。
 例えば朝日新聞で記者が銃撃によって殺されたという事件があれば、これはなぜ殺されただろうということをやはりみんな考えますよね。それは、私は朝日新聞のことについて一切言う気はありません。
 今回の部分でいえば、ポストというのが委員長ですね、組合の。そのことでいえば、組合の委員長がねらわれたということも相当私はあっていると思うんですね。それで、ねらった人もお金を渡した人も、元暴力団の人がねらったとかいうことも相当明らかになっている状況にあるということ自体が、本当にチェック機能の一つとして組合が機能しなかったんじゃないかというふうに私は思います。
 私は、この国会も、野党、与党がいてこういう討論を、質問をすることによって、やはり国会運営も厳しくチェックの一つとして機能していく場所としてあるだろう、あってほしいということなんですけれども、大学の中で、これは高校の事件でしたけれども、やはり組合つぶしであったということが読み取れるような銃撃事件だったというふうに思います。その意味で、組合が機能することもやはりきちっと今後の改正の中に、だから教授会なり組合なりという、単なるお金の問題ではなくて、あってもらいたいなと思っていることを一つ言っておきたいと思います。
 ところで、次の質問です。
 質問に入る前に、こんな言葉をちょっと読みました。医学部に入れば猿でも医師になれるようなシステムになっていると。これは冗談半分の言葉かなと思いますけれども、これを書いた人の文章で、こんなのがあるんですね。医師国家試験は車の運転免許のようなものだ、合格率最下位の帝京大学でも、先ほどおっしゃった数字とちょっと違うんですけれども、七六%は合格していると言われていると。全く大学の合格の問題を含めて信頼されていない、この人は信用していなかったからこんなことを述べたんだというふうに思うんです。
 その意味では、帝京大問題のこの疑惑解明が文部科学省にとっても大変大きな、刷新をどうさせるのかという意味の重要な今回の取り組みだと思います。私も委員の一人として、教育に携わる人たちが金もうけに走るということがあってはならないしということを考えれば、今回の疑惑解明の中で刷新されるものは、公認会計士の人ですか、そういう人たちとか監事とかということの体制だけではだめだというふうに思います。
 先ほど天下りの問題も、大臣のお答えを聞きながら、これでは天下りはなくならないのではないかというふうに思ったんですね。天下りをなくするというのは、今回の、小泉さん、外務省関係でもそこを努力するとおっしゃっているので、そのことについての努力は文部科学省はなさるんでしょうか。
 ここは、済みません、大臣、先ほどの私の受けとめが違ったのかどうか、天下りに関して、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
    〔鈴木(恒)委員長代理退席、委員長着席〕
遠山国務大臣 先般、閣議で、各省庁の天下りの問題にも対処するために公務員の人事制度のあり方を抜本的に改めようという新たな案が出ました。これに基づいて各省これから取り組んでまいると思います。その意味では、私どももその推移を見ながら対処していきたいと思っています。
山内(惠)委員 今のでぜひ本当に刷新、天下りがなくなるようなことを文部科学省として取り組んでいただきたいと思います。
 それで、先ほどもう一つ質問するのを忘れましたが、安積高校の例では、狙撃した人に対して謝礼なんかも上げているというのが、空出張、工事費の水増しによって謝礼のお金が生み出されているというような報告もあったんですけれども、終わった事件とはいえ、あのとき、当時は文部省だったんでしょうかね、文部省は立入調査をやったんでしょうか。それが一つ。
 では、ちょっと時間がなくなりましたので、最後の質問をしたいと思います。
 学力と公平性の観点から、医師養成のシステムを抜本的に見直すべきときに来ているんじゃないかなというふうに私は思います。
 お金がすごくかかるという、本当に親も私たちも進路指導する人も、私は、自分の高校時代のことを振り返ると、医師になりたいと思って進路指導の先生にお話をしたときに、親の職業を聞かれて、それでいいのかということを言われた人がいたということを思い出しました、今回の事件で。そう考えると、医師になるにはお金がなければなれない、そういう状況は抜本的に見直していく時期じゃないかということも含めて、今後この医師の養成システムをどのように見直しをしていこうと考えられているか。
 それと先ほどの件と、二点についてお聞かせいただきたいと思います。
岸田副大臣 まず一点目ですが、御指摘のこの帝京安積高校の事件、私立学校全体の社会的信頼を大きく損なうものでありまして、極めて遺憾であります。
 この事件につきましては、この学校法人帝京安積学園は、文部科学省ではなくして福島県の所轄であります。そして、その福島県におきまして、平成十年二月の事件発生以降、同法人に対し、学校運営状況について立入検査を実施しております。そして、不祥事の再発防止に向けた取り組みを行うよう指導を行ったというふうに承知しております。
 文部科学省としましては、各都道府県に対して、所轄学校法人の適正な管理運営について指導することを引き続き徹底していきたいと考えております。
 それから、二点目の御質問でありますが、この医師養成システムについてでありますが、金銭的な負担が大変大きいという部分につきまして、特に私立大学医学部の授業料が国公立大学の授業料に比較して大変高額になっているというふうに認識をしております。
 できるだけ低い水準であることが望ましいというふうに考えておりますが、この点につきまして、国公私立を通じて、助成あるいは育英奨学事業、こういったものを充実することによって、この負担そして格差を縮めていくということ、こういった点で努力をしていくことがまず第一だと考えております。
 加えて、この医師養成ということにおいて、ぜひ内容のある、臨床能力、問題解決能力が高く、患者中心の医療、こういったものを十分担うことができる医師の養成ということ、この内容におきましても、カリキュラムの改革ですとかあるいは大学間の共用試験の実施ですとか、こういったさまざまなシステムにおいて工夫することによってすぐれた医師の養成を考えていかなければいけない、このように認識しております。
 金銭面においても、また内容においても、さまざまな努力を積み重ねていかなければいけないという認識でおります。
山内(惠)委員 さまざまな疑問が残っていますけれども、また次のチャンスがありそうですので、そのときに回したいと思います。ぜひ文部科学省、本気で刷新に向けて頑張っていただきたいと思います。
河村委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時九分散会