「イラク特措法案」に反対する数学者の声明この春,米英両国は「大量破壊兵器の存在」や「イラ クの民主化」あるいは「フセイン政権とテロリスト集団 の結びつき」などを口実として,イラクへの軍事侵略を 行い,ひき続きその占領支配を続けています.しかし, このような理由による主権国家への侵略は,明らかに今 あ日の国際法に違反しています.しかも大量破壊兵器は今 日に至るも発見されていません.また,イラクからは, 米英両軍によるイラク民衆に対する殺戮と,劣化ウラン 弾使用などによる取り返しのつかない被害の様子が伝え られています.米英両軍に対するイラク民衆の反発は日 ましに強まり,その即時撤退が望まれています. この米英両国によるイラク侵略に対して,小泉首相は, ブッシュ・ブレアー両政権の主張を鵜呑みにしてイラク が大量破壊兵器を持っていると断言し,ただちに無条件 の支持を表明しました.小泉政権は,この侵略がイラク の民衆の平和な生活を踏みにじることを顧みず,ブッシュ 米政権の覇権主義的軍事政策に卑屈な追従をしたとみな されます.私たちは,この小泉首相・政権の振る舞いに 対して,深い失望と憤りを覚えます. しかも,小泉政権は,この過ちへの反省をしないどころか,自衛隊を米英両軍の イラク占領支配に参加させることを目指して「イラク特措法案」を今国会に上程 し,その成立を図って会期を延長しました.この内容は,武力による威嚇と行使 による国際紛争の解決を放棄している憲法9条にも違反しています.私たちは, このような法案が上程されたことを見過ごすことができず,ここに強い反対の意 を表明します. 小泉政権はまた,この延長国会において,本年11月1 日に期限の切れる「テロ対策特別措置法」の2年間の延 長を図ろうとしています.これは,2001年以来のアフガ ニスタンに対する米軍主導の軍事支配を支えることを目 的としたものであり,私たちはこの法律の延長にも強く 反対します. 以上の考えに基づき、私たちは、小泉政権に対して以 下の3点を要求します: (1) 自衛隊をイラクに派兵するための「イラク特措法案」 を廃案にすること. (2)「テロ対策特別措置法」の延長案を撤回すること. (3) 平和憲法の精神に立ち返り,ブッシュ米政権の覇権主義的軍事政策に対する 追随をやめ,米英両軍によるイラク占領支配の即刻停止を求めること. |