抜粋
序章 教育法の原理と構造
- p3 教育法学という学問は、初めて日本国憲法が国民の権利として、その26条に保障した「教育を受ける権利」を中心とする教育基本権(教育人権)を現実に保障するための法律(広義での)を研究対象とする社会科学である。
- p6 戦後の日本では、特に1953(昭和28)年の池田・ロバートソン会談以降、自民党政権が再び教育を戦前と同じように国家統制しようとする方向に教育政策と行政を推進していった。すなわち、それが教員の政治活動の禁止、教科書検定の強化、教育行政の中央集権体制の再現を目的とするとみられる「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(以下「地教行法」と呼ぶ)の制定、教員の勤務評定、文部大臣名で作成する学習指導要領の告示化、道徳教育の時間特設、全国一斉学力テスト(学テ)の強行、実質的な国定色を濃くした教科書の無償化、教育基本法を無視する「期待される人間像」の公表、神話教育の復活、そして1990年代に入ってからの「第三の教育改革」の提言や臨時教育審議会の答申に基づく教育免許法の改定や大学の改革などに現れた。そうした一方において、いわゆる受験競争が激化し、学校の管理体制が強化され、懲戒や体罰が横行して、それに反抗する児童や生徒の非行や登校拒否が激増するような事態になっていった。
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