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Date: Fri, 27 Apr 2001 18:22:33 +0900
Subject: なぜ結論を急ぐ「法人化問題検討WG」
To: hu-members

                                                      2001年4月27日


              なぜ結論を急ぐ「法人化問題検討WG」


               独立行政法人化問題を考える北大ネットワーク(注1)


 北大の皆さん、国立大学の独法化問題をめぐって全国的に関係者、関係機関の動き
が激しくなっていますが、その特徴は、国立大学内部での議論を尽くすことなく結論
を急ごうとしていることです。

 文部科学省が想定している日程は、来年3月に予定(注2)されている調査検討会
議最終報告に基づく「国立大学法人法案」を同年の通常国会で審議可決し、遅くとも
2004年4月から国立大学法人大学をスタートさせる、というものと推測されます。
この日程どおりに事態を進展させるため、文部科学省はいま、今年の夏から秋ごろに
公表する予定の「中間まとめ」の骨子づくりを進めていると思われます。

 実際、文部科学省は5月の連休明けに、通則法に基づく「中間まとめ」の骨子を出
すといわれていますし、それに歩調を合わせるかのように国大協も5月21日の設置
形態検討特別委員会で「長尾試案」を肉付けした「中間まとめ(案)」を用意し、6
月12日、13日の定期総会で「中間まとめ」を決定する意向のようです。しかし長
尾試案(注3)は、独立行政法人の骨格の中で現在の国立大学の組織形態をできるか
ぎり維持しようというものであるため、国大協が自ら国立大学の独法化を容認するこ
ととなり、独法化を拒否する選択肢を失うことになることが危惧されます。

 文部科学省、国大協の動きと並行して最近、経済産業省の官僚グループが「国立大
学法人法(案)」(注4)をまとめました。これは通則法とは異なり、「タックスペ
イヤー」が直接に「国立大学法人審議会」及び「運営会議」を通して大学を指図する
構造を規定しています。この「法人法(案)」に対する評価の末に、通則法の枠組み
のほうがまだましだという対応が出てくることが懸念されます。
  
 さる3月21日に開催された北大評議会は、以上のような動き、特に国大協の動き
に連動するため、従来の「独立行政法人化に関する検討WG」を廃止して新たに「法
人化問題検討WG」を評議会の下に設置することを決定しました。この決定に従って
直ちに「法人化問題検討WG」(以下、単にWG)が結成され、いま急ピッチで審議
が進められています。WGの構成メンバーとその検討スケジュールは次のとおりです。
  
1.WGメンバー(18人、敬称略)
  
  座 長  (新)副学長  井上 芳郎(医)
  副座長  (新)副学長  藤田 正一(獣医)
  幹 事          中村 研一(法)
  委 員  (新)副学長  徳永 正晴(理)
                瀧川 哲夫(文学研究科長)
                畠山 武道(法学研究科長)
                長田 義仁(理学研究科長)
                佐伯 浩 (工学研究科長)
                太田原高昭(農学研究科長)
               加藤 紘之(医学部付属病院長)
                下澤 楯夫(電子科学研究所長)
                逸見 勝亮(教育)
                宮脇 淳 (法)
                常本 照樹(法)
                内田 和男(経)
                吉田 重光(歯)
                岸浪 建史(工)
                若松 澄夫(事務局長)
  
2.日 程
  
   第1回   2001年3月28日(水)(議事要録公表済)
   第2回      4月6日(金)(議事要録公表済)
   第3回       4月11日(水)(議事要録公表済)
   第4回           4月18日(水)
   第5回            4月25日(水)(ここまで終了)
   第6回            5月2日(水)
   第7回       5月9日(水)
 
 すでに第5回会議まで終了していて、残るは2回です。このような短期間の検討で、
北大全構成員の行く末を左右する重大事について、慎重かつ十分な審議を積み重ねる
ことが可能とは到底、思えません。しかも、すでに公開された議事要録(注5)を見
るかぎり、一部の委員を除いて独法化は既定とする立場の発言が多いようです。さき
の学長選挙でもあらためて明確になったように、学内世論のすう勢は独法化そのもの
を危惧していますが(注6注7)、WGの議論はそのような世論を反映した内容に
はなっていないといえます。

 WGの議論の行方は北大の将来だけでなく国立大学全体の将来を左右することにも
なりかねません。そのため、WGの議論とその結果の取り扱いは非常に重要です。北
大ネットワ−クは公開されているWGの議事要録・資料などを順次オンライン化(注
5)して全学の皆さんに情報を提供します。また、国立大学全体の未来への具体的展
望なしに、国大協が検討中の法人化案を容認することは昨年6月6日の北大部局長会
議における総長見解(注8)に反するものであることを指摘し、全学的な徹底的討議
を呼びかけます。そして、国大協総会前に、学生・院生・職員・技官・非常勤職員を
含む全北大構成員の意思を問う具体的な方法−−全学投票ないしアンケート等−−を
講じることを次期総長に要望する電子署名運動を行うことを検討しております。
  
  
(注1)北大ネットワーク発足のあいさつ(2000.1.7)

(注2)国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議日程(案)

(注3)長尾試案

(注4)経済産業省の官僚グループが「国立大学法人法(案)」

(注5)法人化問題検討WG配付資料等

(注6)学長選挙アンケート結果

(注7)北大での独立行政法人化問題電子アンケート 2000.2-3

(注8)「独立行政法人化問題に対する本学の対応について」(2000.6.6)