独法化講義に対する学生の感想
2003.1.14(講義実施)
新潟大学 全学共通科目 実施者 渡辺勇一(理学部)
平和の授業でこんな話が聞けるとは思わなかった。「大学の法人化」の問題は今日はじめて知ったが、こんな大事な問題を何故今まで知らなかったのか、自分は何をしていたのかと思った。この機会を活かして、これからしっかり調べて自分の意見を持てるようになりたい。
大学の独法化について自分で考えたことはほとんどなかった。しかし自分に関係があり、よく考えなければならないと思った。
なぜ独法化されなければならないのか、国の説明は十分納得できるもんではなく、国の独断で決められてしまっていると思った。地方大学が衰退していうく可能性が高いと思った
私は、専門研究で、教育の法的分析を行っているので、よくこの国立大学独立行政法人化の問題を取り扱うことがあります。昨今の国の財政の政策は、どんどん弱者・庶民階級から金を巻き上げる流れになっており、社会福祉分野と「文教」をどんどんと削減しているのは誰もが気づいているところですが、実際の国の文教政策は、大学間の競争の名目のうちにどんどん研究費を削減したり(独法問題)究極的には、国立・公立・私立を問わず、恣意的なランク付けをし、トップ30の大学だけに配分を行う(トップ30構想)等、どんどん「人を創る」という目的から、経済の面だけで教育を行おうという、どの時代、どの国々の政策にも劣る向きにあると思います。有史以来の「人を創らない」教育を進めている国家に大変な恐怖を禁じ得ません。
今日の授業はとてもオモシロカッタ。独法化についてほとんど無知にちかく、改革はした方が良いと思っていたので、独法に賛成していた。しかし今は反対だ。明らかに良くない。政府やメディアにだまされていた気分である。とても明解な授業だった。インターネットで調べてみようと思った。
独法化すると、国立大学の先生方は、国家公務員ではなくなるわけですが、そうなると今まで保障されていた給料が支払われずに、学生からの授業料等による収入のみで自分達の給料が支払われるわけで、そうなると給料が減る先生方もでてくると思います。今までの講義をきいていると、大学が操作されやすくなるとかの理由を列挙しておられますが、実際のところ、先生方は「自分達の給料が減るために」というのが一番の理由で、独法化反対と言っているのではないかと私は考えています。実際のところ、先生方はどの様に考えていますか?
コメント(公務員でなくなるからすぐ国の金がでなくなることはない。教員は金よりも、自由に研究教育できることを第一としている人が多いように思う。組合でも賃上げ要求のアンケートは余り回収率が良くない事実がある。
一番つらくなるのはやっぱり家計でしょう! 私達留学生にはもっとアルバイトしなければならなくなるでしょう。今でもバイトと勉強重なりながら、頑張っている留学生決して少なくない。留学っていうのは、やっぱり外国の文化を味わいながら、知識を集中するでしょう。バイトし過ぎると勉強する時間も減らなければならなくなる一方、そのような結果になってしまえば、日本にきて留学する意味も薄くなるのじゃないかと思います。そして、学校の研究費用も減ってしまうので、教育レベルはどうなるでしょう。国立大学を民営化するのは、本当にいいことなのか、とても疑問をもっています。先生はどう思いますか?
最後の方のビデオの所で、独法化したら大学は存続するか、授業料は上がるかという質問を全国の大学の学長に質問して集計したものがでていたが、回答の中に「解らない・無回答」の学長がいることに憤りを感じました。
極論であるかもしれないが、独法化した場合、その大学の評価を挙げるために学生が勉強するような感じになるのではないか? すごい行きすぎた考えで、自分が言いたいことをうまく言えてないが、自分としては大学のために勉強するのではなくて、自分のために勉強したい。そんなのは個人の気持ち次第であるが、結果として「大学のため」になってしまうのはイヤだ。地域に密着した研究をやれば、財源にもなるというようなことを言っていたが、確実性はあるのか? 現代は確実性がより大切なのだと思う。
独法化について、今日のように授業まるまる使った深く議論してもらい非常に興味深かった。相反する意見をしっかりと持った者同士のディベートのビデオもおもしろく、自分の考えに役立った。
熱心な授業で、とても胸が打たれました。ただもし仮に独法化しなかったとしても、いまの新潟大学がこのままでいいのかどうか疑問です。できることなら、独法化と関係ないところで、大学改革の議論をしたいものです。
なぜ独法化をする必要があるのか? 今まで全て国に守られ、意識が薄く自主性が足りないと言われる国立大学であるが、独法化をすすめることによって本当に自由に経営していくことができるのだろうか。大学をうまく経営することばかり考え、教育の質とか実際どうなるんだろうと思う。国立大にカツを入れるという意味では、有益であろうが、それが本当に学校や学生のために働くかどうかということに関してはもって詳しい実例が必要になると思う。
私は大学の独法化について昨年の4月に知りました。なぜなら、寮に入ったときに、早速先輩から「3年後には、寮がなくなるかもよ」と言われたからです。私達寮生は、お金がないから安い寮に住んで学びたいがために、大学に通っているのに。そのうえ、授業料も上がるとききます。貧乏人は学校に通うな!と言っているようなものです。私達のことを考えてくれてるのでしょうか。大学には色んな人がいます。授業料を全部自分で払っている子も何人か知っています。そこまでして学ぶために努力して学校に行こうとるす子を踏みにじる ”法人化”に私は憤りを感じます。
私は家族が多いため大学へ進学する条件として、授業料は出すが、仕送りはしないというのがあった。そのため今は奨学金とアルバイトで生活を切り盛りしている。そのため、お金、親のありがたさは身にしみている。独法化によって授業料が上がるのには、すごく不満だ。各大学が生き残りをかけて独自の工夫をするのは素晴らしい事だと思う。しかし、経済的余裕が無い人でないと大学進学は望めないというのではないか。自分が何がしたいかを考えるのに高校三年間の他に4年間もうけてもいいと思う。自分をみつめ、人間的な成長のためにも、大学進学率を下げる必要があるのか。親がエリートで経済的不安を感じたことのない官僚達による改革の気がしてならない。
なぜ国立大学が独法化しなければならないのか、という理由については良く分った。表面的な理由ではあっても、文科省の言いたいことには理解できる部分がある。独法化されることで、政府の方針に左右されるのではないか、という大学側の危機感も分る。 そういうことが現在推し進められているのであるが、私には正直なところ、あまりピンと来ない。というのは、学生にとって授業料以外のことでのメリット(国立大学であることと、独法化されてからの事での違い(が充分には分からないからである。もしかしたら、デメリットの方が多いかも知れないが、一報で大学を法人化することで、大学が学生側のニーズをきちんと組み上げてくれるのではないかという思いもある。そういう意味で、学生にとってどちらが良いのかということは、まだ議論の余地のあるところだと思う。
国立大学の独法化について論議をしているビデオを見たが、鳥取県知事と文部科学省大臣の話では、知事が文科省の痛いところをついた様な印象を受けた。独法化については、あまり関心を持って居なかったのだが、今日の講義を受けて自分の身(学生という立場)にせまる、大変重要な問題なのだということが分かった。
独法化によって我々の所属する国立大学が危機を迎えていることにいまいち現実のものとして捉えて居なかった私は衝撃を受けた。どうせ狼のやっていることで、我々がいくら騒いでも無駄だろうと思っていたが、デメリットだけが明白で、メリットはぼんやりとしか見えてこないこの改革に私も疑問を感じる。
一番学生が危ないんじゃ!?。
授業料が上がるとお金がないから、国立に来ている人も居るだろうに...
この法によってメリットを受ける人よりデメリットをこうむる人の方が多いのでは?
メリットって何だろう? 出てくるデメリットに対する対策は?今回大学の独法化にういての講義を聞いて、今までの「平和ー」の講義の中で一番怖く感じました。身近すぎる!! 大学の存在の問題も脅威は脅威であるが、・・・・授業料。このまま無事卒業できるのか心配になった。大学の講義でこんなにも脅威をうけたのははじめてだった。
大学の独法化において達成度を評価することだが、目標の設定が難しくなると思う。大学全体の評価とは何か? 研究成果を評価するということだろうか。だとすると学生としての目標設定はどうなるのだろうか?これは言い成績をとるとか、有名企業に就職するとかそういった事だろうか。もしそうだとしたら、自分がこの4年間で何がやりたいのか、どういったものを学びたいのかというものも制限されないだろうか。高等教育といったサービスを提供する大学では顧客である学生をどう扱うかということが一番重要なのではないだろうか。
独法化については本当に簡単にしか知らなかったが、正直、国立大も競争にされされ、私立のように、その学校ごとの特色を出していかなければならなくなり、相乗効果として、発展してゆくので良いのではないかと思っていた。現に少し前に国立大学の研究内容について、国によって評価された個数(?)が新聞にあっったが、新大はゼロであり、何か意味もなくがっかりした記憶がある。しかし今回の話を聞き、幼い考え方ではあるが、考え方がまったく変わってしまった。むしろ何か大きな危機感が芽生えた。この授業は平和に突いて考えるであるから、そう思えたのかもしれないが、戦時下の日本において国が教育に力を入れたのと同様に、国や中央大学がつくった枠以外を排除していくかの様にみえる。まだまだこの制度についてのメリット・デメリットはたくさんあるのだろうが、今回は単純に危機感を感じた。
目標自体は自由に決めることができるのか? どんな目標でもいいのか。目標自体を制限されてしまえば、間違いなく政府のいいように大学は動かされるのではないか。独法化のいい面は、この授業を聞いた限り全く解らなかった。確かに質の高い大学がより高い国家援助を受けるのは、正当なように思う。しかし目標達成率を評価するしくみ、基準も決まっていない状態で、市場原理を導入するのは時期尚早ではないかと思う。
大学へのお金がかかるようになれば大学へ行く人が少なくなり、学問を人々の間に広めることができなくなる事態も考えられる。また経済的に余裕があり、入学することができたとしても、目標をたて、その達成率を評価して結果に応じてお金を出したり、大学同士で企業がやっているのと同じように競争させる 「切磋琢磨ではななく、人をけ落とす市場原理」まさにそのものだと思う。ギスギスした中では学問は学べず、発展しないと思う。
<先生へ>お話とても感銘いたしました。短い時間の中であれだけのことを私達学生に教えてくださってありがとうございました。今まで何となく法人化に対して悪い印象を持っているに過ぎなかったのですが、法人化の影響に直接関わる者として、危機感を抱くようになりました。
次は勇気を持って、意志表示することですね。がんばらなくては。
目標を立てるのは良いことであると思うし、大学の独自性が高まるのはいいが、「達成率」というのはどのようにして判断するのだろうか。学術関係においてどのように基準をつけられるか。
今回の講義を聞いて、独法化について知っていることが少ないと思った。しっかりとした意見を持つためにも、インターネットで後々調べようと思った。
独法化するそもそもの原因は、やはり国の財政難? 一限かけて独法化について聞いてきたけど、大学の自由を奪って、日本の経済を発展させるのは、非常に難しいと思う。
大学が社会の枠におさまってしまうことによりデメリットはないか。
(注)(講義では大学が社会の枠内からはみ出る必要性を強調した)
科研費の支給額がこれだけ大きく異なるという事をはじめて知った。スタートから平等な環境が用意されていないのに、中央の大学も地方の大学も同じ土俵で競い合えというのは大きな矛盾を感じる。
今の態勢が壊れたら日本の進路の基本的形が大幅に変わってしまう気がします。金銭的問題が大学の進学率も低下させると思います。不況でどの家も決して裕福ではないだろうに、金の負担が増えたら、自らの意志で進学を断念する子供も少なくないでしょう。そして「競争の概念」について、各国立大に割り当てられている*お金の差に驚きました。大学には、それぞれの個性(研究分野など)があり、比較し差を付けることは出来ないはずです。大学は興味有る分野を開拓、研究し深めてゆく場であるから、市場の原理や偏差値を用いるべき場所ではないと考えています。絶対に反対です。
注)*科研費の支給額だが、説明不足の点があったかも知れない。
大学の独法化について、今までよくわからなかったのだが、今日の講義を聞いて、大まかには理解することができた。様々な知識を得るに従って日本のトップの適当さや、自分達の都合主義が見えてきた。
今日の講義を聞いて、もっと大学の独法化について知らなければならないと思った。学生に関係してくることなので,自分には関係ない事だとは思わずにしっかり考えていきたい。
大学が独法化すると、企業論理優先になってしまうのでは? と最初に思っていたのだが、まずは根本的な部分を忘れていた。まずは「なぜやるの?」という部分だ。講義を聞いていると、最初にこの企画をたちあげた時にかかげていたものと,現状はとても大きくかけはなれているというか、むしろ逆に進んでいることが解った。
誰のための大学なのか? 誰のための改革なのか?そのことをもう一度考えなくてはいけないと強く感じた。
大学にいながら大学の独立行政法人化の問題をあまり知らなかった。この授業を受けて独法化を少しは解ったが、進むスピードが早くて理解できない部分があったので、大学にいるのだからもう少し調べて考えて見ようと思いました。
大学の独法化については、テレビ、雑誌などでだいたいのことは知っていたつもりでした。しかし今回の講義で、自分は何も知らないこと、考えていなかったことを思い知りました。内容が難しくて、よく理解できなかったのですが、先生の言いたいことはだいたいわかったつもりです。
今日新しい情報があまりにも多く入ってきたので、頭が混乱しています。今日の講義だけでは「独法化」に対して賛成か、反対かはまだ言えませんが、とても興味深い内容なので、もっと知りたいと思います。
先生に、法人化に関する疑問を上げて下さいと言われた時に、何も思いつかなかった自分をとても情けなく感じた。大学は私達学生がいるから成り立っているものなのに、その学生が何にも法人化に関心を持たず、周りだけがどんどん動いていっているのは、危険なことだと思った。学生側が経済的に大変になるのはやはり避けたいので、私は反対の方だ。でも学力の意識が低下しているのは事実なので、反対するならそれなりに(勉強の点で)頑張らなければならないと思う。
国立大学の独法化によって、金銭面で最も変化が生じると思う(悪い意味で)。しかし国からのお金を獲得するために、多くの国立大学がいろいろな努力をするということにより、ほとんど横並びだった大学の個性が出てくると言うメリットが生ずる可能性があると思う。
しかし、今までの国立大学に入ってくる動機として、授業料が安いという事もあるので、授業料の値上げを行うことは、それに価するような大学の魅力を出さなければいけないと思う。そして、大学の競争による研究の質の向上につながるのではないだろうか。また競争によって大学の数が減り、大学を卒業すれば何とかなるというような考えがなくなって欲しいとも思う。
以前別の先生の授業中に取り上げられていたので、とても興味があり今日の講義は満足のいくものだった。独法化審議会*は形だけのものであるとわたっって、やはりかという思いがわいた。自ら調べてみようと思う。メインレポートにこれを取り上げたい。 注)*中央省庁等改革推進顧問会議のこと
独法により、何が変わり、どう私達に影響があるのか以前はよくお金が回らなくなったり、地方の大学で淘汰されてしまうところもでてくるなると、その弊害は大きく、得るものは小さいのではないかと思う。私は反対です。
●ディベート(BS1)に印象を受けた感想
独法化の本当の意味がわかった。正直いって、授業料が高くなるかもしれないというくらいしかわかっていなかった。ビデオを見て、一橋大学と鹿児島大学の学長が全く違う意見を述べて出してくれるだろうということを言っていたが、それは甘いと思う。本当に地方自治体の財政をわかっているのか、疑問に思う。
ディベートはとても印象的でした。一橋大の学長は極めて主観的な意見をしているように三重、残念でした。私も文系なので、理系の研究については、よくわからないけど、精通していない人ばかりを集め、独法化に都合のいいように社会を動かしているように思えます。
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