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政府と大手メディアによる、未必の故意による殺人


未必の故意「実害の発生を積極的に希望ないしは意図するものではないが、自分の行為により結果として実害が発生してもかまわないという行為者の心理状態。」(新辞林)
自衛隊延長が本日閣議決定するという。メディアもそれを支持している。しかし、世論の2/3は反対している。なぜならば、近い将来、自衛隊員に犠牲者が出ることはほぼ確実と皆予測しているからである。

イラク戦争がベトナム化し、NGO の人々までイラクで敵意を感じるようになり、香田さんが日本人というだけで殺され、自衛隊基地にロケット弾が打ちこまれ、イラクのレジスタンス指導者の一人が明確に自衛隊を占領軍の一部と認識して撤退を要求している状況をみれば、このまま自衛隊がイラクに留まれば、自衛隊員の犠牲者が出ることは不可避と日本人のほぼ全員が予感しているに違いない。もちろん、政府も自民党も大手メディアも、詳しい情報を知っている以上、その事態の到来を予測しているはずである。そういう認識の上でイラク派遣延長を決めることは未必の故意による殺人行為と何も違わない。

これは戦前に日本を支配していた「国益のために国民の犠牲はやむをえない」という精神が公式に復活することを意味する。国民の命を守ることが国益の原点であるーーそれが15年戦争後の日本の国是である。自分の国民の命ですら粗末にするような国は、他の国の人々の命など何とも思わないことは誰でもわかることであり、そのような国が国際的に信用されるはずはない。

まだ遅くはない。自民党、公明党の中で良識か良心のある議員の方々は、自衛隊派遣延長を再検討して未必の故意による自衛隊員殺害にストップをかけてほしい。それによって、日本の国益と国際的信用を守っていただきた。


posted on 2004-12-09 by admin - Category: iik