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Subject: [kd 03-02-02] 2月20日までに各大学で法案概要を検討/2・1 集会宣言

国公立大学通信 2003.02.02

--[kd 03-02-02 目次]---------------------------------------------------
[1] 2003-01-30 国立大学協会会長から国立大学協会会員代表者への通知
[2] 2003-02-01 集会宣言
[3] 2003-02-08 緊急シンポジウム「横浜市大の将来を考える」
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各位

  4国立大学長の「学長会議開催」要請[kd 03-01-30-1]に対し、長尾会長は
「法案の閣議決定までの間において臨時総会は開催しない」ことを1/30に各国
立大学長に通知しました[1]。

  それによると、今後の日程は、1月31日の国大協法人化特別委員会で文部科
学省が説明する「法案概要」について「法制化対応グループ」がレポートを作
成し、各大学に送付して意見を求め、それを参考に2月20日の国大協法人化特
別委員会で見解を取りまとめ、これを基に、2月24日に国大協理事会で国大協
としての見解をまとめるそうです。

  各国立大学長は、2月10日に文部科学省が召集する国立大学長会議で文部科
学省から法案概要について直接説明を受け質疑する機会があり、それも参考に
して、2月20日までに各大学が意見をまとめることを、国大協幹部は想定して
います。

  年度末の多忙な時期ですが、各大学で全学的に法案概要の議論を展開してほ
しいと思います。

  なお、「法案概要」を文書で提示することを、国大協は求めるべきです。口
頭説明の記録では、出席者ごとのバージョンが出きてしまい、議論の足場とし
て不十分です。文書提示がないのならば、2月10日の国立大学長会議の議事録
のテープ起しをし、全国立大学構成員に配布するよう交渉してほしいと思いま
す。


  また、4大学長要請への会長の回答は、理事会で「書面審議」をし、

    「1名の理事からは、早い時期に臨時総会を開催すべきだとのご意見があ
    りましたが、大部分の理事からは提案にご賛同をいただきました」

と報告されています。しかし、賛同数が無記載なのは無回答の理事も多かった
ためと推測されます。急な「3日間」の書面審議では、不在の委員も居るはず
ですので、回答者と賛成者数を公開しなければ、審議過程の正当性が問われま
す。

			    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆


  昨日、国立大学の独立行政法人化政策の中止に向けての決起集会が東京で開
かれ、集会宣言[2]が採択されました。参加者からの速報によれば、公立大学
も含む36大学から、学生も含む参加者数136名が参加。東京大学社会科学
研究所の田端博邦教授が,法案「概要」について包括的に詳しく分析し、その
中で、フランスの同僚に独法化が教育基本法と矛盾すると指摘され問題の重大
性に気付いたと述べられたことが印象的であったそうで、その後、会場からの
発言も,教基法10条(*)との関連性の議論に集中したとのことです。長時間
の議論の末,種々の行動提起があり、恒常的な運動組織「『国立大学法人法案』
に反対する大学教職員交流連絡会」の結成が合意されたそうです。

(*) (http://www003.upp.so-net.ne.jp/znet/znet/docs/igasaki021227.html)
 教育基本法第10条(教育行政)
「教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って
行われるぺきものである。
(2) 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の
整備確立を目標として行われなければならない。」


			    ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

  横浜市立大学で進んでいる「廃校も辞さぬ大学改革」への疑義を唱えるシン
ポジウムが2月8日に開催されます[3]。「教員は商品だ.商品が運営に口だし
て,商品の一部を運営のために時間を割くことは果たして教員のため,大学の
ためになるのか.」[3-1] という発言は「国立大学法人」が実現したならば、
その役員会や経営協議会でも日常的に聞かれる言葉となるのでしょう。

                                                             (編集人)
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[1] 2003-01-30 国立大学協会会長から国立大学協会会員代表者への通知
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030202kokudaikyotaiou.html
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                                    国大協第21号
                                    平成15年1月30日

国立大学協会会員代表者 殿

                                    国立大学協会
                                    会長 長尾 真

    
国立大学法人化の法制化作業等に関する今後の本協会の対応について(連絡)

    
 このことに関連して、(別紙1)のとおり、本協会の臨時総会の開催要請が
ありました。その必要性の有無については、昨年秋の総会で、今後の状況を見
極めながら理事会と相談しつつ判断する旨を申し上げましたが、緊急の要請で
もあり、理事会を開く時間的余裕がありませんでしたので、書面審議をお願い
いたしました。理事会へのご提案とその理由等は(別紙2)のとおりです。

 その結果、1名の理事からは、早い時期に臨時総会を開催すべきだとのご意
見がありましたが、大部分の理事からは提案にご賛同をいただきましたので、
閣議決定の前においては臨時総会は開催しないこととしました。

 なお、早い時期に臨時総会が必要との一理事からのご意見については、2月
24 日開催予定の理事会で再度相談することとしております。

 おって、法人化に関しては、法人化特別委員会を中心として、法人化本来の
趣旨の実現に向け更に活動を続けていくこととしておりますが、今後の活動な
どに関し、ご意見ご希望などがありましたら、本協会事務局宛に積極的にお寄
せいただきたく、よろしくお願いいたします。


(別紙1) #(略 [kd 03-01-30-1 ]参照)
    
(別紙2)

理事会への提案とその理由等
【対応提案】

(別添1)により国大協としての対応を進めることとし、法案の閣議決定まで
の間において臨時総会は開催しない。

【法制化作業に関するその後の状況と対応提案の理由説明】

1. 本協会では、国立大学法人化の法制作業が、その方向によっては法人化の
成否を左右するものであるとの認識に立って、昨年秋の各地区学長会議での議
論を経て、11月5日の法人化特別委員会で「国立大学の法人化に関する法制的
検討上の重要論点」(別添2)を取りまとめて文部科学省に提示し、法制化作業
に当たって、その趣旨の実現等に積極的に対応するよう要請してきました。こ
のことは、昨年11月の総会でご報告いたしました。

2. また、文部科学省における法案作成作業は、ご案内のとおり、あらゆる方
面との調整や法技術的な諸問題を克服しつつ進められる非公開の作業ではあり
ますが、法人化特別委員会の法制化対応グループでは、法学の研究者として文
部科学省と率直な意見交換を重ね、「最終報告」が描く国立大学法人像に沿っ
て立案されるよう、アドバイスと一面では牽制、監視機能も果たしてきました。

3. これらの過程等を通じて、法案作成作業の日程的な流れから、1月の末には
「法案概要」の説明を受けることが可能と判断し、31日に特別委員会を開催し
て文部科学省から説明を受けることとしました。その際には、法制化対応グルー
プが作成する「法案概要」に対する評価をまとめたレポートを参考としつつ検
討し、これらの資料を直ちに各大学に送付して、意見を求めることを予定しま
した。(別添1参照)

4. 文部科学省では、2月10日に国立大学長会議を開催し、1月31日に法人化特
別委員会で説明する「法案概要」について、各学長に直接説明するとの情報を
得ました。したがって、その場でいろいろとご質問をしていただき、作成中の
法案について十分ご理解をいただいた上で、ご意見がある場合には法人化特別
委員会に寄せていただくことがよいと考えます。

5. 今後の国大協としての対応はこれを前提に、次にように予定しました。

 2月20日に既に予定していた法人化特別委員会では、文部科学省の説明を受
けた後の各大学からのご意見もふまえ、「法案概要」について特別委員会とし
ての見解を取りまとめることにしました。これを基に、2月24日には、定例理
事会を前倒して開催し、国大協としての見解をまとめることを想定しました。

6. 本協会としては、昨年4月19日の臨時総会において、既に『「最終報告」の
制度設計に沿って法人化の準備に入る』ことを決議しており、したがって、そ
の後に我々に与えられている宿題は、法制化作業の内容が「最終報告」に沿っ
て立案されているかどうかを点検チェックし、評価することです。このことは、
国大協として取りまとめた上記「法制的検討中の重要論点」と照合しつつ冷静
な点検が必要であり、論点も明確でないままいきなり総会での議論を展開して
も、国大協としての見解を取りまとめることは難しいでしょう。したがって、
各大学からのご意見を踏まえ、法人化特別委員会において、専門的な意見を参
考にしつつ、議論を重ね、理事会において国大協としての対応を判断していた
だく(別添1)の対応が、この際の選択肢と考えます。

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[1-1] 「国立大学法人法(仮称)」閣議決定までの対応
(首都圏ネットによる抜粋)

1月16日(木) 法制化対応G文科省打合せ

    ・法案に関する具体的意見交換
    ・1/31法人化特委に提出するレポート作成打合せ

1月24日(金) 法制化対応G文科省打合せ

    ・法案に関する具体的意見交換
    レポート作成打ち合わせ

1月31日(金) 第11回法人化特委

    ・「法案概要」について、法制化対応G作成のレポートを参考に検討
    ・検討結果を各大学に長し、事前の共通情報とするとともに、各大学の意
    見を求めることの了解を取る

2月10日(月) 文科省主催国立大学長会議

2月20日(木) 第12回法人化特委

    ・各大学からの意見を含め、文科省説明のあった「法案概要」に対する国
    大協としての対応協議
    
    ・前回検討のレポートを(修正し)法人化特委として了承することを検討

2月24日(月) 理事会

  ・3月初旬の理事会を繰り上げ、定例理事会の議題処理
  ・法人化特委で了承したレポートについて国大協として了承することを検討

2月末 国立大学法人法(仮称)案 閣議決定(目途)
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[2] 2003-02-01 集会宣言:「国立大学法人法案」阻止のため、すべての大学教
職員・院生・学生諸君が起ち上がることを訴える
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030201syukaisengen.htm
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「政府が今国会へ提出しようとしている「国立大学法人法案」は、文部科学省
が「提出予定法律案について」で明言しているように、「国立大学及び大学共
同利用機関を独立行政法人化するため」のものである。「国立大学法人化は通
則法に基づく独立行政法人化とは異なる」と、国大協執行部が文科省とともに
強弁してきたことは、今や全くの幻想となった。にもかかわらず国大協会長は
「閣議決定の前においては臨時総会は開催しない」(1月30日)として、国大
協最高決定機関での議論・意思決定を回避している。

 現段階で法案は公表されていないが、独法制度の本質と「国立大学法人法案
の概要(骨子素案)」から分析するならば、同法が国立大学だけでなく公立、私
立大学を含めた大学全体を政府の直接支配下に置き、日本社会に深刻な打撃を
将来に至るまで与え続けることは明白である。また、国立高等専門学校は文字
通り独法化される。国立大学法人法・高専独法化法案を断固として阻止するこ
とは、大学構成員、なかんずく教職員の歴史的責務であるといわなければなら
ない。

 政府は2月末にも同法案を閣議決定し、直ちに通常国会提出、5月連休前に
も強行成立させようとしている。事態は切迫しており、行動は緊急を要する。

 今日、「国立大学の独法化・再編統合に反対する交流討論・決起集会」に参
加した私たちは、集会の名において、「国立大学法人法案」の閣議決定と国会
提出に強く反対する意志をあらためて表明する。そして、当面、2月末法案閣
議決定阻止に向けて、すべての大学・高専の教職員・院生・学生諸君が以下の
行動に起ち上がることを呼びかける。

1.2月10日学長会議、2月20日国大協法人化特別委員会、2月24日国大協理事
会において、大学の意志として「法案」拒否の態度を表明するよう、各大学教
職員組合を先頭に、教授会、評議会、学長への要請行動・交渉を展開しよう。
また、24日国大協理事会を臨時総会に変えるために国大協会則にもとづく手続
きを行うよう学長に働きかけよう。

2.各大学において、教員有志の「法案」反対アピールやその賛同署名など、
「法案」反対の世論を喚起するとりくみをいっそう強化しよう。さらに、「大
学改革を考える会」が1月28日に出したアピールへの賛同署名を全国規模で推
進しよう。

3.2月20日を第1波の共同行動日として、「法案」の閣議決定阻止・国会提
出阻止のための様々な行動を大学外の諸団体とも連係して全国各地で展開しよ
う。首都圏においては、国大協法人化特別委員会への要請行動を組織しよう。

4.2月最終週は極めて重要な1週間となる。すなわち、24日は国大協理事会
であり、25日、28日は定例閣議が開催される。これらに対する中央行動につい
て直ちに準備を開始しよう。
 

2003年2月1日
「国立大学法人法案」に反対する『2.1国立大学の独法化・再編統合に反対
する交流討論・決起集会』参加者一同
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[3] 2003-02-08 緊急シンポジウム「横浜市大の将来を考える」
http://www2.big.or.jp/~yabuki/doc03/sympo28.pdf
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「 先頃の「市大の在り方懇談会」において,座長の橋爪氏から「市大の廃校
ないし縮小」を提案する私案が提出されました.これは,市大が多くの有為な
人材を輩出して来てきたことなどにはまったく目をくれず,お金勘定のみで結
論を出しているものです.私たち市大に誇りと愛情を持つ者にとって,まった
く受け入れることが出来ません

 下記の要領で市大の将来を考えるシンポジウムを開きます.卒業生・在校生・
 市民の皆様のご参加をお待ちします.

 期日:2月8日(土)午後3時ー6時
 場所:横浜市大瀬戸キャンパス大会議室
 内容:報告「今の市大の状況について」  商学部教授松井道昭

 シンポジウム:「市大の将来に期待する」
 パネリスト:
    三宅陸郎(S.32年卒数学専攻)
    阿部貞夫(S.37年卒法律専攻)
    竹田正明(S.37年卒英文専攻)
    遠藤紀明(S.50年卒独文専攻)
    村瀬弘明(S40年卒国文専攻)
    田勇介(商学部学生)

主催:市大を考える市民の会連絡先:
    横浜市立大学商学部松井道昭(電話)045-787-2131」
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[3-1] http://www2.big.or.jp/~yabuki/doc03/sato0128.htm
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