通信ログ
国公立大学通信 2003.03.17(土)

--目次------------------------------------------------------------
[1] 衆議院文部科学委員会で国立大学法人法案を可決
[2] 法人化反対連絡会ニュース
[3] 山口二郎「言論人の気概」2003/05/16 Fri
[4] NHKニュース速報:国立大 独自に研究資金確保へ
[5] 共同通信5/16「国立大法人化法案、成立の見通し 教職員12万人非公務員に」
[6] 東職声明「国立大学法人制度運用等に関する要請」(補足)
[7] 愛知教育大学教職員から文部科学委員各位への要望書 5/16
[8] 愛知教育大学教職組から愛知教育大学長への意見書 5/12
[9] 平和と民主主義のための研究団体連絡会議 幹事団体会議 声明
[10] 京大職組病院支部支部長「国立大学等の法人化に関する緊急申し入れ」5/14
[11] 山口二郎「民主党の政権担当能力とは 」2003.5.15 
[12] 永井 實「至急具申」2003.5.15
[13] 山内惠子議員と近藤義臣教授の往復書簡
  [13-1] 山内議員から近藤教授へ5/15
  [13-2] 近藤教授から山内議員へ5/16
[14] (kd 03-05-09)[5]「Tenure について」へのコメント紹介
[15] おたより紹介「グチ」#(地方国立大学の現状)
[16] 憲法研究者有志92名:5.14.有事法案に関する緊急声明
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各位

衆議院文部科学委員会で国立大学法人法案等が一括して可決されました。これ
までの審議経過を追う者は、国会がほとんど機能していないこと、ほどんど行
政の附属物に退化してしまっている現状を実体験できたと思います。また、こ
の法案の「修正案」を安易に出して法案を無修正で可決されることを助長した
民主党には野党第一党としての使命を果す能力がないこと[11]も日本の現状の
悲惨さを増しています。こういった構造的疾患は、おそらく、国立大学法人法
案、有事法案、個人情報保護法案等が可決されることより、もっと、深刻な問
題のようにも思います。

共同通信の記事[5]に「文科省に設置する第三者機関「国立大法人評価委員会」
が目標の達成度など、業績評価を実施し、その結果は国の交付金配分に反映さ
せる。」とありました。「文科省に設置する第三者機関」は「丸い三角」とい
うのと同じですから、上の空で記事を書いているとしか思えません。あるいは
国語能力の低下を懸念すべきかも知れません。また、NHKのニュース[4]は
「独立法人」という言葉をあいかわらず使い、政府の「サブリミナル情報操作」
を、知ってか知らずでかはわかりませんが、サポートしています。

日本の政治風土のあまりの荒廃に、無力感そして無関心がさらに広がることを
懸念しつつ、山口二郎教授が「しかし、学者、ジャーナリストなど、言論を仕
事とするものは、ここで諦めてはならない。」と警告されていることは重要と
思います。こういった荒廃に対し大学セクタは大きな責任があります。知的好
奇心と自己の業績以外には何も関心を持とうとしないアカデミックアニマル
(編集人も例外ではありませんが)状態から、アカデミックヒューマンに進化
することが、大学セクタの社会的貢献の第一歩ではないかと痛感しましたが、
国立大学法人化はアカデミックアニマルをアカデミックビーストに退化させる
危険もあり前途多難です。国立大学法人法案に反対されている山内議員[13-1] 
の国立大学批判重いものを感じました。

憲法研究者有志92名が、有事法案について専門的立場から問題点を指摘して
います[16]が、41名の国立大学教員が参加していることは意義が大きいと思
います。有事法案や個人情報保護法案などの重要法案について、「学セクタの
全体投票」で賛否を問うことを習慣化できれば、三権分立の行政独裁への退化
とメディアの退化による現状の危険性をわずかでも緩和できるかも知れません。

地方国立大学のインフラの惨状を伝えるお便り[15]がありました。COEに熱
中している大手大学の方々は、COEの財源がどこからでているかを認識して
おく必要があります。
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[1] 衆議院文部科学委員会で国立大学法人法案を可決
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採決映像(Real Player, Broad band):
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=06:53:06.8
藤村修(民主党 ・ 無所属クラブ)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=00:09:16.2
鳩山由紀夫(民主党 ・ 無所属クラブ)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=00:15:29.1
松原仁(民主党 ・ 無所属クラブ)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=01:54:19.8
山元勉(民主党 ・ 無所属クラブ)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=02:26:43.5
佐藤公治(自由党)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=04:33:41.8
児玉健次(日本共産党)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=05:14:23.2
中西績介(社会民主党 ・ 市民連合)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=05:56:05.0
鈴木恒夫(自由民主党)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=06:38:28.8
牧野聖修(民主党 ・ 無所属クラブ)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=06:42:00.0
石井郁子(日本共産党)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=06:45:18.6
山内恵子(社会民主党 ・ 市民連合)
http://www.shugiintv.go.jp/rm.ram?deli_id=20675&media_type=rb&time=06:48:48.8
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[2] 法人化反対連絡会ニュース

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【5月16日文科委員会】

■ 野党の追及にまともな答弁せず

 本日の委員会では、民主(3名)、自由、共産、社民が質疑を行いました。

 前回14日の委員会に引き続き、学問の自由と大学の自治にかかわって、中期
目標、大学評価の問題、学長の位置づけ・選考の問題、労基法・労安法適用に
むけた準備・改善の問題などが鋭く追及されました。

 これに対して文科省はまたもやまともに答えようとせず、「大学の活性化の
ため」「大学の自主性・自立性には十分配慮する」などこれまで同様の曖昧な
答弁を繰り返しました。

 答弁のあまりのひどさに、野党議員はもとより傍聴者からもたびたび失笑が
もれました。

■ 文科大臣、児玉議員(共産)の追及に「いいじゃない」と暴言

 とりわけ労基法・労安法の適用問題は、国大協が弾力的な運用を政府への要
請事項に盛り込もうとしていること、文科省は施設改善予算の試算すらしてい
ないことがこの間の審議で明らかになったことなど、来年4月に違法状態のま
まで法人がスタートする可能性が濃厚なことから、各野党から厳しい追及がな
されました。

 この追求に対して文科省が、終始「違法状態にならないように責任を持って
努力する」との答弁を繰り返したことに、共産党の児玉議員が「それは決意表
明に過ぎない」と強く迫ったのに対し、遠山大臣は席上で「いいじゃない」と
開き直り、委員会室は騒然となりました。

 なお、佐藤議員(自由党)の「改善の具体的な計画、資料を提出しなければ、
審議・採決できない」との抗議に対して、文科省は「5月中に提出する」と確
約しました。

■ さまざまな点で、政府・文科省、与党の無責任さが鮮明に

 上記の施設改善問題をはじめ、さまざまな問題について必要な資料の用意も
なく、「細部はこれから」と問題を先送りにし、それでいて「審議は十分尽く
した」と強弁する政府・文科省、与党に対して、野党議員からは「国会を軽視
する無責任なやり方」「これで審議十分としたのでは国会議員としての責任が
問われる」など、強い批判がなされました。

■ 満足な審議ないまま、採決強行

 野党各党が徹底慎重審議を要求したにもかかわらず、本日の委員会で審議打
ち切り、採決が強行され、政府案は与党の賛成多数で可決されました。「重要
法案」と言いつつ、参考人質疑を入れて5日のみという短時間の審議で委員会
を通過しました。

 また、民主党より附帯決議案が提案され、共産党以外の賛成で可決されまし
た。

 なお、民主党が提案した修正案の審議は行われませんでした。

■ 今後の動き

 委員会後行われた議運で、法人法案は22日の本会議に送られることが決定し
ました。

 これによりたたかいの舞台は参議院へと移ることになります。

 傍聴行動後の総括集会にかけつけた石井議員(共産)、山内議員(社民)は、
会期(6月18日)延長がない見通しであること、施設改善に関する資料の5月中
提出を確約していること、衆議院段階での審議不十分が明らかなことなど、廃
案に追い込む展望があると述べ、本会議・参議院に向けて国会内外でのたたか
いをともに強めようと訴えました。

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[3] 山口二郎「言論人の気概」2003/05/16 Fri
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#(<>内は編集人)

「昨日も書いたように<[11]>、有事法制、個人情報保護法と、市民社会の自由
を脅かす法律が立て続けに作られて、戦後民主主義も風前の灯火である。また、
そうした立法に対して、反対の世論が盛り上がらないことが、ますます無力感
を深める。

しかし、学者、ジャーナリストなど、言論を仕事とするものは、ここで諦めて
はならない。いささか大仰だが、司馬遷の『史記』から、次のようなエピソー
ドを紹介したい。

 斉の崔杼(さいちょ)という権力者は、その君、荘公を殺した人である。そ
れゆえ、斉の太史(歴史を記述する役人)は、「崔杼、荘公を弑(しい)す」
と記録したのである。(弑するとは、主君や目上の人を殺すということ)そこ
で崔杼は、「けしからぬ奴かな」とこの太史を殺してしまった。すると、太史
の弟が、また同一のことを記録したのである。そこで崔杼は、この弟も殺して
しまった。すると、その弟の弟が、また同一のことを記録したのである。三度
目には、さすがに崔杼も、記録者を殺すことはしなかった、と伝えられている。
三人の兄弟が、つぎつぎと、死をもって記録を守ったのである。「記録」のき
びしさは、つきつめればここに至る。

                 武田泰淳「司馬遷伝」より。

 3人の命をかけて、1つのことばを守ろうとしたことに、時代を超えて感動
を覚える。今の時代、何をいっても、書いても、直接弾圧されることはない。
この点は、チョムスキーが近著『メディア・コントロール』でも指摘していた
点である。チョムスキーは、アメリカはきわめて自由な社会であるという。確
かに、チョムスキーは孤立し、いろいろな圧力や嫌がらせはあるが、その言論
活動ゆえに投獄されるようなことはない。

 日本も同じである。自粛や自制が、自己実現的予言のように、日本を不自由
な国にしていく。諦めてはならない。」
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[4] NHKニュース速報:国立大 独自に研究資金確保へ
[2003-05-16-10:55]
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「国立大学は来年四月から独立法人化されると研究成果で国の予算が決まるな
ど資金の確保が大きな課題となるため、独自に研究資金を集めようと地元以外
の企業とも共同研究を行おうという動きが広がっています。

全国の国立大学は運営の効率化や特色ある大学作りを進めるため、来年四月か
ら独立法人となる法案が今の国会で審議されており、独立法人化されると研究
成果や教育の取り組みが第三者機関に評価されて国の予算が決まるため、大学
の評価を高めることや独自の資金確保が課題になっています。

このため東北大学は企業との共同研究によって研究資金を集めようと、地元以
外の企業にもアピールすることになり、きょうとあす東京で初めて研究成果の
発表会を行うことになりました。

発表会では医療や環境の分野で利用が期待され、東北大学が力を入れている機
械工学の最先端の研究を紹介することにしています。

また、九州大学が今月二十九日に東京で生命科学などの研究発表会を、東京大
学は大阪で今月二十三日に産学連携をテーマにした講演会を開くほか、広島大
学も今年秋に東京でバイオテクノロジーなどの説明会の開催を検討しています。
文部科学省によりますと、国立大学が行う共同研究は、これまでは地元企業が
中心でしたが、独立法人化を控え、地元以外の企業とも連携しようという動き
は今後さらに広がるものと見られます。」 
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[5] 共同通信5/16「国立大法人化法案、成立の見通し 教職員12万人非公務員に」
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国立大法人化法案、成立の見通し 教職員12万人非公務員に

共同通信ニュース速報

 国立大を国の直轄から独立した法人にする国立大法人化法案など関連六法案
は十六日午後、衆院文部科学委員会で採決し、与党三党などの賛成多数で可決
した。民主党提出の修正案は否決した。

 六法案は、二十日の衆院本会議で可決し参院に送付する予定で、今国会で成
立する見通しとなった。成立すれば来年四月には八十九の「国立大学法人」が
誕生、教職員約十二万三千人は非公務員となる。五十五ある国立高等専門学校
は一つの「独立行政法人」に統合される。

 文部科学委は「大学の自主的、自律的な運営の尊重や基礎研究への配慮など
を求める」とする付帯決議を行った。

 国立大法人は①学長、理事、監事からなる「役員会」②委員の半数は学外有
識者を充て学校経営の方針を決める「経営協議会」③教育・研究面を審議する
「教育研究評議会」ーの三組織で構成。これまで教授会に委ねてきた学校運営
は、理事解任権などで権限が強化される学長中心のトップダウン型を目指し、
予算執行やカリキュラム編成で自主性を高めるとともに自己責任を明確にした。

 文部科学相は、教育研究の質的向上など、六年間に大学が達成すべき中期目
標を各大学ごとに策定。文科省に設置する第三者機関「国立大法人評価委員会」
が目標の達成度など、業績評価を実施し、その結果は国の交付金配分に反映さ
せる。

 野党は審議で「国の統制が現在の国立大より強まる」と批判。遠山敦子文科
相は「中期目標策定や学長の任命には、大学の意向を十分尊重する。大学の自
治は守る」と答弁、必要最小限の関与にとどめる考えを示している。学長には、
外国人が就任することも可能となる。教職員は団体交渉権や争議権を取得し、
就業規則の制定や賃金交渉を大学ごとに行い、ストライキもできる。(了)
[2003-05-16-16:40]
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[6] 東職声明「国立大学法人制度運用等に関する要請」(補足)
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/030516tousyoseimeihosoku.html
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[he-forum5521] 東職声明:「国立大学法人制度運用等に関する要請」に対
し国立大学の取るべき態度』を発表したところ、労働安全法適用に関し「法人
化されれば民間に適用されている法令が適用されて、今より実験環境が良くな
るから法人化に賛成する(反対しない)」というご意見が寄せられましたので、
下記を東職の意見として補足致します。

                           東職書記長 五十嵐千秋

 私たち国家公務員は、国家公務員法により様々な労働条件等が規定されてい
ます。この法をさらに人事院が補完しています。また、人事院には各地区に支
部があり、そこには【勤務条件局】がおかれ、「国家公務員の労働基本権が制
約されていることの代償措置として、毎年、民間企業の給与を調査し、国家公
務員の給与が社会一般の情勢に適応するよう国会及び内閣に対して必要な勧告
を行っています。また、「給与法」を実施するための俸給や手当制度に関する
人事院規則等の法令の制定、各省庁における職務評価の統一性を確保し適正・
妥当な俸給決定を目的とする級別定数の設定、勤務時間、休暇に関する規則の
制定、『健康・安全管理に関する根本基準の設定、公務災害補償に関する制度
の企画立案並びにこれらの制度等についての各省庁への指導』を行うなど国家
公務員全体の勤務条件の整備に関わる幅広い業務を行っています。」文科省は
この指導を全く無視している省庁のひとつです。

 国家公務員には人事院規則以外にもたくさんの法令が適用されています。前
に出ている「公務災害補償に関する制度」は「国家公務員災害補償法」の実施
の制度であり、国立学校における学生生徒の障害に対する保障は「国家賠償法」
によりなされています。法人化されると病院の先生方は医療賠償を負担するこ
とになりますので、東大病院ではそのための保険に加入することを検討してい
ますが、現在係争中のものをどこまで引き継ぐのかということまで心配してい
ます。

「法人化されれば民間に適用されている法令が適用されて今より良くなるから
法人化に賛成する(反対しない)」という考え方は本末転倒です。現在の国立
大学は、人事院等の立ち入り検査を受けず、ずさんな自己管理をしていた結果、
化学実験室等は全国の3分の1(13,000室)以上の施設が安全衛生管理に不備
であると指摘(2003.2.19読売夕刊)されています。環境の悪さを知りながら
今まで放置していて、設置形態が変われば必然的に良くなるからというのは、
公務員としての自覚ばかりか、研究室の責任者としての自覚も、学生を指導す
る教員としての自覚もなかったのかと判断されてしまいます。

 かつて10年以上前に阪大の教授が学生の事故で国家賠償以外に数千万円請
求され自弁したことがあります。これは公務員であろうと国の機関であろうと、
現在でも起きうる話です。それを機に東大農学部では学生に保険に入ることを
勧める一方、教授会費で管理責任に対する保険に入っており、実験室のみなら
ず、農学部キャンパス内で起きた事故に対して、たとえ通行人であっても補償
される保険に加入しています。

 東職声明は、実験室を一時たりとも無法状態においてはいけないといってい
るのであり、「民間並みの適用がやがて実施される」という『やがて』は許さ
れないといっているのです。学生が事故にあって何千万もの補償金を請求され
て、はっと目覚めるのかも知れませんが、その時では既に遅いのです。

 また、先行した独立行政法人は、ほとんどが特定独立行政法人で公務員型で
すので、「国家賠償法」「国家公務員災害補償法」等々の法改正を行って、従
前どおりこれらの適用を受け、なおかつ「労働安全衛生法」に適法の環境を整
備してから法人化されています。」

東京大学職員組合
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
Fax:03-3813-1565 Tel:03-5841-7971
E-Mail
HP URL
独行法反対首都圏ネットのページは東職HPの中にあります
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[7] 愛知教育大学教職員から文部科学委員各位への要望書 5/16
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/030515ehimeyuusi.htm
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文部科学委員各位

 日頃、日本の教育・研究などの発展のためにご審議ご努力いたたき敬意を表
するものです。このたび、貴議員所属の文部科学委員会において審議中の「国
立大学法人法案」にかかわって、愛知教育大学教職員有志58名(本日16時現在)
で、以下のような声明を発表しましたので、お知らせします。

 聞くところによれば、明日の委員会で採決の可能性があるとのことですが、
声明にのべたような現在上程中の法案の問題点・重要性をぜひご検討いただき、
廃案にしていただくか、さもなければ、さらなる慎重で十分な審議を行ってい
ただきますようここに要望するものです。

 なお、添付ファイルと念のため以下にテキストのコピー張り付けでおくりま
す。FAXでも送らせていただいています。

2003年5月15日
 国立大学の法人化に反対する愛知教育大学有志の会
  連絡先:愛知教育大学 太田弘一 ***********
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「国立大学法人法案」の廃案を求める愛知教育大学有志の声明

 国立大学法人法案は、国会に上程され、与野党対立の中で審議の山場を迎えている。
この法案には、以下にのべるようなきわめて重大な問題があり、高等教育をはじめと
して日本の教育及び学術研究の将来に深刻な事態をもたらすことになる。私たちは、
ここに法案の廃案を求めて声明を発表する。

主な問題点は以下の通りである。

(1)設置者が国ではなく「国立大学法人」となることによって、国は大学の教
育・研究を支える財政的責任を負わなくてもよい仕組みとなる。そのため経営
が優先されることにより、授業料の高騰や営利に直結した教育・研究が優先さ
れ、基礎研究や公共性の高い教員養成教育などが軽視されるおそれがある。

(2)大学教職員を「非公務員」とすることは、労働条件の面からみると、教職
員の身分を不安定にするとともに、教員にとっては「教育公務員特例法」の対
象外となることを意味し、国民全体に責任を持って行われる自由な教育研究と
それを支える業務が行われなくなるおそれがある。また「非公務員化」は国の
行財政改革路線の中での公務員減らしのつじつまあわせに他ならず、これを国
立大学教職員に一方的に押しつけることは全くもって不当である。

(3)基本的に独立行政法人通則法にもとづいた法案となっており、「経営」と
「教学」の分離が大学運営の基礎にすえられている。本来、大学運営と教育研
究は一体として企画・実施されることによって、大学の本来の機能が果たされ
るものである。それを分離することは、経営と教学の対立を引き起こし、大き
な混乱をもたらすおそれがある。

(4)文科大臣が「中期目標」を定め、「中期計画」を認可することになってお
り、大学の教育・研究を政府が統制することが可能になっている。このことは、
明白に学問の自由・大学の自治(憲法23条及び教育基本法10条)に対する侵害
であり違法である。

(5)「経営協議会」と「教育研究評議会」を設置している一方で、これまで、
「学校教育法」にも規定されており、大学運営の中心を担ってきた「教授会」
が法案の中で規定されていない。そして、大学運営(経営)の中心を担うこと
になる「経営協議会」には、半数以上の学外者を含めることが規定されており、
大学の教育研究に携わる者の意思を尊重した大学運営が困難な仕組みとなって
いる。さらに、学長権限が異様に強化されており、学長による専制体制を可能
にするものとなっている。

 以上の点から、法案は、明らかに「学問の自由」の保障をうたった憲法およ
び「教育は不当な支配に服することなく」と定めた教育基本法に違反するもの
であり、政府と財界による教育・研究への介入を容易にするものである。さら
に、国は財政的支援を放棄し、授業料の高騰により、教育の機会均等は奪われ、
儲かる研究・教育や時の政府に都合のよい教育研究のみが推進されるであろう
ことは火を見るより明らかである。
 本学教授会は、2000年2月に「国立大学の独立行政法人化に対する愛知教育
大学教授会の見解」を可決し、国民に開かれた大学づくりに努めていく決意を
表明している。現在審議の山場を迎えているこの法案により、そこで述べた問
題点が現実化されようとしており、ここにあらためてその声明の意義を確認す
るものである。
 さらに、国立大学協会法人化特別委員会は、法人化にあたって、労働基準法
や労働安全衛生法などの適用猶予等を求める要請を行おうとしている。このよ
うな違法性のある要請を行うこと自体、大学人として到底容認できるものでは
ない。さらにあわせて、法人化への移行にあたって必要な財政にかかわる問題
も関連しして指摘されている。つまり、この要請ははからずも、2004年4月か
らの国立大学の法人化が適法的には実施し得ないことを、法人化推進の立場の
ものが自ら明らかにしたものであり、国立大学法人法案は、もはや廃案以外に
選択の余地はないということをしめしている。
 私たちは、ここに法案の問題点を訴えるとともに、法案の廃案を強く求める
ものである。同時に、国立大学協会に対しては、緊急に臨時総会を開催し上記
の問題点を率直に確認して法案の廃案を政府に求めること、そして自主・自律
を真に保障した大学改革に向けて国民的議論を幅広く提起すること、以上2点
を強く要求するものである。

賛同者名簿

稲毛正彦(理科教育)、岩崎公弥(地域社会システム)、牛田憲行(理科教育)、太
田弘一(技術教育)、寺中久男(理科教育)、菅沼教生(理科教育)、坪井由実(学
校教育)、松田正久(理科教育)、南守夫(外国語教育)、橋本尚美(家政教育)、
折出健二(学校教育)、大村惠(学校教育)、中田敏夫(国語教育)、船尾日出志
(社会科教育)、坪井由実(学校教育)、竹田尚彦(情報教育)、野崎浩成(情報教
育)、竹内謙彰(学校教育)、大西研治( 技術教育)、瀬田祐輔(学校教育)、子安
潤(学校教育)、野田満智子(家政教育)、鷹巣純(美術教育)、樋口一成(美術教
育)、森崎博志(障害児教育)、加藤正義(技術教育)、時衛国(外国語教育)、横
山信幸(国語教育)、道木一弘(外国語教育)、橘田紘洋(技術教育)、小竹聡(地
域社会システム)、鈴木将史(数学教育)、市橋正一(理科教育)、高橋裕子(保健
体育)、中津楢男(情報教育)、山田綾(家政教育)、長沼健(理科教育)、澤正実
(理科教育)、松田京子(社会科教育)、羽渕脩躬(理科教育)、吉岡恒生(障害児
教育)、藤井啓之(学校教育)、寺本圭輔(保健体育)、日野和則(家政教育)、
早瀬和利(家政教育)、野沢博行(美術教育)、見崎恵子(社会科教育)、岩渕邦
子(外国語教育)、宇納一公(美術教育)、長井茂明(家政教育)

以上50名 他 非公開希望の賛同者8名(事務職員を含む) 合計58名
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[8] 愛知教育大学教職組から愛知教育大学長への意見書 5/12
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030515aiti.html
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愛知教育大学長                        2003年5月12日
田原 賢一 殿

                   愛知教育大学教職員組合執行委員会
                      

 国立大学法人法案が、参考人質疑を経て山場を迎えるという最中、国大協は
同国立大学法人化特別委員会委員長名で会員校に対して、5月7日付で「国立
大学法人制度運用に関する要請事項等について(依頼)」とする文書(以下、
5.7文書と略記)を送付しており、貴職もご承知のことと思います。
 わたくしどもは、この文書への対応あるいは回答のありかた自体が、現在衆
議院文部科学委員会での同法案審議に対する本学の態度を、結果として表すこ
とになると考え、以下のように慎重な判断を要望します。
 まず、上記の5.7文書は、全体として、国立大学法人法が可決されたとい
う前提の上に、施行上の同法の運用の便宜を国大協として政府に求めるという
骨子のものであって、法案の問題点を憂慮し、いま真剣に国立大学の存続をか
けて国民の理解を得ようと奮闘している全国の国立大学教職員やその賛同者の
努力をあまりにも軽視し、踏みにじるものです。
 この時期にこのような会員校へのアンケートの形を取った、法案の本質的問
題をなんとか免除できるように願い出るという、およそ最高学府の人のなす事
とは思えない姑息な行為自体が問題です。
  いまだ国大協として合意されていないままに法案が上程され審議に入った現
状において、国大協が行うべきことは、緊急に国大協臨時総会を開催して、い
ま進行中の法案審議等に対する会員校の多様な意見を聴取することであると考
えます。
 次に、上記5.7文書には、「要請事項」として多くの点が盛り込まれてお
り、このたびの国立大学法人法案が現状では拙速であることを示しています。
職員の雇用・被雇用関係に関わる労働基準法適用や労働安全衛生法の適用に際
し特例的配慮を求めるなど、法人としての根本に関わる部分を適用免除でスター
トさせるということ自体が、国民の目から見れば理解しがたいことです。これ
では、今後の高等教育機関のあり方としていかにも杜撰であるといわざるをえ
ません。
 よって、貴職が本学代表者として今とるべき対応は、以下のようなものだと
考えます。

  第一に、労働基準法等関連法に照らして違法・脱法的な措置を求める「要請
事項」そのものに対して、回答を拒否する旨を通知すること。

  第二に、緊急に国大協臨時総会を開催するよう、国大協に要請すること。

  第三に、違法・脱法措置なしでは運用できないような根本問題を含む法案そ
のものに対して、国立大学長として反対であり、国大協としても廃案を求める
べきだという意見表明をおこなうこと。以上のことを貴職に要望します。

                                  以上
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[9] 平和と民主主義のための研究団体連絡会議 幹事団体会議 声明
[he forum 5578] 2003.5.16 
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「平和と民主主義」の確立に背く危険な「国立大学法人法案」の廃案を強く求める
(声明)

 現在、国会において国立大学法人法案(以下「法案」)とその関連法案が審
議されている。日本と世界の平和と民主主義の確立を願って活動を重ねてきた
私たちは、この法案について「平和と民主主義の確立に寄与するか否か」とい
う観点から検討した結果、以下の如く、「寄与する」どころか、全く逆の結果
をもたらす危険性があるという結論を得た。

 第一に、この法案には、大学の自治を保障し、大学における民主主義の確立
をいっそう促すどころか、全く逆に、大学における民主主義の確立に明らかに
背く内容が含まれている。そもそも、大学の自治とは、大学が政治・宗教等の
介入を排して、大学構成員の総意に基づいて教育・研究の自由を行使すること
であり、日本国憲法第23条に規定された「学問の自由」の制度的保障となるも
のである。この「大学の自治」「学問の自由」の確立の如何は、その国の民主
主義確立のバロメーターと言っても過言ではない。

 しかるに、法案は、(1)国立大学法人が6年間で達成すべき「中期目標」
を文部科学大臣が定め、法人が従わなかった時は役員が過料に処せられる(2)
学長に権限を集中させ、トップダウンの経営方式を目指している(3)学長選
考は当の学長も参加する少数の学長選考会議により行われる(4)「役員会」
「経営協議会」に学外者を参加させる(5)文部科学省に置く評価委員会によ
る評価に基づく予算配分によって、大学や教育研究組織を再編する、などの条
項を含んでおり、これらは、どれひとつをとっても、大学の自治・学問の自由
の確立を逆行させる内容となっている。

 第二に、この法案の成立・施行は、平和の確立に貢献するどころか、全く逆
に、戦争遂行のために国立大学の研究・教育を変質させる危険性をはらんでい
るということである。第2次大戦後、日本国憲法の下で、大学は、平和の確立
のため、教育・研究の面でも、平和運動の面でも、重要な役割を果たしてきた。
しかるに、法案は、上記のように、大学の目標決定や評価を大臣や学外の企業
人等が行うことによって、国立大学における教育・研究を国策に添った方向に
誘導・さらには強制する役割を果たす危険性がある。戦争と平和の問題では、
戦争に協力したり戦争を推進する政策を批判して平和確立を志向する教育・研
究は、たとえ当初は可能であっても、軍事につながる企業人や国の「評価」が
行われれば、直ちに不可能なものとならざるを得ない。

 米国のアフガニスタン・イラク侵略戦争への協力、有事立法の制定、日の丸・
君が代の強制、首相・閣僚らの靖国神社参拝、「愛国心」の強調、教育基本法
の改悪、そして第9条を中心とする日本国憲法の改悪・・・今まさに急ピッチ
で「戦争をする国づくり」が進められている時、上記のような危険性を持つ
「国立大学法人法案」が提出されていることは、決して偶然ではない。

 私たちは、このような重大な危険性を有する法案を、直ちに廃案とすること
を強く求め、ここに声明する。

2003年5月12日
平和と民主主義のための研究団体連絡会議
幹事団体会議
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[10] 京大職組病院支部支部長「国立大学等の法人化に関する緊急申し入れ」5/14
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030515kyoudaibyuinsibu.html
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2003年5月14日
病院長
田中紘一殿
京大職組
病院支部
支部長 佐藤幸子

国立大学等の法人化に関する緊急申し入れ
 
長尾総長が会長を勤める、国立大学協会に設置されている「法人化特別委員会」は5
月7日に各国立大学長に対して、政府等へ求めるものとして「国立大学法人制度運用
に関する要望事項等について(検討案)」という文書(以下「検討案」と略)を送付
し、15日を期日に意見を求めていると報じられています。職員組合は現在、国会審議
中の法案に反対し、廃案を求めていますが、送付されている文書内には、見過ごすこ
との出きない内容があります。こうしたことから、下記の項目を申し入れます。所属
長として、総長への意見反映など、配慮していただきますことを要請いたします。

記

1、 「検討案」Ⅱ、1で各種法令適用に関して運用上の協力と配慮として、労働基
準法の各種届出義務に関する運用上の配慮、労働安全衛生法の適用に関する運用上の
配慮を記述していますが、これらの法律は労働者にとって、勤務遂行上の最低の権
利、義務の問題です。労働者の犠牲を強いる検討は行うべきではありません。労働基
本権を守る姿勢を堅持することを意見反映していただきたい。

2、 「検討案」Ⅱ、3では法人への移行に伴う必要経費の確保とあげられています
が、今年度予算が確定しているもと、法人化がまさに拙速以外のものでないことを示
しています。こうしたことから、国立大学協会の総会を臨時にも開催し、法案の廃案
を求める決議などを採択するよう意見反映していただきたい。
                                  以上
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[11] 山口二郎「民主党の政権担当能力とは 」2003.5.15 
  http://note3.nifty.com/cgi-bin/note.cgi?u=MLH05564&n=1
     http://www.juris.hokudai.ac.jp/~jyam/
[Publicity 632:2003-5-16] http://www.emaga.com/info/7777.html が紹介。
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「自民党と民主党の妥協によって、有事法制がこの国会で成立することが確実
となった。個人情報保護法と併せて、この国会は民主主義の死滅を決定づける
ものとなりそうである。

有事法制の成立に関しては、民主党の責任が決定的に大きい。民主党の、「政
権担当能力」に関する幻想が、有事法制の成立に道を開いたといってもよい。
政府・自民党の設定した土俵の上で、政権担当能力を競うという発想の貧困に
よって、民主党は政権交代の担い手にはなれないことがはっきりした。私自身
の有事法制に関する見解は、このホームページにも掲載されている『東京新聞』
への寄稿を読んでいただきたい。

1つ補足したいのは、危機管理の問題である。外国の犯罪集団の日本社会への
浸透、麻薬の密輸など、日本の安全を脅かしている問題はたくさんある。それ
に有効に対処することは、自衛隊の仕事ではない。警察、海上保安庁などの既
存の行政機関が現行法の枠内で何ができるかを検証し、制度の不備があればこ
れを是正するというのが、最も常識的なアプローチである。

通常兵力による地上戦を前提とした有事法制なるものは、日本自体の安全を守
るものではない。それは、日本の安全保障から乖離し、アメリカの世界戦略を
支えるための仕組みと化した日米安保条約を補完するものでしかない。有事法
制は、日本の市民社会に持ち込まれたトロイの木馬となるであろう。そんな見
え見えのからくりにだまされるとは、民主党には政治的リアリズムが欠けてい
る。」

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[12] 永井 實「至急具申」2003.5.15
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「文科委員会委員各位:

明日にでも「大学法人化法案」採決と聞いて,筆を執りました.今回法案は皆
様にも国民にも大学人にも「百害あって一利なし」ではありませんか.何をもっ
て文部科学省官僚の作った悪法に付き合う必要があるのでしょうか.廃案にす
べき理由を2点述べます.

1.今回法案は,政府と大学の関係を「支援すれど支配せず」から「統制すれ
ど支援せず」にかえるものです.「戦前(戦時中)の大学」より悪くなるでしょ
う.

2.大学人のレファレンダム(全員投票)や「意見広告」においても圧倒的多
数の大学関係者がこの法案に反対しています.国大協幹部の醜態は文科官僚に
飼いならされた大学学長たちの哀れな「知の頽廃」を象徴しているのに過ぎま
せん.

委員長を始め議員諸兄の「国民を代表する」良識が発揮されますことを心より
願い,伏して具申致します.

03年5月15日(沖縄返還31年目の日)

903-0213 沖縄県西原町千原1 
琉球大学工学部 教授 永井 實 
http://www.u-ryukyu.ac.jp/souran/kogaku/kikai/nagaim.html 」
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[13] 山内惠子議員と近藤義臣教授の往復書簡
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「群馬大の近藤です.  社民党の山内惠子議員から、以下のような返信メール
を頂きました.  大変重要なメッセージが含まれていると思いますので、転送
させて頂きます. 「大学関係者がもっと一般市民へ働きかけるべきである」
という山内惠子議員からのメッセージです。
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[13-1] 山内議員から近藤教授へ(非公開)
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[13-2] 近藤教授から山内議員へ(非公開)
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[14] Tenure についての、読者のコメント
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「10年くらい前に、アメリカのブラウン大で聞いた話では、ブラウンでは、
(何年に一回かは忘れましたが)論文がないと4%ずつ給料が(毎年か何年か
ごとに)下がることになっているとのことでした。(記憶ですので、不確かで
すが)それ以外はないはずです。

また、数学科ではグラントはみんなで均等割りして、使っていたようです。
(これに不満のあった人たちは出て行きましたが)

なお、いつか、朝日新聞に書いてあったのですが、例えば、Stanfordでは、教
授の副業はやらないことにしようと言うことになっているようですし、誰が言
うのか、『アメリカでは、教授の副業はあたりまえ。。。』等、『外国で
は、、、』というのは、怪しいと思います。

他の例として、人材派遣会社を世界ではじめて作ったHarvardの教授もHarvard 
をやめて、人材派遣会社を作り、やっぱりつまらなくて、人材派遣会社をやめ
て、Harvardの教授に戻ったはずです。

以上の例は、あくまでも記憶にもとづくので、確認が必要ですが、『外国で
は、、、』と言った場合は、どの大学でかちゃんとリストアップを求めるべき
でしょう。
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[15] おたより紹介
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「聞いて下さい、辻下さん。地方大学のインフラは酷い物です。私は理系で生
化学が専門です。今の処は2間x3間の一室が教官室としてあるだけで、実験
室も分析機器もありません。モノ、金、ヒトがありません。文科省は2,3年
前に校費を半減しました。お蔭で私の使える校費は年間37万円です。これで
は実験試薬も買えません。カラーで論文を書いたら1報が25万円、2つでそ
の倍かかりました。さて減らしたその分を科研費に回すのかと思ったら採択率
が大幅に増えたということはありません。相変わらず20人に1人程度、しか
も一般C、萌芽しかあたりません。驚いたことに金を浮かしてCOEとか言っ
て帝大に持って行ったようです。地方国立大の酷いインフラの旧帝大との格差
がもっと著しくなりました。このような状況で、法人化して国庫負担を更に3,
4割削減する。加えて公務員定員削減をもっと進める。今年の私の学科の事務
職員は半減されました。パソコンで能率が上がったと思えばその分、山なす雑
用が増えて皆喘いでいます。もう末期症状です。教育も研究も何もするなとい
うことなのでしょう。こんなに切り詰めてまあ、余裕がなかったら、良い教育
も良い研究も出来ないじゃありませんか。旧帝大や国立研究所が優れた研究を
行っているかというとそうではありません。億近い金を使うに困っている核研
の先生もいるというじゃありませんか。

不思議なことに大学人は私も含め「茹でガエル」なのでしょう。今回のように
足元に火がついても何も言いません。おそらく首を切られる時も何も言わない
でしょう。物事を判断する力が文科省の教育には入っていないことによるので
しょうか。この日本愚民化文教政策が法人化で完成することでしょうね。」
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[16] 憲法研究者有志:5.14.有事法案に関する緊急声明
http://www.jca.apc.org/~kenpoweb/emerge_law/appeal051403.html
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「与党、民主党合意は有事法制の危険な本質を寸分も変えていない、改めて有
事法案の廃案を強く訴える

2003年5月14日 憲法研究者有志

 5月13日、与党と民主党との合意が成立し、衆議院の委員会、本会議採決
の危険が濃厚になった。事態は重大な局面を迎えた。合意を伝えたマスコミは、
あたかも与党と民主党との合意(以下、合意)により、有事法案の危険な内容
は大きく改善され、国民にふさわしい内容に変わったかのような報道を繰り返
している。しかし、こうした主張は、有事法制の合意の内容を誤ってとらえる
ものであり、国民に与える影響は計り知れない。私たち憲法研究者は、かかる
事態において、とりあえず合意の内容がいかなるものであるかを明らかにし、
それが有事法制の内容に変化をもたらすものではなく、有事法制は廃案以外に
ないということを、市民の皆さんに訴えることが必要と考え、ここに声明を発
表する。

 合意の中身は、いくつかあるが、その核心は、第1に民主党の主張する緊急
事態基本法案については「四党間で真摯に検討し」、有事に対応する機構とし
て民主党が主張している「危機管理庁」の設置も含め、速やかな措置をとるこ
ととしたこと、第2に民主党が強く主張したいわゆる人権保障条項については、
武力攻撃事態法案第3条に、「この場合において、日本国憲法第14条、第18条、
第19条、第21条その他の基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなけれ
ばならない」という文言を入れたことである。他にも施行時期などあるが、核
心部分についてだけ検討する。

1 <「人権尊重」規定によっても有事法制の危険な中身はいささかも変わっ
ていない>

 まず、民主党が、またマスコミがもっとも強調しているのは、法案に、いわ
ゆる人権保障の規定が挿入されたという点である。たとえば、朝日新聞は「基
本的人権の保障は法案に明記されることになった。与党側は憲法に書いてある
のだから法案には要らないという主張を取り下げた」ことによって「欠陥だら
けの政府案」が根本的に改善されたと高く評価している。しかしこれは二重三
重に誤っている。

 第1に、合意で事態が根本的に変わったかのようにいうが、そんなことはな
い、政府の原案と全く法的効果は変わっていない。もともと政府原案にも、い
わゆる人権尊重規定は入っていた。同原案には「武力攻撃事態への対処におい
ては、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されねければならず、こ
れに制限が加えられる場合には、その制限は・・必要最小限のものであり、か
つ、公正かつ適正な手続きのもとに行われなければならない」とあったのであ
る。それに合意で先に述べたような一文を付け加えたからといって、それが果
たす法的効果は変わらない。政府・与党とすれば、それにより法の執行に手を
縛られることはないので「実害」はない与党が当初渋ったのも、あとで譲歩し
て民主党に花を持たせるという政治的効果をねらったものとしか言いようがな
い。

 第2に、一層大事なことだが、この種の人権尊重規定は、これまでも国民の
人権を制限する幾多の法案には入れられてきたものであり、それは「人権尊重」
とは言いながら反対に「必要最小限」との口実で人権を政府の恣意によって制
限することにお墨付きを与える規定にしかならない。こうした人権尊重規定は、
実際にこの法が発動され、多くの市民に対する人権侵害が行われてしまい、そ
れを後になってから市民が訴訟に訴える時や、権力により処罰を受けた報道機
関などが後になって裁判で争う際には「使える」規定ではあるが、有事に際し
ての膨大な人権侵害を予め防止する歯止めとしては非力である。

 第3に、民主党や与党が有事に際してまじめに人権の尊重を考えるのだとす
れば、この規定を入れただけでなく、自衛隊法にある防衛秘密保護規定(自衛
隊法第96条の2、表現の自由を文字通り正面から規制する規定)、防衛出動に
伴う業務従事命令・物資保管命令(自衛隊法第103条)など現にある人権制限
規定の削除の措置を直ちにとるべきであろう。しかし合意ではそのようなこと
は今回の修正協議ではまったく議論にも乗せられていない。

 以上のように、人権尊重規定なるものは法案の危険な本質をなんら変えていない。

2 <ブッシュの戦争に国民を動員する有事法制のねらいはいささかも変わっ
ていない>

 合意は、「欠陥だらけの政府案」を根本的に改善したというが、決して法案
の本質は変わっていない。有事法制の本質は、ブッシュ政権のイラク攻撃にみ
られるような戦争に日本が加担するのみならず、その戦争に自衛隊ばかりでな
く民間企業や地方自治体などを強制的に動員することに最大のねらいがある。
アメリカの戦争に国民を動員するには、その戦争を日本の有事であるとして国
民を強制するしか手はない。それを確保するための鍵となっているのが、有事
法制が実際に日本が武力攻撃を受けるはるか以前、すなわち「武力攻撃が予測
されるに至った事態」でも発動される仕掛けである。だから、民主党が、アメ
リカの戦争に追随し国民を巻き込む法制ではなく、万一日本が攻撃されたとき
の規定を作るというのであれば、当然、この武力攻撃予測事態での有事体制発
動の削除を要求すべきであったが、民主党はこの点を全く無視した。法案の危
険な本質は寸分も変わっていないことは、このことだけでも明白である。

 また民主党が有事法制に不可欠と主張してきた国会の関与という点を見ても、
なるほど、民主党提案により国会決議で対処措置を終了させる規定を入れるこ
ととはなったが、もっとも肝心の点、すなわち政府案では対処基本方針を国会
にかける前に、閣議決定のみで実施に移せる点に歯止めをかけなかったこと、
削除しなかった武力攻撃予測事態(そこでは国会審議の時間的余裕がある)に
ついてすら事前の国会統制をかけなかったことは驚きとしか言いようがない。
一体これで民主党のいう国会関与なるものが成り立つとでも思っているのであ
ろうか。この点でも民主党との合意は法案の手を全く縛っていない。

3 <民主党の提案する緊急事態基本法は人権と民主主義をかえって切り縮め
るものである>

 民主党は今回の修正協議において、政府案の修正とともに基本法案を出して
いた。いわばこれが民主党の理想案である。合意ではこれは「真摯な検討」と
いうことになって先送りされたために、本声明ではただ、基本法の本質的問題
点を指摘するにとどめ、くわしい検討は避ける。

 結論から言うと民主党提案の基本法は緊急事態に人権を確保する法制どころ
か、政府案の有事法制に加えられるならば、事態を一層悪化する根本的な欠陥
を持っている。最大の欠点は、同案が、日本に加えられる武力攻撃と、テロ、
自然災害を一緒くたに「緊急事態」として同じような対処の方針を出している
点である。そもそも、武力攻撃と、テロ、自然災害は、全く性格も異なり、し
たがって、それぞれにふさわしい別々の対処方策、国会の関与のあり方がある。
自然災害や、テロは基本的に予測がつかない事態であり、それに対しては、機
敏な措置が迅速にとられることが求められ、とくに自然災害の時には人権の制
約も受容される場合があるのに対し、武力攻撃の恐れという事態は、以前から
予測もつき、それへの対処をめぐっては外交上などのさまざまな措置が検討さ
れることが不可欠であり、国会で十分な議論が尽くされるべき事柄である。人
権の制約があってはならないことはいうまでもない。こうしたことを一緒くた
に「緊急事態」とし、いわんやそれへの事前計画などを規定するにいたっては、
この危険性は計り知れない。

4 <改めて有事法案の廃案を求める>

 報道では修正合意を受けて再修正された法案が、実質的審議もないまま直ち
に衆議院を通過する見通しだという。しかし、法案の内容が変えられている以
上、衆議院特別委員会の段階でも改めて慎重な審議が行なわれるべきである。
民主党と自民党との非公開の修正協議によって国会審議に代えようという与党
と民主党の姿勢は、再修正された法案にたいする疑義に答えることからも逃げ
まくり、その問題点があらためて明らかにならないうちに法案の成立をはかろ
うとするものと言わざるを得ず、私たちは怒りを禁じえない。

 有事法案がアメリカの戦争に国民を動員するという本質が変わっていないか
ぎり、国民にとって最善の道は、この法案を廃案にすること以外にない。いま
国民にとってもっとも必要なこと、そして民主党の心ある人々も含めいますべ
ての野党が一致できる点があるとすれば、有事法案を廃案にするという一点で
あるはずである。私たちはこのことを強く訴え、私たちがそのために全力を挙
げて奮闘することを誓う。

呼びかけ人5名 小沢隆一(静岡大学)、上脇博之(北九州市立大学)、三輪
 隆(埼玉大学)、森 英樹(名古屋大学)、渡辺 治(一橋大学)

賛同人87名(5/17, 0:00現在)

愛敬浩二(信州大学)、鮎京正訓(名古屋大学)、足立英郎(大阪電気通信大
学)、飯島滋明(工学院大学)、石川裕一郎(麻布大学)、石埼 学(亜細亜
大学)、石村 修(専修大学)、市川正人(立命館大学)、伊藤恭彦(静岡大
学)、伊藤雅康(札幌学院大学)、稲 正樹(亜細亜大学)、井端正幸(沖縄
国際大学)、今関源成(早稲田大学)、植木 淳(北九州市立大学)、植松健
一(島根大学)、植村勝慶(國學院大学)、臼井雅子(文教大学)、浦田賢治
(早稲田大学)、大久保史郎(立命館大学)、大田 肇(津山高専)、奥平康
弘(憲法研究者)、小栗 実(鹿児島大学)、金子勝(立正大学)、紙野健二
(名古屋大学)、北川善英(横浜国立大学)、木下智史(関西大学)、君島東
彦(北海学園大学)、清田雄治(愛知教育大学)、久保田穣(東京農工大学)、
倉田原志(立命館大学)、小竹 聡(愛知教育大学)、小林 武(南山大学)、
小松 浩(三重短期大学)、近藤 敦(九州産業大学)、近藤 真(岐阜大
学)、齊藤笑美子(一橋大学大学院)、阪口正二郎(一橋大学)、笹沼弘志
(静岡大学)、清水雅彦(和光大学)、白藤博行(専修大学)、杉浦一孝(名
古屋大学)、鈴木眞澄(山口大学)、隅野隆徳(専修大学)、高佐智美(獨協
大学)、高橋利安(広島修道大学)、竹内俊子(広島修道大学)、武永 淳
(滋賀大学)、竹森正孝(岐阜大学)、多田一路(大分大学)、建石真公子
(愛知学泉大学)、田村武夫(茨城大学)、塚田哲之(福井大学)、寺川史朗
(三重大学)、恒川隆生(静岡大学)、徳田博人(琉球大学)、長岡 徹(関
西学院大学)、中島茂樹(立命館大学)、中島 徹(早稲田大学)、永田秀樹
(立命館大学)、中富公一(岡山大学)、永山茂樹(東亜大学)、成澤孝人
(宇都宮大学)、成嶋 隆(新潟大学)、西原博史(早稲田大学)、根森 健
(新潟大学)、橋本誠一(静岡大学)、馬場里美(早稲田大学助手)、福家俊
朗(名古屋大学)、藤田達朗(山口大学)、星野安三郎(元東京学芸大学)、
本多滝夫(龍谷大学)、前原清隆(長崎総合科学大学)、松井幸夫(島根大
学)、松村芳明(早稲田大学大学院)、三阪佳弘(龍谷大学)、水島朝穂(早
稲田大学)、三橋良士明(静岡大学)、村田尚紀(関西大学)、本 秀紀(名
古屋大学)、元山 健(龍谷大学)、柳井健一(山口大学)、山口和秀(岡山
大学)、山崎英壽(淑徳大学)、山田健吾(香川大学)、横尾日出雄(名古屋
短期大学)、李 泰一(朝鮮大学校)、和田 進(神戸大学)、渡辺 洋(神
戸学院大学)
——————————————————————————————————————
対民主党 公開質問(案)  5.12.

貴党は、政府与党の有事3法案は「わかりにくい制度設計になっている」ので
「基本的人権の保護、民主的統制の確保」のために緊急事態基本法案と武力攻
撃事態法案への修正を提案しました。しかし、貴党のこれらの提案は、本当に
政府与党案と異質のものであるのか極めて疑問です。また、与党案の問題点を
なくし、基本的人権を保護し、民主的統制を確保しようとするものというには、
余りに多くの疑義をもたせるものです。現在、与党と民主党との間には修正協
議が進んでいるようですが、貴党も強調される通り、もし若干の手直し程度で、
政府の武力攻撃事態法案が通るようなことがあれば、ことは極めて重大です。

私たちは、憲法の教育と研究に携わるものとして、今回の有事法制の制定の動きには
大きな憂慮を持ち反対の声をあげて参りましたが、重大な局面を迎え、緊急に次の点
だけは貴党のお考えをお聞きし、貴党の案を再度検討されることを望んで、以下の質
問を作成いたしました。事柄の重大性に鑑み、是非とも至急御回答いただくようお願
いいたします。
なお私たちは、ことの重大性に鑑み、とりあえず極めて問題の多い政府案については
これを廃案にし、改めて有事法制が必要かどうかを含めて、民主党修正案も交えつつ
改めて有事法制についての与野党協議を行うことが現時点で望ましい方策であると考
えておりますが、民主党がこうした方向へ向け野党第一党として強力なイニシアティ
ブをとることを切望いたします。

A.<緊急事態基本法は人権と民主主義をかえって切り縮めるのではないか?>

貴党は、テロや大規模災害をも対象とする「緊急事態基本法」を制定すべきだ
と主張しています。しかし、緊急事態としての特別の対処がなされるべき場合
を「武力攻撃」の他にも広げることは、かえって公権力の集中と人権制限が認
められる機会を必要以上に不当に広げることにはならないでしょうか? そも
そも、武力攻撃と、テロ、自然災害は、全く性格も異なり、したがって、それ
ぞれにふさわしい緊急対処の方策、国会の関与のあり方があると思われます。
それを「緊急事態」として一緒くたにすることは、各事態のそれぞれに重大な
問題を生ずるのではないでしょうか。テロにたいしては警察による緊急事態対
処(警察用71条以下、海上保安庁法20条以下)、大規模自然災害にたいしては
災害対策基本法によって対処するのが妥当ではないでしょうか?

B.<武力攻撃事態法案修正案は政府与党案の危険性に歯止めをかけているか?
>貴党は、「武力攻撃事態法」政府与党案の「重大な欠陥」をなくすために修
正を提案したとしていますが、この修正提案は政府与党案の「重大な欠陥」を
なくすのではなく反対にこれを覆い隠すものにしかなっていないのではないで
しょうか。

1. 武力攻撃予測事態の規定(法案第2条3号)は、「周辺事態」と重なって
運用され、アメリカの軍事行動にわが国を自動的に巻き込むものであることが
明らかにされており(*1)、貴党はもこれを問題にしていた(*2)にもかかわ
らず、この削除が提案されていないのはなぜですか? 貴党も与党と同じよう
に先制攻撃を含むアメリカの軍事行動に協力するために有事法制の整備を進め
ようとしているのですか?

もし武力攻撃事態があいまいと考えるなら、予測事態をすべて削除しても問題
はないと考えますが、なぜそうした修正を提案されないのでしょうか?

2. そもそも基本的人権を保障する有事法制がありうると貴党は考えておら
れるのでしょうか? 貴党がそれはありうるとの立場にたとえ立たれるとして
も、もし本当に思想・良心の自由や表現の自由を保障しよう(法案修正案第3
条4項後段)というのであるならば、自衛隊法などの人権制限条項(自衛隊法
96-2条、103条など)を修正すべきではないでしょうか?

また、「事態に応じた必要最小限度のもの」との規定(法案修正案第3条4項前
段)は、その第一次的判定が人権を制約する政府自身に委ねられる以上、人権
の保障ではなく人権を政府の恣意によって制限することにお墨付きを与える規
定にしかならないのではないでしょうか?

3.そもそも民主的統制が可能な有事法制がありうると貴党は考えておられる
のでしょうか? 貴党がそれはありうるとの立場にたとえ立たれる場合、もし
本当に「国会の事前承認」を原則とするのなら、少なくとも、対処基本方針の
閣議決定だけで対処措置が実施される法案の仕組み(法案第9条)を改めるべ
きではないでしょうか? 

また、武力攻撃予測事態を残すのであれば、この事態においては例外なく、国
会の事前承認によってのみ対処措置が実施に移されるように改めるべきではな
いでしょうか?

* 1
昨年4月26日衆院本会議・伊藤英成(民主)質問にたいする小泉首相答弁、5月
7日同特別委員会・玄葉光一郎(民主)質問にたいする中谷防衛庁長官答弁、5
月9日同・桑原豊(民主)質問にたいする中谷防衛庁長官答弁など

* 2
「「周辺事態」と「武力攻撃事態」における米軍の行動とわが国の対処との関
係が不明確であり、政府の恣意的な判断によってわが国を武力紛争に巻き込む
懸念がある」(昨年7月18日「有事関連3法案をめぐる問題点」3?)

「仮に我が国領域から遠く離れた場所において攻撃が発生した場合、これを武
力攻撃予測事態と認定することは,我が国の国是である専守防衛の観点から問
題を生じかねない」(4月30日「国会答弁等で確認すべき事項」)

三輪 隆
埼玉大学教育学部
takm@socia.edu.saitama-u.ac.jp
tel. 048-858-3200