通信ログ
国公私立大学通信 2003.07.08(火)
--[kd 03-07-08 目次]--------------------------------------------
[0] 国会情勢速報 No.31(2003.7.7)
[1] 7/7 お便り紹介: 成熟時代のための産業基盤を破壊する行政
[2] 6/27小島純一氏から毎日新聞編集部への書簡
[3] 7/3「法人法」修正案についての民主党議員への豊島耕一氏のメール:
[4] 7/7 豊島耕一「遠山氏は大臣としての資質が問われている」
[5] 7/7 鬼界彰夫「遠山文部科学大臣の不信任案を準備しよう!」
[6] 7/7 東京大学職員組合から参議院文教科学委員への質問要請事項:
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本日10時から文教科学委員会の審議中継は以下から見
れます:
http://www.sangiin.go.jp/japanese/frame/joho1.htm
これまでの審議で、移行手続きの点だけでも、法案を廃
案にするに十分な問題が多数あるとが種々明かになりま
した。が、それは、ここ1〜2年の話しであり、世紀に
一度という制度改革に関する論点としては、どちらかと
いえば枝葉末節に属する問題である、とでも言うかのよ
うに、与党は無視することを決めたようです。
しかし、制度の本質的な問題はほとんどが省令に委ねる
委任立法なため、たとえば、制度の根幹をなす財務会計
についての審議は、何も行なわれていません。すでに会
計システムの発注が行なわれているのですから詳細な会
計基準案が出きているので、その提出および説明を求め
ることが出きるにもかかわらず求められていません。こ
れほど、審議は偏った内容のままですから、この段階で
採決をすることは、見識ある委員長としては苦しいので
はないか、と感じます。
午前中は民主党による単独2時間の質疑です。もしも、
衆議院と同じように、修正案を提出して採決を許容し、
無修正で法案が成立することに協力するのであれば、6
月に示したような力を民主党が持っているだけに、その
責任は大きいと言えます。
午前中の質疑に、法案を本当に修正しようという真剣さ
が感じられなければ、昼休みに、同党委員へ、再検討を
促すファックスを集中しましょう。番号は次を参照:
http://www003.upp.so-net.ne.jp/znet/imode/bunkyofax.html
(編集人)
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[0] 国会情勢速報 No.31(2003.7.7)
http://www.ne.jp/asahi/tousyoku/hp/web030702kokaijouhou31.html
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独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局/独立行政
法人問題千葉大学情報分析センター事務局:共同編集
明日8日−前提条件が満たされた場合にのみ、質疑後採決
−最大の山場 委員会室と議員面会所を傍聴者でうめつくそう−
7日午後に開かれた文教科学委員会の理事懇談会で、
8日の日程が協議された。与党は質疑後採決を主張。共
産は「まだ質疑がつくされていない。採決は認められな
い」、民主、国連とも「質問に対するキチンとした答弁
がなされることが前提条件だ。それなしには採決には入
れない。」と主張。
これまでのような文科省側の答弁の仕方、お詫びと訂正
の連続であるならば、野党はこぞって採決反対・審議継
続の態度をとることになろう。委員会室と議員面会所を
傍聴者で埋め尽くし、質疑の経過を見守ろう。
質疑時間は、
10時から佐藤議員(民主)120分
12時から13時まで休憩
13時から林議員(共産)55分
13時55分から西岡議員・山本議員(ともに国連)60分
条件が満たされれば、民主の修正案提出で趣旨説明、その後討論、採決となる予定。
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[1] 7/7 お便り紹介: 成熟時代のための産業基盤を破壊する行政
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「独法問題のホームページ,拝見させていただきました.
官僚の天下り機構や,学長の任命権機構などマネッジメ
ントサイドのマッチポンプがますます強まっていますね.
市民からもっとも手の届かない権力者としての官僚機構
の本領発揮というところです.彼らは予測能力がもっと
も欠けているので自分達の首を絞めている(税金の基と
なる産業力の基盤を本当のところは,削ぐことになるこ
と)というセンスが働かないのでしょう.
彼らがやってきた施策の影響とみられるものの中で私が
もっとも震撼させられたのは,高校生の自分の能力に対
する意識の国際間比較です.
財団法人 一橋文芸教育振興会 ほか
「ポケベル等通信媒体調査, -日・米・中国高校生比較- 報告書」
1997年3月
http://www1.odn.ne.jp/youth-study/reserch/pokebell/houkokusho0.htm
にあります.その中で,日本人の高校生の自己評価が
(3段階で)正規分布に近いようにでてくるのです.こ
れに対し中国やそしてもちろん米国では自分に相当の自
信を持っています.
未来に向かうには,何かを習得するのでもモチベーショ
ン,ほど効くものはありません.うそでもいいから自信
が第一です.システムでいえば,いかに使いやすくつく
ろうがなにしようがモチベーションの高いユーザーであ
るかどうかが決定要因です.
その点でいえば,日本はスタートラインで大きく出遅れ
ているのです.右肩上がりのモデルならいざ知らず.
彼らの行政が成熟時代のための産業基盤を如何に滅ぼし
てきたかに愕然とします.
原因は日本の風土にあるとか言う人がいるかもしれませ
ん.しかし,それは間違いです.その要因は,「相対評
価」「内申書」「生活態度評価」のような,生徒を隷属
させやすいメカニズムにあります.これは明らかに教師
の生徒に対する権力機構です.このようなローカルな権
力機構は局所的マネジメントを楽にします.しかし,そ
の結果被る損失は莫大です.もうその結果は積み上げら
れて久しいと思います.
相対評価・内申書の問題もそうですが,独法についても
マスコミの反応が悪い.私はそこが気になります.問題
のポイントが,市民からみて,何らかのわかりにくさが
あるような.
そもそも官僚組織への市民評価機構が無いことが従来か
ら大して問題にされていない.問題意識のうねりが阪神
タイガースへの関心のようにはならないわけです.
意見広告の中での「主婦の意見」がもっともよかった.
あれでも,大変優秀なお子さんをお持ちのうらやましい
ご家庭というふうに映る.それより,陰山さん(百ます
計算の先生) の本が読まれる要因のほうがもっと関心を
あつめます.
そういうわかりやすさが気にかかります.
学長の権限という点では,いま,民間企業では,これま
で安泰だった企業いつ足下をすくわれてもおかしくない
状況にありますので,実力とは関係なくポスト争いをし
ていれば良い時代は終わり,真にマネッジメントの能力
が無ければ,失敗の会見でマスコミにさらされ,株主総
会で追求され,訴訟を受けます.そういうメカニズムな
しで,権限を付与するのは権力形成以外の何者でもなく,
産業基盤をも滅ぼすでしょう.そしてそういうことが,
官が絡むところでは,本当に多い.」
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[2] 6/27小島純一氏から毎日新聞編集部への書簡
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平成15年6月27日
毎日新聞編集部 様
茨城大学 小島純一
ここ20年間ほど浮気することなく貴紙を購読してきました。これは、
いろいろな「おまけ」を使って購読者を拡大するようなことはせず、
他紙に比較して誠実な紙面づくりをされている姿勢がうかがえたか
らです。
しかしながら、日本の将来にとって非常に大事な問題を内在してい
る「国立大学法人関連法案」に関してほとんど無視をされている姿
勢、さらに6月23日の横井信洋記者の「記者ノート」にはがっかり
するばかりです。
確かに、大学人(特に国立大学人)からの発言は限られたものだし、
状況をわからない方には単に現状が変わることに反対しているだけ、
と受け取られるかもしれません。一方で、この法案の国会での審議
が2週間以上にわたって停止していたこと、どのような問題があっ
て審議が停止していたのか、そして法案の中身が何か、を伝えた大
手新聞があったでしょうか?「記者ノート」にしろ、分析はまった
くなされておらず、文部科学大臣の国会答弁の丸写しといっても過
言ではありません。審議が停止していたこと、そしていったい何が
問題で審議が停止していたのか、国会で十分な審議がなされている
のか、これらのことに関する事実をまず報道した上で、「国立大学
教員よ甘えるな」とのご意見を表明されるのであれば、それはそれ
で貴紙記者の意見表明として結構なことと思います。
しかし、法案の内容、国会審議がどうなっていて、どのような問題
があるのか等々は報道せず、文部科学省の広報部とでもなったかの
ようなプロパガンダをされるのがはいかがなものでしょうか。もし、
貴紙が文部科学省広報部になり下がったのでないのであれば、以下
のことについて早急に報道するべきです。
(1)国立大学法人関連法案の国会審議がこれまでどのように進ん
できて、どのような審議がなされてきたか。これを示せば、法案の
内容についてはほとんど審議されていないことがおわかりになると
思います。参院文教科学委員会が止まったのも、法案内容が問題と
いうことで止まったわけではありません。
(2)余裕があればの話ですが、法案を吟味し、本当に問題がない
のかを分析し、その分析結果に基づいた、記者、貴紙の法案に対す
る見解を述べられてはいかがでしょうか。
私なりに、同法案を考えてみましたが、とにかくモラルハザードを
生む内容であるとの結論にいたりました。
横井記者のように誤解されると困るので、まず申し上げたいのが、
国立大学の法人化そのものに反対の方もいるでしょうが、多くの方
は現在審議されている法人法案に反対しているということです。
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文部科学大臣が6年間の中期目標を定め(第30条)、計画を認可
すること(第31条) − 短期間で、組織として結果を出すこと
が求められる、文部科学大臣の定めた目標にそった結果がでなけれ
ば運営交付金の削減、大学が廃止になることもある
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(1)大学での教育は、安易に(教員の負担が少なくてすむ)結果
がでる、単なる知識・技術の詰め込みになるでしょう。
<教育におけるモラルハザード>
(2)研究においては連帯責任的に結果(業績)を出さなければな
らず、個々人はこじんまりとした、短期結論型の研究のみに専念す
ることになるでしょう。長期的視点にたって研究されている方は干
されるでしょう。
<研究におけるモラルハザード>
(3)長期的もしくは結果のみえない基礎研究は消滅していく。短
期決戦型の研究のみが「花形」となり、そこでは人手不足解消のた
め、教育の名の下での学生の研究補助者としての奴隷化が進むでしょ
う。つまり、産業にすぐ結びつく研究が、低廉もしく無報酬で学生
をこき使うことで行われることになでしょう。
<学問におけるモラルハザード>
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大学の設置者を法人とすること(第2条) = 国が財政責任を負
うことを放棄する。時々の情勢で、どのようにでもできることに等
しい。運営交付金=支出−収入
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求められるのは、運営交付金をいかに減らすか。支出は教職員給与、
教育用資料・消耗品購入費など、収入は学生納付金が中心。
(1)教職員の削減 = サービスの低下 過重労働
<労働におけるモラルハザード>
(2)学生納付金の高騰。教育を受ける機会を所得に基
づいて差別化することを国家が推進する
<国政のモラルハザード>
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役員の任命:学長は、学長自身を含めることのできる学長選考会議
で選考し、文部科学大臣が任命する(第12条)、監事は文部科学
大臣が任命する(第12条8)、理事は学長が任命する(第13条)
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(1)文部科学大臣によるトップ人事の統制、教員・事務職員ポス
トを削って官僚の天下りポストとなるであろう監事・理事ポストを
確保。 <行政におけるモラルハザード>
(2)学長の精神的世襲制。<行政におけるモラルハザード>
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教職員の非公務員(附則第4条)
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(1)教員にあっては大幅な兼業が認められる。これまでは教育公
務員特例法を隠れ蓑に、一部教員によって行われていた、"パート
教員化"を公然と行うことが保証される。時間をかけて、人対人で
行われるべき教育に弊害をきたす。
<教育におけるモラルハザード>
(2)公務員試験に合格してきた一般職員の公務員身分を一方的に
剥奪する。 <雇用におけるモラルハザード>
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毎日新聞記者ノート「国立大学教員よ甘えるな」(横井信洋)
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「国立大学を来年4月から独立法人化するための法案が
国会で審議されている。声高に反対する教職員は甘えて
いるのではないかと思うことがある。「身分が安定した
公務員のままがいいと」だだをこねているようにも聞こ
えるからだ。
法人化すれば、「学問の自由」「大学の自治」が侵さ
れるという。では私立大学に自由や自治はないのか。そ
もそも国立大は法案第一条にある「国民の要請にこたえ
る」大学だったと胸を張れるだろうか。法人化後も経費
の大半は税金でまかなわれる。配分の前後に評価を受け、
説明のつく使い方を求められるのは当然だと思う。
今の国立大は文部科学省の出先機関の色合いが強い。
法人格を持って独立し、責任を負う体制のほうが分りや
すい。自らを「大学人」と称する人たちには、法人化を
チャンスと受けて立つ意識を持ってほしい。
確かに法案では国の関与の大きさや評価の客観性が危
ぶまれ、経営能力のある学長がどれだけいるのかなど疑
問も多い。だが、法人化の是非と実際の運用の仕方は別
ではないか。単に現状維持を求めるような主張は説得力
を欠く。」(横井信洋)
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[3] 7/3「法人法」修正案についての民主党議員への豊島耕一氏のメール:
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文教科学委員会
民主党議員の皆様
豊島耕一
(独立行政法人阻止全国ネット事務局長)
840-8502 佐賀市本庄町1
佐賀大学理工学部 豊島耕一
toyo@...
職場電話/ファクス ...
国立大学法人法案をめぐっては,貴党と同一会派を組んでおられる山口壯議員の衆
院本会議での質問以来,貴党のご奮闘にはたいへん尊敬申し上げ,感謝いたしてお
ります.今回の3日採決阻止も,並々ならぬご苦労があったことと拝察致します.
さて,貴党では政府案への修正案を提出されるとの事ですが,これについてお願い
があります.それは,その内容について,原案同様十分に国民一般が吟味し検討出
来るための時間を,ぜひとも作っていただきたいと思います.原案自体長大なもの
で,修正も複雑になるでしょうから,どうしても分かりやすい「対照表形式」も付
けて公表していただきたいと思います.
先の衆議院の文部科学委員会では,貴党の修正案は採決のほとんど直前に出されて,
私たちだけでなく一般の国民にもその内容が周知され,十分吟味されるということ
にはならなかったと思います.今回はそのようなことがないよう,採決に十分先立っ
て,少なくともその一週間前には全文を分かりやすく公表していただくようお願い
します.どうか,「反対だけでなく,修正を提案した」という,形式を整えるだけ
には終わらないようにお願いします.
なお,修正の内容について危惧を感じる点があります.
国会でも貴党が主張されている「中期目標届け出制」が修正に含まれると予想して
いますが,これだけだと不十分であるどころか,むしろより悪い制度となるかもし
れないと思います.つまり,政府による「評価」と,文部科学省が直接の予算権限
を持つというこの二点が同時に解消されない限り,「届け出制」にしてもほとんど
名目上の意味しか持たないと思われます.このことは,国立大学関係者ならだれで
もすぐに理解することです.国会でも,六月三日の参考人質疑で小野善康氏は,文
科省はああしろこうしろとは「絶対言わない」が,「怖くてしようがない」ので我々
が「それを斟酌」する,と述べています.まさにこれこそが官僚支配の「定型」な
のです.
「怖くてしようがない」理由はもちろん政府による「評価」と,文部科学省が直
接の予算権限を持つという二点(特に後者が決定的)です.これがある限り,大学
側は「自主的」に文部科学省の「意向」を予測し,それに沿った「目標」を届け出
る,すなわち暗黙の,不透明な命令制度となるだけです.逆説的なことに,むしろ
あからさまな命令制度の方が「透明性」があるとすら言えるでしょう.
要約致しますと,中期目標・計画の文部科学省制定・認可を廃止するだけでなく,
「評価委員会」を廃止し,評価は(厳密な意味での)第三者評価にゆだねること,
交付金については行政から独立した委員会を設け,これに決定権をゆだねること,
これらの事が最低限必要です.
少なくとも2003年5月15日付けで発表された貴党の「国立大学法人法案修正案
要綱」を見る限り,以上の懸念は拭えませんでしたので,メールを差し上げた次第
です.
以上,どうかご検討のほど,よろしくお願いします.敬具
2003年7月3日
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[4] 7/7 豊島耕一「遠山氏は大臣としての資質が問われている」
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「遠山文部科学大臣の国会での答弁はあまりにも紋切り
型で,質問に対する的確な答弁はほとんど見られず,は
ぐらかしに終始し誠実さが少しも感じられない.それだ
けではなく,「中期目標」指示問題での虚偽答弁や,民
主党櫻井議員に対する「差し替えで出てきた」という発
言など,国会に対する不誠実さ,議員と質問に対する冒
涜と言える態度が見られる.(1)
大臣としての資質が問われる問題はほかにもある.遠
山氏は大臣の肩書きのまま,大企業のコマーシャルに出
演している.それも,文部科学省と深い関係にある大企
業である.02年5月19日の朝日新聞の全面広告に,ドコ
モAOL社長との対談の形式で,遠山文部科学大臣が大き
な写真入りで登場している.現職の大臣が特定企業,そ
れも大企業のコマーシャルに出演した例があるだろうか.
国家公務員法96条は,全体の奉仕者,公共の利益のため
の勤務を定めているが,これとの関係で問題が残る.国
土交通大臣が大成建設のテレビコマーシャルに出演する
という事を想像してもらいたい.公務員の公正・公平性
に背くものとして,大変な非難を浴びるのではないだろ
うか.新聞のコマーシャルも何ら違いはない.(2)
出演にあたって特別な利益供与などの約束はなかった
と信じるが,そうだとしても問題は残る.すなわち「李
下に冠を正さず」ということは公権力を行使する立場の
人間にとっては必須事項である.遠山大臣のコマーシャ
ル出演は著しくこの認識を欠いたものと言わざるを得な
い.もちろん特定企業の利益に奉仕したことは間違いな
く,国家公務員法96条の精神に反する行為と言わなけれ
ばならない.(2003. 7.7)
(1) 櫻井議員に対する暴言を問題にした民主党菅 直人代表の記者会見内容
http://www.eda-jp.com/dpj/kan/030701.html
(2) この問題についての私のコメントは次をご覧下さい.
http://www.geocities.jp/chikushijiro2002/UniversityIssues/commercial.html
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[5] 7/7 鬼界彰夫「遠山文部科学大臣の不信任案を準備しよう!」
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「皆さん
筑波大の鬼界です
最新のニュースによると民主党が小泉首相と竹中経済財
政相を始めとする問題のある閣僚に対する不信任決議案
を終末を迎えた国会で提出するようです。
私達の経験は、どのような基準に照らしても遠山文科大
臣がこのリストの上位に入るべきことを示しています。
民主党の戦術に呼応しつつも、独立のものとして、現行
の教育行政(とりわけ高等教育行政)の亡国性・反国民
性を広く訴え、この忌まわしい流れの長期的転換の起点
となるためにも、是非我々で遠山文科大臣の不信任案を
準備しましょう。列挙すべき罪状は多々ありますが、少
なくとも次の項目が入ると思います。
1.国会では「大学の自主性を尊重している」と国会議
員に対して延べ、現実の大学行政では過労死がでるよう
な作業を拒否できないような服従状態に大学を追い込む
という偽証の罪。
2.1でのべた、「法人化への準備」を口実とした、恣
意的で非人間的で無意味な業務命令による教育研究機関
としての大学破壊の罪。
3.「10人家族8人分食料」というべき政策により人
為的に作り出した不要なサバイバルゲームに大学を放り
込み、それを「競争」と称し、本来大学間で為されるべ
き教育と研究の質を巡る競い合いではなく、互いを傷つ
け自己の利益を図るという行動を大学に押し付けた罪。
(参考発言:私が個人的に話したある大学の学長は会話
の中で、「例えば、鹿児島大学の予算がへらされ、その
ぶん本学の予算が増えるということも可能だから、(法
人化により)設置者が国でなくなるといって必ずしも交
付金が減ると限ったわけではない」、ということを当た
り前のように話した。非公式な発言とはいえ、現在一部
大学の学長の頭の中がどうなっているかよく示す発言だ
と思う)
4.3の不当競争政策の遠源として、本来数値化不可能
な高等教育と研究があたかも数値化可能であり、教育と
研究の評価が数値評価によるべきだという誤った考えに
基づく「遠山プラン」なる高等教育破壊政策を組織的に
推進してきた罪。
これに関しては多くの大学構成員もそれに同調してき
たという意味で罪の一端を負う。どのような優れた研究
をしたかではなく、いくら科研費(税金)を取ってきて、
使ったかを、大学や研究機関や研究者の評価の尺度とし
て使うことは、何本ホームランを打ったかでなく、いく
ら給料をもらっているかで野球選手の評価をするがごと
き愚挙だと思うが、それがいまや大学で「当たり前」の
現象となっていること自体が問題であり、それが「異常」
とみなされることが変革の始まりとならなければならな
い。この不況と財政難の時代に、誰がよりたくさん税金
を使ったか(多くの場合は無駄に使ったか)を自慢しあ
うという恥ずべき行為を大学人はすぐやめるべきである。
我々は誰が優れた研究をしているか、誰が学生のために
効果的な指導をどれだけしているかについて日々各人の
学的価値観の反映として互いに語り合い、討論すべきで
あり、それによってのみ大学は大学として存立しうるこ
とを忘れてはいけない。自分が文科省の知識奴隷(古代
社会でそうした制度は珍しくなかった)でなく、自由な
大学教員であると思いたければ、「遠山化」している自
分を矯正しよう。
その他初等・中等教育に関しても同根の多くの罪がある
と思います。一言で言えば遠山大臣とは文科官僚の象徴
的元首であり、官僚による官僚のための教育改造の象徴
だといってよいでしょう。遠山大臣を辞任させることは、
教育を国民の手に取り戻す第一歩となるのではないでしょ
うか。現場の証人として小中高校の方々とも協力して、
遠山大臣の罪状を緊急にまとめることは、来るべき文部
科学行政がどのようなものであるべきか、来るべき文部
科学大臣がどのような人物であるべきかに関する重要な
指標ともなると思うので、是非この機会に実現しましょ
う。
PS 個人的事情によりしばらくの間皆さんと連絡の取
れない状態に今日から入ります。今までの形態で運動に
参加し続けることができないのは残念なのですが、違っ
た形で参加し続けたいと思います。 鬼界
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[6] 7/7 東京大学職員組合の質問要請事項:非公務員となる法的根拠
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「国立大学法人法案」により国家公務員が非公務員となる法的根拠と手続きに
ついて
○国立大学法人法付則第4条及び第5条で、国家公務員法第82条第2項の規
定(懲戒の場合)により、本人の承諾なしに身分を奪うことができるとすると、
これは、「任命権者の要請に応じた退職とみなす」ことになるが、
◎これは「任命権者の要請があり、それに応じたとみなす」のか、「任命権
者の要請があったとみなし、さらにそれに応じた」とみなすのか。どちらか。
実際に要請は出すのか出さないのか。
◎当人が要請に応じないとした場合、どう対処するのか。
◎これは労使交渉事項か管理運営事項か。
◎総務大臣は「労使交渉事項ではなく管理運営事項として扱い、配置転換さ
せることも考えられる。」という趣旨のことを言っているが、それと文科大臣
の理解との間に齟齬はないのか。
◎国家公務員でもなく、民間人でもないといわれたが、「一体何人といえば
よいのだ」
◎非公務員化は国大協が同意したことか。
◎「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」でどのような議論
がなされ、非公務員とすることが決められたのか。
◎非公務員化に伴う措置として、さまざまなことが必要とされるが、どのよ
うな措置を講じるつもりか。
◎非公務員にすることが学問の自由にどのように貢献すると考えるか。
◎これまで私立大学に比べ国立大学の教員は学問の自由が制限されていたこ
とになるが、それは事実か。事実とすると憲法に違反していないか。」
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配信停止連絡:Subject欄に以下を記載してメールを発行人までお送りください。
配信停止連絡は
no-kd
配信停止るアドレスが、連絡状の発信アドレスと異る場合は
no-kd-1
二度目の配信停止連絡の場合は、
no-kd-2
登録等:http://ac-net.org/kd/a.html
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編集発行人:辻下 徹 tjst@ac-net.org
国公立大学通信ログ:http://ac-net.org/kd
転載・転送歓迎。ただし URL "http://ac-net.org/kd" を併記してください。
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