北海道新聞朝刊2002/05/28 国会きょう正常化 心神喪失者医療観察法案 きょう審議入り 重大事件を起こしながら刑事責任能力がないとされた精神障害者の処遇を定める 「心神喪失者医療観察法案」が二十八日、衆院本会議で審議入りする。 同法案は、殺人や放火などの重大事件を起こし、心神喪失や心神耗弱を理由に不 起訴処分や無罪になった人たちが対象。地方裁判所が裁判官と精神科医の合議で、 「再犯の恐れ」があるかどうかを基準に対象者の入院または通院の処遇を決める。 入院となった人は半年ごとに地裁が再審査するが、入院期間の上限は設けない。 通院は最長五年とした。また、全国五十カ所にある保護観察所に新設する精神保健 観察官が、社会復帰への指導を行う。 これに対し、法案は「精神障害者への偏見を助長する」などの懸念の声があがる 中、民主党は、裁判所と検察庁に精神鑑定センターを設置するなどとする対案を提 出。両案は並行して審議される。