文学部 新キャンパス構想についての意見集約

                   9月 7日 文学部教授会
                   9月14日 文学部拡大企画委員会
                   9月21日 文学部教授会
                   9月28日 文学部教授会
                   

1.慎重意見

①新キャンパス問題について、情報が小出しにされている観があり、これに対して学内に不信感が醸成されている。特に財政問題については、きちんとデータを開示すべきではないか。

②現在衣笠キャンパスでは、国際関係学部と政策科学部がG30 に対応する教学を展開している。もし政策科学部が移転するとG30 対応の教学体制が困難になるおそれがある。

③現在、衣笠キャンパスには18000 名の教職員・学生がいる。適正規模は12000 名であるが、政策科学部が移転してもせいぜい1600 名であり、キャンパスの狭隘さの解消にはつながらない。

④茨城キャンパスを展開すると、「京都の立命館」いわゆる「京都ブランド」が薄まる。また、同志社が京都に学部を回帰させている。最悪の場合、京都で同志社が一人勝ちになることも考えられる。「京都ブランド」が最も必要なのは文学部である。また、同志社に対抗するためにも、さらなる人文系学部が衣笠に欲しい。

⑤性急な多キャンパス化よりも、一部の受験生が立命館大学を忌避する原因を分析して解消すべき。

⑥三キャンパス体制となると、教員・学生の移動の問題、語学・教養教育体制の問題等課題が山積する。それに対しての見通しがあるのか。

2.肯定的意見

①衣笠狭隘化解消策は手詰まりの状況である。今後、18 歳人口の減少とともに学園規模の縮小は必至であり、財政状況に余裕のある現在、好条件の用地があるからには積極的に打って出るべきである。

②いわゆる「京都ブランド」について。文学部は人文学を担う学部として衣笠に残留する。確かに衣笠は交通アクセスに問題があるが、一方で多くの観光資源を抱える。地元と連携する形で、博物館・図書館などのコンテンツを展開し、人文学的知の拠点として存在感を示すべきである。

以上、縷々慎重意見もあるものの、衣笠キャンパス狭隘化の抜本的解決と、目下策定中の文学部改革の具体化のために、文学部では執行部を中心に新キャンパス問題について前向きに受けとめている。