業務監査室 討議集約 2010.9.27

「立命館大学キャンパスに関する将来構想」についての討議集約 業務監査室 2010.9.27

1. 教育の質保証において、衣笠キャンパスの狭隘化が桎梏となっていること、それに対するスペースの確保が喫緊の課題であることは共通認識になっている。

2. しかしなお、このたびの「立命館大学キャンパスに関する将来構想」を全学合意のもとで進めて行くためには、次の点で進め方に不十分さがあると言わざるを得ない。

(1) 提起(7月末)→意見集約(9月末)→決定(10月中)という日程は、 夏休みを勘案すればあまりにも短期間であり、十分な検討を行い、多くの課題 を詰めるには不十分(不可能)と言わざるを得ない。

加えて、様々な指摘にもとづく補足説明文書が検討途中で次々に出されたり、 財政見通しが9月24日15:00に配布される状況では、それらを含めて検 討し、予定された日程で意見集約を行い、決定することは極めて無理があると 考える。

(2)「新中期計画」の中味を保証する条件(スペース)整備への提案とされ ているが、そもそも、「新中期計画」の提起自体がキャンパス将来構想とリン クしておらず、結局再度の検討が必要となるのではないか。

3.さらに十分な検討を要する事項

(1) 一部触れている記述はあるが、この間の大学規模問題と衣笠キャンパス が狭隘化した関連性についての十分な総括がされていない。本学の将来構想に おける学園規模問題を明確にする必要がある。

(2) 「6.今後の進め方」(p26)で、新キャンパス判断後に継続的検討を するとされている、キャンパスコンセプト・教学展開、ガバナンス・マネジメ ント、学生生活・自主活動等課題、既存キャンパス整備課題は、新キャンパス の成否を決める重要な論点であり、それらを今後検討するという状態で土地購 入を決定するのは、リスクが大きいのではないか。

(3)「3)マネジメント・体制」(p19)で、4つのキャンパスにおける マネジメントや体制の課題について、分権化すれば課題が解決できるように読 み取れるが、「学園運営の改革具体化推進委員会」で、3つのキャンパスにお けるガバナンスの課題について議論される中で、分権化によって課題が解決で きるかどうか、結論が出ていない状態である。その状態で、分権化を前提に第 4のキャンパスを展開するのは、リスクが大きいのではないか。

(4)「5.これまでのキャンパス整備の総括と今後の方針」(p22)に記 されているこれまでの問題点(¶*)は、非常に重要な指摘であるとともに、キャ ンパス整備に留まらない大きな課題であるため、別途「学園運営の改革具体化 推進委員会」等で、十分に総括をする必要があるのではないか。

新キャンパスを開設するとすれば、どの学部が行くにしても、既存キャンパス を含めた今後の教学上のコンセプトを、全学で共有することが必要であり、そ のための全学的議論を十分に行う必要がある。新キャンパス開設を判断する際 には、そのような全学的議論が十分に行われ、かつ全学で一致できたのかどう かを慎重に見極める必要がある。


(¶* 見出しは以下の通り)
(i) キャンパス整備のガバナンス
  1) 既存キャンパス整備への手薄さ(BKC移転後の衣笠整備構想欠如)
  2) 教学新展開時のキャンパス整備について
   a) 計画担当部署と教学部等の教学関連部署との関係
   b) 財政的検討と教学的検討の課題(教学優先の財政政策の考え方)
   c) 新教学展開に伴う事務体制の検討不足
   d) 新教学展開の管理運営体制および責任の課題
  3) キャンパス整備のマネジメントについて
   a) 学生実態の変化への対応
   b) 大学運営の集約点としてのキャンパス整備のマネジメント
   c) 教学と条件環境の運営