「立命館大学キャンパスに関する将来構想」についての経済学部意見(案) (by 2010/09/28 経済学部教授会)

経済学部は9月7日の教授会、9月14日および21日の拡大企画委員会において新中期計画特別委員会報告「立命館大学キャンパスに関する将来構想」について議論を行い、多くの意見と疑問が出された(添付資料参照)。経済学部教授会は新キャンパス構想について、以下の意見を表明するものである。

1.キャンパス構想の検討は、本学園の50年後を左右するほどの大きな課題である。その判断にあたっては、本学の教学優先の原則にもとづき、慎重かつ多面的な検討により全学の合意形成をはかり、それにもとづいて行うことが何よりも重要である。そのさい、判断の前提として少なくとも、(i)教学展開についての検討、(ii)入試や入学者構造の変化に関する検討、(iii)教職員の体制についての検討、(iv)財政見通しについての検討、が必要であろう。また、これまでのキャンパス整備の総括と教訓をふまえて、今後のキャンパス整備に生かしていくことが重要である。

2.キャンパス構想の検討と全学合意の形成にあたっては、判断材料として教学展開、入試、人的体制、財政見通しに関する情報の開示が欠かせない。しかしながら、とくに重要な教職員体制や財政の見通しについて、非常に限定的な情報の開示にとどまっていることは大きな問題である。検討に必要な資料を可能なかぎり開示することを強く求める。

3.今回の特別委員会の提起は、実質的には9月1ヶ月という短い期間の議論で、きわめて重大な判断をしようというものであるが、各方面から提起されている疑問や批判に対して議論が尽くされたとはとうてい言いがたい。将来に禍根を残さないために、10月の期限にこだわることなく、議論を尽くすことを常任理事会に要請する。たしかに衣笠キャンパス狭隘化の解決は焦眉の課題であるが、解決策の検討にあたっては拙速に陥らず、京都市山ノ内浄水場跡地の利用や収容定員のダウンサイジングなど多様な選択肢を粘り強く追求するべきである。既存キャンパスの再整備は喫緊の課題であり、BKCにおいては少なくとも教室条件、食堂および交通アクセスの改善について今まで以上に取り組みを強化することを求める。

4.いま憂慮されるのは、新制度での総長選挙を10月31日に控えたこの時期に、全学合意のないままに理事会において決定が強行されることである。もしそうなった場合には、理事会が唱える「信頼回復」は完全に遠のき、長期にわたって修復できない亀裂と不信を残すことになるであろう。そのような事態はなんとしても回避しなければならない。経済学部教授会は、全学合意のないまま決定を強行しないこと、そして全学に支持されるキャンパス構想策定に向けて力を尽くすことを常任理事会に対して強く求めるものである。

                            以 上