新キャンパス購入に関わる政策科学部意見集約

                   2010 年9 月14 日 政策科学部教授会
                   2010 年9 月17 日 政策科学部拡大企画委員会
                   2010 年9 月28 日 政策科学部教授会

1.教授会で出された意見

・新キャンパス展開は学園の将来構想に大きな影響を与える事柄であるにも関わらず、この間の新中期計画の諸委員会でも議論をされておらず、整合性がとれていない。もう少し早く提起して、新中期計画の中で議論すべきではなかったのか。

・今次の新キャンパス展開は衣笠、BKC 双方のキャンパスの新たな展開にも関わる問題であるが、費用を含めてそれらについて十分な言及がなく、3 キャンパス全体の枠組みが示されていない。加えて、キャンパスのコンセプトを後から考えるというスタンスに対して大きな危惧を抱いている。

・現状で何が課題なのかが明確に示されないまま、なぜ性急に新キャンパス購入を進めようとしているのか理解できない。衣笠キャンパスの狭隘化が挙げられているが、教育学部、心理学部等の新学部や新研究科設置構想についても、衣笠キャンパスの現状の中で展開可能であるから展開されてきたのではないのか。新規展開を行ってきた結果、キャンパスが狭くなった、だから新たなキャンパスが必要とのロジックはあまりにも稚拙ではないか。

・学園の将来を大きく左右する事柄であるにもかかわらず、学部に知らされたのは7 月であり、9 月中に学部の意見集約を求めるのはあまりにも唐突かつ性急ではないか。

・現状の衣笠キャンパスの狭隘さの課題は理解できる。しかし、現在定員増を伴う教学改革が提起されているわけではなく、今新キャンパスを購入しなければならないことの意義が明確ではない。

・これまでの新キャンパス取得については、公私協力の形で展開をしてきているが、今回のようにお金を支払って土地を購入するという展開は異例ではないか。茨木市がどのような支援をしようとしているのかを明確にする必要がある。

・立命館は京都の大学というイメージがあるが、滋賀に加えて大阪に展開するとなると、学園イメージの喪失に繋がるのではないか。

・今回購入予定の土地は衣笠キャンパスと同規模が想定されているが、衣笠キャンパス狭隘化解消および新教学展開のためであればあまりに広過ぎるのではないか。また、広大なBKC からなぜ学生を出さねばならないのか。全体のキャンパスのキャパシティを踏まえて、新キャンパスの広さを含めた今後の新展開のあり方を検討する必要がある。

・判断をするための長期的な視点に立った事業上の十分なリスク評価がなされていない。リスク評価に対する費用を惜しまず、それなりの費用をかけ、外部の専門機関に実施してもらうことが必要である。

・これまでに立命館大学が新キャンパス展開をした際に、各学部教授会にキャンパス用地購入そのものを意見集約に付すという方法をとってこなかったはずである。キャンパス用地の購入については、責任ある立場の人が責任をもって決定すべきであり、土地の購入は理事会の判断でなされれば良いのではないか。ただ、その際には学園財政に与える影響と今後の財政上の課題については全学に明確に提示されるべきである。

2.政策科学部としての見解

・衣笠キャンパス狭隘化により、新たなキャンパスが必要であるという一般的な必要性については理解できる。

・しかし、本件の茨木のビール工場跡地を新キャンパス用地として購入することに関しては、政策科学部教授会として意見を集約するに至らなかった。

・少子化が見込まれている中、広大な土地とそれに比しての建物の規模を勘案すると、10 月中に茨木の土地購入に関して意思決定を行うことについては、強い反対意見もある。

・もし新キャンパス購入がなされた場合においても、政策科学部教授会では新キャンパスに移転することについて一致していない。

・もし新キャンパスが購入された場合には、新キャンパスに移転する学部と残る学部の双方の教学が発展する方向での議論が必要である。そのためには、単なる既存学部の個々の移転の話だけではなく、新中期計画策定の議論において衣笠キャンパスの社系学部再編について提示されているように、学部再編を含めた新たな教学展開を図る方向での教学改革議論が必要である。

以上