回答6 (by 政策科学部教員)


○「退任慰労金」倍増の決定過程について
○総務部次長の処遇について
○顧問の処遇について
○まとめ

○「退任慰労金」倍増の決定過程について

 元理事長(現・顧問)と前総長が役職を退任したのち、一般理事会の決定により事後的に遡って規程を変更し、従来規程の金額の2倍の「退任慰労金」を支払ったことに対しては、私も含め多くの教職員が愕然とし、教職員組合や学生からも強い批判を浴び、社会的にも疑問の声があがったことは、いまだに記憶に新しいところかと思います。

 ところで、この規程変更の手順について気になるのですが、なぜ「退任慰労金」を倍増する議案は、常任理事会の先議を経ず、一般理事会で決定したのでしょうか。また、一般理事にはこの議案に対する賛否の判断をするだけの充分な時間的余裕と必要かつ充分な情報が提供されていたのでしょうか。お答えいただきたいと思います。

 次に、この事案について総務担当常務理事がどの程度関与していたのかを明らかにしていただきたいと思います。手元にある2004年の教職員名簿で、総務担当常務理事と元理事長の住所を確認し、Googleマップで調べてみましたところ、二人は道を隔てた隣同士に居住していることがわかりました。偶然とは考えにくいのです。おそらく二人は個人的に親しいのでしょう。

元理事長は旧規定によれば6000万円を受け取ることになっていたはずですが、規程の事後的変更により1億2000万円を受け取ったと言われています。この6000万円もの高額な差額を受け取ることなる決定につき、仮に支払うことになる側の意思決定に、受け取る側の隣人が深く関与していたとするならば、その意思決定に不可思議なものを感じるのは私だけではないと考えています。明快なご説明をお願いしたいと思います。

 さらに申し上げれば、総務担当常務理事の立命館学園入職のいきさつや、その後の異例の出世についても、この隣人同士であるという親交がはたして関係しているのかいないのか、疑問視する向きは多いこともお伝えしておきます。少なくとも学生に対して全く説明がつかないと思います。また、内部通報の通報先としても、そのような人物は相応しくないと考えます。

○総務部次長の処遇について

 評議員選挙において新入職員に対する電話による投票誘導があったことは学園を驚かせました。ところで、その事件の実行者とされる人物は、学園のウェブサイトで確認したところ、いまだに総務部次長職にとどまっており、しかも、あろうことか学園の「ハラスメント防止委員会」の事務局を担っています。事件について実行者本人に対していったいどのような注意や指導が行われたのか、また、どのような理由で現職に留まっているのかを、わかりやすく説明していただきたいと思います。

○顧問の処遇について

 元理事長(前相談役)は現在は顧問であり、学園の役員ではありませんが、何人かの私の知人の「証言」によれば、顧問は最近も頻繁に朱雀キャンパスに来訪されており、役員室も利用し、職員に対して「命令的な業務依頼」(「○○を呼んでこい」のような)をされていると聞きます。このような役職に則らない行動に対しては、毅然とした「取り締まり」が必要であると私は思いますが、なぜそのような行動が放置されているのか、わかりやすくご説明いただきたいと思います。

○まとめ

 ほかにも申し上げるべきことはあろうかと思いますが、今回は3点に絞って回答(質問)させていただきました。上記はいずれもコンプライアンス上の説明が難しい、きわめて属人的な関係から発生している事態であると私は思います。 規模が大きくなり、社会的責任も重くなった本学園としては、誰にでも説明のできる近代的かつ合理的な判断が求められるのと思います。元トップとそれに近い人たちに対して「甘い」判断、そして全教職員に対にしては一律に年収をダウンさせるという血も涙もないほど「苛烈な」処遇、このような連鎖を誰にでもわかる形で明白に断ち切らない限り、信頼回復への歩みは始まらないと思います。そのためには、切れ目を明確に示す「儀式」のようなものも必要であると私は考えています。