ボーナス１ヶ月分を取り返す理工・情報理工教員集会 日時：４月１１日（火）１９時〜 場所：コアステーション２階大会議室 呼びかけ人：赤堀次郎，荒井正治，辻下徹，小野文一郎，小笠原宏，里見潤， 吉田真，杉本末雄，高山茂，酒井達雄，坂根政男，中島淳 理工学部と情報理工学部の教員の皆さん。私たちは，「ボーナス１ヶ月分を取 り返す理工・情報理工教員集会」の開催を呼びかけます。この集会は組合の集 会ではありませんが，組合員・非組合員を問わず，ご参加ください。 この集会の目的は，「昨年未払いの一時金一ヶ月分を教職員に支払った上で， 今年の春闘では組合および教職員に誠実に対応すること」を理事会に要求する とともに，「一時金一ヶ月分を取り返すために，訴訟やストライキを含むあら ゆる手段で闘うこと」を組合に求めることです。両者の真摯な対応によっての み，この問題の解決に展望が開けると考えます。この集会は組合の集会ではあ りませんが，現在の状況やそれに対する組合の考え方を知るために，組合の幹 部の出席を要請しています。 なお，この問題に対しては，今年に入ってから組合のニュースもあまり出され ておらず，最近の経過をよく知らない方が多いと思われます。ついては，私た ちが調べた範囲の情報を下にお知らせします。 １）地労委の斡旋と組合の対応 ３月９日に一時金カット問題で，組合が京都地方労働委員会にあっせんを申し 立てていた件で、以下のあっせん案が示されました。「労使双方は、学園の発 展のため現下及び将来の諸問題について合意出来る環境作りに向け、真摯に対 応されたい。」 組合は，「このあっせん案は、事実上、一時金カット問題について、理事会が 主張するように「すでに決着済」とは言えないこと、理事会には説明しきる責 任があることを、公的な機関が評価したといえます。」と評価し，これを受け 入れました。そして理事会に対して団体交渉を申し入れましたが，理事会はこ れを拒否しています。 ２）理事会の対応 理事会も斡旋案を受諾しその理由を大学のHPに公開しています（下に転載します）。 http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/kyousyokuin/kyotofuroudou.htm それによると理事会は「2005年度の一時金等に関する組合交渉について、誠実 な団体交渉等を尽くしたうえで、その権限と責任において年末一時金の振込み を行ったことによって終了したと考えている」のです。「それにも関わらず （中略）斡旋協議に常任理事会が応じたのは、今次の常任理事会提起が社会的 に見てどのような意味をもつか、そして本学の労使慣行がいかに時代に遅れた 状況にあるかを明らかにするためであった」というのです。 まったく、お話になりません！ 『ボーナス一か月分返せ！！』というわれわ れの意思を明確に示し，あらゆる手段で闘う決意を示さなければ，理事会の横 暴がさらに加速することになることは明らかです。 ************************************************************************** 京都府労働委員会斡旋案受諾について 2006年3月15日 常任理事会 ■はじめに 3月9日、京都府労働委員会第３回斡旋の場において、以下の内容の斡旋案が出 された。 常任理事会は、以下の理由をもって今次の斡旋案を京都府労働委員会指定の3月 15日に受諾することとした。本案は、立命館学園における歴史的な労使関係上、 重要な意味をもつものであるので、常任理事会として同斡旋にどのような態度 で臨み、どのような考え方のもと今次の斡旋案を受託したのか明らかにしてお くこととしたい。 ＜斡旋案＞ 「労使双方は、学園の発展のため現下及び将来の諸問題について合意できる環 境作りに向け、真摯に対応されたい。」 ■斡旋案受諾の理由 １．京都府労働委員会の斡旋協議に応じた意味 常任理事会は、2005年度の一時金等に関する組合交渉について、誠実な団体交 渉等を尽くしたうえで、その権限と責任において年末一時金の振込みを行った ことによって終了したと考えている。それにも関わらず、立命館教職員組合連 合（以下、組合という）が京都府労働委員会（以下、府労委という）に申請し た斡旋協議に常任理事会が応じたのは、今次の常任理事会提起が社会的に見て どのような意味をもつか、そして本学の労使慣行がいかに時代に遅れた状況に あるかを明らかにするためであった。 ２．府労委の斡旋協議の経過 府労委の斡旋協議は、1月16日、2月10日、3月9日の３回行われた。この間、常 任理事会は、以下の内容を斡旋の対象事項とすることを求める意見陳述書（こ こで示すのは基本骨子のみ）を提出した。 ＜意見陳述書の骨子＞ (1)団体交渉のルール 出席者の人数、交渉員が与えられているべき権限、交渉日程の決め方、交渉時 間、議事録の作成、交渉内容の公表の仕方 (2)団体交渉、業務協議会等の労使の交渉の機会の位置づけ、役割分担、今後の あるべき姿 (3)賃金・賞与の各人別の配分、支給体系のあるべき姿 府労委はこの意見陳述書およびそれにもとづく常任理事会の主張に対して、大 筋において理解を示し、斡旋協議の場においても各斡旋員が立命館学園の給与 体系や労使関係（労使慣行）の前時代性を指摘する場面が多々見られた。 ３．斡旋案の受諾にあたって−提示案をどのように理解するか このような経緯を経て、3月9日、第３回斡旋の場において、府労委は以下の斡 旋案を提案した。 「労使双方は、学園の発展のため現下及び将来の諸問題について合意できる環 境作りに向け、真摯に対応されたい。」 上記は、文言だけをみればきわめて抽象的ではあるが、この斡旋協議に臨んだ 当初の目的から見て以下のように評価することができる。 先述したように、常任理事会は府労委に意見陳述書を提出し、(1)団体交渉の新 たなルールづくり ，(2)団体交渉・業務協議会のあり方の見直し (3)賃金・賞 与の各人別の配分、支給体系のあるべき姿 などについての協議が斡旋案に盛り 込まれるべきことを提案した。これに対して、府労委は、常任理事会の主張を 盛り込んで、「・・・学園発展のため現下及び将来の諸問題について合意でき る環境作りに向け、・・・」の文言を提示し、立命館学園における新たな労使 慣行ルールの確立を希望する斡旋案を提示した。本来ならば、上記��の賃金・ 賞与の各人別の配分、支給体系のあるべき姿について具体的に踏み込んだ斡旋 案となるべきであったが、それは今後の交渉事項に委ねられた事項と理解する こととし、常任理事会としては今次の府労委の斡旋案を受諾することとした。 ４．さいごに 今次の府労委の斡旋協議は、常任理事会にとって、昨年の一時金等に関する組 合交渉の経緯が妥当なものであり、労使関係が前時代的なものであることが社 会的にも理解されたという意味で重要な成果があったと考えられる。特に昨年 の団体交渉を実施する際にも、組合に対して要望してきた労使関係のルールづ くりの必要性について、本学が歴史的に実施してきた業務協議会等は事実上の 大衆団交であり、今日の段階においては前時代的なものであることを、府労委 の斡旋をつうじて明らかにした。 これまで、本学は他に先駆けて大学改革を推進してきた。この改革を進めるた めには、それに相応しい組織のあり様も模索していかなければならない。そし て、そうしたなかでは労使慣行の見直しも必要である。その意味で、今次の府 労委の斡旋はその契機を本学園に与えるものであった。労働委員会という第三 者機関によって、新たな関係創出につながる重要な示唆を得ることができたと 考えるものである。 以上