私大連盟不適切支出記事

私大連盟が3300万円不適切支出 パーティー券購入も(朝日7.4)
私大連:不適切支出3300万円 パー券購入、料亭懇談会(毎日7.4)
ヤミ報酬に料亭…3300万円不適正支出 私大連に文科省が改善指導(産経7.4)
私大連盟の前事務局長、不適切支出は4年前から(読売7.5)

私大連盟が3300万円不適切支出 パーティー券購入も(朝日7.4)

朝日新聞 2008年7月4日

文部科学省所管の社団法人「日本私立大学連盟」(会長=安西祐一郎・慶応義塾長)が07年度、約3300万円の不適切な支出をしたとして、同省から会計業務の見直しなどを指導されていたことがわかった。同省の調査で、事務局員による高級焼き肉店での忘年会や、政治家のパーティー券の購入などに高額の支出をしたことが確認され、文科省は「公益法人の目的に照らして不適切」と判断した。

これを受けて連盟は4日、緊急の常務理事会を開き、これらの支出を決裁していた事務局長(56)を解任、財務担当理事を長田豊臣・立命館理事長から白井克彦・早稲田大総長に交代させた。また、業務改善委員会(仮称)を設置して対応策を検討する。

同省によると、連盟は、24人が参加した焼き肉店での事務局の忘年会(07年12月)に約90万円、7人が参加した高級料亭での役員懇談会(08年2月)に約69万円を支出するなど、多数回にわたって社会通念上不適切な支出をしていたという。

また、パーティー券の購入は206件計1033万円に上り、同省は「公益目的事業にあたらない活動であるパーティー券購入に多額が費やされている」と指摘した。

支払い稟議(りんぎ)書があっても支出後に作られていたり事務局長の押印しかなかったりと、会計処理の面でも不適切な点があった。事務局長が連盟の貸付制度を通常よりも低い利率で利用していたことも発覚した。事務局長は財務担当理事の口頭の了解を得たと説明しているという。

文科省は連盟に対し、「全役員、会員、職員に公益法人としての自覚ある行動と意識改善を求める」よう要請。さらに、支払い稟議書の作成方法の見直しなど11項目にわたる改善事項を示した。

連盟は1951年に設立され、124大学が会員。06年度の事業活動収入は約4億1千万円(決算時)で、主に会員大学の会費でまかなわれている。(大西史晃)

私大連:不適切支出3300万円 パー券購入、料亭懇談会(毎日7.4)

毎日新聞 2008.7.4

 私立大124校が加盟する社団法人・日本私立大学連盟(会長・安西祐一郎慶応義塾長)が昨年度、約3300万円の不適切な支出をしたとして、文部科学省から事務局体制の抜本的見直しなどを求める行政指導を受けていたことがわかった。政治家のパーティー券購入に1000万円以上を支出し、高級料亭での役員らの懇談会に1人当たり約10万円を出すなどしていた。

 同連盟は4日、緊急の常務理事会を開き、支出を決めていた赤坂雄一事務局長(56)を解任、長田豊臣・財務担当理事(70)を交代させた。

 文科省によると、同連盟は昨年度、パーティー券購入に1033万円(206件)を費やした。1件当たり2万~20万円で「会合費」や「活動対策費」の名目だった。また、料亭で役員ら7人が参加した懇談会費として約69万円、24人が参加した事務局の忘年会費として約94万円を使うなどした。スナックでの打ち合わせなど必要性が疑問な支出も含めると、不適切な飲食代は約1780万円(107件)に上る。

 このほか役員全員に年2回、規定にはない「役員交通費」を1回当たり10万~20万円渡していたが、文科省は報酬と判断。総額は約460万円に上る。赤坂局長が連盟の貸付金制度を使い、年利1%で約230万円を借りていたことも不適切と判断した。内規では年利2.5%なのに、変更に必要な理事会承認を得ていなかった。

 文科省は「パーティー券購入は違法ではないが、(規模が)度を越しており、公益目的とは言えない。飲食代もあまりにも高額なものが含まれ非常に不適切」とした。

 会見した同連盟の本田博哉参与は不適切な支出について「慣例として続いていた。事務体制の不備だった。深くおわび申し上げる」と謝罪。赤坂事務局長は連盟に対し「慣行にのっとってやった。私的流用は一切ない」と話しているという。【加藤隆寛、三木陽介】

毎日新聞 2008年7月4日 19時30分(最終更新 7月4日 23時24分)

ヤミ報酬に料亭…3300万円不適正支出 私大連に文科省が改善指導(産経7.4)

産経新聞 2008.7.4

 社団法人「日本私立大学連盟」(会長・安西祐一郎慶応義塾長)が不適切な会計処理を行ったとして、所管の文部科学省から指導を受けていた問題で、平成19年度の不適切な支出が総額で約3300万円に上っていることが、文科省の調査で分かった。1人10万円の高級料亭での懇親会費などの飲食費約1800万円や政治家のパーティー券購入費約1000万円について、「公益法人の事業とは見なせない」と認定、事務局組織の見直しなど改善を求める行政指導を行った。

 不適正支出は同年度予算(約4億2000万円)の約8%にあたる。私大連では4日午前、緊急常務理事会を開き、これらの支出を決裁していた事務局長(56)を解任。決裁を了承していた長田豊臣立命館理事長も財務担当理事から外し、改善のための検討委員会設置を決めた。

 調査結果によると、事務局職員約20人による高級焼肉店での忘年会費用に約90万円をあてるなど高額な飲食が目立った。一部加盟校の学長らに一律支給していた「役員交通費」約460万円については「ヤミ報酬」とみなした。

 文科省では、3月中旬に調査した際、事務局長の単独決裁が多いとして口頭で改善を指導。6月中旬の再調査の結果を踏まえて今月1日、私大連の役員らに対し、11項目の改善を文書で指導した。

私大連盟の前事務局長、不適切支出は4年前から(読売7.5)

2008年7月5日03時07分 読売新聞

 文部科学省所管の社団法人「日本私立大学連盟」が昨年度、高額な飲食や政治家のパーティー券購入に約3300万円を使っていた問題で、責任を問われて4日午前、解任された同連盟の赤坂雄一・前事務局長(56)は少なくとも4年前から同様の不適切な支出を続けていたことがわかった。

 赤坂前事務局長は月3~4回のペースで連盟から1回10万~30万円の現金を持ち出したうえ、スナックなどでの「打ち合わせ」や「懇談会」の支払いにあて、会計処理は後日、自分と派遣社員の2人だけで行っていた。

 同連盟の事務局職員約20人のうち、赤坂前事務局長がどの程度の頻度で、いくら現金を持ち出していたか把握している職員はいなかった。このため文科省は、決裁前の現金の持ち出しをやめ、現金の取り扱いについての規定を整備するよう指導した。

 同省は先月、同連盟の会計実態の調査に入った際、昨年度だけでなく、伝票などが残っていた2004~06年度分も調べた。

 その結果、料亭やスナックなどでの高額な出費は04年度から続いており、こうした不適切な支出は、06年度も概算で昨年度とほぼ同じ約3000万円あった。

 さらに同省が聞き取り調査をしたところ、赤坂前事務局長は月に数回、スナックや料亭での「打ち合わせ」や「懇談会」を行っており、その支払いは、月3、4回にわけて連盟から持ち出した現金をあてていたことがわかった。連盟には会計担当課長がいたが、赤坂前事務局長はこの課長を通さず、店から受け取った領収書を自分で伝票にはり付け、派遣社員に提出して会計処理していた。

 連盟には、出入金状況を記録する現金出納簿や現金の取り扱い規定もなく、年に一度の監査も形式的なもので、同省は「内部のチェック機能は全く働いていなかった」としている。

 4日付で事務局長代行となった連盟の本田博哉参与は同日夜、「(加盟大学の学長や理事長が務める)理事は皆パートタイムで、会計のことは把握していない。自分もこんなずさんな会計システムとは知らなかった。みんな自分たちの会合がこれほど高額と知って驚いていた」と述べた。