ゆにおんNo.85(2006.10.6)より
総長候補者のみなさまへ

総長選任にあたっての公開質問状

2006年10月6日
立命館大学教職員組合
委員長 木田 融男
拝啓

平素は、教職員組合のとりくみ・活動にご理解・ご協力いただき、誠にありが とうございます。

さて、総長候補者3名が、先の総長候補者推薦委員会での議論を経て、10月2 日(月)には学園ホームページにて公開されました。立命館学園の総長は、ご存 知のとおり全学で一致した政策を遂行する先頭に立つにふさわしい総長を全構成 員の叡智を結集して選出してきた歴史的な経過があり、その選出過程は、立命館 学園民主主義の象徴として学内外問わず高い評価を得てきました。学内において は、「政策に一致した」総長とともに、学生・教職員問わず全構成員が学園創造 のために、全学協議会や業務協議会のもとでの議論を組織し、学園への参画感を 高め、立命館アイデンティティを形成してきました。そういう意味でも総長は、 学園の教学の最高責任者としてだけではなく、立命館の「平和と民主主義」とい う教学理念の象徴として、強いリーダーシップが求められるのは言うに及びませ ん。

今回の新しい総長選任制度のもとでも、様々な場面で議論し、確認された学園 政策を推進するに相応しい人格・識見ある総長を、全構成員の意向を反映して選 出することになっています。そこで、多くの教職員を組織する教職員組合として、 総長候補者のみなさんが、学園政策や情勢をどのように捉え、そのもとで教学理 念をどう捉え発展させようと考えているのか、または、学園で議論されている政 策や学園の現状についてどのようにお考えになっているのか、どのように認識し ておられるのか等について、教職員のなかで共有することが、学園創造への参画 感を高めることになると考えています。ぜひ下記の質問への見解をお聞かせくだ さい。

つきましては、ご回答いただきました内容は、教職員に広く公開し、学園課題 の共有し、総長候補者について、少しでも深めることができればと考えています。 ご協力いただければ幸いです。

質問項目

現在、日本国憲法や教育基本法の改正が国会で議論されています。組合 は、これらの改正により戦争が肯定され、日本の教育そのものが変質するのでは ないかと懸念しています。「平和と民主主義」を教学理念に掲げる立命館として、 これらの情勢についてどのようにお考えでしょうか。また、こうした情勢の下で 今後の学園創造や学園運営、教学政策に今後どう継承・発展させようとしている のかお聞かせください。

 学園課題について、とりわけ現在まで全学で討議されている「中期計 画」についてですが、全学で丁寧な討議が行われ、全学の合意に基づいて策定さ れるべきものだと考えています。この観点から、教職員組合は、この中期計画は いまだ継続審議の途上であり、全学の合意に達していないと考えています。常任 理事会は、9月27日をもって最終的に策定したとしていますが、候補者のみなさん は、この文書が全学合意の下で策定されたものとお考えでしょうか。また、学園 創造をすすめていくにあたって、この文書の位置づけについて、どのようにお考 えなのかお聞かせください。

 学園創造をすすめるにあたり、学園として「児童・生徒・学生・院生 像」を基本に据えて全構成員の丁寧な議論と合意のもとで策定していくことが重 要だと考えています。今回の中期計画では、具体的な「児童・生徒・学生・院生 像」の提起はありませんが、この点をどのようにお考えでしょうか。また、今後、 学園政策を進めるにあたって「児童・生徒・学生・院生像」をどのように位置づ けているのでしょうかお聞かせ下さい。

 「平和と民主主義」という教学理念の象徴が全構成員自治の基本だと 考えていますが、全構成員自治を具現化している全学協議会や業務協議会につい ての基本的考え方と、学園創造をすすめるにあたってどのように発展・継承させ ていくべきかお聞かせください。  これまでの学園の発展は、組織された現場の教職員の奮闘に支えられ てきたと組合は考えています。今後、学園創造をすすめるにあたって、教職員の 叡智の結集や教職協同についてどのように考えているのかお聞かせください。

敬具

10月11日までに回答お願いいたします。

また、以下の通り10月12日(木)の19時から2時間程度で、総長候補者のみなさ まにご足労いただき、公開質問状の質問項目にもある点も含め、みなさまのお考 えをお話していただく機会を設けたいと考えています。ぜひご出席していただけ ればと思います。なお、欠席される場合は、公開質問状の回答を紹介させていた だきます。

学友会・院生連合協議会・教職員組合 共同企画
学園創造フォーラム「総長候補者からのメッセージ(仮称)」
 日 時:10月12日(木) 19時〜 (2時間程度)
 場 所:恒心館730教室 − アドセミナリオ301教室(TV会議接続)